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ツムリエ帝国
俺の周りには化け物が多すぎる
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「それでは、地上に行くという目的で、話し合いましょうか。ただ、地上と言っても広すぎます、どこかいい所はありますか?」
グレールの質問に。アマリアが腕を組み考える。
俺は、地上の知識がないから何も言えねぇ。
「…………出来れば、雲隠れが出来そうな所がいいよね。ばしゅおを変えても管理者にすぐ見つかれば意味は無いし、少しでも隠れられるところ」
「でしたら、星屑の図書館に行きますか。地上について書かれている本も確かあったはずですよ」
「あぁ、いいね」
アマリアの目が輝いた。
好きだもんな、図書館。
それに、星屑の図書館は、もう立て直しているもんな。
中に水も入っていなかったし、本も無事だろう。
一部、駄目になっている可能性もあるけど。問題はないはず。
残りの飯を食って、星屑図書館へと向かった。
中は、まだ幻想的な空間とまでには戻っていないけど、普通に使えるようにはなっていた。
「現代について書かれている本はどこら辺に集められているんだ?」
案内図は撤去されているから、マジで場所がわからない。
手当たり次第に探すしかないか?
「こっち」
アマリアが真っすぐ図書館の奥へと進み出した。
グレールと目を合わせ、とりあえず進む。
「場所、わかるのか?」
「漁っていたからね。ここにある本は大体頭の中に入っているよ」
普通にすごいんだけど?
ここ、めっちゃでかいじゃん。
ついて行くと、本当に地上の国や町、お店が描かれている本が集まった本棚があった。
「んじゃ、気になる所を見つけていこうか」
※
皆で相談した結果、次に目指す国は、どこの国より魔法に特化した、ツムリア帝国がいいだろうと言う事になった。
有能な魔法使いが多く、魔法学校も設立されているらしい。
そこには、有名な魔法使いがたくさん集まっているらしく、雲隠れするには絶好だろうとのこと。
魔力が物を言う世界、俺の魔力も隠せるかもしれないと。
それと、リヒトの体質についても相談できる可能性がある。
前回のダンジョンはアマリアの機転でどうにかなったけど、今後も今回みたいなダンジョンを攻略していきたいのならもっと強くなってほしい。
俺も強くなりたいし、まさに今の俺達には本当に絶好の場所。
「ただ、一つ難点がありますよね」
「そうなんだよねえ。僕とアクアをどう見るか……」
あぁ、なるほど。
たしかに、それは難問だな。
管理者と言う名前はどこの国でも聞いたことあるだろう。
元、と説明しても、簡単に入らせてはもらえないかもしれない。
「困ったね」
「困ったな」
「困りましたねぇ」
んー、しょうがない。
ひとまず、アルカとリヒト、ロゼ姫に話してだな。
これからツムリア帝国に長く滞在するかもしれないから、ここで買える物は買ってだな。
「まずはここを第一希望として、どうしても無理な場合は他の国に行かないといけないから、今のうちに立候補をいくつか決めておこう」
「そうした方がよさそうだな」
アルカの熱が下がるまではまだ時間がかかるだろうし、ゆっくり準備しよう。
・
・
・
・
・
そう思っていたのに……。
「回復したぜぇぇぇぇええ!!!」
…………。
「リヒト」
「本当に回復しています」
「まだ、半日しか経っていないんだが?」
「そうなんですよ」
「…………今までもこんな感じなの?」
「今回は時間がかかった方ですね」
「まじか、半日で?」
「半日でです」
「…………そうか」
俺達が色々調べて戻ってきたら、朝は辛そうにしていたはずのアルカが元気百パーセントの状態まで回復していた。
ロゼ姫はさすがにびっくりしているけど、リヒトは「今日のは重たかったらしいなぁ」と、呟いている。
半日で治るのは重いらしい。
普通なら三日間くらいはかかるだろう、重たかったら。
「さすがに驚いたね。ここまでの回復力持っているなんて。ソフィアの次の化け物はアルカかもしれないね」
「否定が出来ないわ」
でも、元気になってよかったとは思う。
すぐに行動に移せるし、話を進められる。
「それじゃ、回復した直後で悪いんだが、話したい事がある」
言うと、三人は小首を傾げながらも頷いた。
グレールの質問に。アマリアが腕を組み考える。
俺は、地上の知識がないから何も言えねぇ。
「…………出来れば、雲隠れが出来そうな所がいいよね。ばしゅおを変えても管理者にすぐ見つかれば意味は無いし、少しでも隠れられるところ」
「でしたら、星屑の図書館に行きますか。地上について書かれている本も確かあったはずですよ」
「あぁ、いいね」
アマリアの目が輝いた。
好きだもんな、図書館。
それに、星屑の図書館は、もう立て直しているもんな。
中に水も入っていなかったし、本も無事だろう。
一部、駄目になっている可能性もあるけど。問題はないはず。
残りの飯を食って、星屑図書館へと向かった。
中は、まだ幻想的な空間とまでには戻っていないけど、普通に使えるようにはなっていた。
「現代について書かれている本はどこら辺に集められているんだ?」
案内図は撤去されているから、マジで場所がわからない。
手当たり次第に探すしかないか?
「こっち」
アマリアが真っすぐ図書館の奥へと進み出した。
グレールと目を合わせ、とりあえず進む。
「場所、わかるのか?」
「漁っていたからね。ここにある本は大体頭の中に入っているよ」
普通にすごいんだけど?
ここ、めっちゃでかいじゃん。
ついて行くと、本当に地上の国や町、お店が描かれている本が集まった本棚があった。
「んじゃ、気になる所を見つけていこうか」
※
皆で相談した結果、次に目指す国は、どこの国より魔法に特化した、ツムリア帝国がいいだろうと言う事になった。
有能な魔法使いが多く、魔法学校も設立されているらしい。
そこには、有名な魔法使いがたくさん集まっているらしく、雲隠れするには絶好だろうとのこと。
魔力が物を言う世界、俺の魔力も隠せるかもしれないと。
それと、リヒトの体質についても相談できる可能性がある。
前回のダンジョンはアマリアの機転でどうにかなったけど、今後も今回みたいなダンジョンを攻略していきたいのならもっと強くなってほしい。
俺も強くなりたいし、まさに今の俺達には本当に絶好の場所。
「ただ、一つ難点がありますよね」
「そうなんだよねえ。僕とアクアをどう見るか……」
あぁ、なるほど。
たしかに、それは難問だな。
管理者と言う名前はどこの国でも聞いたことあるだろう。
元、と説明しても、簡単に入らせてはもらえないかもしれない。
「困ったね」
「困ったな」
「困りましたねぇ」
んー、しょうがない。
ひとまず、アルカとリヒト、ロゼ姫に話してだな。
これからツムリア帝国に長く滞在するかもしれないから、ここで買える物は買ってだな。
「まずはここを第一希望として、どうしても無理な場合は他の国に行かないといけないから、今のうちに立候補をいくつか決めておこう」
「そうした方がよさそうだな」
アルカの熱が下がるまではまだ時間がかかるだろうし、ゆっくり準備しよう。
・
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そう思っていたのに……。
「回復したぜぇぇぇぇええ!!!」
…………。
「リヒト」
「本当に回復しています」
「まだ、半日しか経っていないんだが?」
「そうなんですよ」
「…………今までもこんな感じなの?」
「今回は時間がかかった方ですね」
「まじか、半日で?」
「半日でです」
「…………そうか」
俺達が色々調べて戻ってきたら、朝は辛そうにしていたはずのアルカが元気百パーセントの状態まで回復していた。
ロゼ姫はさすがにびっくりしているけど、リヒトは「今日のは重たかったらしいなぁ」と、呟いている。
半日で治るのは重いらしい。
普通なら三日間くらいはかかるだろう、重たかったら。
「さすがに驚いたね。ここまでの回復力持っているなんて。ソフィアの次の化け物はアルカかもしれないね」
「否定が出来ないわ」
でも、元気になってよかったとは思う。
すぐに行動に移せるし、話を進められる。
「それじゃ、回復した直後で悪いんだが、話したい事がある」
言うと、三人は小首を傾げながらも頷いた。
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