二度目の異世界に来たのは最強の騎士〜吸血鬼の俺はこの世界で眷族（ハーレム）を増やす〜

報告２

　まあ、リアラの場合はルイの事を気にしているから仕方ないだろう。おそらく。リアラ本人は俺の戦闘をサポートしたいと考えているがまだ戦闘経験のないルイを連れてでは足手纏いとなる可能性が高いからルイを連れて行けないと理解していた。

　だから、あえて行きたいと口は出さなかったのだろうと俺は悟った。

「……リアラ。今回は偵察的な意味合いが強い。お前は残ってルイの戦闘訓練をしてやってくれ。魔王との戦闘に備えてな」
「はい！」

　リアラは俺の顔を見て力強く頷くと、隣で頬を赤らめてのぼせたようにぼーっとした様子のルイの頭を優しく撫でた。

「ベイル様。私は……私は御一緒できますか？」

　不安そうな顔をするスピルに俺は静かに頷くと、彼女は表情を明るくした。

「スピルとニールは今回は親族の敵討ちとなる！　最初から戦力として考えている！」
「はい！　精一杯頑張ります！」
「……お任せ下さい。ベイル殿の温情と期待に応える働きをお見せしましょう」

　スピルとニールは嬉しそうに俺に深々と頭を下げた。

「うちもご主人様のお役に立ちたいです！」

　レヴィが手を真っ直ぐに上げて言った。

「いや、レヴィは今回は残ってくれ。手の内をあまり相手に晒したくない……今回はあくまでも偵察と敵の大まかな戦力の把握が目的だ。義勇兵に加わると言っても。あまり、目立ちたくないしな」
「……はい」

　俺の話を理解した上で、まだ納得がいかないと言いたげな顔でレヴィは渋々返事をした。

　本当はレヴィにも一緒に連れて行きたい気持ちはあったが、これはあくまで偵察がメインの任務だ。

　敵にはこちらが取るに足らない相手だと誤認してもらう必要がある。数で勝る魔王軍を相手にするなら、油断した隙を突いての強襲しかこちらに勝ちの目はない。

　こちらが暴れ回れば魔王軍が警戒して守りを固めてしまい、結局は奇襲を仕掛けても返り討ちにあう可能性が高くなる。

　だから、今回はなるべく目立つ事は避けたい。

「はい」

　手を上げたのはフランの配下のカトルだった。

　カトルは長く艶やかな黒髪のツインテールを揺らしながら立ち上がる。

　正直。リーダーのフランを差し置いて配下の彼女が意見を言ってきた事に少し驚いた。

「偵察なら、別に戦闘に参加しなくても良くない？　それにそんな事はあたし達がやればいいでしょ。わざわざ、あんたが危険を冒す必要があるの？」

　カトルの緑色の瞳が俺を見つめる。