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タッグバトル
忘れられているかもしれないが、俺は人込みは大の苦手だ
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花火の音、歓声。
今まで静かだったはずのオスクリタ海底は、今や祭りモード。
人の歓声が響きわたり、熱気が凄い。
まぁ、祭りだもんな、こうなるのは仕方がない。
うん、予想は出来ていた。
出来ては、いた。
「おえっ…………」
「思いっきり人酔いしているみたいだけど、大丈夫?」
思いっきり、人酔いした。
くっそ、マジで最悪だ。
「ぎもじわるい…………」
「今後、冗談なしにリヒトには癒し魔法を習得してもらった方がいいと思うなぁ」
近くで聞いていたリヒトは、大きく頷きながら俺の背中をさすってくれている。
アルカは水を持ってきてくれて、クラウドは欠伸を零していた。
今回、グレールとロゼ姫は不在。
こんな、人が集まる中にお姫様とその執事がいると変に目立つのと、勝ったとしても小細工を仕組んでいたと勘違いされるかもしれないと思っての対処。
まぁ、姫と執事を仲間に入れ込んだら小細工なんて簡単だろうしな。
勘違いされるかもしれないから、いない方がいいか。
それでも、遠くからは見ているみたいだし、変な事はできん。
「そういえば、もう参加者名簿は確認したの?」
「あ、あぁ。さっき確認した。名前しか書いていなかったからよくわからんかったけどな」
「まぁ、そうか」
そうだよ、名前しか書かれていなかったから見ても意味はなかった。
参加人数は、十組以上という事がわかったのはいいけどな。
「トーナメント表は確認した?」
「したした。名前は覚えてないけど、何とかなるだろうと予感。ペアはクラウドだし、特に問題ないだろう」
俺も、魔法単体では強いと自負しているし。
クラウドも、普通に戦闘は得意そうだし。
逆に、殺さないか不安だし、そっちに意識を集中しなければならんだろう。
――――――――ワァァァァァァァアアア
「おっ?」
「どうやら、一回戦目が始まったらしいですね」
歓声が一際大きくなった。
俺達の戦闘は一時間後の予定。
それまでは他のグループが戦闘を行う形だ。
「少し覗くか。クラウド、行くぞ」
「めんどくせぇ」
「もしかしたら、俺達と戦うことになるかもしれないんだぞ。少しでも情報を抜き取って、有利に進めたい」
それだけ言うと、クラウドはげんなりしながらもついてきてくれる。
リヒトとアルカ、アマリアもついてくる。
戦闘フィールドに近づけば近づくほど、人は増える。当然だけど。
人混みが苦手な俺からすれば、地獄。
忘れられていそうだが、俺は大の人込み嫌い。
酷い時は頭痛と吐き気、目眩が起こす。
「あの、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫ではない」
あー、やべぇ。周りの騒音もきつくなってきた。
パチンコ屋に数時間いる感覚。
今はまだ目眩までは起きていないけど、頭痛がしてきた。
見たかったけど、こればっかりは仕方がない。
今回はクラウドにまかせて、俺は違う所に避難しようかな。
俺からクラウドを連れてきたけど。
そんなことを考えていると、アマリアがある魔道具を思い出してくれた。
「それなら、以前に使った魔道具で知里には離れた場所から試合を見てもらおうか」
「以前に使った? …………あぁ、あの時か」
少しでもウズルイフの情報が欲しくて、でも俺が休まないといけない時に使った魔道具だな。
アマリアが作ったとか言っていたやつ。
確かに、それならいいな。
視覚も聴覚も共有出来るから、こういう時に持ってこいだろう。
「任せた」
「わかった。クラウドは僕が、リヒトは知里の方をお願いしてもいい?」
「わかりました」
少し離れた建物の影に俺とリヒトは待機。
アマリアが魔道具のセットした。
アマリアの視覚と聴覚を共有確認も無事完了。そのまま二人は先程の人混みに消えていった。
「さてさて、どんな奴が今回の試合に出ているのか。楽しみだな──おえっ」
「無理、しないでください……」
今まで静かだったはずのオスクリタ海底は、今や祭りモード。
人の歓声が響きわたり、熱気が凄い。
まぁ、祭りだもんな、こうなるのは仕方がない。
うん、予想は出来ていた。
出来ては、いた。
「おえっ…………」
「思いっきり人酔いしているみたいだけど、大丈夫?」
思いっきり、人酔いした。
くっそ、マジで最悪だ。
「ぎもじわるい…………」
「今後、冗談なしにリヒトには癒し魔法を習得してもらった方がいいと思うなぁ」
近くで聞いていたリヒトは、大きく頷きながら俺の背中をさすってくれている。
アルカは水を持ってきてくれて、クラウドは欠伸を零していた。
今回、グレールとロゼ姫は不在。
こんな、人が集まる中にお姫様とその執事がいると変に目立つのと、勝ったとしても小細工を仕組んでいたと勘違いされるかもしれないと思っての対処。
まぁ、姫と執事を仲間に入れ込んだら小細工なんて簡単だろうしな。
勘違いされるかもしれないから、いない方がいいか。
それでも、遠くからは見ているみたいだし、変な事はできん。
「そういえば、もう参加者名簿は確認したの?」
「あ、あぁ。さっき確認した。名前しか書いていなかったからよくわからんかったけどな」
「まぁ、そうか」
そうだよ、名前しか書かれていなかったから見ても意味はなかった。
参加人数は、十組以上という事がわかったのはいいけどな。
「トーナメント表は確認した?」
「したした。名前は覚えてないけど、何とかなるだろうと予感。ペアはクラウドだし、特に問題ないだろう」
俺も、魔法単体では強いと自負しているし。
クラウドも、普通に戦闘は得意そうだし。
逆に、殺さないか不安だし、そっちに意識を集中しなければならんだろう。
――――――――ワァァァァァァァアアア
「おっ?」
「どうやら、一回戦目が始まったらしいですね」
歓声が一際大きくなった。
俺達の戦闘は一時間後の予定。
それまでは他のグループが戦闘を行う形だ。
「少し覗くか。クラウド、行くぞ」
「めんどくせぇ」
「もしかしたら、俺達と戦うことになるかもしれないんだぞ。少しでも情報を抜き取って、有利に進めたい」
それだけ言うと、クラウドはげんなりしながらもついてきてくれる。
リヒトとアルカ、アマリアもついてくる。
戦闘フィールドに近づけば近づくほど、人は増える。当然だけど。
人混みが苦手な俺からすれば、地獄。
忘れられていそうだが、俺は大の人込み嫌い。
酷い時は頭痛と吐き気、目眩が起こす。
「あの、本当に大丈夫ですか?」
「大丈夫ではない」
あー、やべぇ。周りの騒音もきつくなってきた。
パチンコ屋に数時間いる感覚。
今はまだ目眩までは起きていないけど、頭痛がしてきた。
見たかったけど、こればっかりは仕方がない。
今回はクラウドにまかせて、俺は違う所に避難しようかな。
俺からクラウドを連れてきたけど。
そんなことを考えていると、アマリアがある魔道具を思い出してくれた。
「それなら、以前に使った魔道具で知里には離れた場所から試合を見てもらおうか」
「以前に使った? …………あぁ、あの時か」
少しでもウズルイフの情報が欲しくて、でも俺が休まないといけない時に使った魔道具だな。
アマリアが作ったとか言っていたやつ。
確かに、それならいいな。
視覚も聴覚も共有出来るから、こういう時に持ってこいだろう。
「任せた」
「わかった。クラウドは僕が、リヒトは知里の方をお願いしてもいい?」
「わかりました」
少し離れた建物の影に俺とリヒトは待機。
アマリアが魔道具のセットした。
アマリアの視覚と聴覚を共有確認も無事完了。そのまま二人は先程の人混みに消えていった。
「さてさて、どんな奴が今回の試合に出ているのか。楽しみだな──おえっ」
「無理、しないでください……」
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