498 / 520
ツムリエ帝国
魔法の原理ってそんな感じだったんだなぁ~
しおりを挟む
「ふーん、こんな感じなんだなぁ~」
「そういえば、知里のacquaは足止めとかにも使える代物だったね。今後、同じようなことに遭遇したら知里にお願いしようか」
「勘弁して」
一気に襲ってきた不良どもに新acquaをぶつけ、地面にくっつけ置いて来た。
「知里なら~、許されるならお金を不良達から盗むと思っていましたぁ~」
「俺をなんだと思ってやがる。そんな汚い金はいらねぇーよ。俺が欲しいのは使っても罪悪感の感じない正当な権利で手に入れた金だけだ」
「なるほど~」
森の中をまた歩く。
ザデットには馬車はないのか? …………ないか。
合ったらソフィアが言ってくるもんな、多分。
「ふあぁぁあ……」
「眠いのか?」
「眠いというか、疲れた。ずっと歩いているし、休憩も休憩じゃなかったし」
「そうか」
そうか、だけで終わるのかよ。
まぁ、終わるか。今そんなことを言われてもソフィアはどうする事も出来ないもんな。
――――ザリ ザリ
前を歩く人達は、楽しそうに話しているなぁ。
疲れないのか? 子供ってすごいなぁ。
「――――そう言えば、知里さん」
「なんだぁ~」
「リヒトさんと私が魔法学校に編入している間、貴方達は何をされる予定ですか?」
あー、それは考えないといけないな。
今回の目的は、管理者に見つけられないようにする場所移動と、リヒトの魔法を強くすることだもんな。
リヒトメインだし、俺達は何していようか。
「新しい魔道具や魔導書でも見ていたらどう? 魔道具はあるに越したことはないし、お金ならたくさんあるでしょ」
「それもそうだな」
今は魔導書を使わなくなったけど、今の俺に合う魔道書とか、他に何か防具や武器があればいいし、見て回るのも手だな。
「なら、散策って感じか?」
「そうだな。アルカも、武器を新調していいんじゃないか? それ、いつから使ってんだ?」
アルカが振り向いた時、なんとなく背中に抱えている剣が目に入った。
聞いてみると、うーんと悩み、首を傾げる。
「いつだったかなぁ。冒険者を初めてからずっと同じ物を使っていたはず」
「それなら、もうそろそろ買い替え時かもしれないね。今まで酷使して来たし。いつ折れてもおかしくないかも」
「え」
アマリアの言葉でアルカがショックを受けた。
今まで相棒のように扱ってきた武器がもうそろそろで壊れそうと聞いたら、たしかにショックかも。
俺は普通に魔導書を捨てたけど。
「なら、新しい武器の新調などを行っているのですね。数か月単位で行う形になると思いますが、頑張って時間を潰してください!」
「大変なのはお前らだけどな。編入、本当に出来るのか?」
大きい魔法学校なんだろう?
なんか、色々難しいんじゃないか? エトワールは問題ないと思うが、リヒトが。
「編入試験が近々あるはずなので、そこに滑り込むことが出来れば、あとは流れに任せるだけですよ。編入さえ、出来ればなんですがね」
「怖い事を言うなよ、どういうことだ?」
「私は余裕で編入試験をクリア出来ると思います。問題はリヒトさんなんですよね」
自信満々だなぁ~。
まぁ、過去、カケルと共に冒険者として活動していた魔法使いだもんな。
そりゃぁ、自信も持てるか。
「編入試験は魔力量を図る簡単な実技試験なんですよ。それがリヒトさんに関しては、他の人の倍難しいのです」
「どう難しいんだ?」
「基本攻撃魔法を全力で放つ。これが編入試験なんです」
あぁ、なるほど、それは悩むな。
だって、リヒトは基本攻撃魔法を放てない。
今の説明を聞いていたリヒトは、気まずそうに顔を下げてしまった。
「それは困ったねぇ。リヒトの気持ち次第で放てるとは思うんだけど…………」
「そうなのか?」
「魔法は基本、本人の気持ち次第だよ。頭の中でしっかりとイメージが出来ていれば、基本魔法ぐらいは放てる。属性魔法は体に適正していなければどんなにイメージしても無理だけどね」
へぇ、魔法ってそういう原理なんだな、知らなかった。
俺が今まで放てていたのって、どういう事なんだ?
「知里の場合はチートだから、原理を知らなくても仕方がないよ」
「そうか」
ゲームだから、って感じだな。
ご都合主義と言う事で。
「リヒトは、おそらく水属性が体には馴染んでいると思うんだよね。だから、知里と同じacquaを出せるようになればいいと思うんだよ」
アマリアが簡単に言うけど、それが出来ないから困っているんだろう?
リヒトも、困ったように眉を下げている。
「リヒトさんは、何故基本攻撃魔法を出せないのか、自分で理解出来ていますか?」
「い、いえ……。何度か調べたり、自分でも放とうとしたのですが、何をやっても出来なくて。でも、攻撃魔法以外なら出せる事を知ったので、それに集中して練習したんです」
「そうなんですね」
エトワールも眉を下げて考え込んでしまった。
色々と、厄介ごとが重なるなぁ~。
「そういえば、知里のacquaは足止めとかにも使える代物だったね。今後、同じようなことに遭遇したら知里にお願いしようか」
「勘弁して」
一気に襲ってきた不良どもに新acquaをぶつけ、地面にくっつけ置いて来た。
「知里なら~、許されるならお金を不良達から盗むと思っていましたぁ~」
「俺をなんだと思ってやがる。そんな汚い金はいらねぇーよ。俺が欲しいのは使っても罪悪感の感じない正当な権利で手に入れた金だけだ」
「なるほど~」
森の中をまた歩く。
ザデットには馬車はないのか? …………ないか。
合ったらソフィアが言ってくるもんな、多分。
「ふあぁぁあ……」
「眠いのか?」
「眠いというか、疲れた。ずっと歩いているし、休憩も休憩じゃなかったし」
「そうか」
そうか、だけで終わるのかよ。
まぁ、終わるか。今そんなことを言われてもソフィアはどうする事も出来ないもんな。
――――ザリ ザリ
前を歩く人達は、楽しそうに話しているなぁ。
疲れないのか? 子供ってすごいなぁ。
「――――そう言えば、知里さん」
「なんだぁ~」
「リヒトさんと私が魔法学校に編入している間、貴方達は何をされる予定ですか?」
あー、それは考えないといけないな。
今回の目的は、管理者に見つけられないようにする場所移動と、リヒトの魔法を強くすることだもんな。
リヒトメインだし、俺達は何していようか。
「新しい魔道具や魔導書でも見ていたらどう? 魔道具はあるに越したことはないし、お金ならたくさんあるでしょ」
「それもそうだな」
今は魔導書を使わなくなったけど、今の俺に合う魔道書とか、他に何か防具や武器があればいいし、見て回るのも手だな。
「なら、散策って感じか?」
「そうだな。アルカも、武器を新調していいんじゃないか? それ、いつから使ってんだ?」
アルカが振り向いた時、なんとなく背中に抱えている剣が目に入った。
聞いてみると、うーんと悩み、首を傾げる。
「いつだったかなぁ。冒険者を初めてからずっと同じ物を使っていたはず」
「それなら、もうそろそろ買い替え時かもしれないね。今まで酷使して来たし。いつ折れてもおかしくないかも」
「え」
アマリアの言葉でアルカがショックを受けた。
今まで相棒のように扱ってきた武器がもうそろそろで壊れそうと聞いたら、たしかにショックかも。
俺は普通に魔導書を捨てたけど。
「なら、新しい武器の新調などを行っているのですね。数か月単位で行う形になると思いますが、頑張って時間を潰してください!」
「大変なのはお前らだけどな。編入、本当に出来るのか?」
大きい魔法学校なんだろう?
なんか、色々難しいんじゃないか? エトワールは問題ないと思うが、リヒトが。
「編入試験が近々あるはずなので、そこに滑り込むことが出来れば、あとは流れに任せるだけですよ。編入さえ、出来ればなんですがね」
「怖い事を言うなよ、どういうことだ?」
「私は余裕で編入試験をクリア出来ると思います。問題はリヒトさんなんですよね」
自信満々だなぁ~。
まぁ、過去、カケルと共に冒険者として活動していた魔法使いだもんな。
そりゃぁ、自信も持てるか。
「編入試験は魔力量を図る簡単な実技試験なんですよ。それがリヒトさんに関しては、他の人の倍難しいのです」
「どう難しいんだ?」
「基本攻撃魔法を全力で放つ。これが編入試験なんです」
あぁ、なるほど、それは悩むな。
だって、リヒトは基本攻撃魔法を放てない。
今の説明を聞いていたリヒトは、気まずそうに顔を下げてしまった。
「それは困ったねぇ。リヒトの気持ち次第で放てるとは思うんだけど…………」
「そうなのか?」
「魔法は基本、本人の気持ち次第だよ。頭の中でしっかりとイメージが出来ていれば、基本魔法ぐらいは放てる。属性魔法は体に適正していなければどんなにイメージしても無理だけどね」
へぇ、魔法ってそういう原理なんだな、知らなかった。
俺が今まで放てていたのって、どういう事なんだ?
「知里の場合はチートだから、原理を知らなくても仕方がないよ」
「そうか」
ゲームだから、って感じだな。
ご都合主義と言う事で。
「リヒトは、おそらく水属性が体には馴染んでいると思うんだよね。だから、知里と同じacquaを出せるようになればいいと思うんだよ」
アマリアが簡単に言うけど、それが出来ないから困っているんだろう?
リヒトも、困ったように眉を下げている。
「リヒトさんは、何故基本攻撃魔法を出せないのか、自分で理解出来ていますか?」
「い、いえ……。何度か調べたり、自分でも放とうとしたのですが、何をやっても出来なくて。でも、攻撃魔法以外なら出せる事を知ったので、それに集中して練習したんです」
「そうなんですね」
エトワールも眉を下げて考え込んでしまった。
色々と、厄介ごとが重なるなぁ~。
0
お気に入りに追加
46
あなたにおすすめの小説
異世界に転移した僕、外れスキルだと思っていた【互換】と【HP100】の組み合わせで最強になる
名無し
ファンタジー
突如、異世界へと召喚された来栖海翔。自分以外にも転移してきた者たちが数百人おり、神父と召喚士から並ぶように指示されてスキルを付与されるが、それはいずれもパッとしなさそうな【互換】と【HP100】という二つのスキルだった。召喚士から外れ認定され、当たりスキル持ちの右列ではなく、外れスキル持ちの左列のほうに並ばされる来栖。だが、それらは組み合わせることによって最強のスキルとなるものであり、来栖は何もない状態から見る見る成り上がっていくことになる。
ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い
平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。
ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。
かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界転生した俺は平和に暮らしたいと願ったのだが
倉田 フラト
ファンタジー
「異世界に転生か再び地球に転生、
どちらが良い?……ですか。」
「異世界転生で。」
即答。
転生の際に何か能力を上げると提案された彼。強大な力を手に入れ英雄になるのも可能、勇者や英雄、ハーレムなんだって可能だったが、彼は「平和に暮らしたい」と言った。何の力も欲しない彼に神様は『コール』と言った念話の様な能力を授け、彼の願いの通り平和に生活が出来る様に転生をしたのだが……そんな彼の願いとは裏腹に家庭の事情で知らぬ間に最強になり……そんなファンタジー大好きな少年が異世界で平和に暮らして――行けたらいいな。ブラコンの姉をもったり、神様に気に入られたりして今日も一日頑張って生きていく物語です。基本的に主人公は強いです、それよりも姉の方が強いです。難しい話は書けないので書きません。軽い気持ちで呼んでくれたら幸いです。
なろうにも数話遅れてますが投稿しております。
誤字脱字など多いと思うので指摘してくれれば即直します。
自分でも見直しますが、ご協力お願いします。
感想の返信はあまりできませんが、しっかりと目を通してます。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
婚約破棄騒動に巻き込まれたモブですが……
こうじ
ファンタジー
『あ、終わった……』王太子の取り巻きの1人であるシューラは人生が詰んだのを感じた。王太子と公爵令嬢の婚約破棄騒動に巻き込まれた結果、全てを失う事になってしまったシューラ、これは元貴族令息のやり直しの物語である。
フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ
25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。
目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。
ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。
しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。
ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。
そんな主人公のゆったり成長期!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる