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クロヌの言う男
もうそろそろ本気で情報収集していかないといけなくなったな
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「体の方は大丈夫だよ。取り乱してごめん」
「俺も取り乱していたわ。んで、なんで駄目なんだ?」
つい色々質問しちまったが、アマリアがだいぶ冷静になってくれたからカオスな状態にならんで済んだ。
「クロヌはおそらく、まだ大きく動かないと思うよ。今回も確認の為とか言っていたでしょ?」
「会話、聞こえていたんだな」
「さすがに苦しかったし辛かったけど、聞き逃してはいけないって思ってね。あとは、管理者だった頃の癖かな」
何があっても話は聞き逃してはいけない、というルールが管理者には合ったのだろうか。
俺だったら確実に寝るから無理だな。
会議とかの場合は、特に。
「確認って、何をしたかったのでしょうか」
「それが全く分からないんだよな。クラウドが使える人材なのを確認するためとかだったら普通に笑うな」
「あっはっはっはっ」と笑い飛ばそうとすると、なぜかみんなの視線が集中する。
特に、クラウドからの視線が痛い。
な、なに?
俺が見られる事嫌いなの知っているだろう、なんで見て来る、見るな。
「…………今の、あり得るかもね。知里がいない時に狙ったのは、リヒトか誰かを運よく殺せたらとかかもしれないし」
「…………マジ?」
そんなことあるのか?
超適当に言ったんだが?
「クロヌなら考えそうなことだよ。目的の為なら手段は選ばない。仲間である管理者達も、道具としか思っていないだろうしね。言うなれば、捨て駒」
……本当に、腐ってんな。
そういう思想だから、アマリアは受け付けなかったんだな。だが、フェアズの為、耐えてきた──と。
「でも、管理者が動ているのは明白だろう? クロヌじゃないのなら、他に誰が動いているとかは予想出来ないのか?」
「そうだね。それなら、ウズルイフが濃厚かな。アクアとクロは命令されないと動かないし、頭を使う事もさせないしね」
頭を使うことをさせない……?
「その二人、馬鹿なのか?」
「頭を使うことは得意では無いよ」
なるほどなぁ、言い方を柔らかくしているが、簡単に言えば馬鹿なんだな。
アクアは感覚派そうだもんな、別に驚かんわ。
でも、いつもクロと共に行動しているんじゃないのか?
最初、アクアと初めて会った時しかクロを見ていないが、そこまで馬鹿ではないような気がする。
「なぁ、アクアは納得できるが、クロも馬鹿なのか?」
「普通だよ。リヒトくらいの頭脳じゃないかな」
あっ、リヒトが目を丸くしている。
名前を呼ばれるとは思っていなかったんだな。
「なるほど。確かにそれだと、自ら動くのは難しいかもな」
「そうなんだよね」
アクアとクロが動き出す線は薄い。
なら、やっぱり最初アマリアが言っていたようにウズルイフか。
あいつが動いているのは厄介だな、今度はどこから攻めて来るんだ。予想ができない。
いや、それも気になるんだが、クラウドとクロヌについても考えないといけなくなってきた。
「なぁ、クラウド。というか、アンヘル族のおめぇらは、管理者について知っているんだよな?」
三人は顔を見合せ、代表としてアンジェロが教えてくれた。
「知っているよぉ~。僕と姉さんは、目を付けられて殺されかけたんだからぁ~」
「え、そうなの?」
「うんうん」
アマリアを見てみるけど、目を丸くしている。
知らない案件だったの思うよ
でも、アマリアが知らないなんてこと――忘れているだけかもしれないな。
アマリアはぼぉ~っとしていることが多いし。
「今、僕の事、馬鹿にしなかった?」
「気のせい」
「そう。それより、アンヘル族を襲ったのって、おっさんだった?」
言い方よ。
もう、クロヌの事を指しているじゃん。
「おっさんとぉ、紫の人ぉ~」
「クロヌとウズルイフだね。この二人、関係長いらしいし、一緒に行動することが多いのかな」
へぇ、その二人、長いんだ。
クロヌが指示出しをしていたという事は、リーダー的な立場なんだろう?
なら、ウズルイフは側近的な立場か? クロヌを守る騎士的な?
…………性格上ありえないか。
「あぁ、それとぉ~。おそらくだけど、まだアマリアはいなかったと思うよぉ。管理者にぃ~」
「え、そうなのか? アマリアって、古株じゃないのか?」
驚きのあまり聞いてしまうと、アマリアは首を振って「違うよ」と言った。
「どっちかというと、僕は新しい方じゃないかな。僕の後に入ったのはアクアとクロだけだったはず」
「新参者だったのか」
「まぁ、そうね」
なるほどねぇ。
クロとアクアがアマリアの後となると、フィルムとウズルイフが先に入っていたって事か。
「…………本格的に管理者についてと、アンヘル族について、調べないといけなくなってきたな」
「僕も、もうそろそろ本気で話そうかな。管理者について」
おっ、それはマジで助かるわ。
「ただ、興味がなかったから、そこまで有益な情報ではないことは覚悟してね」
「…………はい」
「俺も取り乱していたわ。んで、なんで駄目なんだ?」
つい色々質問しちまったが、アマリアがだいぶ冷静になってくれたからカオスな状態にならんで済んだ。
「クロヌはおそらく、まだ大きく動かないと思うよ。今回も確認の為とか言っていたでしょ?」
「会話、聞こえていたんだな」
「さすがに苦しかったし辛かったけど、聞き逃してはいけないって思ってね。あとは、管理者だった頃の癖かな」
何があっても話は聞き逃してはいけない、というルールが管理者には合ったのだろうか。
俺だったら確実に寝るから無理だな。
会議とかの場合は、特に。
「確認って、何をしたかったのでしょうか」
「それが全く分からないんだよな。クラウドが使える人材なのを確認するためとかだったら普通に笑うな」
「あっはっはっはっ」と笑い飛ばそうとすると、なぜかみんなの視線が集中する。
特に、クラウドからの視線が痛い。
な、なに?
俺が見られる事嫌いなの知っているだろう、なんで見て来る、見るな。
「…………今の、あり得るかもね。知里がいない時に狙ったのは、リヒトか誰かを運よく殺せたらとかかもしれないし」
「…………マジ?」
そんなことあるのか?
超適当に言ったんだが?
「クロヌなら考えそうなことだよ。目的の為なら手段は選ばない。仲間である管理者達も、道具としか思っていないだろうしね。言うなれば、捨て駒」
……本当に、腐ってんな。
そういう思想だから、アマリアは受け付けなかったんだな。だが、フェアズの為、耐えてきた──と。
「でも、管理者が動ているのは明白だろう? クロヌじゃないのなら、他に誰が動いているとかは予想出来ないのか?」
「そうだね。それなら、ウズルイフが濃厚かな。アクアとクロは命令されないと動かないし、頭を使う事もさせないしね」
頭を使うことをさせない……?
「その二人、馬鹿なのか?」
「頭を使うことは得意では無いよ」
なるほどなぁ、言い方を柔らかくしているが、簡単に言えば馬鹿なんだな。
アクアは感覚派そうだもんな、別に驚かんわ。
でも、いつもクロと共に行動しているんじゃないのか?
最初、アクアと初めて会った時しかクロを見ていないが、そこまで馬鹿ではないような気がする。
「なぁ、アクアは納得できるが、クロも馬鹿なのか?」
「普通だよ。リヒトくらいの頭脳じゃないかな」
あっ、リヒトが目を丸くしている。
名前を呼ばれるとは思っていなかったんだな。
「なるほど。確かにそれだと、自ら動くのは難しいかもな」
「そうなんだよね」
アクアとクロが動き出す線は薄い。
なら、やっぱり最初アマリアが言っていたようにウズルイフか。
あいつが動いているのは厄介だな、今度はどこから攻めて来るんだ。予想ができない。
いや、それも気になるんだが、クラウドとクロヌについても考えないといけなくなってきた。
「なぁ、クラウド。というか、アンヘル族のおめぇらは、管理者について知っているんだよな?」
三人は顔を見合せ、代表としてアンジェロが教えてくれた。
「知っているよぉ~。僕と姉さんは、目を付けられて殺されかけたんだからぁ~」
「え、そうなの?」
「うんうん」
アマリアを見てみるけど、目を丸くしている。
知らない案件だったの思うよ
でも、アマリアが知らないなんてこと――忘れているだけかもしれないな。
アマリアはぼぉ~っとしていることが多いし。
「今、僕の事、馬鹿にしなかった?」
「気のせい」
「そう。それより、アンヘル族を襲ったのって、おっさんだった?」
言い方よ。
もう、クロヌの事を指しているじゃん。
「おっさんとぉ、紫の人ぉ~」
「クロヌとウズルイフだね。この二人、関係長いらしいし、一緒に行動することが多いのかな」
へぇ、その二人、長いんだ。
クロヌが指示出しをしていたという事は、リーダー的な立場なんだろう?
なら、ウズルイフは側近的な立場か? クロヌを守る騎士的な?
…………性格上ありえないか。
「あぁ、それとぉ~。おそらくだけど、まだアマリアはいなかったと思うよぉ。管理者にぃ~」
「え、そうなのか? アマリアって、古株じゃないのか?」
驚きのあまり聞いてしまうと、アマリアは首を振って「違うよ」と言った。
「どっちかというと、僕は新しい方じゃないかな。僕の後に入ったのはアクアとクロだけだったはず」
「新参者だったのか」
「まぁ、そうね」
なるほどねぇ。
クロとアクアがアマリアの後となると、フィルムとウズルイフが先に入っていたって事か。
「…………本格的に管理者についてと、アンヘル族について、調べないといけなくなってきたな」
「僕も、もうそろそろ本気で話そうかな。管理者について」
おっ、それはマジで助かるわ。
「ただ、興味がなかったから、そこまで有益な情報ではないことは覚悟してね」
「…………はい」
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