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休暇と双子

休みの取り方をすっかり忘れてしまった

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 アマリアとはあまり離れられない。
 それはわかるけど、どこまでなら離れる事が出来るんだろうか。

 このオスクリタ海底内は、自由に歩くことはできるんかねぇ~。
 まぁ、駄目そうなら感覚的に分かるだろうし、気にしなくてもいいか。

「なぁ、どこに向かってんだ?」
「ついてこなくてもいいんだが?」

 アルカとリヒトが廊下を歩く俺の後ろを当たり前のようについて来る。
 別に、無理しなくてもいいんだけど……。

「いえ、カガミヤさんから離れません」
「なんで?」
「何をしでかすかわかりませんので」
「俺はトラブルメーカーか」

 トラブルメーカーは、どっちかというとお前らのような気がするんだが?

 だって、お前らが余計な事に首を突っ込むから、めんどくさい事に巻き込まれてきたんじゃないか。

 まぁ、その、確かにぃ~?
 管理者に目を付けられたのは俺だし、変なモンスターリトスアンヘル族クラウドに懐かれたのも俺だけどさぁ。

 トラブルメーカー扱いをアルカ達にされるのは、なんか、嫌なんだが?

「ふふっ」

 おい、グレールとロゼ姫、なに笑ってやがる。
 お前ら、さっきから俺を馬鹿にしやがって、気分が悪いぞ。

「はぁ……。おい、俺は部屋に戻っているだけだ。心配はいらん。だから、アルカ達は買い物でもして来い」

 ”買い物”
 この言葉に反応したのはリヒト。

 女性は買い物とかそういうの好きなイメージがあるし、ロゼ姫も目を輝かしている。

「でも…………」
「俺の事は気にすんな、早く行ってこい。んで、女だけだと危険だから、アルカとグレールも共に行ってこい」

 しっしっと四人を追い払い部屋に向かうと、後ろからなんとなくふてくされているような声が聞こえてきた──が、無視。

 部屋に辿り着き、ベッドにダイブ。

「あーーーーーー、つっかれたぁぁぁぁぁああ」

 怒涛の日々だった。
 いや、寝ていた時間があるから、体は休められているんだけどさぁ。

 気力が、メンタルが、精神が疲労している。
 怠い、ベッドにダイブした途端に体が重くなってきたような気が……。

 でも、沢山寝たから瞼は重たいけど、眠る事は出来なさそう。
 眠いのか、眠くないのか。これは、一体どういう状態なんだ?

 ゴロンと、うつ伏せから仰向けに体勢を変えると、海をモチーフにした天井が目に入る。

 やっぱり、海をモチーフにしているのって、綺麗だよなぁ。
 波とかもうまく表現されているし、魚も泳いでいる。

 …………なんか、魚が動き出しそう。
 いや、今は体を休める方法を考えよう。

 …………いや、体を休める方法を考えるとはなんだ。
 結局、考えている時点で頭を休ませてねぇじゃねぇかよ。

「…………はぁ」

 駄目だぁ、考える事が癖になっている。
 会社員時代は、仕事以外何していたっけ――――金数えたり通帳を眺めて生活してたわ。

 後は、同僚と飲みに行ったり、昼寝したりだったか?

 翔にも誘われて、色んな所に連れ出されていたような気もする。
 仕事を手伝ってくれたお礼とかなんとかで。

 お礼をするなら金をくれと何度も言ったのに、それはなぜか聞き入れてくれなかったんだよなぁ、懐かしい。

「ふぅ…………」

 目を閉じても、眠れる気配はない。
 一か月、俺は何をして過ごそうかな。

 …………あ、そう言えば、オスクリタ海底には星屑図書館とか言う所があったな。
 本を読む趣味はあまりないが、久しぶりに文字に触れるのはいいかもしれねぇ。

 今は体を動かすのがめんどくさいから行かないけど。
 明日から動き出すかなぁ。

 クラウドが大人しかったら、アマリアも連れて行って本を読むか。
 確か、アマリアは周りが見えなくなるほどに本が好きだったはず。

 今しか自由の時間はないだろうし、今のうちに何かしたいなぁ。
 こういう時、何か趣味とかあれば良かったんだが、生憎俺には存在しない。

「あぁ、でも。眠らないにしろ、このまま目を閉じているだけでも体は休められるか…………」

 このまま、ぼぉっと過ごそう。
 ちょっと、時間が勿体ないような気はするけど、体を休めない事には大きな戦闘が勃発しても負けちまう。

「くわっ……。あれ、欠伸…………」

 まさか、寝れるか、これ。
 あ、寝れそう。

 変な時間に起きるかもしれねぇが、寝るか。
 おやすみなさいっと。
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