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謎の組織4

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「あれが前の街で服屋のおばさんの言ってた獣人を誘拐している連中か」
「そのようですね。ベイル殿、ここにいても仕方ないでしょう……今は情報を集めるのが先決だと思います」
「そうだな。ニールの言う通りだ……」

 ニールに諭され、俺は憤りながら拳を握りしめると、歯を噛み締めて頷いた。
 
「ご主人様……」

 レヴィはそんな俺を心配そうに見つめながら自分の胸に手を押し付けている。

 ひとまず。宿屋に行って、報告がてらにギルドの受付の女性に話を聞くが有力な手掛りは得られなかった。

 まあ一般人からすれば、奴隷身分の獣人が同じ種族をさらっているだけの話でしかない。そんな情報を集めているはずもなく……

 それは街の人間も同じで、色々な店や人に聞いても首を傾げるばかりで情報という情報も集まらなかった。

 すぐに日が落ち、俺達はもう遅いので、一度宿屋に戻って作戦を立て直す事になった。

 手掛かりも得られず途方に暮れているリアラを、スピルが側で心配そうに見つめている。

 そんなリアラをスピルに預けて、俺はニールの部屋に向かった。今、リアラを俺が慰めても、彼女が責任を感じるだけだと判断したからだ。

 俺はニールの部屋に入ると、ニールは来ると分かっていたかのように、湯気が上がっているコーヒーが置かれていた。

「お待ちしておりました」

 胸に手を当てて頭を下げているニールに、俺は微かに笑みを浮かべると椅子に腰を下ろした。

「ニール。どうすればいい? こんな事なら、ルイに戦い方を教えておけば良かった……俺は本当に馬鹿野郎だ!きっとどこかで、ルイは子供だからと理由を付けてあいつを戦わせないと思っていたんだと思う。敵が一番弱そうなルイを真っ先に狙ってくるのは分かっていたはずなのに……」

 俯きながら俺が拳を握りしめていると、ニールが肩に手を置いて優しく微笑んだ。

「ベイル殿。これは結果論でしかありません。ルイは賢い子です。儂達が助けに来るまで下手な事はしないでしょう」
「ああ、だが不安なのは俺の魔力を定期的に補給しなければ、眷族は発作を起こす事だ。なるべく早く見つけてやらないと……」

 ニールは俺の側で無言のまま、コーヒーをすすっていた。
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