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守護霊?

予想外過ぎて、空気を読むという事しか出来ない

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「――――ウズルイフが気に入るのもわかるな」

 今のでわかった。ウズルイフが報告してんな、俺の事。
 二人が管理者を作り出したんだっけ。そりゃ、仲いいわけだ。

 ────お?

「面白い男っすよぉ~。まぁ、最近は正直、めんどくさくなってきたけどなぁ~」

 っ、ウズルイフとクロが、ワープしたように現れた……。
 多分、俺達を見ていたな。アクアがやられてもいいように、監視していたわけだ。

「そうか。だが、今は良い。――――アクア、帰るぞ」

 振り向き、背中を見せクロヌが当たり前のようにアクアを呼ぶ。
 だが、今はアマリアの腕の中。絶対に離さんぞ。

「──アクア」
「ヒッ……」

 見えていなかった目が、今だけ、見えた。
 普通じゃない、狂気というには生ぬるい、そんな瞳。

 アクアも、アマリアも。
 顔を青くして、浅く息を吸う。
 口元を振るわせ、動けない。

 まさか、管理者である二人が、ここまで怯えるなんて……。
 いや、アマリアは一度、過呼吸状態になっていたか。

 これはなるって、過呼吸に。
 あんな視線を送られていたら、逆らえないし、普通に怖い。

 アクアが震える体でアマリアから離れようと動く。でも、行かせるわけにはいかない。

 それはアマリアも同じで、気を取り直して引き寄せた。
 離さないと抱きしめ、クロヌを睨む。

「――――アクア、今すぐアマリアを殺し、こっちに戻れ」
「早くこっちに来た方がいいんじゃないのかぁ~? そっちにいても、得なんてないだろ」

 ウズルイフも追い打ちをかけるようにアクアを取り戻そうとする。

 やばいな、ここでアクアが管理者に戻ると、確実に不利になるのは俺達だ。
 絶対に戻したくない。
 でも、アクアは恐怖心でクロヌの所に戻ろうとする。

「アマリアを殺せ、アクア」

 すぐに自身の元に来ないアクアに、再度言う。
 アクアはどうすればいいのか分からないらしい。震える体で自身を抱きしめているアマリアを見上げた。

 アマリアもアクアを見下ろし、ぎこちないけど、微かに笑みを浮かべた。

「殺すかい? アクアの好きにしていいよ」

 え、そこは説得するところじゃないのか!?
 なんで……。

「いつも言っているじゃん、管理者にいた時。アクアは自由に動いた方が輝くよって。だから、殺したいなら殺していいよ。僕は、殺されてもいい事を、幾度となくしてきたからね」

 これは、俺、言えねぇじゃん……。
 そこまで空気が読めないわけではない。

 でも、ここでアマリアを失うのは正直いたい。
 今ならアクアも簡単に殺せるだろうし、クロヌの元に戻る。

 戦力が、格段に減る。

「――――アマリア、すいません……」

 っ、アマリアを殺しちまう!!

 咄嗟にflameフレイムを手に灯すが、それよりアクアの方が早かった。

orcawaterオルカ・ワーター

 アマリアの頭上に、大きなしゃちが出現。
 そのまま、アマリアに向かって――――え?

「迷惑かけて、すいませんでした、アマリア」

 震えながら、アクアは鯱をクロヌへと向かわせた!?
 流石に驚いたらしいが、片手で簡単にはじき返す。

 水になり、落ちた鯱。
 それでも、奇襲にはなったらしい。ウズルイフとクロも驚き、固まっている。

「…………裏切るという事で、いいな?」
「わ、私の事をいつも気にかけてくれていたのは、アマリアです。アマリアがいなくなった管理者は、違いました。寂しかったです。誰も、を見てくれませんでした」

 ……そうか、アクアは自分の居場所が欲しかったんだっけ。
 夢の中で見た少年が欲しがっていたのは、居場所だった。

 一人は嫌だと願った少年の、切実な願い。
 それを先に裏切ったのは、誰でもないクロヌ。

 裏切ったなど言う権利、あいつらにはないというわけだ。

「そうか。なら、良い。今すぐ、お前を殺す」

 クロヌがアクアに向けて右手を出す。
 アマリアも怯えてしまい、さっき以上の魔法を出すことが出来ない。

gravityグラビティ

 ────かっ、体に圧が!?
 やばい、落ちる、潰される!!

 これは、重力を操る魔法か!?
 早く、たいしょっ――――

「それ以上はやりすぎだぞ、クロヌ」

 この声、イルドリ王??
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