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タッグバトル
元殺し屋に話しかけられるのって怖いってマジで
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トーナメントはとんとん拍子に進む。
何も問題はなく、進む。
それはいい。
いいんだけど……。
――――シュッ
「勝者、ソフィア、アンキペア!!」
この二人、誰が相手でも一瞬にして終わらせやがる。
相手に魔法を発動させる前に、一気に距離を詰め急所を狙われ終わり。
魔法を発動しているようにも見えない。
元々の身体能力が化け物なのかぁ?
魔法を発動出来ないのなら、俺もクラウドも相手にならんぞ。
スタートダッシュを封じる方法を考えねぇとならねぇな。
魔導書さえ使う事が出来れば、siege flameを発動するんだが……。
「あのスタートダッシュをどうやってへし折るか……」
「その前に、他の奴らとの勝負だぞ」
「あっ、そうだな」
クラウドの言う通りだ。
次の戦闘、ここまで勝ち進んできた奴らだ。
アマリアはあんなこと言っていたが、実力は高いだろう。
先ばかりを見ていると鼻っぱしを折られる、集中しないと。
「準備」
「あぁ。次こそは無傷でいてくれよ?」
「あたりめぇだわ」
…………本当かねぇ…………はぁ。
※
フィールドに立つと、次の相手も準備が整ったらしく、武器を片手に俺達を見てきた。
相手の武器は、二人ともグローブっぽいな。
表情を見せないようになのか、顔には仮面。黒いローブで身を包み込んでいる。
徹底して、相手に自身達の動きを悟らせないようにしているな。
予備動作を悟られないようにでかい服を着るのは、なかなか策略家だ。
「準備は出来ましたか?」
「おう」
審判に言うと、手を挙げ、笛を口に咥える。
さーて、こいつらはどんな魔法を使うのか、どんな戦闘スタイルなのか。
…………やっべぇ、事前に見てなかったわ。まぁ、何とかなるか。
――――ピィィィィイイイイイイ
開始の笛。
鳴り響いた瞬間、前に立っていた一人が消えた――消えた!?
――――後ろっ!
振り向くと、眼前に拳。
顔を横にそらし回避、手首を掴み炎魔法、fist flameを発動。
炎は俺の拳に灯り、掴んでいる相手の腕に移る。
「っ!」
すぐに振り払われたが、相手のスタートダッシュはうまく防ぐことは出来た。
すぐに仲間の元に戻り、態勢を整え始める。
「早いな」
「霞魔法の奴らより動き出しが早く、判断力が高い。厄介かもしれねぇぞ」
元殺し屋だけが今回の敵ではない。
目立っていないだけで、他の奴らも猛者揃い。
光が遮られた、実力者達。
油断は出来ない、警戒を高めなければ。
炎の拳を握り、クラウドも右手に光の刃を作り、準備完了。
まず、相手がなんの魔法を主体にするのかを見極めよう。
接近戦を得意とするのは今のでわかったし、距離を詰められないようにするのがいいかもしれない。
何度も言うが、俺は、接近戦は、苦手だ。
構えていると、相手も作戦が決まったのか視線を向けてきた。
さて、どう来る。
何が来ても、絶対に遅れはとらっ――――あ、あれ?
「クラウド?」
隣に立っていたクラウドがいない。
一体どこに――……
「ストップ!! ストップです!! 勝負はつきましたのでこれ以上はやめてください!!」
ん? 審判の声?
「~~~~~~~!?!? 何してやがるクラウドぉぉぉおおおおお!!!」
隣にいたはずのクラウドがいなくなったかと思えば、何故か相手をタコ殴りにしていた。
二人の内一人は、もう意識がないのかフードが取れ、腫れた顔のまま倒れ込み。
もう一人ももう気絶しているみたいだが、クラウドに殴られ続けている。
何があったんだよ!!!
クラウドの首根っこを掴み、顔が腫れて気を失っている男から離れさせた。
「もう終わりだ!!! 何をしてやがるんだよお前!!」
「強かったから、少しだけ本気を出した」
は、はぃ?
こいつ、自分が戦闘能力高いって思ってないのか?
自分は普通より強いと、思ってないんか?
「知里とは、これで互角にやりあった」
「俺を基準にするな……」
俺の場合は、管理者との戦いで目が慣れていたし、戦闘経験を重ねてきたから互角に渡り合えていただけだぞ。
「……え、えぇっと、これって、俺達の勝ちで、良いんですかね?」
顔を引きつらせながら審判に聞くと、困ったように眉を下げちまった。
「え、えぇ……。やり過ぎではありますが、勝負はつきましたので。今回は、チサト・クラウドペアの勝ちです」
よっし、なんか、微妙に喜べないが、今回は何とかなった。
少し魔力を多めに使わないといけないかと思ったが、ラッキー。
フィールドから降りる時、前から二人組、歩いて来る。
深碧色の外套に、銀髪を揺らしこちらへと。
ソフィアとアンキチームが次なのか。
早く避けないと殺されそう。
何事も無かったかのようにクラウドと共に、二人とすれちがっ──……
――――――――決勝で待っているぞ、異世界人。
「っ!?」
――――バッ!
後ろを振り向くが、あいつは一切俺を気にせずフィールドに乗った。
い、異世界人? それって、俺の事か?
なんで、そんなことを言った? どういう意味を含んでいる。
「ん? どうした」
「…………いや、何でもない」
…………ソフィア・ウーゴ。
こいつ、戦闘だけでなく、他の事に対しても警戒は必要かもしれねぇな。
何も問題はなく、進む。
それはいい。
いいんだけど……。
――――シュッ
「勝者、ソフィア、アンキペア!!」
この二人、誰が相手でも一瞬にして終わらせやがる。
相手に魔法を発動させる前に、一気に距離を詰め急所を狙われ終わり。
魔法を発動しているようにも見えない。
元々の身体能力が化け物なのかぁ?
魔法を発動出来ないのなら、俺もクラウドも相手にならんぞ。
スタートダッシュを封じる方法を考えねぇとならねぇな。
魔導書さえ使う事が出来れば、siege flameを発動するんだが……。
「あのスタートダッシュをどうやってへし折るか……」
「その前に、他の奴らとの勝負だぞ」
「あっ、そうだな」
クラウドの言う通りだ。
次の戦闘、ここまで勝ち進んできた奴らだ。
アマリアはあんなこと言っていたが、実力は高いだろう。
先ばかりを見ていると鼻っぱしを折られる、集中しないと。
「準備」
「あぁ。次こそは無傷でいてくれよ?」
「あたりめぇだわ」
…………本当かねぇ…………はぁ。
※
フィールドに立つと、次の相手も準備が整ったらしく、武器を片手に俺達を見てきた。
相手の武器は、二人ともグローブっぽいな。
表情を見せないようになのか、顔には仮面。黒いローブで身を包み込んでいる。
徹底して、相手に自身達の動きを悟らせないようにしているな。
予備動作を悟られないようにでかい服を着るのは、なかなか策略家だ。
「準備は出来ましたか?」
「おう」
審判に言うと、手を挙げ、笛を口に咥える。
さーて、こいつらはどんな魔法を使うのか、どんな戦闘スタイルなのか。
…………やっべぇ、事前に見てなかったわ。まぁ、何とかなるか。
――――ピィィィィイイイイイイ
開始の笛。
鳴り響いた瞬間、前に立っていた一人が消えた――消えた!?
――――後ろっ!
振り向くと、眼前に拳。
顔を横にそらし回避、手首を掴み炎魔法、fist flameを発動。
炎は俺の拳に灯り、掴んでいる相手の腕に移る。
「っ!」
すぐに振り払われたが、相手のスタートダッシュはうまく防ぐことは出来た。
すぐに仲間の元に戻り、態勢を整え始める。
「早いな」
「霞魔法の奴らより動き出しが早く、判断力が高い。厄介かもしれねぇぞ」
元殺し屋だけが今回の敵ではない。
目立っていないだけで、他の奴らも猛者揃い。
光が遮られた、実力者達。
油断は出来ない、警戒を高めなければ。
炎の拳を握り、クラウドも右手に光の刃を作り、準備完了。
まず、相手がなんの魔法を主体にするのかを見極めよう。
接近戦を得意とするのは今のでわかったし、距離を詰められないようにするのがいいかもしれない。
何度も言うが、俺は、接近戦は、苦手だ。
構えていると、相手も作戦が決まったのか視線を向けてきた。
さて、どう来る。
何が来ても、絶対に遅れはとらっ――――あ、あれ?
「クラウド?」
隣に立っていたクラウドがいない。
一体どこに――……
「ストップ!! ストップです!! 勝負はつきましたのでこれ以上はやめてください!!」
ん? 審判の声?
「~~~~~~~!?!? 何してやがるクラウドぉぉぉおおおおお!!!」
隣にいたはずのクラウドがいなくなったかと思えば、何故か相手をタコ殴りにしていた。
二人の内一人は、もう意識がないのかフードが取れ、腫れた顔のまま倒れ込み。
もう一人ももう気絶しているみたいだが、クラウドに殴られ続けている。
何があったんだよ!!!
クラウドの首根っこを掴み、顔が腫れて気を失っている男から離れさせた。
「もう終わりだ!!! 何をしてやがるんだよお前!!」
「強かったから、少しだけ本気を出した」
は、はぃ?
こいつ、自分が戦闘能力高いって思ってないのか?
自分は普通より強いと、思ってないんか?
「知里とは、これで互角にやりあった」
「俺を基準にするな……」
俺の場合は、管理者との戦いで目が慣れていたし、戦闘経験を重ねてきたから互角に渡り合えていただけだぞ。
「……え、えぇっと、これって、俺達の勝ちで、良いんですかね?」
顔を引きつらせながら審判に聞くと、困ったように眉を下げちまった。
「え、えぇ……。やり過ぎではありますが、勝負はつきましたので。今回は、チサト・クラウドペアの勝ちです」
よっし、なんか、微妙に喜べないが、今回は何とかなった。
少し魔力を多めに使わないといけないかと思ったが、ラッキー。
フィールドから降りる時、前から二人組、歩いて来る。
深碧色の外套に、銀髪を揺らしこちらへと。
ソフィアとアンキチームが次なのか。
早く避けないと殺されそう。
何事も無かったかのようにクラウドと共に、二人とすれちがっ──……
――――――――決勝で待っているぞ、異世界人。
「っ!?」
――――バッ!
後ろを振り向くが、あいつは一切俺を気にせずフィールドに乗った。
い、異世界人? それって、俺の事か?
なんで、そんなことを言った? どういう意味を含んでいる。
「ん? どうした」
「…………いや、何でもない」
…………ソフィア・ウーゴ。
こいつ、戦闘だけでなく、他の事に対しても警戒は必要かもしれねぇな。
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