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アザエル
「明日もまた」
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「ん。……っ。あ、あれ」
暁音は意識が浮上し、唸り声をあげながら目を覚ました。周りに違和感を感じ、目元をこすりながら瞳を開け周りを見回し始める。
教室内は暗く、月光が破れているカーテンの隙間から注ぎ込む程度の明かりしかない。
「周りが暗い? 今何時だろう」
ポケットに入っているスマホを手に取り、画面をつける。そこには”19:38"と表示されていた。その画面を見た瞬間、一気に目が覚めたらしく悲鳴と共に勢いよく立ちあがった。
「もうこんな時間!」
「うわっ!!」
ガタンッ――
「……あ。ご、ごめんなさい」
暁音の声に驚き、いつの間にか戻ってきていた月海が驚きの声を上げた。それと同時に机へと腰を預けていた彼は、床へとしりもちを付いてしまう。すぐに立ち上がることが出来ず、痛そうに腰をさすっている。
咄嗟に謝った暁音は、立ち上がったのと同時に落ちてしまったひざ掛けに気づき手に取った。
「これって」
あまり大きくないひざ掛け。端の方は糸がほつれ、小さな穴も開いている。あまり気にならないが、赤いシミみたいなものも染みついていた。
暁音はそんなひざ掛けをまじまじと見た後、床へと崩れ落ちていた月海に視線を移す。
今は腰を抑えながら立ち上がり、いつも暁音が鞄を置いている机に寄りかかろうとしているところだった。
「これ、月海さんのですか?」
「……別に、僕のじゃない」
「なら、これは誰のですか?」
「誰のでもないよ」
「…………ありがとうございます」
「なんの事か分からないな」
「素直にお礼を受け取ってください」
「うるさい」
バツが悪そうに顔を歪め、月海は暁音から顔を逸らす。髪の隙間から見える耳は淡く染まっており、暁音は薄く笑みを浮かべ目を細めた。
何も言わず手に持っているひざ掛けを畳み、月海に返そうと歩みを進める。その際、外からの薄い灯りが気になり、窓の外に目を向けた。
外は暗くなっており、星が散りばめられている。三日月が昇り、見上げている暁音の瞳に映っていた。
雲が気持ち良さそうに漂い、横へと流れている。
そんな夜空を眺めている暁音の頬は、いつもより少しだけ赤い。
月海はカタンと音を鳴らし立ち上がり、暁音の隣に移動。一緒の景色を見上げた。
「そういえば、月海さんは視力がないんですよね?」
「見ていればわかるでしょ。これで見れたら透視の能力を持っている人だよ。眼球もないから透視を持っていたところで見る事が出来ないけどね」
「…………はぁ、一言多いのは置いておいて。どうやって歩いたり走ったり、ピンポイントに人の頸動脈を狙ったりしているんですか?」
「走るのは、物の気配を感じ取っているからだよ。人の気配は敏感に感じる事はできるし、物も何となく『ここに何かある』というものを感じ取れる。頸動脈を狙ったりとかは知らない。やっているのは僕じゃないんだ。しっかりと本人に聞いて」
「今、呼んでもいいんですか?」
暁音の一言に、月海はなぜか開きかけた口を閉じた。口元をへの字にし、夜空を見上げる。まるで、不貞腐れている子供のような態度に、暁音は目をぱちくりさせながら彼を見上げた。
「君は、僕よりもう一人の僕の方が好きだよね。何、平和な生活はもう飽きたの。もっと刺激的な人生を歩みたいのよって? 馬鹿なの?」
「それはないので安心してください」
「それにしては、前もいきなり呼び出してたよね」
「用事があったからです」
月海が言っている"前も"は、亜里沙の時の事だ。
なぜ、月海は亜里沙を殺さなかったのか。暁音には分からず、直接聞くため『死んでください』と、呼び出していた。
「その用事は、どうしても済まさなければならない用事だったの?」
「そうですね。私自身、分からない事があり、それを聞かなければ落ち着かなかったので」
「それ、僕じゃダメなわけ?」
「え? いや、でも。もう一人の月海さんのことは、本人に聞かないと分からないって言っていたじゃないですか」
「確かに、もう一人の僕が行った行動については、もう一人の僕しかわからない。でも、人の感情を読み取るのは、今の僕でも出来るよ」
「……なんで、不貞腐れているんですか?」
「不貞腐れてない」
間髪入れず否定する月海だが、頬を膨らましそっぽを向いているため、明らかに不貞腐れている。そんな彼に、暁音は首を傾げた。
「……まぁ、いいです。とりあえず、今回はもう帰りますね」
「なんのために来たの?」
「もしかしたら、相談所に誰か人が来るかもしれないじゃないですか」
「まだ、そんな事を言っていたの」
「当たり前です。私の目的は、自分の感情を取り戻すことが一つ。もう一つは、貴方の極度な人見知りを直すためでもあるんですから」
「それも、他人に言われてやっているだけでしょ」
「否定はしません。ですが、やると決めたのは私なので、私の意志でもあります」
二人の会話はいつも淡々としている。お互い感情を表に出さないため、はたから見れば仲がいいとは到底思えない。だが、二人はこれが普通なため気にしない。
暁音は時間を再度見て、彼の隣を通り過ぎ鞄を片手に持つ。
「また、明日も来ます」
「来ないでいい」
「次はご飯を持ってきますね」
「だから余計なことを──」
「それでは、また明日」
月海の言葉を全て無視し、暁音は教室を後にし廊下を歩き始めた。
彼はそんな彼女に対し、違和感を感じ顎に手を当て首を傾げる。
数秒考えたが、何も分からず手を下ろす。そのまま、何事も無かったかのように暁音と同じく教室を後にした。
「明日もまた、平凡な一日。何も無いまま、終われば楽なんだけれど」
廊下を進み、闇の中へと姿を消した。教室には、風で揺れるカーテンと、人の影。
窓の外に、黒い人影が見える。風に舞い、ウェーブかかった長い髪を揺らしていた。口元だけがカーテンの破れている所から見え、鋭く尖った八重歯が横に引き延ばされた赤く艶やかな口から覗き見える。
「月海、やはり主は綺麗だ。次は目だけではなく──……」
人影は笑い声を上げ、その場から消えるように姿を消す。
少しだけ見えた人影の手には、二つの色違いの瞳が入った小瓶が、握られていた。
暁音は意識が浮上し、唸り声をあげながら目を覚ました。周りに違和感を感じ、目元をこすりながら瞳を開け周りを見回し始める。
教室内は暗く、月光が破れているカーテンの隙間から注ぎ込む程度の明かりしかない。
「周りが暗い? 今何時だろう」
ポケットに入っているスマホを手に取り、画面をつける。そこには”19:38"と表示されていた。その画面を見た瞬間、一気に目が覚めたらしく悲鳴と共に勢いよく立ちあがった。
「もうこんな時間!」
「うわっ!!」
ガタンッ――
「……あ。ご、ごめんなさい」
暁音の声に驚き、いつの間にか戻ってきていた月海が驚きの声を上げた。それと同時に机へと腰を預けていた彼は、床へとしりもちを付いてしまう。すぐに立ち上がることが出来ず、痛そうに腰をさすっている。
咄嗟に謝った暁音は、立ち上がったのと同時に落ちてしまったひざ掛けに気づき手に取った。
「これって」
あまり大きくないひざ掛け。端の方は糸がほつれ、小さな穴も開いている。あまり気にならないが、赤いシミみたいなものも染みついていた。
暁音はそんなひざ掛けをまじまじと見た後、床へと崩れ落ちていた月海に視線を移す。
今は腰を抑えながら立ち上がり、いつも暁音が鞄を置いている机に寄りかかろうとしているところだった。
「これ、月海さんのですか?」
「……別に、僕のじゃない」
「なら、これは誰のですか?」
「誰のでもないよ」
「…………ありがとうございます」
「なんの事か分からないな」
「素直にお礼を受け取ってください」
「うるさい」
バツが悪そうに顔を歪め、月海は暁音から顔を逸らす。髪の隙間から見える耳は淡く染まっており、暁音は薄く笑みを浮かべ目を細めた。
何も言わず手に持っているひざ掛けを畳み、月海に返そうと歩みを進める。その際、外からの薄い灯りが気になり、窓の外に目を向けた。
外は暗くなっており、星が散りばめられている。三日月が昇り、見上げている暁音の瞳に映っていた。
雲が気持ち良さそうに漂い、横へと流れている。
そんな夜空を眺めている暁音の頬は、いつもより少しだけ赤い。
月海はカタンと音を鳴らし立ち上がり、暁音の隣に移動。一緒の景色を見上げた。
「そういえば、月海さんは視力がないんですよね?」
「見ていればわかるでしょ。これで見れたら透視の能力を持っている人だよ。眼球もないから透視を持っていたところで見る事が出来ないけどね」
「…………はぁ、一言多いのは置いておいて。どうやって歩いたり走ったり、ピンポイントに人の頸動脈を狙ったりしているんですか?」
「走るのは、物の気配を感じ取っているからだよ。人の気配は敏感に感じる事はできるし、物も何となく『ここに何かある』というものを感じ取れる。頸動脈を狙ったりとかは知らない。やっているのは僕じゃないんだ。しっかりと本人に聞いて」
「今、呼んでもいいんですか?」
暁音の一言に、月海はなぜか開きかけた口を閉じた。口元をへの字にし、夜空を見上げる。まるで、不貞腐れている子供のような態度に、暁音は目をぱちくりさせながら彼を見上げた。
「君は、僕よりもう一人の僕の方が好きだよね。何、平和な生活はもう飽きたの。もっと刺激的な人生を歩みたいのよって? 馬鹿なの?」
「それはないので安心してください」
「それにしては、前もいきなり呼び出してたよね」
「用事があったからです」
月海が言っている"前も"は、亜里沙の時の事だ。
なぜ、月海は亜里沙を殺さなかったのか。暁音には分からず、直接聞くため『死んでください』と、呼び出していた。
「その用事は、どうしても済まさなければならない用事だったの?」
「そうですね。私自身、分からない事があり、それを聞かなければ落ち着かなかったので」
「それ、僕じゃダメなわけ?」
「え? いや、でも。もう一人の月海さんのことは、本人に聞かないと分からないって言っていたじゃないですか」
「確かに、もう一人の僕が行った行動については、もう一人の僕しかわからない。でも、人の感情を読み取るのは、今の僕でも出来るよ」
「……なんで、不貞腐れているんですか?」
「不貞腐れてない」
間髪入れず否定する月海だが、頬を膨らましそっぽを向いているため、明らかに不貞腐れている。そんな彼に、暁音は首を傾げた。
「……まぁ、いいです。とりあえず、今回はもう帰りますね」
「なんのために来たの?」
「もしかしたら、相談所に誰か人が来るかもしれないじゃないですか」
「まだ、そんな事を言っていたの」
「当たり前です。私の目的は、自分の感情を取り戻すことが一つ。もう一つは、貴方の極度な人見知りを直すためでもあるんですから」
「それも、他人に言われてやっているだけでしょ」
「否定はしません。ですが、やると決めたのは私なので、私の意志でもあります」
二人の会話はいつも淡々としている。お互い感情を表に出さないため、はたから見れば仲がいいとは到底思えない。だが、二人はこれが普通なため気にしない。
暁音は時間を再度見て、彼の隣を通り過ぎ鞄を片手に持つ。
「また、明日も来ます」
「来ないでいい」
「次はご飯を持ってきますね」
「だから余計なことを──」
「それでは、また明日」
月海の言葉を全て無視し、暁音は教室を後にし廊下を歩き始めた。
彼はそんな彼女に対し、違和感を感じ顎に手を当て首を傾げる。
数秒考えたが、何も分からず手を下ろす。そのまま、何事も無かったかのように暁音と同じく教室を後にした。
「明日もまた、平凡な一日。何も無いまま、終われば楽なんだけれど」
廊下を進み、闇の中へと姿を消した。教室には、風で揺れるカーテンと、人の影。
窓の外に、黒い人影が見える。風に舞い、ウェーブかかった長い髪を揺らしていた。口元だけがカーテンの破れている所から見え、鋭く尖った八重歯が横に引き延ばされた赤く艶やかな口から覗き見える。
「月海、やはり主は綺麗だ。次は目だけではなく──……」
人影は笑い声を上げ、その場から消えるように姿を消す。
少しだけ見えた人影の手には、二つの色違いの瞳が入った小瓶が、握られていた。
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