125 / 130
記憶の欠片
「分かり合えるわ」
しおりを挟む
「ねぇ、何年か前に流行ってた噂知ってる?」
「あ? 噂? なんだよそれ」
「もしかして、それって三年くらい前まで流行っていた『どんなに固く閉じられた箱でも開けてくれる』ってやつかい?」
「そうそれ!! 最近だと聞かなくなったけど、前に友達が試しに林の中に行ったみたいなの。そしたら、あったらしいよ!! 噂に出ていた古い小屋!!」
「嘘だろ。そいつが嘘ついてんじゃねぇの?」
「そんな事ないよ!! でも、中に入ろうとしたら鍵が閉まっていたみたいで中に入れなかったんだって」
「それって、噂の小屋じゃなくて、ただ捨てられた小屋なんじゃないのかい?」
「うーん。わかんないけど。ねぇ、私達も確かめるため明日行ってみない?」
「そうだな。暇つぶしがてら行ってみるか」
「明日はちょうど学校も休みだから、いいかもしれないね」
「そうと決まれば、明日行ってみよう!!」
三人がそんな会話をしていると、ちょうど真陽留がケーキの箱を持ってきた。
お会計を済ませ、三人はお店を出て行く。その時、女子生徒が「あの人めっちゃかっこよかったね!!」と口にしていたのを音禰は耳にし微笑む。
今時の女子生徒にかっこいいと呼ばれていた真陽留は、大きく伸びをして、腰をポンポンと叩いたあと、今回はしっかりと閉店の看板を立て、レジ周りの掃除を始めていた。その姿を音禰はぼぉっと見ており「確かに、見た目はかっこいいのよねぇ」と零す。
「お仕事をしている真陽留君に見惚れちゃった?」
「そ、そんな事ありませんよ」
「ふふっ、冗談よ。それにしてもさっきの噂──」
沙恵が音禰に近付き、先程の学生達の会話を思い出していた。
「さっきの噂話が何か? よくある都市伝説みたいなものではないのですか?」
「確かにそうなんだけど。私ね、大学生の時その噂を耳にした事があるのよ」
「そりゃ、噂なんですから、耳にするくらいは──」
「そうなんだけれどね。その時、私は結構悩んでいて、その小屋に行った事があるのよね」
沙恵の言葉に音禰は「えっ」と驚き、目を丸くした。
「それで、確かに小屋はあったはずなの。でも、思い出せないわ。まるで、その小屋であった出来事だけ、綺麗に抜き取られている感じなのよ」
何とか思い出そうと、沙恵は顎に手を当て唸っているが、どうしても思い出せず諦めたようにため息を吐く。
「ダメだわ。全然思い出せない」
「思い出せないのは無理もない気が──」
「あっ!!!」
音禰が宥めようとすると、いきなり沙恵が大きな声を出し顔を勢いよく上げた。それに彼女は驚き、肩をビクッと震わせた。
「ど、どうしたんですか」
「思い出したわ!! 確か、そこにはイケメン男子とすごく綺麗な少年が居たはずよ」
思い出した事に感動し、音禰の困惑顔を気にせず、どんどん彼女は話を進めていく。
「少年は名前を名乗ってくれなかったから分からないけど、確かイケメン男子は──えっと……。きょ……きょう……。うーん。きょう──なんとか明人さんだった気がするわ!!!」
名前を聞いた瞬間、音禰は目を見開き、真陽留はレジスターの周りを拭いていたタオルを落としてしまった。
二人とも動揺を隠す事が出来ず、動きを止める。
「あ、きと?」
「えぇ。苗字は忘れてしまったけれど、名前は思い出したわ。でも、なんでいきなり思い出せたのかしら。不思議ねぇ」
頬に手を当て不思議と呟く沙恵を気にせず、音禰と真陽留は目を合わせた。
「明人、きょう──がい。あ、筺鍵明人!!」
「そうだ。明人。あいつの、仮の名前!!」
真陽留はレジから音禰達が居るくつろぎスペースに小走りで移動し、興奮気味に名前を口にした。そんな二人を、沙恵はキョトンとしたような顔で見る。
「あ、あぁ。なんで、なんで忘れていたのかしら。明人──いえ、私達の大事な幼馴染で、友人で、親友!!」
「くそっ。なんで今の今まで出てこなかった。記憶にもなかったぞ!!」
二人の気の動転ように、沙恵はよく分からず瞬きをしていたが、すぐに我に返り、慌てた口調で問いかけた。
「えっと、よく分からないけど。幼馴染? って人を今まで忘れていたって事かしら?」
「そうです!! あぁ、私なんて馬鹿なんだろう。何年忘れていたの。それすら曖昧……」
頭を抱え、音禰は項垂れる。真陽留も同じく頭を抱え「くそっ」と嘆いていた。
「あの、どうしてそんなに落ち込む必要が……」
「なんでって、さっきまで幼馴染の名前や顔。存在すら忘れていたんですよ。もう、最悪です……」
「あぁ、僕達は最低だ……」
落ち込む二人に、沙恵はなんて事ないと言うような口調で二人の肩を掴み、目を細め優しげな笑みを浮かべた。
「なんかよくわからないけれど、思い出したのならいいじゃない。会いに行ってあげなさい」
「無理ですよ。今の今まで忘れていて、思い出したから会いに来ましたって……。失礼すぎる」
「それに、どんな顔して会いに行けばいいのか分かんねぇ…………」
「決まっているじゃない」
沙恵の言葉に顔を上げ、二人は彼女に悲しんでいるような怯えているような。様々な感情が込められた瞳を向けた。
「どんな顔も何も無いわ。貴方達のめいっぱいの笑顔を幼馴染に見せてあげればいいのよ。そうすればきっと、分かり合えるわ」
彼女の言葉に音禰と真陽留は少し悩んだが、顔を見合せたあと、その目には決意が込められ、お互い頷きあった。
そんな二人を沙恵は安心したように、ホッと息を吐きながら見つめる。
「あ、お金を──」
「今日は私の奢りよ。行ってきなさい」
沙恵の言葉に二人は大きな声でお礼をし、音禰は荷物を手にし、真陽留は手に持っていたタオルをテーブルに置き、慌てて外へと走り出した。
「あ? 噂? なんだよそれ」
「もしかして、それって三年くらい前まで流行っていた『どんなに固く閉じられた箱でも開けてくれる』ってやつかい?」
「そうそれ!! 最近だと聞かなくなったけど、前に友達が試しに林の中に行ったみたいなの。そしたら、あったらしいよ!! 噂に出ていた古い小屋!!」
「嘘だろ。そいつが嘘ついてんじゃねぇの?」
「そんな事ないよ!! でも、中に入ろうとしたら鍵が閉まっていたみたいで中に入れなかったんだって」
「それって、噂の小屋じゃなくて、ただ捨てられた小屋なんじゃないのかい?」
「うーん。わかんないけど。ねぇ、私達も確かめるため明日行ってみない?」
「そうだな。暇つぶしがてら行ってみるか」
「明日はちょうど学校も休みだから、いいかもしれないね」
「そうと決まれば、明日行ってみよう!!」
三人がそんな会話をしていると、ちょうど真陽留がケーキの箱を持ってきた。
お会計を済ませ、三人はお店を出て行く。その時、女子生徒が「あの人めっちゃかっこよかったね!!」と口にしていたのを音禰は耳にし微笑む。
今時の女子生徒にかっこいいと呼ばれていた真陽留は、大きく伸びをして、腰をポンポンと叩いたあと、今回はしっかりと閉店の看板を立て、レジ周りの掃除を始めていた。その姿を音禰はぼぉっと見ており「確かに、見た目はかっこいいのよねぇ」と零す。
「お仕事をしている真陽留君に見惚れちゃった?」
「そ、そんな事ありませんよ」
「ふふっ、冗談よ。それにしてもさっきの噂──」
沙恵が音禰に近付き、先程の学生達の会話を思い出していた。
「さっきの噂話が何か? よくある都市伝説みたいなものではないのですか?」
「確かにそうなんだけど。私ね、大学生の時その噂を耳にした事があるのよ」
「そりゃ、噂なんですから、耳にするくらいは──」
「そうなんだけれどね。その時、私は結構悩んでいて、その小屋に行った事があるのよね」
沙恵の言葉に音禰は「えっ」と驚き、目を丸くした。
「それで、確かに小屋はあったはずなの。でも、思い出せないわ。まるで、その小屋であった出来事だけ、綺麗に抜き取られている感じなのよ」
何とか思い出そうと、沙恵は顎に手を当て唸っているが、どうしても思い出せず諦めたようにため息を吐く。
「ダメだわ。全然思い出せない」
「思い出せないのは無理もない気が──」
「あっ!!!」
音禰が宥めようとすると、いきなり沙恵が大きな声を出し顔を勢いよく上げた。それに彼女は驚き、肩をビクッと震わせた。
「ど、どうしたんですか」
「思い出したわ!! 確か、そこにはイケメン男子とすごく綺麗な少年が居たはずよ」
思い出した事に感動し、音禰の困惑顔を気にせず、どんどん彼女は話を進めていく。
「少年は名前を名乗ってくれなかったから分からないけど、確かイケメン男子は──えっと……。きょ……きょう……。うーん。きょう──なんとか明人さんだった気がするわ!!!」
名前を聞いた瞬間、音禰は目を見開き、真陽留はレジスターの周りを拭いていたタオルを落としてしまった。
二人とも動揺を隠す事が出来ず、動きを止める。
「あ、きと?」
「えぇ。苗字は忘れてしまったけれど、名前は思い出したわ。でも、なんでいきなり思い出せたのかしら。不思議ねぇ」
頬に手を当て不思議と呟く沙恵を気にせず、音禰と真陽留は目を合わせた。
「明人、きょう──がい。あ、筺鍵明人!!」
「そうだ。明人。あいつの、仮の名前!!」
真陽留はレジから音禰達が居るくつろぎスペースに小走りで移動し、興奮気味に名前を口にした。そんな二人を、沙恵はキョトンとしたような顔で見る。
「あ、あぁ。なんで、なんで忘れていたのかしら。明人──いえ、私達の大事な幼馴染で、友人で、親友!!」
「くそっ。なんで今の今まで出てこなかった。記憶にもなかったぞ!!」
二人の気の動転ように、沙恵はよく分からず瞬きをしていたが、すぐに我に返り、慌てた口調で問いかけた。
「えっと、よく分からないけど。幼馴染? って人を今まで忘れていたって事かしら?」
「そうです!! あぁ、私なんて馬鹿なんだろう。何年忘れていたの。それすら曖昧……」
頭を抱え、音禰は項垂れる。真陽留も同じく頭を抱え「くそっ」と嘆いていた。
「あの、どうしてそんなに落ち込む必要が……」
「なんでって、さっきまで幼馴染の名前や顔。存在すら忘れていたんですよ。もう、最悪です……」
「あぁ、僕達は最低だ……」
落ち込む二人に、沙恵はなんて事ないと言うような口調で二人の肩を掴み、目を細め優しげな笑みを浮かべた。
「なんかよくわからないけれど、思い出したのならいいじゃない。会いに行ってあげなさい」
「無理ですよ。今の今まで忘れていて、思い出したから会いに来ましたって……。失礼すぎる」
「それに、どんな顔して会いに行けばいいのか分かんねぇ…………」
「決まっているじゃない」
沙恵の言葉に顔を上げ、二人は彼女に悲しんでいるような怯えているような。様々な感情が込められた瞳を向けた。
「どんな顔も何も無いわ。貴方達のめいっぱいの笑顔を幼馴染に見せてあげればいいのよ。そうすればきっと、分かり合えるわ」
彼女の言葉に音禰と真陽留は少し悩んだが、顔を見合せたあと、その目には決意が込められ、お互い頷きあった。
そんな二人を沙恵は安心したように、ホッと息を吐きながら見つめる。
「あ、お金を──」
「今日は私の奢りよ。行ってきなさい」
沙恵の言葉に二人は大きな声でお礼をし、音禰は荷物を手にし、真陽留は手に持っていたタオルをテーブルに置き、慌てて外へと走り出した。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
帰ってきた猫ちゃん
転生新語
キャラ文芸
夏目漱石の『吾輩は猫である』を始め、漱石作品やマンガを読むのが大好きな、5歳の猫の話。時代設定は2021年(令和3年)。
小説家に飼われている無名の猫は、寝るのが好きで夢と現実の間を行き来しながら、猫語を解するお家の赤ちゃんと夏目漱石の作品に付いて話し合うのでした。
精神も荒(すさ)みがちな時代の中では、愛や文学が一層、価値を持つ。無名猫が希望を持って生きていく物語です。なおアルファポリス掲載に際し、感染病に関する記載を一部、変更しています。
また、この作品は2022年4月、「小説家になろう」で完結済みです。→https://ncode.syosetu.com/n7966hm/
太陽と月の終わらない恋の歌
泉野ジュール
キャラ文芸
ルザーンの街には怪盗がいる──
『黒の怪盗』と呼ばれる義賊は、商業都市ルザーンにはびこる悪人を狙うことで有名だった。
夜な夜な悪を狩り、盗んだ財産を貧しい家に届けるといわれる黒の怪盗は、ルザーンの光であり、影だ。しかし彼の正体を知るものはどこにもいない。
ただひとり、若き富豪ダヴィッド・サイデンに拾われた少女・マノンをのぞいては……。
夜を駆ける義賊と、彼に拾われた少女の、禁断の年の差純愛活劇!
婚約者様、王女様を優先するならお好きにどうぞ
曽根原ツタ
恋愛
オーガスタの婚約者が王女のことを優先するようになったのは――彼女の近衛騎士になってからだった。
婚約者はオーガスタとの約束を、王女の護衛を口実に何度も破った。
美しい王女に付きっきりな彼への不信感が募っていく中、とある夜会で逢瀬を交わすふたりを目撃したことで、遂に婚約解消を決意する。
そして、その夜会でたまたま王子に会った瞬間、前世の記憶を思い出し……?
――病弱な王女を優先したいなら、好きにすればいいですよ。私も好きにしますので。
封印から目覚めると鬼娘の私は陰陽師のお嫁になっていました
白黒
キャラ文芸
私は鬼と人の間に産まれた娘だ。
村で私達家族は村八分で忌み嫌われていた。
成長したある日家に戻ると家は焼かれ両親は死んでしまった。
村人達に殺されそうになり山に逃げた私は綺麗な顔の陰陽師に出会い、そのまま1200年の眠りと封印をされてしまう。
1200年後に再び目覚めるとあの陰陽師の子孫の少年と出会う。彼は目覚めた私にとても優しく、私をお嫁さんにまでしてくれると言う。
しかし1200年経ったこの世でも鬼退治は続けられていて??陰陽師×鬼娘の恋愛色強め和風ファンタジー?
*
メンタル弱めなので厳しめコメントはお控えください。応援コメント歓迎。
勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス
R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。
そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。
最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。
そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。
※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※
第七魔眼の契約者
文月ヒロ
キャラ文芸
主人公、最弱の【魔術師】・和灘 悟《わなだ さとる》。
第六魔法学院に通う彼は、二年の夏のとある日の朝学院より落第を通告された。
『【迷宮】攻略試験を受け、攻略する』
状況を打破しようと奔走する彼は、そんな折、落第回避の方法として追試の存在を知る。
そして試験開始後【迷宮】へと潜り込んだ悟だったが、そこで【魔眼】を名乗る声に話し掛けられ――。
最弱だった少年【魔術師】が【魔眼】と紡ぐ――最強の物語、開幕!!
鬼の閻火とおんぼろ喫茶
碧野葉菜
キャラ文芸
ほっこりじんわり大賞にて奨励賞を受賞しました!ありがとうございます♪
高校を卒業してすぐ、急逝した祖母の喫茶店を継いだ萌香(もか)。
気合いだけは十分だったが現実はそう甘くない。
奮闘すれど客足は遠のくばかりで毎日が空回り。
そんなある日突然現れた閻魔大王の閻火(えんび)に結婚を迫られる。
嘘をつけない鬼のさだめを利用し、萌香はある提案を持ちかける。
「おいしいと言わせることができたらこの話はなかったことに」
激辛採点の閻火に揉まれ、幼なじみの藍之介(あいのすけ)に癒され、周囲を巻き込みつつおばあちゃんが言い残した「大切なこと」を探す。
果たして萌香は約束の期限までに閻火に「おいしい」と言わせ喫茶店を守ることができるのだろうか?
ヒューマンドラマ要素強めのほっこりファンタジー風味なラブコメグルメ奮闘記。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる