20 / 79
幼少期編 攻略対象達を攻略せよ
めでたしめでたし
しおりを挟む
「シュラルドルフにもゼニファーにも弟君にも、怪我がなくて良かった」
アデヤは満足そうにうんうんと頷く。
「だが、アナスタシア! 君はどうして無茶をしたんだ! 君の美しい顔に傷がついたらどうする!」
アデヤは目を吊り上げて、アナスタシオスを叱りつける。
そうされてアナスタシオスは冷めた表情で言った。
「……アデヤ様。わたくしは自分が傷つくよりも、愛する人が傷つくことが嫌です」
アナスタシオスにとって、『愛する人』とはクロードを示していた。
しかし、アデヤは自分自身のことと脳内で変換しただろう。
わざと、そう勘違いするような言い方をした。
「もしまた、愛する人が傷つけられるようなことがあったとしても、わたくしがすることは同じですわ」
「僕も君と同じ考えだ! 僕も愛する人……君に傷ついて欲しくない!」
アデヤはアナスタシオスの手を握った。
眉を下げ、心底心配そうな顔で訴える。
「頼む、僕のアナスタシア。もう無茶は止めてくれ。僕の心臓がもたない……」
そこまで言われても、アナスタシオスは納得していないようだった。
強い力でアデヤの手を振り解く。
「……嫌なのであれば、婚約破棄をして頂くしかありません」
「アナスタシア!」
アナスタシオスは早足で保健室の扉に向かう。
「お大事なさって下さい」
アナスタシオスは一礼をすると、保健室を出た。
──え、嘘だろ!?
クロードは慌てて、アナスタシオスの後を追った。
アナスタシオスは走るような速度で廊下を歩いている。
「待ってくれ! お姉様!」
クロードはアナスタシオスき追いつくと、彼の肩を掴んだ。
「婚約破棄って、本気なのか!?」
「本気よ」
アナスタシオスは振り返る。
人目があるからか、彼は淑やかに振る舞っている。
「そもそも、わたくしとアデヤ殿下は望まれない婚約だったでしょう」
男同士で婚約したことだろう。
王族は子を成し、血を残していかなければならない。
男同士ではそれを成せない。
「そして、今回、価値観が違うことがわかった。これでお別れ。全て終わりよ」
「終わり……」
「婚約がなくなったら、学園を去らなければならないわ。クロード、準備をしてね」
アナスタシオスは前に向き直り、廊下の先を行く。
クロードはその背中を見送ることしか出来なかった。
──終わり……終わりか。
クロードの目的は、アナスタシオスが死なないようにすること。
学園を去れば、彼が【博愛の聖女】をいじめて、断罪されて、国外追放されることもない。
ハッピーエンドだ。
めでたしめでたし。
──本当に?
アデヤとの婚約は望んでなかった。
学園に通う話が出たときだって、行きたくなさそうだった。
だが、アナスタシオスの背中に、悲壮感を感じるのは何故だろう。
「お姉様、寂しいんじゃないのか?」
浮かんだ疑問をぶつけてみる。
アナスタシオスはぴたりと足を止めた。
「……そんな訳、ないじゃない」
アデヤとの婚約がなくなったら、学園に通えなくなる。
元いた場所に戻ることになるだろう。
そこにいる同年代の子供は、アナスタシオスとクロードの二人だけだ。
──兄さんは学園に来てから、楽しそうだった。
たくさんの人と一緒に勉強をして、好きな乗馬を同じ趣味の人と楽しんで、剣術大会を観戦して……。
忙しかったが、退屈な田舎より、確かに充実していた。
「寂しくなんてないわ。少し前に戻るだけよ」
「でも……」
「うるっさい! もう終わったの! 弟の癖に口答えしない!」
アナスタシオスは激昂した。
周囲の目が彼に向く。
「いつか、こんな日が来ると思ってた。だから、知らないふりしてたのに。なんで、迷わせるようなこと……」
アナスタシオスは顔を顰めて、クロードを睨みつける。
「……ごめん」
クロードはただ謝るしか出来なかった。
長い目で見れば、この婚約破棄はとても良いものだ。
誰も傷つかずに済む。
一時の感情で──学園生活が楽しいからという理由で、チャンスを逃して良いはずがない。
アナスタシオスは再び足を前に進めた。
──終わって良いんだ。兄さんの死亡フラグもこれでなくなるんだから……。
クロードもアナスタシオスの後に続いて、足を踏み出した──。
「──待ってくれ、アナスタシア!」
呼び止められて、二人は足を止める。
振り向くと、肩で息をするアデヤがいた。
「君はずっと、そんな風に思っていたのか。望まれない婚約だと。王族と男爵家の娘なんて、身分違いの恋だと!」
──違う。
男同士で婚約したことだ。
だが、そんなこと、アデヤが知る由もない。
「だって、そうでしょう!? 他の人達も言っています。殿下の婚約者がこんな田舎者では、あまりにも釣り合っていないと!」
アナスタシオスはその話に乗った。
本当のことは言えないからだ。
「美しさに嫉妬する醜い者達の言うことなど、君が気にすることはない! 君は誰よりも美しいのだから!」
アデヤは早足でアナスタシオスに近づき、彼を抱き締めた。
「僕は君を愛している! 他の人にも、父にも! 文句など言わせるものか!」
人の往来の中での熱烈な愛の告白。
それを聞いた周囲の人間は色めき立った。
「きゃー! 素敵! アデヤ王子、本当に婚約者を愛しているのね!」
「人前で抱き合うなんてお熱いですねえ。ヒューヒュー!」
アナスタシオスは非常に戸惑ったが、空気を読んでアデヤの背中に手を回す。
すると、歓声が一際大きくなった。
アデヤと周囲の人達にすっかり忘れ去られたクロードは、そっとその場を離れた。
──やっぱり、国王にも文句言われてたんだな。そりゃそうか。男との婚約関係なんて、普通続けられる訳ないし。
クロードは「あれ?」と首を傾げる。
──確かにそうだよな?
声変わりや体つき……歳を重ねたら、どうしても男女の違いが出てくるものだ。
──もしかして、死亡フラグを折る、又とないチャンスを潰した!? おれが呼び止めたせいで、アデヤが追いついちゃって!? ごめん、兄さん!
クロードは頭を抱えて、その場に蹲った。
「でも……」
クロードは学園でのアナスタシオスの笑顔を思い出す。
──死亡フラグを折る方法はまたあとで考えよう……。
「君は誰だ?」
突如、目の前に逆さの顔が現れる。
「ひっ……!?」
クロードは驚いて、尻餅をついた。
後ろに人が立っていて、顔を覗き込まれていたのだ。
「僕は知らない。君のことを知らない」
ゼニファーとほぼ同じ顔のその男。
攻略対象の一人だ。
──絶対に会いたくなかった。このキャラだけには……!
「ミステール・ルダス……!」
「やあ、クロード・フィラウティア。初めまして?」
アデヤは満足そうにうんうんと頷く。
「だが、アナスタシア! 君はどうして無茶をしたんだ! 君の美しい顔に傷がついたらどうする!」
アデヤは目を吊り上げて、アナスタシオスを叱りつける。
そうされてアナスタシオスは冷めた表情で言った。
「……アデヤ様。わたくしは自分が傷つくよりも、愛する人が傷つくことが嫌です」
アナスタシオスにとって、『愛する人』とはクロードを示していた。
しかし、アデヤは自分自身のことと脳内で変換しただろう。
わざと、そう勘違いするような言い方をした。
「もしまた、愛する人が傷つけられるようなことがあったとしても、わたくしがすることは同じですわ」
「僕も君と同じ考えだ! 僕も愛する人……君に傷ついて欲しくない!」
アデヤはアナスタシオスの手を握った。
眉を下げ、心底心配そうな顔で訴える。
「頼む、僕のアナスタシア。もう無茶は止めてくれ。僕の心臓がもたない……」
そこまで言われても、アナスタシオスは納得していないようだった。
強い力でアデヤの手を振り解く。
「……嫌なのであれば、婚約破棄をして頂くしかありません」
「アナスタシア!」
アナスタシオスは早足で保健室の扉に向かう。
「お大事なさって下さい」
アナスタシオスは一礼をすると、保健室を出た。
──え、嘘だろ!?
クロードは慌てて、アナスタシオスの後を追った。
アナスタシオスは走るような速度で廊下を歩いている。
「待ってくれ! お姉様!」
クロードはアナスタシオスき追いつくと、彼の肩を掴んだ。
「婚約破棄って、本気なのか!?」
「本気よ」
アナスタシオスは振り返る。
人目があるからか、彼は淑やかに振る舞っている。
「そもそも、わたくしとアデヤ殿下は望まれない婚約だったでしょう」
男同士で婚約したことだろう。
王族は子を成し、血を残していかなければならない。
男同士ではそれを成せない。
「そして、今回、価値観が違うことがわかった。これでお別れ。全て終わりよ」
「終わり……」
「婚約がなくなったら、学園を去らなければならないわ。クロード、準備をしてね」
アナスタシオスは前に向き直り、廊下の先を行く。
クロードはその背中を見送ることしか出来なかった。
──終わり……終わりか。
クロードの目的は、アナスタシオスが死なないようにすること。
学園を去れば、彼が【博愛の聖女】をいじめて、断罪されて、国外追放されることもない。
ハッピーエンドだ。
めでたしめでたし。
──本当に?
アデヤとの婚約は望んでなかった。
学園に通う話が出たときだって、行きたくなさそうだった。
だが、アナスタシオスの背中に、悲壮感を感じるのは何故だろう。
「お姉様、寂しいんじゃないのか?」
浮かんだ疑問をぶつけてみる。
アナスタシオスはぴたりと足を止めた。
「……そんな訳、ないじゃない」
アデヤとの婚約がなくなったら、学園に通えなくなる。
元いた場所に戻ることになるだろう。
そこにいる同年代の子供は、アナスタシオスとクロードの二人だけだ。
──兄さんは学園に来てから、楽しそうだった。
たくさんの人と一緒に勉強をして、好きな乗馬を同じ趣味の人と楽しんで、剣術大会を観戦して……。
忙しかったが、退屈な田舎より、確かに充実していた。
「寂しくなんてないわ。少し前に戻るだけよ」
「でも……」
「うるっさい! もう終わったの! 弟の癖に口答えしない!」
アナスタシオスは激昂した。
周囲の目が彼に向く。
「いつか、こんな日が来ると思ってた。だから、知らないふりしてたのに。なんで、迷わせるようなこと……」
アナスタシオスは顔を顰めて、クロードを睨みつける。
「……ごめん」
クロードはただ謝るしか出来なかった。
長い目で見れば、この婚約破棄はとても良いものだ。
誰も傷つかずに済む。
一時の感情で──学園生活が楽しいからという理由で、チャンスを逃して良いはずがない。
アナスタシオスは再び足を前に進めた。
──終わって良いんだ。兄さんの死亡フラグもこれでなくなるんだから……。
クロードもアナスタシオスの後に続いて、足を踏み出した──。
「──待ってくれ、アナスタシア!」
呼び止められて、二人は足を止める。
振り向くと、肩で息をするアデヤがいた。
「君はずっと、そんな風に思っていたのか。望まれない婚約だと。王族と男爵家の娘なんて、身分違いの恋だと!」
──違う。
男同士で婚約したことだ。
だが、そんなこと、アデヤが知る由もない。
「だって、そうでしょう!? 他の人達も言っています。殿下の婚約者がこんな田舎者では、あまりにも釣り合っていないと!」
アナスタシオスはその話に乗った。
本当のことは言えないからだ。
「美しさに嫉妬する醜い者達の言うことなど、君が気にすることはない! 君は誰よりも美しいのだから!」
アデヤは早足でアナスタシオスに近づき、彼を抱き締めた。
「僕は君を愛している! 他の人にも、父にも! 文句など言わせるものか!」
人の往来の中での熱烈な愛の告白。
それを聞いた周囲の人間は色めき立った。
「きゃー! 素敵! アデヤ王子、本当に婚約者を愛しているのね!」
「人前で抱き合うなんてお熱いですねえ。ヒューヒュー!」
アナスタシオスは非常に戸惑ったが、空気を読んでアデヤの背中に手を回す。
すると、歓声が一際大きくなった。
アデヤと周囲の人達にすっかり忘れ去られたクロードは、そっとその場を離れた。
──やっぱり、国王にも文句言われてたんだな。そりゃそうか。男との婚約関係なんて、普通続けられる訳ないし。
クロードは「あれ?」と首を傾げる。
──確かにそうだよな?
声変わりや体つき……歳を重ねたら、どうしても男女の違いが出てくるものだ。
──もしかして、死亡フラグを折る、又とないチャンスを潰した!? おれが呼び止めたせいで、アデヤが追いついちゃって!? ごめん、兄さん!
クロードは頭を抱えて、その場に蹲った。
「でも……」
クロードは学園でのアナスタシオスの笑顔を思い出す。
──死亡フラグを折る方法はまたあとで考えよう……。
「君は誰だ?」
突如、目の前に逆さの顔が現れる。
「ひっ……!?」
クロードは驚いて、尻餅をついた。
後ろに人が立っていて、顔を覗き込まれていたのだ。
「僕は知らない。君のことを知らない」
ゼニファーとほぼ同じ顔のその男。
攻略対象の一人だ。
──絶対に会いたくなかった。このキャラだけには……!
「ミステール・ルダス……!」
「やあ、クロード・フィラウティア。初めまして?」
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます
久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。
その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。
1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。
しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか?
自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと!
自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ?
ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ!
他サイトにて別名義で掲載していた作品です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたを忘れる魔法があれば
美緒
恋愛
乙女ゲームの攻略対象の婚約者として転生した私、ディアナ・クリストハルト。
ただ、ゲームの舞台は他国の為、ゲームには婚約者がいるという事でしか登場しない名前のないモブ。
私は、ゲームの強制力により、好きになった方を奪われるしかないのでしょうか――?
これは、「あなたを忘れる魔法があれば」をテーマに書いてみたものです――が、何か違うような??
R15、残酷描写ありは保険。乙女ゲーム要素も空気に近いです。
※小説家になろう、カクヨムにも掲載してます
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
悪役令嬢ですが、当て馬なんて奉仕活動はいたしませんので、どうぞあしからず!
たぬきち25番
恋愛
気が付くと私は、ゲームの中の悪役令嬢フォルトナに転生していた。自分は、婚約者のルジェク王子殿下と、ヒロインのクレアを邪魔する悪役令嬢。そして、ふと気が付いた。私は今、強大な権力と、惚れ惚れするほどの美貌と身体、そして、かなり出来の良い頭を持っていた。王子も確かにカッコイイけど、この世界には他にもカッコイイ男性はいる、王子はヒロインにお任せします。え? 当て馬がいないと物語が進まない? ごめんなさい、王子殿下、私、自分のことを優先させて頂きまぁ~す♡
※マルチエンディングです!!
コルネリウス(兄)&ルジェク(王子)好きなエンディングをお迎えください m(_ _)m
2024.11.14アイク(誰?)ルートをスタートいたしました。
楽しんで頂けると幸いです。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
えっ、これってバッドエンドですか!?
黄昏くれの
恋愛
ここはプラッツェン王立学園。
卒業パーティというめでたい日に突然王子による婚約破棄が宣言される。
あれ、なんだかこれ見覚えがあるような。もしかしてオレ、乙女ゲームの攻略対象の一人になってる!?
しかし悪役令嬢も後ろで庇われている少女もなんだが様子がおかしくて・・・?
よくある転生、婚約破棄モノ、単発です。
悪役令嬢アンジェリカの最後の悪あがき
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【追放決定の悪役令嬢に転生したので、最後に悪あがきをしてみよう】
乙女ゲームのシナリオライターとして活躍していた私。ハードワークで意識を失い、次に目覚めた場所は自分のシナリオの乙女ゲームの世界の中。しかも悪役令嬢アンジェリカ・デーゼナーとして断罪されている真っ最中だった。そして下された罰は爵位を取られ、へき地への追放。けれど、ここは私の書き上げたシナリオのゲーム世界。なので作者として、最後の悪あがきをしてみることにした――。
※他サイトでも投稿中
転生者はチートな悪役令嬢になりました〜私を死なせた貴方を許しません〜
みおな
恋愛
私が転生したのは、乙女ゲームの世界でした。何ですか?このライトノベル的な展開は。
しかも、転生先の悪役令嬢は公爵家の婚約者に冤罪をかけられて、処刑されてるじゃないですか。
冗談は顔だけにして下さい。元々、好きでもなかった婚約者に、何で殺されなきゃならないんですか!
わかりました。私が転生したのは、この悪役令嬢を「救う」ためなんですね?
それなら、ついでに公爵家との婚約も回避しましょう。おまけで貴方にも仕返しさせていただきますね?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる