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ツムリエ帝国
新しい環境への幕開けだ
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「地上に?」
「そうだ。さっきまで図書館で調べていたんだが、いい具合に雲隠れが出来そうな国があったんだ。そこに行って、色々武器とかを新調するのもありかなと。それからダンジョン攻略した方がSSSダンジョンでも今回みたいに手間取らないと考えた」
伝えると、アルカとリヒトは、新しい物を見れるからなのか、目を輝かせている。
ロゼ姫はどこか怪訝そう。なに、俺を疑っているのか?
「それはとても魅力的な提案ですが、いきなりなぜ? 何か、深い理由があるのでしょうか。思い立った理由は?」
「なんでそこまで俺は疑われないといけないんだよ」
たしかに、そこまで詳しくは話していないが、話す必要あるか?
出来れば話したくないんだが……。
「そこは安心してください、ロゼ姫。チサト様は、これ以上オスクリタ海底に迷惑をかけたくないだけらしいので」
「なんでわざわざそれを言うの、グレール。俺が言わなかった理由、お前なら察することできるよな?」
「恥ずかしいだけでしょう? 無用です、その感情」
…………やっぱり、グレールは俺に冷たい。
そんなバッサリと切り捨てなくてもいいじゃん。悲しいよ、俺。
「…………チサトさんにも、そのような感情があったのですね」
「本当に、お前らは俺をなんだと思ってんだよ…………」
俺だってそのくらいの感情持っているって。
泣いてやる、俺だって悲しいという感情を持っているんだからな!
「それで、地上と言うと、どこでしょうか?」
「魔法に特化した国、ツムリア帝国だよ」
アマリアが伝えると、さすが姫、勉強していたらしく名前を言っただけでどういう所かわかったみたい。
「なるほど。ツムリア帝国ですか。チサトさんのような強い力は、強い力に隠す。いい場所かもしれませんね」
ロゼ姫、表情に出ていないけど、楽しそうにしているのが伝わる。
魔法、好きなんだな。でも、一つ言わなければならないことがあるんだ、悪いな。
「でも、あまり期待しないほしい。アマリアとアクアが元管理者だから、なんと言われるかわからん」
「…………ツムリエ帝国は、警備が強すぎて簡単に中へ入る事が出来ないんでしたね」
「らしい。だから、アマリアとアクアがどう出るかによって、他の国に避難しなければならんくなる。そのための、予備の国も調べ済みだが、最終手段にしたい」
さっきまで目を輝かせていたリヒトとアルカは、入れないかもしれないと聞くと、肩を落としてしまった。
めっちゃ落ち込んでいる、空気でわかる。
「まぁ、とにもかくにも、行ってみない事にはわからん。だから、ここを出る準備をしといてくれ。荷物はそこまで無いとは思うが、ロゼ姫とグレールは色々報告があるだろう」
二人に聞くと頷き、「すぐに終わらせますね」と言ってくれた。
「んじゃ、これからの事は追々で。今は解散しよう」
※
オスクリタ海底を出て行くと決めた日から約一週間、俺とアルカ達の準備は整った。と言っても、荷物はなかったし、あいさつ回り程度。
ソフィアとアンキは、連絡取れないし諦めた。
どこかでまた会えたらと言う感じで。
それに、あの二人なら俺達を見つけ出しそうだしな。
何か必要な事があれば、また出て来るだろう。
んで、アンジュとアンジェロといったアンヘル族にも挨拶をした。
ユウェル族にも挨拶をすると、何故か泣きつかれてしまった。
いつでも会えるって、お前らがオスクリタ海底にいる限り。
アンヘル族達も、一度ファーマメントに戻るらしい。あいさつ回りをしている時に偶然聞いた。
そこからの方が俺達の動向を確認できるらしい。
…………観察する気満々じゃねぇか。まぁ、いいけど。
普通に名前を呼べば駆けつけるとも言ってくれたし、助けが増えたという事にしておこう。
うん、観察され続けられるのには慣れた。
問題は、ロゼ姫とグレールだけど、どうだろうか。
今は部屋で待機しているけど、戻ってくる気配がない。
「ずっと、部屋には戻ってきていませんよね」
「そうだな。難航しているんだろう。姫だし、冒険者に入る事を許したんだからそこはすぐに納得してほしいものだけど」
そんな話をしていると、廊下の方から気配を感じた。
扉を見ると、すぐにドアノブがガチャガチャと音を鳴らした。
その数秒後、扉が開く。
そこには、凛々しい顔を浮かべたロゼ姫とグレールが立っていた。
「準備は出来たか?」
「あいさつ回りに時間がかかりましたが、準備は整いましたよ」
ロゼ姫が答え、グレールも頷く。
よし、それなら、もう出よう。
「今後の事は、移動しながらでも。んじゃ、出発しますか」
周りを見ると、みんなが頷いた。
こう、改めて見回してみると、うん、人数増えたなぁ。
アルカにリヒト、アマリアにアクア、ロゼ姫とグレール。
…………大人数での行動って、苦手なんだよなぁ。
――――今更か。
「そうだ。さっきまで図書館で調べていたんだが、いい具合に雲隠れが出来そうな国があったんだ。そこに行って、色々武器とかを新調するのもありかなと。それからダンジョン攻略した方がSSSダンジョンでも今回みたいに手間取らないと考えた」
伝えると、アルカとリヒトは、新しい物を見れるからなのか、目を輝かせている。
ロゼ姫はどこか怪訝そう。なに、俺を疑っているのか?
「それはとても魅力的な提案ですが、いきなりなぜ? 何か、深い理由があるのでしょうか。思い立った理由は?」
「なんでそこまで俺は疑われないといけないんだよ」
たしかに、そこまで詳しくは話していないが、話す必要あるか?
出来れば話したくないんだが……。
「そこは安心してください、ロゼ姫。チサト様は、これ以上オスクリタ海底に迷惑をかけたくないだけらしいので」
「なんでわざわざそれを言うの、グレール。俺が言わなかった理由、お前なら察することできるよな?」
「恥ずかしいだけでしょう? 無用です、その感情」
…………やっぱり、グレールは俺に冷たい。
そんなバッサリと切り捨てなくてもいいじゃん。悲しいよ、俺。
「…………チサトさんにも、そのような感情があったのですね」
「本当に、お前らは俺をなんだと思ってんだよ…………」
俺だってそのくらいの感情持っているって。
泣いてやる、俺だって悲しいという感情を持っているんだからな!
「それで、地上と言うと、どこでしょうか?」
「魔法に特化した国、ツムリア帝国だよ」
アマリアが伝えると、さすが姫、勉強していたらしく名前を言っただけでどういう所かわかったみたい。
「なるほど。ツムリア帝国ですか。チサトさんのような強い力は、強い力に隠す。いい場所かもしれませんね」
ロゼ姫、表情に出ていないけど、楽しそうにしているのが伝わる。
魔法、好きなんだな。でも、一つ言わなければならないことがあるんだ、悪いな。
「でも、あまり期待しないほしい。アマリアとアクアが元管理者だから、なんと言われるかわからん」
「…………ツムリエ帝国は、警備が強すぎて簡単に中へ入る事が出来ないんでしたね」
「らしい。だから、アマリアとアクアがどう出るかによって、他の国に避難しなければならんくなる。そのための、予備の国も調べ済みだが、最終手段にしたい」
さっきまで目を輝かせていたリヒトとアルカは、入れないかもしれないと聞くと、肩を落としてしまった。
めっちゃ落ち込んでいる、空気でわかる。
「まぁ、とにもかくにも、行ってみない事にはわからん。だから、ここを出る準備をしといてくれ。荷物はそこまで無いとは思うが、ロゼ姫とグレールは色々報告があるだろう」
二人に聞くと頷き、「すぐに終わらせますね」と言ってくれた。
「んじゃ、これからの事は追々で。今は解散しよう」
※
オスクリタ海底を出て行くと決めた日から約一週間、俺とアルカ達の準備は整った。と言っても、荷物はなかったし、あいさつ回り程度。
ソフィアとアンキは、連絡取れないし諦めた。
どこかでまた会えたらと言う感じで。
それに、あの二人なら俺達を見つけ出しそうだしな。
何か必要な事があれば、また出て来るだろう。
んで、アンジュとアンジェロといったアンヘル族にも挨拶をした。
ユウェル族にも挨拶をすると、何故か泣きつかれてしまった。
いつでも会えるって、お前らがオスクリタ海底にいる限り。
アンヘル族達も、一度ファーマメントに戻るらしい。あいさつ回りをしている時に偶然聞いた。
そこからの方が俺達の動向を確認できるらしい。
…………観察する気満々じゃねぇか。まぁ、いいけど。
普通に名前を呼べば駆けつけるとも言ってくれたし、助けが増えたという事にしておこう。
うん、観察され続けられるのには慣れた。
問題は、ロゼ姫とグレールだけど、どうだろうか。
今は部屋で待機しているけど、戻ってくる気配がない。
「ずっと、部屋には戻ってきていませんよね」
「そうだな。難航しているんだろう。姫だし、冒険者に入る事を許したんだからそこはすぐに納得してほしいものだけど」
そんな話をしていると、廊下の方から気配を感じた。
扉を見ると、すぐにドアノブがガチャガチャと音を鳴らした。
その数秒後、扉が開く。
そこには、凛々しい顔を浮かべたロゼ姫とグレールが立っていた。
「準備は出来たか?」
「あいさつ回りに時間がかかりましたが、準備は整いましたよ」
ロゼ姫が答え、グレールも頷く。
よし、それなら、もう出よう。
「今後の事は、移動しながらでも。んじゃ、出発しますか」
周りを見ると、みんなが頷いた。
こう、改めて見回してみると、うん、人数増えたなぁ。
アルカにリヒト、アマリアにアクア、ロゼ姫とグレール。
…………大人数での行動って、苦手なんだよなぁ。
――――今更か。
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