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作戦会議
「俺も好きにやる」
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二人の言葉に真陽留は、信じられないというように慌てた様子を見せた。
「い、いやいやいや。確かに今は生きてるけどよ!! もしかすると死んでいたかもしれない、殺されていたかもしれないとか思わないのかよ!! それに、明人は僕に結構酷い事を──」
「されたな。記憶を奪われ、何故か知らんが復讐され。呪いで体は蝕み、いつ死んでもおかしくない状態だったな」
明人の容赦ない言葉の攻撃に真陽留は心が折れ、ガクッと肩を落としてしまい言葉の続きを言う事は出来なくなった。それでもすぐに、ボソボソと小さな声で呟き始める。
「なら、なんで今怒らねぇんだよ……。殴るなりなんなりやればいいだろうが」
「お前……。いや、すまない。俺はお前の趣味に付き合えるほど心は腐ってないんだ。殴られたいのならそういうお店に行って──」
「同情の目を向けてんじゃねぇよ違ぇわ!!! 僕だって殴られたくないっつーの!!!」
眉を下げ、明人は可哀想な人を見るような哀れみの目を彼に向けながら、顔を逸らし悲しげに言った。その大きな勘違いを怒りの声と共に全力で否定する。
そんな二人を音禰は、控えめに笑いながら眺めていた。
「なら、そんな事口にしてんじゃねぇわ。別に殴りたかったら殴るし、怒った時はお前にぶつけるわ。そうだな、例えば、本のページが開けずイライラした時とかはお前に辞書を思いっきり投げてやるよ。そうすればお前は喜び、俺もストレス発散が出来る。いっせきにちょ──」
「なんでだよ!! もういいわ!!!」
真陽留は怒ってそっぽを向いてしまったが、明人はそれを横目で見たあと薄く笑みを浮かべた。その後すぐに、最初の話に戻り作戦を伝え始める。
「とりあえず、こいつの代償とかは後でゆっくり聞くとして、続きを話すぞ。まず、音禰の治癒能力はあと何回なのかを先に確認させてくれ」
「あと二回のはずよ。二回までならどんな傷でも治せるわ。音禰ちゃんが自身の体力をどれだけ保つ事が出来るかにもよるけれどね」
「なるほどな。なら、壁が一つあるから三回は問題ないという事か。それを踏まえて考えるとしよう」
真陽留はもうツッコム気力が無く、諦めたように明人をジトッと見ていた。
「まずは──」
その後、彼自身が考えた作戦を三人に伝える。途中何度か真陽留が突っかかったが、それを音禰が鎮めなんとか最後まで話終わった。
「お前って本当にクズの中のクズだよな。人を人とも思っていないその思考。ある意味尊敬するよ」
「そりゃどーも」
「と、とりあえず!! それで行こうか!! ね、ファルシーさん!!!」
何とか話題を変えようと、音禰がファルシーに話しかける。だが、彼女の険しい表情に音禰は再度名前を呼んだ。
「そうね……。でも、成功する確率は極めて低いんじゃない? 無謀と言ってもいいわ。大丈夫なのかしら」
ファルシーは腕を組み、少し心配そうに明人へと問いかける。
「問題ねぇよ。そん時はそん時だ。潔く死のうじゃねぇか」
「「嫌だよ!!!」」
「うるせっ」
耳に小指を入れ面倒くさそうにする明人。
ファルシーはその様子を見ているが笑う事はせず、険しい顔を浮かべたまま考え込んでいた。
「貴方、今回はどこまで考えているのかしら。私を病院に置いたのも、音禰ちゃんが目を覚ますのを知っていたからではなくて?」
「さぁ、どうだろうな」
明人はファルシーの言葉に答える気が無く、適当に返答している。
「とりあえず、やるかやらないかはお前らで決めろ。やらないのであれば好きにすればいい。俺も好きにやる」
さすがに無謀なのは分かっており、明人は最後。三人に目を向け決断を任せた。だが、三人が何を言おうと彼は一人で洞窟に向かおうとしている。そのための作戦も考えていた。
三人は少し顔を俯かせ考えた。だが、すぐに覚悟を決め、音禰と真陽留は明人と目を合わせ──…………
「「やる」」
そう、力強く頷き宣言した。その言葉に明人は少し驚き、そのまま確認のためファルシーにも目を向けた。
今回の作戦は、三人の参加が必須。二人が頷いてくれたとしても、ファルシーが参加してくれなければ意味は無い。
三人はファルシーに目を向ける。その目線を受けた彼女は、困った様に眉を下げた後。
「はぁ。わかったわ。ここで私が参加しないと言えば、何を言われるか分からないからね」
「あ、ありがとうございますファルシーさん!!」
ファルシーの返答に、音禰は嬉しそうに笑みを浮かべお礼を言った。
真陽留も緊張しておりホッと一息つき、明人はどんな反応でも次を考えていたのか、なにも口にはせず顎に手を当てる。
「なら、早速明日実行する。今日行くのは無謀以前の問題だからな。明日、体力を万全にした後行く事にするぞ」
「「うん/おう」」
その後は作戦の確認と、ファルシーの力についてなど。出来る限り話をして、無謀な作戦を可能な作戦に変更するため、動き出した。
「い、いやいやいや。確かに今は生きてるけどよ!! もしかすると死んでいたかもしれない、殺されていたかもしれないとか思わないのかよ!! それに、明人は僕に結構酷い事を──」
「されたな。記憶を奪われ、何故か知らんが復讐され。呪いで体は蝕み、いつ死んでもおかしくない状態だったな」
明人の容赦ない言葉の攻撃に真陽留は心が折れ、ガクッと肩を落としてしまい言葉の続きを言う事は出来なくなった。それでもすぐに、ボソボソと小さな声で呟き始める。
「なら、なんで今怒らねぇんだよ……。殴るなりなんなりやればいいだろうが」
「お前……。いや、すまない。俺はお前の趣味に付き合えるほど心は腐ってないんだ。殴られたいのならそういうお店に行って──」
「同情の目を向けてんじゃねぇよ違ぇわ!!! 僕だって殴られたくないっつーの!!!」
眉を下げ、明人は可哀想な人を見るような哀れみの目を彼に向けながら、顔を逸らし悲しげに言った。その大きな勘違いを怒りの声と共に全力で否定する。
そんな二人を音禰は、控えめに笑いながら眺めていた。
「なら、そんな事口にしてんじゃねぇわ。別に殴りたかったら殴るし、怒った時はお前にぶつけるわ。そうだな、例えば、本のページが開けずイライラした時とかはお前に辞書を思いっきり投げてやるよ。そうすればお前は喜び、俺もストレス発散が出来る。いっせきにちょ──」
「なんでだよ!! もういいわ!!!」
真陽留は怒ってそっぽを向いてしまったが、明人はそれを横目で見たあと薄く笑みを浮かべた。その後すぐに、最初の話に戻り作戦を伝え始める。
「とりあえず、こいつの代償とかは後でゆっくり聞くとして、続きを話すぞ。まず、音禰の治癒能力はあと何回なのかを先に確認させてくれ」
「あと二回のはずよ。二回までならどんな傷でも治せるわ。音禰ちゃんが自身の体力をどれだけ保つ事が出来るかにもよるけれどね」
「なるほどな。なら、壁が一つあるから三回は問題ないという事か。それを踏まえて考えるとしよう」
真陽留はもうツッコム気力が無く、諦めたように明人をジトッと見ていた。
「まずは──」
その後、彼自身が考えた作戦を三人に伝える。途中何度か真陽留が突っかかったが、それを音禰が鎮めなんとか最後まで話終わった。
「お前って本当にクズの中のクズだよな。人を人とも思っていないその思考。ある意味尊敬するよ」
「そりゃどーも」
「と、とりあえず!! それで行こうか!! ね、ファルシーさん!!!」
何とか話題を変えようと、音禰がファルシーに話しかける。だが、彼女の険しい表情に音禰は再度名前を呼んだ。
「そうね……。でも、成功する確率は極めて低いんじゃない? 無謀と言ってもいいわ。大丈夫なのかしら」
ファルシーは腕を組み、少し心配そうに明人へと問いかける。
「問題ねぇよ。そん時はそん時だ。潔く死のうじゃねぇか」
「「嫌だよ!!!」」
「うるせっ」
耳に小指を入れ面倒くさそうにする明人。
ファルシーはその様子を見ているが笑う事はせず、険しい顔を浮かべたまま考え込んでいた。
「貴方、今回はどこまで考えているのかしら。私を病院に置いたのも、音禰ちゃんが目を覚ますのを知っていたからではなくて?」
「さぁ、どうだろうな」
明人はファルシーの言葉に答える気が無く、適当に返答している。
「とりあえず、やるかやらないかはお前らで決めろ。やらないのであれば好きにすればいい。俺も好きにやる」
さすがに無謀なのは分かっており、明人は最後。三人に目を向け決断を任せた。だが、三人が何を言おうと彼は一人で洞窟に向かおうとしている。そのための作戦も考えていた。
三人は少し顔を俯かせ考えた。だが、すぐに覚悟を決め、音禰と真陽留は明人と目を合わせ──…………
「「やる」」
そう、力強く頷き宣言した。その言葉に明人は少し驚き、そのまま確認のためファルシーにも目を向けた。
今回の作戦は、三人の参加が必須。二人が頷いてくれたとしても、ファルシーが参加してくれなければ意味は無い。
三人はファルシーに目を向ける。その目線を受けた彼女は、困った様に眉を下げた後。
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真陽留も緊張しておりホッと一息つき、明人はどんな反応でも次を考えていたのか、なにも口にはせず顎に手を当てる。
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