二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族（ハーレム）を増やす〜

初戦５

「あっ、ベイル様！　お帰りですか？」
「スピルか……少しレヴィを任せる。俺はちょっと露払いをしてくる！」
「はい。レヴィちゃんの事はお任せ下さい！　ベイル様もお気を付けて……」

　苦しそうに浅い息を繰り返すレヴィの肩を抱きながら、スピルは不安そうな表情をして俺を見つめていた。

　きっと自分も戦闘に参加したいと言い出したいのだろうが、足手纏いになるのも理解しているのだろう。

「大丈夫だ……俺は負けない。最強のお前達の主人だからな！　安心して待っていろ！」
「はい」

　俺は微笑んでスピルにそういうと、屋敷でスピルにレヴィを任せてワープで街へ戻ってきた。

　一度は撤退していた魔族達が次々と街の中に入ってくる。

　城門の前には巨大なゴーレムが5体、そして後ろからさらに魔族が続々と入って来ている。

「さてと、一仕事するか……力を抑えてな。ニール！　スイレン！　ツバキ！　レヴィの分まで俺の仕留め損ねた敵を頼む！」

　３人は力強く頷くと俺の後ろに備える。

　俺は魔族達を睨みつけると、片手剣を構えて魔族達に向かって走り出した。

　魔族達は確かに強い。だが、俺には指先ひとつで倒す事が出来る。

　俺は魔族達を次々に斬り伏せていく、魔族達は俺が弱いと思っているのか、余裕の表情を浮かべて俺に襲い掛かってくる。

　それを俺は出来るだけ一太刀交えて力量を合わせ確実に倒していく。

　魔族達は俺が本気を出さずに戦っている事に気が付いていない。

　俺の本当の実力を知らないからこそ、俺を侮り油断してくれるのだ。

　逆にスイレン、ツバキ、ニールは一撃で確実に敵を倒している。

　俺は魔族達を殲滅しながら、城門から街の外へと押し返して行った。そして、魔族達が撤退を始める。

　だが、そこに巨大なゴーレム５体が城壁に張り付く。

「……さすがに城壁を壊されるわけには
いかないな。ちょっとだけ実力を見せるか……実力を悟られない様に一瞬でな！」

俺は剣を構えると、ゴーレムに向かって駆け出した。

　城壁を叩いて破壊しているゴーレムが俺を見つけて、巨大な腕を振り上げて殴りかかってくる。

　俺はゴーレムの攻撃を避けながら、ゴーレムの頭に狙いを定めて斬撃を放つ。

　その直後、ゴーレムが砕け散って砂となって消えた。

　近くのゴーレムが消えてなくなった事で、他のゴーレムが俺に襲い掛かってくる。