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架唯
「最初で最後のチャンス」
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錯乱している奏恵を明人は表情を変えずに見ていたが、そのうち溜息を吐きカクリに目線を向けた。
「カクリ、これ以上話す必要はねぇ。強制的に会わせるぞ」
「良いのかい?」
「構わん。それに、やばそうになったら適当にどうにかすればいい」
明人は立ち上がり、部屋の奥に続くドアへと歩き出した。ドアノブを掴み開けようとするが、動きを止める。
「あ、待って!! 私を置いていかないで!」
奏恵は明人を行かせまいと、腕にしがみつく。その行動に彼は驚きの表情を見せるが、すぐに冷静になり口を開く。
「おい、離せ。なんのつもりだ」
「また私、置いて行かれるの? 私を一人にする……。嫌よ、あんな別れ方──嫌だ」
錯乱状態で人の区別がついていない。明人の事が他の誰かに見えているみたいに縋った。
体をガタガタと震わせ、絶対に逃がさないと。彼の腕を再度強く握る。
結構強く握られており、明人は微かに顔を歪ませた。
「嫌だ嫌だ嫌だ。私、だって、悪いのは架唯だもの。私じゃない……」
ブツブツと呟いている彼女を見下ろし、明人はその場に立ち止まりドアを見つめ考え始める。
カクリは少し心配そうに依頼人と明人を交互に見ていた。その時、相手を諭すような。優しく、それでいて悲しんでいるような声で話しかけた。
「今回はお前、悪くないだろ。ただの事故だ。だが、それでも人の心とはそう簡単に修復しない。修復出来るとしたら、それは傷つけた本人のみ」
語るように明人は、何の含みもない。純粋な笑顔を奏恵に向け、空いている方の手を頭に乗せた。
明人の温もりが奏恵の熱くなった頭を冷静にさせていく。
「これが最初で最後のチャンスだ。お前は、友人と話したいか?」
明人の優しそうな笑みを見て、奏恵の取り乱していた心が落ち着き。焦点があっていなかった目は正気に戻って行く。
「話……」
「そうだ。今なら出来る。お前は、話をしたいか?」
一瞬で笑みを消した明人だったが、その表情はふざけている様子など一切ない。口調も変わらず優しいもので、安心出来る。
奏恵はそんな明人の表情を見て俯いてしまう。そして、彼の言葉に小さく頷いた。
「なら、待ってろ。話させてやるよ」
明人の言葉で奏恵は、腕を掴んでいた手をそっと離す。
「うし、良い子だ」
奏恵の頭を撫で、彼はそのまま奥の部屋へと姿を消した。
「えっ……、え?」
何が起きたのかわからず、奏恵は顔を赤く染めオロオロと忙しなく周りを見回していた。すると、ソファーの近くに立っているカクリと目が合い、固まってしまう。
「あ、あの」
「君は正気を取り戻したみたいだね。なら大丈夫そうだ。でも、明人は一体どのような魔法を使ったのだろうか。あんなに取り乱していた君をここまで正気に戻すなんてね」
奥のドアへと目を向け、カクリは疑問を口にする。
「えっと、魔法ではなく……」
頬を林檎のように染めながら俯き、ごにょごにょと何かを言う。そんな奏恵を無視し、カクリはソファーに座った。
「君もそこに居ないでこちらに来たらどうだい?」
自身の隣を指しながらカクリは奏恵に問いかける。それを見て彼女は、慌てて頷き急いでソファーに座った。
「あの、君も噂を聞いてここに来た子なの?」
「なぜそう思うんだい?」
奏恵の質問をカクリは質問で返す。
「いや、だって小学生がこんな所にいるのは……」
「それを言うなら、先程の君の方が危ないと思うけれどね。ここに来れた事自体が奇跡に近い」
カクリの言葉に奏恵は不思議そうに首を傾げた。小学生の言葉ではないカクリの言葉に、奏恵は何も言えない。
「どうしてここに来たなどは覚えていないのかい?」
「えっ、あ。そういえば、私家に居たはず……」
周りを見回して零す奏恵は、なぜ自分がここにいるのか分かっていない。頭をクエスチョンマークでいっぱいにしている。
「まぁ、そうだろうな」
二人の会話に割り込んできたのは、眠り草が入った小瓶を握っている明人だった。
「あの──」
「あとは夢の中で話しな」
「えっ」
明人は奏恵の前に膝をつき、蓋が開いている小瓶を近付かせた。すると、彼女は彼の方へと倒れ込むように眠りに入る。明人は奏恵を上手く受け止め、ソファーへと優しく寝かせた。
「さて、あとはこの匣を──」
チラッとカクリの方に目を向ける。
何かを察したのか、カクリはテーブルの上に置かれている匣の入った小瓶を手にし、奏恵へと近付いた。
「胸あたりで間違いないな」
「脳でも構わんが……」
明人も顎に手を当てて考える。
今回は匣を戻すではなく、匣を入れる行為だ。前回は、抜き取った匣を戻す事は出来たが、他人の匣を入れるのは今回が初めて。少し不安そうに二人は顔を曇らせていた。
「──いや、脳だ。脳に戻せ」
「脳。そっちでいいのかい?」
「あぁ、おそらく──だが……」
まだ考え込んでいる明人だったが、目はしっかりと奏恵を見て答えている。それ以外に方法が見つからず、カクリに伝えた。
「いいのかい?」
「────問題ない。脳に戻せ」
難しい顔をしていた彼は、何か閃いたのか口元に笑みを浮かべ、カクリに言った。
「……大丈夫、ではあるようだが」
カクリは彼の表情を見て呆れ顔を浮かべた後、匣を操り奏恵の脳にゆっくりと入れた。
「カクリ、これ以上話す必要はねぇ。強制的に会わせるぞ」
「良いのかい?」
「構わん。それに、やばそうになったら適当にどうにかすればいい」
明人は立ち上がり、部屋の奥に続くドアへと歩き出した。ドアノブを掴み開けようとするが、動きを止める。
「あ、待って!! 私を置いていかないで!」
奏恵は明人を行かせまいと、腕にしがみつく。その行動に彼は驚きの表情を見せるが、すぐに冷静になり口を開く。
「おい、離せ。なんのつもりだ」
「また私、置いて行かれるの? 私を一人にする……。嫌よ、あんな別れ方──嫌だ」
錯乱状態で人の区別がついていない。明人の事が他の誰かに見えているみたいに縋った。
体をガタガタと震わせ、絶対に逃がさないと。彼の腕を再度強く握る。
結構強く握られており、明人は微かに顔を歪ませた。
「嫌だ嫌だ嫌だ。私、だって、悪いのは架唯だもの。私じゃない……」
ブツブツと呟いている彼女を見下ろし、明人はその場に立ち止まりドアを見つめ考え始める。
カクリは少し心配そうに依頼人と明人を交互に見ていた。その時、相手を諭すような。優しく、それでいて悲しんでいるような声で話しかけた。
「今回はお前、悪くないだろ。ただの事故だ。だが、それでも人の心とはそう簡単に修復しない。修復出来るとしたら、それは傷つけた本人のみ」
語るように明人は、何の含みもない。純粋な笑顔を奏恵に向け、空いている方の手を頭に乗せた。
明人の温もりが奏恵の熱くなった頭を冷静にさせていく。
「これが最初で最後のチャンスだ。お前は、友人と話したいか?」
明人の優しそうな笑みを見て、奏恵の取り乱していた心が落ち着き。焦点があっていなかった目は正気に戻って行く。
「話……」
「そうだ。今なら出来る。お前は、話をしたいか?」
一瞬で笑みを消した明人だったが、その表情はふざけている様子など一切ない。口調も変わらず優しいもので、安心出来る。
奏恵はそんな明人の表情を見て俯いてしまう。そして、彼の言葉に小さく頷いた。
「なら、待ってろ。話させてやるよ」
明人の言葉で奏恵は、腕を掴んでいた手をそっと離す。
「うし、良い子だ」
奏恵の頭を撫で、彼はそのまま奥の部屋へと姿を消した。
「えっ……、え?」
何が起きたのかわからず、奏恵は顔を赤く染めオロオロと忙しなく周りを見回していた。すると、ソファーの近くに立っているカクリと目が合い、固まってしまう。
「あ、あの」
「君は正気を取り戻したみたいだね。なら大丈夫そうだ。でも、明人は一体どのような魔法を使ったのだろうか。あんなに取り乱していた君をここまで正気に戻すなんてね」
奥のドアへと目を向け、カクリは疑問を口にする。
「えっと、魔法ではなく……」
頬を林檎のように染めながら俯き、ごにょごにょと何かを言う。そんな奏恵を無視し、カクリはソファーに座った。
「君もそこに居ないでこちらに来たらどうだい?」
自身の隣を指しながらカクリは奏恵に問いかける。それを見て彼女は、慌てて頷き急いでソファーに座った。
「あの、君も噂を聞いてここに来た子なの?」
「なぜそう思うんだい?」
奏恵の質問をカクリは質問で返す。
「いや、だって小学生がこんな所にいるのは……」
「それを言うなら、先程の君の方が危ないと思うけれどね。ここに来れた事自体が奇跡に近い」
カクリの言葉に奏恵は不思議そうに首を傾げた。小学生の言葉ではないカクリの言葉に、奏恵は何も言えない。
「どうしてここに来たなどは覚えていないのかい?」
「えっ、あ。そういえば、私家に居たはず……」
周りを見回して零す奏恵は、なぜ自分がここにいるのか分かっていない。頭をクエスチョンマークでいっぱいにしている。
「まぁ、そうだろうな」
二人の会話に割り込んできたのは、眠り草が入った小瓶を握っている明人だった。
「あの──」
「あとは夢の中で話しな」
「えっ」
明人は奏恵の前に膝をつき、蓋が開いている小瓶を近付かせた。すると、彼女は彼の方へと倒れ込むように眠りに入る。明人は奏恵を上手く受け止め、ソファーへと優しく寝かせた。
「さて、あとはこの匣を──」
チラッとカクリの方に目を向ける。
何かを察したのか、カクリはテーブルの上に置かれている匣の入った小瓶を手にし、奏恵へと近付いた。
「胸あたりで間違いないな」
「脳でも構わんが……」
明人も顎に手を当てて考える。
今回は匣を戻すではなく、匣を入れる行為だ。前回は、抜き取った匣を戻す事は出来たが、他人の匣を入れるのは今回が初めて。少し不安そうに二人は顔を曇らせていた。
「──いや、脳だ。脳に戻せ」
「脳。そっちでいいのかい?」
「あぁ、おそらく──だが……」
まだ考え込んでいる明人だったが、目はしっかりと奏恵を見て答えている。それ以外に方法が見つからず、カクリに伝えた。
「いいのかい?」
「────問題ない。脳に戻せ」
難しい顔をしていた彼は、何か閃いたのか口元に笑みを浮かべ、カクリに言った。
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