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ファーマメント
思考が似ている奴と話すのは、めんどくさいが楽と言えば楽なんだよなぁ
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クラウドのいる部屋まで行きドアを開けると、アルカとリヒトが椅子に座って待機していた。
「あ、カガミヤさん」
「リヒト、お疲れ。変わりはないか?」
「はい。まだ眠り続けています」
ベッドに近付くと、寝息を立てて眠っている。
怪我がねぇな、リヒトが治したんか?
「…………なぁ、アマリア」
「なに?」
「アマリアは、こいつ以外のアンヘル族に会ったことあるのか?」
振り向き問いかけると、アマリアが「うーん」と唸り思い出す。
「…………いや、アンヘル族には会ったことないかな。僕の記憶上」
「記憶上?」
「さすがに長く生きているからね。忘れている可能性がある」
「アマリアって、ボぉ~としている時が多いからな。忘れるのも無理はない」
「馬鹿にしているの?」
「省エネでいいなと言っているだけだ」
アマリアから視線を感じるが、無視。
まだ起きないクラウド、起きた時にまた暴れ出したらどうするか。
嫌だと言っても拘束しておかないといけないだろうな。
今は待つしかないし、アマリアから通帳を受け取って時間を過ごそう。
「――――ん」
「ん? 起きたか?」
通帳を受け取ろうとしたら、クラウドが目を覚ましたみたいだ。
アルカとリヒトは顔を青くして離れちまったけど、俺は逆に近付くぞ。
起きたのなら、今どう思っているのか聞かなければならない。
「いってて…………」
意識が覚醒したみたいだな。
体をゆっくりと起こし、頭を支えている。
「おい」
「あー、あ?」
周りを見て、俺と目が合うと動きを止めた。
数回瞬きしたかと思うと、自身の身体を見下ろす。
「…………無傷? んなわけねぇよな」
「んなわけねぇわな。怪我を治したんだろ? なぁ、リヒト」
離れたリヒトに確認のため振り向くと、小さく頷いた。
「さすがに、痛々しかったので」
「さすがだな」
クラウドが何か言いたげにリヒトを見ているが、何を言っても意味はないぞ。
あいつは根っからのお人好しだからな。
「まぁ、いいわ」
また俺の方を向くのね。
何か言いたいことでもあるのかぁ?
「おめぇ、やっぱり強いな。しかも、最後の魔法は気持ちが上がった。もう一回できるのか? 見せてくれよ。おめぇの、本気の炎」
「いや、さすがに無理だ。場所がないし、また出すと俺は精神的な首をはねられることになる」
これ以上騒ぎを起こせば、賠償金を払わなければならなくなるかもしれない。
それだけは絶対に避けたいし、こいつとはもう戦いたくない。
「どういう意味か分からねぇが、まぁいいわ。さすがに俺様も、連続で戦闘は体的に疲れるからやめておく」
「それなら良かったわ」
「このまま寝る。疲れた」
また寝るのかよ!! 自由人すぎる。一番疲れたのは俺だぞ。
なんでお前が被害者的な感じの態度をとっているんだよ、ふざけるな。
まぁ、ここからは俺も休暇タイムだ。
リトスもクラウドも、もう心配しなくて良くなったし、しっかりと体を休めるとしよう。
「んじゃ、アルカ、リヒト。俺達は休むぞ」
「え、大丈夫なんですか?」
「大丈夫、大丈夫。あとはアマリアに任せるから」
そんな事を言うと、アマリアが目を丸くして俺を見てきた。
「何で僕なの」
「アマリアが一番信用できるから。色んな意味で」
ジーと俺を見て来るが、異論は認めません。
「……はぁ、わかったよ。ここにいればいいんでしょ」
「何か動きがあれば真っ先に俺を呼ぶか、魔力を使え」
「え、魔力を使え? ――――あぁ、異常が起きたとわかるからか。わかったよ」
やっぱり、アマリアとの会話は楽だな。
すぐに理解してくれるし、俺と思考が似ているからかすぐに納得してくれる。
時々めんどくさいけど、そこは目を瞑ってやるよ。
「んじゃ、後は任せたぞ」
「はいはい」
「あ、カガミヤさん」
「リヒト、お疲れ。変わりはないか?」
「はい。まだ眠り続けています」
ベッドに近付くと、寝息を立てて眠っている。
怪我がねぇな、リヒトが治したんか?
「…………なぁ、アマリア」
「なに?」
「アマリアは、こいつ以外のアンヘル族に会ったことあるのか?」
振り向き問いかけると、アマリアが「うーん」と唸り思い出す。
「…………いや、アンヘル族には会ったことないかな。僕の記憶上」
「記憶上?」
「さすがに長く生きているからね。忘れている可能性がある」
「アマリアって、ボぉ~としている時が多いからな。忘れるのも無理はない」
「馬鹿にしているの?」
「省エネでいいなと言っているだけだ」
アマリアから視線を感じるが、無視。
まだ起きないクラウド、起きた時にまた暴れ出したらどうするか。
嫌だと言っても拘束しておかないといけないだろうな。
今は待つしかないし、アマリアから通帳を受け取って時間を過ごそう。
「――――ん」
「ん? 起きたか?」
通帳を受け取ろうとしたら、クラウドが目を覚ましたみたいだ。
アルカとリヒトは顔を青くして離れちまったけど、俺は逆に近付くぞ。
起きたのなら、今どう思っているのか聞かなければならない。
「いってて…………」
意識が覚醒したみたいだな。
体をゆっくりと起こし、頭を支えている。
「おい」
「あー、あ?」
周りを見て、俺と目が合うと動きを止めた。
数回瞬きしたかと思うと、自身の身体を見下ろす。
「…………無傷? んなわけねぇよな」
「んなわけねぇわな。怪我を治したんだろ? なぁ、リヒト」
離れたリヒトに確認のため振り向くと、小さく頷いた。
「さすがに、痛々しかったので」
「さすがだな」
クラウドが何か言いたげにリヒトを見ているが、何を言っても意味はないぞ。
あいつは根っからのお人好しだからな。
「まぁ、いいわ」
また俺の方を向くのね。
何か言いたいことでもあるのかぁ?
「おめぇ、やっぱり強いな。しかも、最後の魔法は気持ちが上がった。もう一回できるのか? 見せてくれよ。おめぇの、本気の炎」
「いや、さすがに無理だ。場所がないし、また出すと俺は精神的な首をはねられることになる」
これ以上騒ぎを起こせば、賠償金を払わなければならなくなるかもしれない。
それだけは絶対に避けたいし、こいつとはもう戦いたくない。
「どういう意味か分からねぇが、まぁいいわ。さすがに俺様も、連続で戦闘は体的に疲れるからやめておく」
「それなら良かったわ」
「このまま寝る。疲れた」
また寝るのかよ!! 自由人すぎる。一番疲れたのは俺だぞ。
なんでお前が被害者的な感じの態度をとっているんだよ、ふざけるな。
まぁ、ここからは俺も休暇タイムだ。
リトスもクラウドも、もう心配しなくて良くなったし、しっかりと体を休めるとしよう。
「んじゃ、アルカ、リヒト。俺達は休むぞ」
「え、大丈夫なんですか?」
「大丈夫、大丈夫。あとはアマリアに任せるから」
そんな事を言うと、アマリアが目を丸くして俺を見てきた。
「何で僕なの」
「アマリアが一番信用できるから。色んな意味で」
ジーと俺を見て来るが、異論は認めません。
「……はぁ、わかったよ。ここにいればいいんでしょ」
「何か動きがあれば真っ先に俺を呼ぶか、魔力を使え」
「え、魔力を使え? ――――あぁ、異常が起きたとわかるからか。わかったよ」
やっぱり、アマリアとの会話は楽だな。
すぐに理解してくれるし、俺と思考が似ているからかすぐに納得してくれる。
時々めんどくさいけど、そこは目を瞑ってやるよ。
「んじゃ、後は任せたぞ」
「はいはい」
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