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元殺し屋
どこから何が襲ってくるのかわからんな
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「なぜお前が、こんな所にいる」
「い、いや、それはこっちの台詞なんだけど、ソフィア。なんでお前ら、ここにいる。アンキも…………」
なんか、影から人の気配を感じたから、反射的に発砲したらしいソフィアが姿を現した。
反射で発砲するなよ、俺が咄嗟に避けなければ危なかったぞ。
「気配を感じて追いかけてきただけだ」
「気配?」
「邪悪な気配。銀髪野郎と似ていた」
「銀髪野郎?」
誰だ、こいつの言う銀髪野郎。
「アクアの事っすよ」
「え、アクアに似た気配?」
それって、また管理者が来ているって事か?
だが、さすがにこんな連続で大きく動くことって……。
アクアがまだ残っているということか?
わっかんねぇ…………。
「こっちでなにか見なかったか。それか、感じなかったか」
「足を掴まれた以外には特になかったが、それが関係あったりすんのかな」
「足を掴まれた?」
ソフィアにさっきの出来事を話すと、眉間に皺を刻んじまった。
「それは、妙だな」
「あぁ、いみがわからん」
「何か足に仕掛けられてたりしないか? 布石を打たれている可能性がある」
あー、確かに。
前回、ウズルイフに魔法石を埋め込まれた時があったな。
足を見てみるけど、特に変化はない。
痛みもなかったし、掴まれた以外に特段にもない。
手の跡が付いている訳でもないし、何だろうか。
「特に、何もないか?」
「あぁ、何も感じない」
ソフィアが腕を組み俺の足元を見る。
そんなに見られても、特に変化があるわけじゃないぞ。
「…………見えない布石を打たれている可能性があるな」
「そうなのか?」
「意味もなく、誰かがお前の足を掴んだとは考えにくいからな」
そりゃ、そうだろうけど。
「アンキ、お前のナイフを貸せ」
「はいっす」
何の疑いもなくナイフを渡すアンキ。
え、なに。ソフィアがナイフを持つのって、なんとなく怖いんだけど。
「足、痛いだろうが我慢しろよ」
「え?」
え、え?
ナイフを、足首に添えられ――――
――――シュッ
「いってぇぇぇぇぇええええ!!!!!!」
・
・
・
・
・
・
・
「血も、特に変化はないか。一応これはもらって行くぞ。体内に何か入れ込まれていた場合、血があれば大抵わかる」
「ふざけんな、本当に、ふざけんな…………」
足首にナイフを添えられた直後、鋭い痛みが走った。
深く切られて、血が流れ出る。
それを瓶に入れ、ソフィアは回収。
流れる血は無視。
「おい、痛いんだが? しかも、深く切られ過ぎて歩けないんだが? 動くと痛いんだが?」
「ピンク髪にでも治してもらえ、じゃーな」
そのままソフィアはいなくなる。
え、放置? 歩けないと言っているんだが?
え、ガチで放置なの? え、えぇ……。
アンキも哀れみの目を向けながら「ま、またっす~」と居なくなりやがった。
ど、どうすればいいんだよ。
唖然としていると、横のドアが開かれた。
「あの、なんか、大きな声が聞こえた気がしたんですが、どうかいたしましたか?」
「通り魔に襲われた」
「え、それって…………あ。足、酷い怪我じゃないですか! 今すぐ治します!」
言いながらアシャーが俺の足首に手を添え、光を放つ。
ほえぇ、こいつもアシスト魔法を使えるのか。
色が緑だから、植物魔法あたりか?
あっ、よく見ると、今は私服になっている。
白いワイシャツに、海をモチーフにしたスカート。
フリルの着いた袖が、アシャーの動きに合わせ揺れる。
緑色の光が俺の怪我した部分を照らす。
かゆくなってくるなぁ。
「――――んっ」
「どうしましたか?」
「い、いや…………」
なんか、痺れるような感覚が…………。
「ちょっと、待ってくれないか」
「え、は、はい」
治すのを止める。
止血が出来た程度。まだ完全に塞がっていないから、今無理に歩こうとすれば傷が開きそう。
だが、少し気になる感覚だったんだよな。
痺れるような、電気が走ったような感覚。
――――やっぱり、何か布石を打たれている。
そう、確信できた。
でも、魔法石ではなさそう。
何を仕掛けられた……。
気持ち悪い。
何を仕掛けられたのかわからないのが、ここまで気持ち悪いなんて……。
「カガミヤさん!! カガミヤさんはどこですか!?」
表通りから俺を呼ぶ声。
今のは、リヒトか?
「早く治してくれ!」
「え、は、はい!」
すぐに治してもらい、表に出る。
汗を流し必死に俺を探しているリヒトを見つけた。
「リヒト、どうした」
「っ、カガミヤさん! 大変です!! アマリア様が!!」
――――え、アマリア?
「い、いや、それはこっちの台詞なんだけど、ソフィア。なんでお前ら、ここにいる。アンキも…………」
なんか、影から人の気配を感じたから、反射的に発砲したらしいソフィアが姿を現した。
反射で発砲するなよ、俺が咄嗟に避けなければ危なかったぞ。
「気配を感じて追いかけてきただけだ」
「気配?」
「邪悪な気配。銀髪野郎と似ていた」
「銀髪野郎?」
誰だ、こいつの言う銀髪野郎。
「アクアの事っすよ」
「え、アクアに似た気配?」
それって、また管理者が来ているって事か?
だが、さすがにこんな連続で大きく動くことって……。
アクアがまだ残っているということか?
わっかんねぇ…………。
「こっちでなにか見なかったか。それか、感じなかったか」
「足を掴まれた以外には特になかったが、それが関係あったりすんのかな」
「足を掴まれた?」
ソフィアにさっきの出来事を話すと、眉間に皺を刻んじまった。
「それは、妙だな」
「あぁ、いみがわからん」
「何か足に仕掛けられてたりしないか? 布石を打たれている可能性がある」
あー、確かに。
前回、ウズルイフに魔法石を埋め込まれた時があったな。
足を見てみるけど、特に変化はない。
痛みもなかったし、掴まれた以外に特段にもない。
手の跡が付いている訳でもないし、何だろうか。
「特に、何もないか?」
「あぁ、何も感じない」
ソフィアが腕を組み俺の足元を見る。
そんなに見られても、特に変化があるわけじゃないぞ。
「…………見えない布石を打たれている可能性があるな」
「そうなのか?」
「意味もなく、誰かがお前の足を掴んだとは考えにくいからな」
そりゃ、そうだろうけど。
「アンキ、お前のナイフを貸せ」
「はいっす」
何の疑いもなくナイフを渡すアンキ。
え、なに。ソフィアがナイフを持つのって、なんとなく怖いんだけど。
「足、痛いだろうが我慢しろよ」
「え?」
え、え?
ナイフを、足首に添えられ――――
――――シュッ
「いってぇぇぇぇぇええええ!!!!!!」
・
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「血も、特に変化はないか。一応これはもらって行くぞ。体内に何か入れ込まれていた場合、血があれば大抵わかる」
「ふざけんな、本当に、ふざけんな…………」
足首にナイフを添えられた直後、鋭い痛みが走った。
深く切られて、血が流れ出る。
それを瓶に入れ、ソフィアは回収。
流れる血は無視。
「おい、痛いんだが? しかも、深く切られ過ぎて歩けないんだが? 動くと痛いんだが?」
「ピンク髪にでも治してもらえ、じゃーな」
そのままソフィアはいなくなる。
え、放置? 歩けないと言っているんだが?
え、ガチで放置なの? え、えぇ……。
アンキも哀れみの目を向けながら「ま、またっす~」と居なくなりやがった。
ど、どうすればいいんだよ。
唖然としていると、横のドアが開かれた。
「あの、なんか、大きな声が聞こえた気がしたんですが、どうかいたしましたか?」
「通り魔に襲われた」
「え、それって…………あ。足、酷い怪我じゃないですか! 今すぐ治します!」
言いながらアシャーが俺の足首に手を添え、光を放つ。
ほえぇ、こいつもアシスト魔法を使えるのか。
色が緑だから、植物魔法あたりか?
あっ、よく見ると、今は私服になっている。
白いワイシャツに、海をモチーフにしたスカート。
フリルの着いた袖が、アシャーの動きに合わせ揺れる。
緑色の光が俺の怪我した部分を照らす。
かゆくなってくるなぁ。
「――――んっ」
「どうしましたか?」
「い、いや…………」
なんか、痺れるような感覚が…………。
「ちょっと、待ってくれないか」
「え、は、はい」
治すのを止める。
止血が出来た程度。まだ完全に塞がっていないから、今無理に歩こうとすれば傷が開きそう。
だが、少し気になる感覚だったんだよな。
痺れるような、電気が走ったような感覚。
――――やっぱり、何か布石を打たれている。
そう、確信できた。
でも、魔法石ではなさそう。
何を仕掛けられた……。
気持ち悪い。
何を仕掛けられたのかわからないのが、ここまで気持ち悪いなんて……。
「カガミヤさん!! カガミヤさんはどこですか!?」
表通りから俺を呼ぶ声。
今のは、リヒトか?
「早く治してくれ!」
「え、は、はい!」
すぐに治してもらい、表に出る。
汗を流し必死に俺を探しているリヒトを見つけた。
「リヒト、どうした」
「っ、カガミヤさん! 大変です!! アマリア様が!!」
――――え、アマリア?
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