65 / 130
麗華
「俺が貰う」
しおりを挟む
「「三つの選択肢?」」
明人の言葉を二人は確認をするように復唱した。
「そうだ。今ここでお前らにしてやれるのは三つしかない。それ相応の代償ももらうけどな」
「だい、しょう?」
二人は不安そうに顔を見合わせ、再度彼の方に顔を向ける。
「まず、簡単に俺達がやっている事と、代償について話してやる」
そこから彼は、簡潔かつ分かりやすく二人に説明した。
明人のわかりやすい説明に首を傾げる事はなかったが、現実味がないため二人は信じきる事が出来ていない。
「わかったか? わかんなかったとしてももう教えねぇけどな」
「なんでですか……」
明人の勝手な言葉にはもう本気でつっこむのが面倒になり、苦笑いを浮かべながら静空はそれだけを口にした。
「そんで、この説明を聞いてお前らには三つ選んでもらう」
明人は二人に真剣な眼差しを送り、「まず一つ目」と言いながら指を一本立てた。
「お前らの匣を頂く」
いきなり理不尽な事を言われ、二人は目を開く。
匣は感情。それを頂くという事は、感情が無くなるという事。それを瞬時に理解し麗羅は反論した。
「そんなの困ります!!」
「そうっすよ!! それに、感情を取られたら──」
「人の話は最後まで聞けアホども」
麗羅の反発に静空も続く。それを明人は最後まで聞かずに遮り、続きを無理やり話した。
「二つ目、何もせずこのまま帰る。そして、三つ目は──」
そこで明人は何故か、言葉を切ってしまう。二人は不思議に思い、恐る恐る声をかけた。
明人は顔を俯かせてしまい、髪が彼の表情を隠す。体が微かに震えているように見え、静かな空間に息遣いが響いた。
「明人……?」
カクリも心配になり、顔を覗き込もうと近づいたら明人の大きな手が頭を押さえてしまい視界が暗くなる。カクリは再度名前を呼ぶが、後ろに押されてしまい顔色を確認出来ない。
「………はぁ」
明人はカクリから手を離し、自身の袖で顔を拭く。それでも吹き出す汗は止まらず流れ落ちる。
「えっ、あの。大丈夫ですか?」
「ちょっとあんた、気分悪いんじゃっ……」
二人が心配そうに声をかけた。それもそのはず。
今の明人は笑みを浮かべているものの顔は青く、体も微かに震えている。これが正常な状態では無いのは誰が見てもわかるため、二人は腰を上げそうになった。
「問題ない。話を続ける」
そんな二人を右手で制し、話を強引に続けようとする。
「でも……」
「心配無用だ。それに、心配するなら俺の話を遮るな。さっさと終わらせろ」
明人の苦し気な声に、二人は口を閉じた。そして、彼は話の続きをする。
「三つ目、お前の妹をここに連れてくる事」
「えっ、麗華を……? なんで……」
突然麗華の名前が出て、すぐ返す事が出来ない。明人も予想通りと言わんばかりに、上げていた手を下げ説明を続ける。
「妹の匣を俺が貰う」
「貰うって……。そんな事したら麗華は感情を失うんじゃ──」
「そうよ! それに。連れて来いって言ってもあの男子生徒を掻い潜ってって事でしょ? 無理に決まってるじゃない」
「お前をはめた奴の肩を持ってどうする。麗華とやらはお前を売ったんだよ。だから、今この状況になってんだろうが」
明人の言葉に麗羅は何も言い返せない。それは静空も同じで口を閉ざしてしまう。
「なら、少しは仕返ししてもいいはずだ。少しで済むかは知らねぇがな。あとは、あの男子ともに関しては問題ねぇよ。俺がどうにかする」
二人は顔を見合わせ考えた。
麗華は自分を売った。その事実が麗羅の頭にこびり付いており、目を泳がせる。
「あの、匣を開けるのが主な仕事なんですよね? だったら、取り除くではなく開けるだけでは──」
「無理だな、諦めろ」
即答する明人に静空は「そうですか」と返すしかできなかった。
麗羅はどうすればいいのか何も思いつかず、顔を俯かせたまま動かない。
「なら、私達の匣を開けるとか。ほら、麗羅なんてずっと迷ってるし……」
「お前らの匣はそこまで黒くない。そんな状態で開ける必要はねぇよ。それに、代償についてもお忘れなく」
「うっ……」
静空は全て論破されてしまい、もう何も言えなくなってしまった。
「どうすんだよ。お姉さん?」
そのような呼び方をした明人に対し、麗羅はゆっくりと顔を上げた。
「…………二番の選択肢でお願いします」
麗羅は選択肢の中から二番目を選んだ。二番目の選択肢は『何もせずにここから戻る事』だ。
その言葉に静空は麗羅の肩を掴み「マジで?」と問いかける。それに対し、麗羅は力強く頷いた。
「ほう? それじゃ、今回はやる事なしって事か。それは良かったよ。んじゃ……」
「ですが、協力はお願いしたいです」
「──何?」
麗羅は彼を見続け言いきった。
明人は今回何もしなくてもいいと思い、少し喜んだ表情を浮かべたが、麗羅の言葉を聞き怪訝そうな顔に変わる。
「協力。お願いします」
「──話だけなら聞いてやる」
明人の言葉に麗羅は考えていた事を伝える。それを聞いた彼は口角を上げ、楽しげな笑みを浮かべ始めた。
明人の言葉を二人は確認をするように復唱した。
「そうだ。今ここでお前らにしてやれるのは三つしかない。それ相応の代償ももらうけどな」
「だい、しょう?」
二人は不安そうに顔を見合わせ、再度彼の方に顔を向ける。
「まず、簡単に俺達がやっている事と、代償について話してやる」
そこから彼は、簡潔かつ分かりやすく二人に説明した。
明人のわかりやすい説明に首を傾げる事はなかったが、現実味がないため二人は信じきる事が出来ていない。
「わかったか? わかんなかったとしてももう教えねぇけどな」
「なんでですか……」
明人の勝手な言葉にはもう本気でつっこむのが面倒になり、苦笑いを浮かべながら静空はそれだけを口にした。
「そんで、この説明を聞いてお前らには三つ選んでもらう」
明人は二人に真剣な眼差しを送り、「まず一つ目」と言いながら指を一本立てた。
「お前らの匣を頂く」
いきなり理不尽な事を言われ、二人は目を開く。
匣は感情。それを頂くという事は、感情が無くなるという事。それを瞬時に理解し麗羅は反論した。
「そんなの困ります!!」
「そうっすよ!! それに、感情を取られたら──」
「人の話は最後まで聞けアホども」
麗羅の反発に静空も続く。それを明人は最後まで聞かずに遮り、続きを無理やり話した。
「二つ目、何もせずこのまま帰る。そして、三つ目は──」
そこで明人は何故か、言葉を切ってしまう。二人は不思議に思い、恐る恐る声をかけた。
明人は顔を俯かせてしまい、髪が彼の表情を隠す。体が微かに震えているように見え、静かな空間に息遣いが響いた。
「明人……?」
カクリも心配になり、顔を覗き込もうと近づいたら明人の大きな手が頭を押さえてしまい視界が暗くなる。カクリは再度名前を呼ぶが、後ろに押されてしまい顔色を確認出来ない。
「………はぁ」
明人はカクリから手を離し、自身の袖で顔を拭く。それでも吹き出す汗は止まらず流れ落ちる。
「えっ、あの。大丈夫ですか?」
「ちょっとあんた、気分悪いんじゃっ……」
二人が心配そうに声をかけた。それもそのはず。
今の明人は笑みを浮かべているものの顔は青く、体も微かに震えている。これが正常な状態では無いのは誰が見てもわかるため、二人は腰を上げそうになった。
「問題ない。話を続ける」
そんな二人を右手で制し、話を強引に続けようとする。
「でも……」
「心配無用だ。それに、心配するなら俺の話を遮るな。さっさと終わらせろ」
明人の苦し気な声に、二人は口を閉じた。そして、彼は話の続きをする。
「三つ目、お前の妹をここに連れてくる事」
「えっ、麗華を……? なんで……」
突然麗華の名前が出て、すぐ返す事が出来ない。明人も予想通りと言わんばかりに、上げていた手を下げ説明を続ける。
「妹の匣を俺が貰う」
「貰うって……。そんな事したら麗華は感情を失うんじゃ──」
「そうよ! それに。連れて来いって言ってもあの男子生徒を掻い潜ってって事でしょ? 無理に決まってるじゃない」
「お前をはめた奴の肩を持ってどうする。麗華とやらはお前を売ったんだよ。だから、今この状況になってんだろうが」
明人の言葉に麗羅は何も言い返せない。それは静空も同じで口を閉ざしてしまう。
「なら、少しは仕返ししてもいいはずだ。少しで済むかは知らねぇがな。あとは、あの男子ともに関しては問題ねぇよ。俺がどうにかする」
二人は顔を見合わせ考えた。
麗華は自分を売った。その事実が麗羅の頭にこびり付いており、目を泳がせる。
「あの、匣を開けるのが主な仕事なんですよね? だったら、取り除くではなく開けるだけでは──」
「無理だな、諦めろ」
即答する明人に静空は「そうですか」と返すしかできなかった。
麗羅はどうすればいいのか何も思いつかず、顔を俯かせたまま動かない。
「なら、私達の匣を開けるとか。ほら、麗羅なんてずっと迷ってるし……」
「お前らの匣はそこまで黒くない。そんな状態で開ける必要はねぇよ。それに、代償についてもお忘れなく」
「うっ……」
静空は全て論破されてしまい、もう何も言えなくなってしまった。
「どうすんだよ。お姉さん?」
そのような呼び方をした明人に対し、麗羅はゆっくりと顔を上げた。
「…………二番の選択肢でお願いします」
麗羅は選択肢の中から二番目を選んだ。二番目の選択肢は『何もせずにここから戻る事』だ。
その言葉に静空は麗羅の肩を掴み「マジで?」と問いかける。それに対し、麗羅は力強く頷いた。
「ほう? それじゃ、今回はやる事なしって事か。それは良かったよ。んじゃ……」
「ですが、協力はお願いしたいです」
「──何?」
麗羅は彼を見続け言いきった。
明人は今回何もしなくてもいいと思い、少し喜んだ表情を浮かべたが、麗羅の言葉を聞き怪訝そうな顔に変わる。
「協力。お願いします」
「──話だけなら聞いてやる」
明人の言葉に麗羅は考えていた事を伝える。それを聞いた彼は口角を上げ、楽しげな笑みを浮かべ始めた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
便利屋ブルーヘブン、営業中。~そのお困りごと、大天狗と鬼が解決します~
卯崎瑛珠
キャラ文芸
とあるノスタルジックなアーケード商店街にある、小さな便利屋『ブルーヘブン』。
店主の天さんは、実は天狗だ。
もちろん人間のふりをして生きているが、なぜか問題を抱えた人々が、吸い寄せられるようにやってくる。
「どんな依頼も、断らないのがモットーだからな」と言いつつ、今日も誰かを救うのだ。
神通力に、羽団扇。高下駄に……時々伸びる鼻。
仲間にも、実は大妖怪がいたりして。
コワモテ大天狗、妖怪チート!?で、世直しにいざ参らん!
(あ、いえ、ただの便利屋です。)
-----------------------------
ほっこり・じんわり大賞奨励賞作品です。
アルファポリス文庫より、書籍発売中です!
おにぎり屋さんの裏稼業 〜お祓い請け賜わります〜
瀬崎由美
キャラ文芸
高校2年生の八神美琴は、幼い頃に両親を亡くしてからは祖母の真知子と、親戚のツバキと一緒に暮らしている。
大学通りにある屋敷の片隅で営んでいるオニギリ屋さん『おにひめ』は、気まぐれの営業ながらも学生達に人気のお店だ。でも、真知子の本業は人ならざるものを対処するお祓い屋。霊やあやかしにまつわる相談に訪れて来る人が後を絶たない。
そんなある日、祓いの仕事から戻って来た真知子が家の中で倒れてしまう。加齢による力の限界を感じた祖母から、美琴は祓いの力の継承を受ける。と、美琴はこれまで視えなかったモノが視えるようになり……。
第8回キャラ文芸大賞にて奨励賞をいただきました。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する
あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。
領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。
***
王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。
・ハピエン
・CP左右固定(リバありません)
・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません)
です。
べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
大正石華恋蕾物語
響 蒼華
キャラ文芸
■一:贄の乙女は愛を知る
旧題:大正石華戀奇譚<一> 桜の章
――私は待つ、いつか訪れるその時を。
時は大正。処は日の本、華やぐ帝都。
珂祥伯爵家の長女・菫子(とうこ)は家族や使用人から疎まれ屋敷内で孤立し、女学校においても友もなく独り。
それもこれも、菫子を取り巻くある噂のせい。
『不幸の菫子様』と呼ばれるに至った過去の出来事の数々から、菫子は誰かと共に在る事、そして己の将来に対して諦観を以て生きていた。
心許せる者は、自分付の女中と、噂畏れぬただ一人の求婚者。
求婚者との縁組が正式に定まろうとしたその矢先、歯車は回り始める。
命の危機にさらされた菫子を救ったのは、どこか懐かしく美しい灰色の髪のあやかしで――。
そして、菫子を取り巻く運命は動き始める、真実へと至る悲哀の終焉へと。
■二:あやかしの花嫁は運命の愛に祈る
旧題:大正石華戀奇譚<二> 椿の章
――あたしは、平穏を愛している
大正の時代、華の帝都はある怪事件に揺れていた。
其の名も「血花事件」。
体中の血を抜き取られ、全身に血の様に紅い花を咲かせた遺体が相次いで見つかり大騒ぎとなっていた。
警察の捜査は後手に回り、人々は怯えながら日々を過ごしていた。
そんな帝都の一角にある見城診療所で働く看護婦の歌那(かな)は、優しい女医と先輩看護婦と、忙しくも充実した日々を送っていた。
目新しい事も、特別な事も必要ない。得る事が出来た穏やかで変わらぬ日常をこそ愛する日々。
けれど、歌那は思わぬ形で「血花事件」に関わる事になってしまう。
運命の夜、出会ったのは紅の髪と琥珀の瞳を持つ美しい青年。
それを契機に、歌那の日常は変わり始める。
美しいあやかし達との出会いを経て、帝都を揺るがす大事件へと繋がる運命の糸車は静かに回り始める――。
※時代設定的に、現代では女性蔑視や差別など不適切とされる表現等がありますが、差別や偏見を肯定する意図はありません。
世界的名探偵 青井七瀬と大福係!~幽霊事件、ありえません!~
ミラ
キャラ文芸
派遣OL3年目の心葉は、ブラックな職場で薄給の中、妹に仕送りをして借金生活に追われていた。そんな時、趣味でやっていた大福販売サイトが大炎上。
「幽霊に呪われた大福事件」に発展してしまう。困惑する心葉のもとに「その幽霊事件、私に解かせてください」と常連の青井から連絡が入る。
世界的名探偵だという青井は事件を華麗に解決してみせ、なんと超絶好待遇の「大福係」への就職を心葉に打診?!青井専属の大福係として、心葉の1ヶ月間の試用期間が始まった!
次々に起こる幽霊事件の中、心葉が秘密にする「霊視の力」×青井の「推理力」で
幽霊事件の真相に隠れた、幽霊の想いを紐解いていく──!
「この世に、幽霊事件なんてありえません」
幽霊事件を絶対に許さない超偏屈探偵・青木と、幽霊が視える大福係の
ゆるバディ×ほっこり幽霊ライトミステリー!
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる