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なんか、俺の株が無駄に下がった予感がした
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「あった、手鏡」
「まさか、廊下に落ちているなん……て。今までありましたっけ?」
「こんな、廊下のど真ん中に落ちていたんだから、気づかないはありえない。何かフラグを回収をしたんだろう、きっと」
逃げていくモンスターを倒しながら廊下を歩いていると、何故かポツンと廊下の真ん中に手鏡が落ちていた。
拾い上げてみると、合わせ鏡をしたときに使った手鏡。
そう言えばこれ、お札を剥がしてなかったなぁ。
「これ、お札を剥がしたら流石にまずいと思うか? なんとなく剥がせそうなんだけど」
「試せることがなくなってからにしませんか? 前に進めている状態で適当な事は試さない方がよろしいかと」
「グレールの言う通りだよ。知里はもう、好奇心が勝ってない?」
「うるさい」
たしかに、好奇心が全くない訳では無い。でも、こればっかりは猫をも殺すってやつだし、やめておくか。
これ以上、めんどくさいことを起こすよりは、思いつく合わせ鏡をしてみようかな。
「でも、襖は開かないんだよなぁ。鏡がもう一つ廊下に落ちてたりするのか?」
「モンスターを倒すごとにフラグを回収できるシステムでしたら、襖も同じ原理で開きませんか?」
「あー、なるほど」
なら、もう、五体くらいは倒しているから、襖が開くフラグを回収しているかもな。
近くの襖を開いて――――
「開かない」
「すべてを試せって事かな」
「モンスターどこだぁ~」
「こらこら」
あ、廊下の奥に俺達の様子伺うモンスター発見。
「wavewater」
「frost」
いつもの連携でモンスターを倒す。
――――ガチャ
「ガチャ?」
あ、襖が開いた。
「やっぱり、モンスターが鍵になっているみたいだね」
「魔力を無駄に消費させていくシステムらしいな。魔力がなくなってきたところでラスボスに挑ませるって感じか。しかも、無限に進む廊下を歩き謎解きをさせてるから体力もなくなる……。ある意味、SSSダンジョンだな」
「時間ばかりかけさせる感じだね、めんどくさい」
「本当だ、まったく……」
魔力は正直問題ないとは思うけど、体力と気力が削られる。
ひとまず、襖を開けることは出来たし、中に入るか──……
「おぅ…………」
「襖にもはずれがあるみたいだね」
襖の奥には、何もない。
床も、壁もない。
一応、見えないだけで床があるのかなとか思ったけど、ないみたいだな。
奈落の底に手を伸ばしてみるけど、何も触れなかった。
「ここは危険だし、早く離れましょう」
こんな、ハズレにいても意味は無いしな。
アマリアの言う通り、他の襖を開けてみるか。
「はぁ……」
これは、骨が折れるぞぉ~。
これ、アルカ達は大丈夫か? 攻略、できるのか?
俺達と同じだったら、正直あいつらじゃ攻略難しくないか?
せめて、アマリアかグレールがあっち側に居たらメンタル的にも攻略的にも安定していたかもしれないな……。
頭脳戦はロゼ姫に任せる形となるだろうし、戦闘はアルカがいる。
実力は大丈夫なんだけど、本人達に自信がないからなぁ。
「――――早く、見つけないとな。ここから出る鍵を――……」
※
モンスターを無事に捕らえる事が出来て喜んじまったが、ここからなんだよな。
モンスターは何も話してくれないし、ヒントもない。
「何をすればいいんだろう」
「わかりません。なにか、ヒントなどがあればいいのですが、そういうのも見つけられませんし……」
襖も開かないままだし、何かが落ちている訳でもない。
どうすればいいんだよ……。
「――――まさか、モンスターを捕まえるだけでは駄目なのでしょうか」
「ロゼ姫様、それは一体どういうことなのでしょうか」
ロゼ姫様が考え込みながらぼそりと呟いた。
「モンスターを倒さなければならないの――かも、です」
「――――え」
まさか、モンスターをいちいち倒さないといけないのか?
今、せっかく拘束しているのに?
「どうしても倒さないといけないのでしょうか。さすがに、人の形をしているので、心が苦しいです」
「リヒトさんは本当にお優しいですね。でも、安心してください。相手はモンスター、倒しても問題ありませんよ」
「でも…………」
「それに、チサトさんでしたら出会い頭に倒してます。めんどくさがると思うので」
たしかに、カガミヤなら確実にすぐ倒しているな。
flameで薙ぎ払っているか、グレールの氷魔法で凍らせているか。
どっちにしろ、絶対にモンスターと分かったらすぐに倒しているな。
「…………わかりました。そうですよね、早く攻略しなければならないですし、ここで迷っている時間はありません! 人の形をしていようとなんだろうと、倒します!」
「その意気ですよ! 頑張りましょう!」
「はい!」
…………ダシに使われてんじゃん、カガミヤ。
「まさか、廊下に落ちているなん……て。今までありましたっけ?」
「こんな、廊下のど真ん中に落ちていたんだから、気づかないはありえない。何かフラグを回収をしたんだろう、きっと」
逃げていくモンスターを倒しながら廊下を歩いていると、何故かポツンと廊下の真ん中に手鏡が落ちていた。
拾い上げてみると、合わせ鏡をしたときに使った手鏡。
そう言えばこれ、お札を剥がしてなかったなぁ。
「これ、お札を剥がしたら流石にまずいと思うか? なんとなく剥がせそうなんだけど」
「試せることがなくなってからにしませんか? 前に進めている状態で適当な事は試さない方がよろしいかと」
「グレールの言う通りだよ。知里はもう、好奇心が勝ってない?」
「うるさい」
たしかに、好奇心が全くない訳では無い。でも、こればっかりは猫をも殺すってやつだし、やめておくか。
これ以上、めんどくさいことを起こすよりは、思いつく合わせ鏡をしてみようかな。
「でも、襖は開かないんだよなぁ。鏡がもう一つ廊下に落ちてたりするのか?」
「モンスターを倒すごとにフラグを回収できるシステムでしたら、襖も同じ原理で開きませんか?」
「あー、なるほど」
なら、もう、五体くらいは倒しているから、襖が開くフラグを回収しているかもな。
近くの襖を開いて――――
「開かない」
「すべてを試せって事かな」
「モンスターどこだぁ~」
「こらこら」
あ、廊下の奥に俺達の様子伺うモンスター発見。
「wavewater」
「frost」
いつもの連携でモンスターを倒す。
――――ガチャ
「ガチャ?」
あ、襖が開いた。
「やっぱり、モンスターが鍵になっているみたいだね」
「魔力を無駄に消費させていくシステムらしいな。魔力がなくなってきたところでラスボスに挑ませるって感じか。しかも、無限に進む廊下を歩き謎解きをさせてるから体力もなくなる……。ある意味、SSSダンジョンだな」
「時間ばかりかけさせる感じだね、めんどくさい」
「本当だ、まったく……」
魔力は正直問題ないとは思うけど、体力と気力が削られる。
ひとまず、襖を開けることは出来たし、中に入るか──……
「おぅ…………」
「襖にもはずれがあるみたいだね」
襖の奥には、何もない。
床も、壁もない。
一応、見えないだけで床があるのかなとか思ったけど、ないみたいだな。
奈落の底に手を伸ばしてみるけど、何も触れなかった。
「ここは危険だし、早く離れましょう」
こんな、ハズレにいても意味は無いしな。
アマリアの言う通り、他の襖を開けてみるか。
「はぁ……」
これは、骨が折れるぞぉ~。
これ、アルカ達は大丈夫か? 攻略、できるのか?
俺達と同じだったら、正直あいつらじゃ攻略難しくないか?
せめて、アマリアかグレールがあっち側に居たらメンタル的にも攻略的にも安定していたかもしれないな……。
頭脳戦はロゼ姫に任せる形となるだろうし、戦闘はアルカがいる。
実力は大丈夫なんだけど、本人達に自信がないからなぁ。
「――――早く、見つけないとな。ここから出る鍵を――……」
※
モンスターを無事に捕らえる事が出来て喜んじまったが、ここからなんだよな。
モンスターは何も話してくれないし、ヒントもない。
「何をすればいいんだろう」
「わかりません。なにか、ヒントなどがあればいいのですが、そういうのも見つけられませんし……」
襖も開かないままだし、何かが落ちている訳でもない。
どうすればいいんだよ……。
「――――まさか、モンスターを捕まえるだけでは駄目なのでしょうか」
「ロゼ姫様、それは一体どういうことなのでしょうか」
ロゼ姫様が考え込みながらぼそりと呟いた。
「モンスターを倒さなければならないの――かも、です」
「――――え」
まさか、モンスターをいちいち倒さないといけないのか?
今、せっかく拘束しているのに?
「どうしても倒さないといけないのでしょうか。さすがに、人の形をしているので、心が苦しいです」
「リヒトさんは本当にお優しいですね。でも、安心してください。相手はモンスター、倒しても問題ありませんよ」
「でも…………」
「それに、チサトさんでしたら出会い頭に倒してます。めんどくさがると思うので」
たしかに、カガミヤなら確実にすぐ倒しているな。
flameで薙ぎ払っているか、グレールの氷魔法で凍らせているか。
どっちにしろ、絶対にモンスターと分かったらすぐに倒しているな。
「…………わかりました。そうですよね、早く攻略しなければならないですし、ここで迷っている時間はありません! 人の形をしていようとなんだろうと、倒します!」
「その意気ですよ! 頑張りましょう!」
「はい!」
…………ダシに使われてんじゃん、カガミヤ。
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