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魔族軍との戦闘2

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 そして、その魔王軍を迎え撃つ為にこの国が用意した戦力が正規軍と冒険者ギルドだ。

 冒険者ギルドは冒険者の中でも、最高ランクのSランクにこれだけ高待遇なのは釣った魚を逃さない為だろう。

 だが、今更止めるわけにもいかないし、止める気も俺にはない。

 俺はカトルに向かって言った。

「大丈夫だ。何があっても俺がお前達には手を出さない。安心しろ」

俺がそう言うと、カトルは頬を赤く染めながら顔を逸らす。

「あ、当たり前じゃない! あたし達のご主人様なわけだし……ま、守ってくれるのは当たり前よね。ってあれ? でも、あたしは眷族で……眷族がご主人様に守られる? あれ?」

 カトルは頭を抱えてパニックになっていた。

 俺は目を回して頭を抱えているカトルの頭を撫でると、カトルがハッと正気に戻る。

 カトルは俺と距離を取ると、顔を真っ赤にしながらビシッと指差しながら言い放つ。

「あ、あんたを。ま、守ってやるのは。こ、こっちなんだから、勘違いしないでよね! あと、撫で撫でならしっかり任務を果たしてからにして! 今されたらモチベーションが下がるでしょ! それじゃ、あんた達も気を付けなさいよね……」

 そう言い残してカトルはスッと俺達の前から消えた。

 その直後、王城の中に緊急事態を知らせる鐘が鳴り響いた。

 俺達は急いで支度を整えて、城の外へと出ると街の至る所に火の手が上がっている。

「敵襲かッ!?」

 俺達は空へと飛び上がると、街の上空から戦場を見渡す。

 俺達が見下ろした先では、頭に角が生えた無数の魔族が街中を暴れまわっていた。

 俺は地上にいる無数の魔族をスキル『心眼』で調べる。

 魔族達はレベルが20から30くらいだったが、一般的な兵士のレベルが強くて5しかない。これでは太刀打ちが出来るはずがない。

 俺は空中から兵士達が戦っている場所へと目を向ける。

 レベル差のせいか兵士達が振るう剣は魔族の皮膚に触れた瞬間に簡単に弾かれ、槍は刺さらずに折れてしまう。

 兵士達は次々と倒されて、中には戦いを諦めて逃げ惑い始める者までいる始末だ。

 兵士達の悲鳴が響き渡る中、俺達はなるべく人が少ない場所に降り立った。

「くそ! どうなっている! 城門をこんなに簡単に破られるものなのか!?」
「ベイル殿。今はそんな事を言っている場合ではありません。儂等も戦闘に参加しなければ全滅します!」

 ニールに諭された俺は冷静さを取り戻す。

「そうだな! とりあえず。城外まで押し返すぞ! だが、無理はするなよ!」

  俺の言葉に仲間達は静かにコクリと首を縦に振って答える。
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