1 / 293
二度目の異世界
しおりを挟む
宿屋で薄い白い布に絹のような白い肌を包む長い金髪に紫の瞳の少女に甲冑の男が告げる。
「俺の眷族になるかならないかはお前が決めろ。遅かれ早かれ、奴隷のお前は誰かに犯される。俺の眷族にならなければお前は弱いままだ……強くならなければ、この世界にお前の居場所はない。得る為には失う事が必要だ」
怯えて体を微かに震わせていた少女から恐怖が消え、決意に満ちた瞳で裸体を覆っていた布を脱ぎ捨てると、目の前に立つ甲冑姿の男に告げた。
「私は力が欲しい! だから、私の全てを貴方に……捧げます!」
少女の裸体を見つめながら、甲冑の男は口元に笑みを浮かべると。
「良い返事だ。ならば、俺の眷族にしてやろう……」
甲冑の男は少女の体をベッドに押し倒して首元に牙を突き立てた。
* * *
俺の名前は巴崎隆道。26歳の普通の会社員だった。しかし、それも遠い昔の記憶だ。交通事故で暴走する高級車に轢かれた俺は異世界に転生した。以前は仲間達と別の世界で最強の勇者。アラン・イセスベイルと呼ばれていた。だが、もう数千年も前の話だ。
俺は今、別の異世界にいる。しかも、この世界で最強種の吸血鬼として。
どうやらステータスは以前の異世界の時のままこの世界でも引き継がれてるらしい。女神様に気に入られていた俺は相当優遇されてこの世界に送られたようだ。これはありがたい……
「とりあえず。ここでは以前の名から取ってベイルと名乗ろう……名は体を表すものだとどこかで聞いたしな。うっ! 頭が痛い。どこで聞いたかは思い出せない」
激しい頭痛に頭を押さえふらつく。
「まあ、ひとまず周囲を探索だ。スキル。インビジブル、フライ!」
俺の体は消えて背中から生えたコウモリの翼で空に舞い上がった。
月の光だけが照らす空を飛びながら周囲を見渡した。すると、少し先に馬車が見えた。
「あれは何だ?」
すると、馬車が拡大され積荷の中の様子が透けて見える。スキル『集中』と『透視』の能力だ。
中には金髪に紫色の瞳の美少女が首輪を付けて手足は鎖に繋がれていた。
肌白で目鼻立ちもはっきりしている。整った顔に胸は大きく膨らんでいてスタイルも良い。おそらく年齢は16歳くらいだろう。その周りには5人の男達が囲んでいた。
男達は下卑た笑みを浮かべながら少女に近づいていく。
嫌がって視線を逸らす少女だったが、首輪が光って少女の意思とは関係なく男の方を向く。
「おいおい。ハーフのお前が純血種の俺達に魔力で敵うわけないだろ? それにしても……良い顔してるぜ。ハーフじゃなきゃ俺が貰ってやるのにな」
「……いや」
瞳に涙を浮かべて嫌がる少女の頬を舌で舐めて男の一人が言った。
「よせよ! 家畜と変わらない畜生だぞ。半端なハーフのガキなんて作ったら、烙印が移って奴隷身分に降格させられちまう」
「良いじゃねぇーか。雌なのには変わりねぇーんだ。ガキが出来なければ文句はねぇーんだろ? 魔法で避妊させればいいだけだ。こっち来いよ……人間様がお前を使ってやる。嬉しいだろ?」
「……いや。お母様……」
男は手をかざして魔法で少女のその華奢な体を荷台の床に押し付け、笑い声を上げながら。そして一人の男がズボンに手を掛けた時だった……。
「俺の眷族になるかならないかはお前が決めろ。遅かれ早かれ、奴隷のお前は誰かに犯される。俺の眷族にならなければお前は弱いままだ……強くならなければ、この世界にお前の居場所はない。得る為には失う事が必要だ」
怯えて体を微かに震わせていた少女から恐怖が消え、決意に満ちた瞳で裸体を覆っていた布を脱ぎ捨てると、目の前に立つ甲冑姿の男に告げた。
「私は力が欲しい! だから、私の全てを貴方に……捧げます!」
少女の裸体を見つめながら、甲冑の男は口元に笑みを浮かべると。
「良い返事だ。ならば、俺の眷族にしてやろう……」
甲冑の男は少女の体をベッドに押し倒して首元に牙を突き立てた。
* * *
俺の名前は巴崎隆道。26歳の普通の会社員だった。しかし、それも遠い昔の記憶だ。交通事故で暴走する高級車に轢かれた俺は異世界に転生した。以前は仲間達と別の世界で最強の勇者。アラン・イセスベイルと呼ばれていた。だが、もう数千年も前の話だ。
俺は今、別の異世界にいる。しかも、この世界で最強種の吸血鬼として。
どうやらステータスは以前の異世界の時のままこの世界でも引き継がれてるらしい。女神様に気に入られていた俺は相当優遇されてこの世界に送られたようだ。これはありがたい……
「とりあえず。ここでは以前の名から取ってベイルと名乗ろう……名は体を表すものだとどこかで聞いたしな。うっ! 頭が痛い。どこで聞いたかは思い出せない」
激しい頭痛に頭を押さえふらつく。
「まあ、ひとまず周囲を探索だ。スキル。インビジブル、フライ!」
俺の体は消えて背中から生えたコウモリの翼で空に舞い上がった。
月の光だけが照らす空を飛びながら周囲を見渡した。すると、少し先に馬車が見えた。
「あれは何だ?」
すると、馬車が拡大され積荷の中の様子が透けて見える。スキル『集中』と『透視』の能力だ。
中には金髪に紫色の瞳の美少女が首輪を付けて手足は鎖に繋がれていた。
肌白で目鼻立ちもはっきりしている。整った顔に胸は大きく膨らんでいてスタイルも良い。おそらく年齢は16歳くらいだろう。その周りには5人の男達が囲んでいた。
男達は下卑た笑みを浮かべながら少女に近づいていく。
嫌がって視線を逸らす少女だったが、首輪が光って少女の意思とは関係なく男の方を向く。
「おいおい。ハーフのお前が純血種の俺達に魔力で敵うわけないだろ? それにしても……良い顔してるぜ。ハーフじゃなきゃ俺が貰ってやるのにな」
「……いや」
瞳に涙を浮かべて嫌がる少女の頬を舌で舐めて男の一人が言った。
「よせよ! 家畜と変わらない畜生だぞ。半端なハーフのガキなんて作ったら、烙印が移って奴隷身分に降格させられちまう」
「良いじゃねぇーか。雌なのには変わりねぇーんだ。ガキが出来なければ文句はねぇーんだろ? 魔法で避妊させればいいだけだ。こっち来いよ……人間様がお前を使ってやる。嬉しいだろ?」
「……いや。お母様……」
男は手をかざして魔法で少女のその華奢な体を荷台の床に押し付け、笑い声を上げながら。そして一人の男がズボンに手を掛けた時だった……。
0
お気に入りに追加
243
あなたにおすすめの小説
分析スキルで美少女たちの恥ずかしい秘密が見えちゃう異世界生活
SenY
ファンタジー
"分析"スキルを持って異世界に転生した主人公は、相手の力量を正確に見極めて勝てる相手にだけ確実に勝つスタイルで短期間に一財を為すことに成功する。
クエスト報酬で豪邸を手に入れたはいいものの一人で暮らすには広すぎると悩んでいた主人公。そんな彼が友人の勧めで奴隷市場を訪れ、記憶喪失の美少女奴隷ルナを購入したことから、物語は動き始める。
これまで危ない敵から逃げたり弱そうな敵をボコるのにばかり"分析"を活用していた主人公が、そのスキルを美少女の恥ずかしい秘密を覗くことにも使い始めるちょっとエッチなハーレム系ラブコメ。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】
ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします
ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった
【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。
累計400万ポイント突破しました。
応援ありがとうございます。】
ツイッター始めました→ゼクト @VEUu26CiB0OpjtL
ユニークスキルで異世界マイホーム ~俺と共に育つ家~
楠富 つかさ
ファンタジー
地震で倒壊した我が家にて絶命した俺、家入竜也は自分の死因だとしても家が好きで……。
そんな俺に転生を司る女神が提案してくれたのは、俺の成長に応じて育つ異空間を創造する力。この力で俺は生まれ育った家を再び取り戻す。
できれば引きこもりたい俺と異世界の冒険者たちが織りなすソード&ソーサリー、開幕!!
第17回ファンタジー小説大賞にエントリーしました!
神様に転生させてもらった元社畜はチート能力で異世界に革命をおこす。賢者の石の無限魔力と召喚術の組み合わせって最強では!?
不死じゃない不死鳥(ただのニワトリ)
ファンタジー
●あらすじ
ブラック企業に勤め過労死してしまった、斉藤タクマ。36歳。彼は神様によってチート能力をもらい異世界に転生をさせてもらう。
賢者の石による魔力無限と、万能な召喚獣を呼べる召喚術。この二つのチートを使いつつ、危機に瀕した猫人族達の村を発展させていく物語。だんだんと村は発展していき他の町とも交易をはじめゆくゆくは大きな大国に!?
フェンリルにスライム、猫耳少女、エルフにグータラ娘などいろいろ登場人物に振り回されながらも異世界を楽しんでいきたいと思います。
タイトル変えました。
旧題、賢者の石による無限魔力+最強召喚術による、異世界のんびりスローライフ。~猫人族の村はいずれ大国へと成り上がる~
※R15は保険です。異世界転生、内政モノです。
あまりシリアスにするつもりもありません。
またタンタンと進みますのでよろしくお願いします。
感想、お気に入りをいただけると執筆の励みになります。
よろしくお願いします。
想像以上に多くの方に読んでいただけており、戸惑っております。本当にありがとうございます。
※カクヨムさんでも連載はじめました。
男女比の狂った世界で愛を振りまく
キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。
その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。
直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。
生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。
デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。
本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。
※カクヨムにも掲載中の作品です。
男女比1対999の異世界は、思った以上に過酷で天国
てりやき
ファンタジー
『魔法が存在して、男女比が1対999という世界に転生しませんか? 男性が少ないから、モテモテですよ。もし即決なら特典として、転生者に大人気の回復スキルと収納スキルも付けちゃいますけど』
女性経験が無いまま迎えた三十歳の誕生日に、不慮の事故で死んでしまった主人公が、突然目の前に現れた女神様の提案で転生した異世界で、頑張って生きてくお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる