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好奇心は俺をも殺すから諦めろ
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「こいつが首羽骨。俺の魔法で作り出した亡霊だ」
「……………………ん? 亡霊を、魔法で作り出した??」
ど、どういうことだ?
グラースとはまた違うのか?
「亡霊と言うと少し語弊があるな。マシに言いすぎたわ」
「と、いうと?」
「死体だ」
「……………………ん?」
「し、た、い、だ」
「聞こえとるわ」
し、死体?
死体を魔法で作り出した?
い、意味が理解できない。
どう解釈すればいいんだ??
「スペクターは、この世界で最も珍しい闇魔法の使い手なんだよ」
「闇魔法?」
光魔法とか闇魔法は、ゲームとかで主にある属性の一つだよな。
この世界では珍しいのか。そういや、今まで会ったことがなかったなぁ。
「闇属性って、外れ属性とも言われているんだよね」
「そうなの?」
「ちげぇよ」
アマリアの説明をスペクターが否定した。
違うの? え、なんなの?
何も知らない俺の前でそんな対立しないで。
「でも、使い勝手悪いでしょ? 禁忌魔法が多いし。首羽骨も、禁忌魔法でしょ?」「…………」
え、え? 禁忌魔法? それって、死者蘇生的な?
いやいや、本当にわからないんだけど。
「おそらくその魔法は、蘇生魔法。禁忌の中の禁忌、人を生き返らせる魔法だよ」
……………………あぁ、例えで出したもんが当たっちまった~。
確かに禁忌だよなぁ~、有名な禁忌魔法だよなぁ。
んじゃ、この女は、スペクターにとって彼女とか姉とか妹とか。
なんか、生き返らせたいほどの関係性だった女って事か?
思わずスペクターを見ていると、ため息を吐かれてしまった。
「しっかりと代償も払っている」
「その代償は、なに?」
「俺の肉体」
「に、肉体!?」
アマリアは質問しておいて、わかっていたらしい反応をしている。
俺が大きな声を出しちまっただろうが。
リヒトはもう、頭がショートしているらしい。
アシャーも驚いている。
驚くよな、やっぱり。でも、肉体と言っときながら、腕とか足は生身っぽいし、本当に渡したのか?
まさか、体全部を渡したって感じ?
でも、普通の人間、だよな? どういうことだ?
「首羽骨がいつまでも現世をさ迷えるように、不老不死になったって感じかな?」
アマリアの質問に、スペクターは頷く。
「…………そういうの、あり? 普通、肉体の一部を奪われるとかじゃないの? それか、体全体を奪われて、この世から消えてしまうとか」
今回の件は、さすがに落ち着いてはいられない。
だって、え?
魔法で禁忌を犯して、死体? に肉体を渡して不老不死?
もう、わけわかんねぇ…………。
「この世界で死んだ人がさ迷い続けるには、生者の肉体が必要だ。だが、それは何も、肉体に入り込むだけがやり方じゃねぇ」
お、思わず隣にいるグラースを見てしまった。
冷静に話を聞いているけど、普段笑っているから無表情になると怖いな。
何を考えているんだ?
「…………それ、もっと詳しく聞いてもいいか?」
「俺の魔力がこいつの命となり、俺が生きていなければこいつは魔力不足で死ぬ。俺以外の魔力は適合しねぇから無理。俺の身体に入り込むと言っても、そのままだと寿命で結局死ぬ。考えた結果、俺の肉体に入り込むことは諦め、俺の身体を不老不死にした。んで、長くこの世界を生きていく方法を見つけたんだ」
……………………深く考えては駄目だ。
この世界は、何でもありなんだ。そう、不老不死になって、死体と共に行動する奴が現れてもいいんだ。
普通なんだ、そう、普通。
「――――面白いね。禁忌をそうやって利用するなんて」
「奇跡だけどな。それに、魔力がずっと吸われているから常に眠い。マイナス思考が送られるから気分が上がらん、体が重たい」
あぁ、なるほど。だから、めっちゃ欠伸を零しているのか。
どんだけ欠伸するんだよとか思っていたが、納得だ。
今の説明だと、俺とアマリアの関係みたいな感じか?
というか、今の話だと、グラースはどうなるんだ?
今は幽体で、俺に一度とりついているから、なんとなく繋がりが出江来ているけど。
ずっとさ迷う事が出来ないんだよな。いずれ、グラースもいなくなるって事か?
なんか、頭が痛くなってきた。
「その話、もっと聞きたいなぁ~」
「断る。仮に話すとしたら、それ以上の協力は一切しない」
「それでもいいから話をきかっ――――」
「それだけは勘弁しろ!」
たかが興味だけで、大事な戦力を削ろうとするなよアマリア君や!
こいつなら絶対に話したら姿を晦ませて、逃げまくるぞ。
現在、エトワール達から逃げているんだからな。逃げきれているんだからな!
絶対に管理者に追われながらカケル解放し、プラスでスペクターを見つけるなんて不可能だぞ。
だから、今はその好奇心は出さないでくれ。
「……………………ん? 亡霊を、魔法で作り出した??」
ど、どういうことだ?
グラースとはまた違うのか?
「亡霊と言うと少し語弊があるな。マシに言いすぎたわ」
「と、いうと?」
「死体だ」
「……………………ん?」
「し、た、い、だ」
「聞こえとるわ」
し、死体?
死体を魔法で作り出した?
い、意味が理解できない。
どう解釈すればいいんだ??
「スペクターは、この世界で最も珍しい闇魔法の使い手なんだよ」
「闇魔法?」
光魔法とか闇魔法は、ゲームとかで主にある属性の一つだよな。
この世界では珍しいのか。そういや、今まで会ったことがなかったなぁ。
「闇属性って、外れ属性とも言われているんだよね」
「そうなの?」
「ちげぇよ」
アマリアの説明をスペクターが否定した。
違うの? え、なんなの?
何も知らない俺の前でそんな対立しないで。
「でも、使い勝手悪いでしょ? 禁忌魔法が多いし。首羽骨も、禁忌魔法でしょ?」「…………」
え、え? 禁忌魔法? それって、死者蘇生的な?
いやいや、本当にわからないんだけど。
「おそらくその魔法は、蘇生魔法。禁忌の中の禁忌、人を生き返らせる魔法だよ」
……………………あぁ、例えで出したもんが当たっちまった~。
確かに禁忌だよなぁ~、有名な禁忌魔法だよなぁ。
んじゃ、この女は、スペクターにとって彼女とか姉とか妹とか。
なんか、生き返らせたいほどの関係性だった女って事か?
思わずスペクターを見ていると、ため息を吐かれてしまった。
「しっかりと代償も払っている」
「その代償は、なに?」
「俺の肉体」
「に、肉体!?」
アマリアは質問しておいて、わかっていたらしい反応をしている。
俺が大きな声を出しちまっただろうが。
リヒトはもう、頭がショートしているらしい。
アシャーも驚いている。
驚くよな、やっぱり。でも、肉体と言っときながら、腕とか足は生身っぽいし、本当に渡したのか?
まさか、体全部を渡したって感じ?
でも、普通の人間、だよな? どういうことだ?
「首羽骨がいつまでも現世をさ迷えるように、不老不死になったって感じかな?」
アマリアの質問に、スペクターは頷く。
「…………そういうの、あり? 普通、肉体の一部を奪われるとかじゃないの? それか、体全体を奪われて、この世から消えてしまうとか」
今回の件は、さすがに落ち着いてはいられない。
だって、え?
魔法で禁忌を犯して、死体? に肉体を渡して不老不死?
もう、わけわかんねぇ…………。
「この世界で死んだ人がさ迷い続けるには、生者の肉体が必要だ。だが、それは何も、肉体に入り込むだけがやり方じゃねぇ」
お、思わず隣にいるグラースを見てしまった。
冷静に話を聞いているけど、普段笑っているから無表情になると怖いな。
何を考えているんだ?
「…………それ、もっと詳しく聞いてもいいか?」
「俺の魔力がこいつの命となり、俺が生きていなければこいつは魔力不足で死ぬ。俺以外の魔力は適合しねぇから無理。俺の身体に入り込むと言っても、そのままだと寿命で結局死ぬ。考えた結果、俺の肉体に入り込むことは諦め、俺の身体を不老不死にした。んで、長くこの世界を生きていく方法を見つけたんだ」
……………………深く考えては駄目だ。
この世界は、何でもありなんだ。そう、不老不死になって、死体と共に行動する奴が現れてもいいんだ。
普通なんだ、そう、普通。
「――――面白いね。禁忌をそうやって利用するなんて」
「奇跡だけどな。それに、魔力がずっと吸われているから常に眠い。マイナス思考が送られるから気分が上がらん、体が重たい」
あぁ、なるほど。だから、めっちゃ欠伸を零しているのか。
どんだけ欠伸するんだよとか思っていたが、納得だ。
今の説明だと、俺とアマリアの関係みたいな感じか?
というか、今の話だと、グラースはどうなるんだ?
今は幽体で、俺に一度とりついているから、なんとなく繋がりが出江来ているけど。
ずっとさ迷う事が出来ないんだよな。いずれ、グラースもいなくなるって事か?
なんか、頭が痛くなってきた。
「その話、もっと聞きたいなぁ~」
「断る。仮に話すとしたら、それ以上の協力は一切しない」
「それでもいいから話をきかっ――――」
「それだけは勘弁しろ!」
たかが興味だけで、大事な戦力を削ろうとするなよアマリア君や!
こいつなら絶対に話したら姿を晦ませて、逃げまくるぞ。
現在、エトワール達から逃げているんだからな。逃げきれているんだからな!
絶対に管理者に追われながらカケル解放し、プラスでスペクターを見つけるなんて不可能だぞ。
だから、今はその好奇心は出さないでくれ。
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