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炎の大精霊の守り人
「他の誰も見ちゃいねえ」
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「──大吹雪!」
芯のある声が中庭に響く。
直後、二人の周りだけ吹雪が吹き荒れた。
炎が弱まった隙に、銀剣の教師・アーヒナヒナが二人の間に割って入り、剣を振った。
シャルルルカは危険を察知して、ホムラフラムから手を離し、後ろに飛んだ。
バランスを崩したホムラフラムは尻餅をつく。
ホムラフラムは取り込めるようになった酸素に咳き込んだ。
「何をしている!」
アーヒナヒナが二人を冷たい目で睨みつけた。
「騒がしいと思ったら……。教師二人が学園内で戦闘とはどういうことだ!? 説明しろ!」
シャルルルカはフン、と鼻を鳴らし、顔を逸らして言った。
「向こうから襲ってきた。私は悪くない」
「どうせ、貴様が煽ったんだろう!」
アーヒナヒナはシャルルルカを理不尽にも怒鳴りつける。
「ヒナ、そいつの言った通り、俺から仕掛けた」
ホムラフラムは呼吸を整えながら言った。
「は? どうして、そんなことを!?」
「俺のサラマンダーが言っている。そいつから魔王の気配がすると」
「魔王、だって……!?」
その場にいた全員がシャルルルカに目を向けた。
「馬鹿め。魔王は死んだ」
シャルルルカはせせら笑った。
「そりゃ、英雄様達が言ってるだけだろ? 他の誰も、魔王が討たれた瞬間を見ちゃいねえ」
「アレクシス学園長達が嘘をついていると?」
「学園長は本当のことを言ってるだろうよ。自分が見たことだけ、な。こいつの幻影魔法で、そう見せられたとかな」
「……許しません。それはシャルルルカ先生への侮辱です!」
レイは激昂した。
ホムラフラムが急にシャルルルカを襲いかかったことも、その理由も、何一つ納得がいかなかった。
アーヒナヒナはレイを手で静止し、冷静に言った。
「アレクシス学園長並びに他の英雄達への侮辱にもなる。貴様はそれをわかって言ってるのか?」
「サラマンダーがそいつから魔王の気配がするっつってんだ。事実、生きてたっつうこったろ」
『そうだそうだー』
サラマンダーが同意の声を上げた。
シャルルルカは鼻で笑った。
「精霊の言うことを真に受ける間抜けがいるとはな。精霊は悪戯好きだ。嘘を教えて、反応を楽しんでいるんじゃあないか?」
『ウソついてないー。まおうのケハイするー』
サラマンダーは纏っている炎を強くして怒りを表した。
ホムラフラムはサラマンダーの炎を撫でて、落ち着かせる。
「こいつとは付き合いが長え。てめえなんかより、ずっと信用出来らあ」
「そんな言い分が通用するとでも? 精霊の火山に籠っていたときはそれで良かったんだろうが、ここは人間の社会だ。人間の道理に従うんだな」
「てめえは魔王側だろうが!」
ホムラフラムは銃口をシャルルルカに向ける。
「止めないか」
アーヒナヒナは止めた。
シャルルルカはため息をついて、言った。
「お前の言う『魔王の気配』とは〝これ〟のことか?」
そう言った直後、黒い煙のようなものがシャルルルカを胸から溢れて広がっていく。
その黒い煙を見た途端、レイは胸に重しが入ったような気持ち悪さを催した。
周囲の人達もレイと同じものを感じているらしい。
あまりの気持ち悪さに胸や口を押さえる者、その場に蹲ってしまう者、泣き叫ぶ者までいた。
「何これ……」
異様な光景に、レイは膝をついてしまった。
「渡せ」
ホムラフラムがシャルルルカを睨みつける。
「駄目だね。これは私のものだ。誰にも渡さない」
シャルルルカは歯を食い縛りながら、無理やり笑みを作った。
やはり、禍々しい煙の中心である彼にも、悪い影響があるらしい。
「少し見せてやるよ。魔王の恐ろしさを」
シャルルルカは手を振り上げる。
邪悪な気配は上に向かっていく。
これからもっと恐ろしいことが起こる、とその場にいる全員が息を呑んだ。
「……なんてな」
シャルルルカはへらりと笑うと、禍々しい空気がシャルルルカの体に吸い込まれた。
完全に消えてなくなる同時に、胸を締めつけるような苦しみがなくなった。
「今のは、魔王をイメージした幻影だ」
シャルルルカはホムラフラムに歩み寄る。
「望んだものは見られたか? ホムラフラム先生?」
シャルルルカはホムラフラムの顔を見て、シニカルに笑った。
ホムラフラムは何も言わず、シャルルルカをただ見つめる。
そこで、学園のチャイムが鳴った。
「さあ、授業が始まる時間だ。野次馬諸君も教室に行きたまえ」
シャルルルカはすたすたとその場を離れた。
レイは慌てて、シャルルルカの後ろを追いかける。
□
シャルルルカは人気のない廊下をフラフラと歩く。
倒れそうになって、壁に手をついた。
「……なんで初対面の人間に殺されそうにならなきゃいけないんだ? クソ……」
そうブツブツと呟きながら、壁を支えに再び歩き出す。
「──大丈夫ですか、シャルルルカ先生!」
レイがシャルルルカを呼び止めた。
「レイ……」
シャルルルカは振り返る。
レイはシャルルルカの顔の火傷を見て、顔を顰めた。
「酷い火傷だ……。今治しますね」
「自分で出来る」
「ならあたしに見つかる前にやることですね。《回復(ソワン)》!」
レイが杖を振る。
顔の火傷がみるみる内に消えていく。
「……回復魔法、上手くなったな」
「え?」
滅多なことでは褒めないシャルルルカに、急に褒められてレイは驚いた。
「私の教えはもういらないんじゃないか」
彼は顔を背けてそう言った。
「ええ!? いりますよ! もっともっと、先生の元で学びたいことがあるんですから!」
レイがそう言うと、シャルルルカは「そうか」とだけ言った。
レイはシャルルルカには尋ねた。
「あの、先生。さっきの禍々しいのって……本物ですか?」
──これを聞いても、どうせ、はぐらされるんだろうけど……。
魔王の気配とは何なのか。
あの黒い煙は何なのか。
レイは聞かずにはいられなかった。
予想通り、シャルルルカはニヤニヤと笑って答えた。
「本物だったらどうする?」
「危ないので捨てて下さい」
レイは真剣な顔で言った。
シャルルルカは鼻で笑った。
「捨てられるものなら、とっくの昔に捨ててるさ」
「だから、誰にも渡さないんですか?」
「怪我や病気が肩代わり出来ると思うか?」
「怪我や病気……」
──そういえば、シャルル先生は魔王との戦いで心臓以外を失ったって……。
まさか、それが魔王の気配の正体なのだろうか。
それならば、ホムラフラムはアレクシス学園長にも襲いかかるはずだ。
一体何故、シャルルルカだけ、魔王の気配が残っているのだろう。
「シャルルルカ先生」
レイは倒れそうになっているシャルルルカの腕を掴んだ。
「例え、シャルルルカ先生が魔王でも、あたしは先生の味方ですからね」
レイは真面目な顔でそう言った。
シャルルルカは徐にレイへと手を伸ばし──デコピンをした。
「いてっ」
レイは反射的に目を瞑った。
「嘘つくな」
「嘘じゃないですよ。嘘つきな先生じゃあるまいし!」
レイは額を抑えて、シャルルルカに文句を垂れる。
「全く笑えない冗談だ」
シャルルルカは確かに、ニヤリとも笑っていなかった。
信じて貰えないことが、レイは寂しかった。
芯のある声が中庭に響く。
直後、二人の周りだけ吹雪が吹き荒れた。
炎が弱まった隙に、銀剣の教師・アーヒナヒナが二人の間に割って入り、剣を振った。
シャルルルカは危険を察知して、ホムラフラムから手を離し、後ろに飛んだ。
バランスを崩したホムラフラムは尻餅をつく。
ホムラフラムは取り込めるようになった酸素に咳き込んだ。
「何をしている!」
アーヒナヒナが二人を冷たい目で睨みつけた。
「騒がしいと思ったら……。教師二人が学園内で戦闘とはどういうことだ!? 説明しろ!」
シャルルルカはフン、と鼻を鳴らし、顔を逸らして言った。
「向こうから襲ってきた。私は悪くない」
「どうせ、貴様が煽ったんだろう!」
アーヒナヒナはシャルルルカを理不尽にも怒鳴りつける。
「ヒナ、そいつの言った通り、俺から仕掛けた」
ホムラフラムは呼吸を整えながら言った。
「は? どうして、そんなことを!?」
「俺のサラマンダーが言っている。そいつから魔王の気配がすると」
「魔王、だって……!?」
その場にいた全員がシャルルルカに目を向けた。
「馬鹿め。魔王は死んだ」
シャルルルカはせせら笑った。
「そりゃ、英雄様達が言ってるだけだろ? 他の誰も、魔王が討たれた瞬間を見ちゃいねえ」
「アレクシス学園長達が嘘をついていると?」
「学園長は本当のことを言ってるだろうよ。自分が見たことだけ、な。こいつの幻影魔法で、そう見せられたとかな」
「……許しません。それはシャルルルカ先生への侮辱です!」
レイは激昂した。
ホムラフラムが急にシャルルルカを襲いかかったことも、その理由も、何一つ納得がいかなかった。
アーヒナヒナはレイを手で静止し、冷静に言った。
「アレクシス学園長並びに他の英雄達への侮辱にもなる。貴様はそれをわかって言ってるのか?」
「サラマンダーがそいつから魔王の気配がするっつってんだ。事実、生きてたっつうこったろ」
『そうだそうだー』
サラマンダーが同意の声を上げた。
シャルルルカは鼻で笑った。
「精霊の言うことを真に受ける間抜けがいるとはな。精霊は悪戯好きだ。嘘を教えて、反応を楽しんでいるんじゃあないか?」
『ウソついてないー。まおうのケハイするー』
サラマンダーは纏っている炎を強くして怒りを表した。
ホムラフラムはサラマンダーの炎を撫でて、落ち着かせる。
「こいつとは付き合いが長え。てめえなんかより、ずっと信用出来らあ」
「そんな言い分が通用するとでも? 精霊の火山に籠っていたときはそれで良かったんだろうが、ここは人間の社会だ。人間の道理に従うんだな」
「てめえは魔王側だろうが!」
ホムラフラムは銃口をシャルルルカに向ける。
「止めないか」
アーヒナヒナは止めた。
シャルルルカはため息をついて、言った。
「お前の言う『魔王の気配』とは〝これ〟のことか?」
そう言った直後、黒い煙のようなものがシャルルルカを胸から溢れて広がっていく。
その黒い煙を見た途端、レイは胸に重しが入ったような気持ち悪さを催した。
周囲の人達もレイと同じものを感じているらしい。
あまりの気持ち悪さに胸や口を押さえる者、その場に蹲ってしまう者、泣き叫ぶ者までいた。
「何これ……」
異様な光景に、レイは膝をついてしまった。
「渡せ」
ホムラフラムがシャルルルカを睨みつける。
「駄目だね。これは私のものだ。誰にも渡さない」
シャルルルカは歯を食い縛りながら、無理やり笑みを作った。
やはり、禍々しい煙の中心である彼にも、悪い影響があるらしい。
「少し見せてやるよ。魔王の恐ろしさを」
シャルルルカは手を振り上げる。
邪悪な気配は上に向かっていく。
これからもっと恐ろしいことが起こる、とその場にいる全員が息を呑んだ。
「……なんてな」
シャルルルカはへらりと笑うと、禍々しい空気がシャルルルカの体に吸い込まれた。
完全に消えてなくなる同時に、胸を締めつけるような苦しみがなくなった。
「今のは、魔王をイメージした幻影だ」
シャルルルカはホムラフラムに歩み寄る。
「望んだものは見られたか? ホムラフラム先生?」
シャルルルカはホムラフラムの顔を見て、シニカルに笑った。
ホムラフラムは何も言わず、シャルルルカをただ見つめる。
そこで、学園のチャイムが鳴った。
「さあ、授業が始まる時間だ。野次馬諸君も教室に行きたまえ」
シャルルルカはすたすたとその場を離れた。
レイは慌てて、シャルルルカの後ろを追いかける。
□
シャルルルカは人気のない廊下をフラフラと歩く。
倒れそうになって、壁に手をついた。
「……なんで初対面の人間に殺されそうにならなきゃいけないんだ? クソ……」
そうブツブツと呟きながら、壁を支えに再び歩き出す。
「──大丈夫ですか、シャルルルカ先生!」
レイがシャルルルカを呼び止めた。
「レイ……」
シャルルルカは振り返る。
レイはシャルルルカの顔の火傷を見て、顔を顰めた。
「酷い火傷だ……。今治しますね」
「自分で出来る」
「ならあたしに見つかる前にやることですね。《回復(ソワン)》!」
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「え?」
滅多なことでは褒めないシャルルルカに、急に褒められてレイは驚いた。
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レイはシャルルルカには尋ねた。
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──これを聞いても、どうせ、はぐらされるんだろうけど……。
魔王の気配とは何なのか。
あの黒い煙は何なのか。
レイは聞かずにはいられなかった。
予想通り、シャルルルカはニヤニヤと笑って答えた。
「本物だったらどうする?」
「危ないので捨てて下さい」
レイは真剣な顔で言った。
シャルルルカは鼻で笑った。
「捨てられるものなら、とっくの昔に捨ててるさ」
「だから、誰にも渡さないんですか?」
「怪我や病気が肩代わり出来ると思うか?」
「怪我や病気……」
──そういえば、シャルル先生は魔王との戦いで心臓以外を失ったって……。
まさか、それが魔王の気配の正体なのだろうか。
それならば、ホムラフラムはアレクシス学園長にも襲いかかるはずだ。
一体何故、シャルルルカだけ、魔王の気配が残っているのだろう。
「シャルルルカ先生」
レイは倒れそうになっているシャルルルカの腕を掴んだ。
「例え、シャルルルカ先生が魔王でも、あたしは先生の味方ですからね」
レイは真面目な顔でそう言った。
シャルルルカは徐にレイへと手を伸ばし──デコピンをした。
「いてっ」
レイは反射的に目を瞑った。
「嘘つくな」
「嘘じゃないですよ。嘘つきな先生じゃあるまいし!」
レイは額を抑えて、シャルルルカに文句を垂れる。
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