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愉快犯と暴走
先に進むのならどんなトラップでも華麗にかいひっ、やっぱ無理
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階段を進んだ先にあるのは――――宝箱。
――――ガシッ
「いやぁ、この感覚、懐かしいなぁ。最初の頃、同じことをされたな」
俺が宝箱を視野に入れた瞬間、両腕を力強く掴まれた。
掴んできたのは、もちろんあの二人。
「あの宝箱は、ミミックスの可能性があります」
「カガミヤ、絶対に行くなよ!」
「行く訳ねぇだろうが」
はい、そこぉ~。後ろで笑っているんじゃありません。ロゼ姫にグレール、アマリア君。
「なぜ、俺はこんなに信用されていないんだ……」
「信用されていないんじゃなくて、報酬に飢えている今の知里が何をするかわからないから、警戒しているだけじゃない?」
「……………………そういうことか」
獲物に飢えている獣は、何をしてくるか分からない。
報酬に飢えた俺が宝箱に飛びつくかもしれないと、そう思い両腕を掴んだんだな。
「納得」
「納得してもいいの?」
アマリアに突っ込まれたが、今は深く考えない。
「でもよぉ、あれが本物の宝箱の可能性――――スイマセンデシタ」
両腕を掴む力強くなった、肩が外れそう。
「私が確認してきますね。ミミックスだった場合、近づくだけで化けの皮が剥がれるはずです」
「任せたグレール。俺は動けん」
ロゼ姫も行こうとしたみたいだけど、グレールが頑なに拒み一人で向かって行く。
ここ、改めて周りを見回してみると、結構広い大広場になっている。
岩壁に囲まれ何もないから、本当に広いだけの空間。仕掛けとかもない。
ここ、最奥じゃないよね?
何か仕掛けがあって、解除すると先の方の扉が開かれるとかだよね?
じゃないと、来た道戻る事になるんだけど……。
周りを見回していると、グレールが無事に宝箱を開けた。
――――え、開けた?
「…………ミミックスではないみたいですが、中は空っぽですね」
「え、空っぽ?」
「はい、空っぽです」
「ミミックスじゃないのに? 宝箱の形をしているのに? 空っぽ?」
「はい、空っぽです」
え、なんで?
ミミックスじゃないんだよね? なんで空っぽなの? 宝箱だよ?
普通、お金か宝石か食べ物か何か。そこら辺の物が入っているんじゃないの?
いや、食べ物が入っていたとしても食べたいとは思わないけどさぁ。
うそでしょ?
モンスターが現れないから少し期待したらこれ? なんで?
「カガミヤさん…………」
「カガミヤ、泣きそうになっているが、大丈夫か?」
「大丈夫じゃない。今にも涙が零れ落ちそう」
モンスターじゃないのは嬉しいが、なんで空っぽなのさぁぁぁぁぁぁああ。
酷い、ひどすぎる。
俺の興奮を返せ。
いや、興奮する前に現実を見せられたんだけど。
「なにか、トラップがあるのでしょうか」
ロゼ姫が周りを見回し探るが、見たところ何もない。
俺もアルカもリヒトも探るが、特に何もない。
「チサト、道を間違えたんだぞぉ?」
「リトスよ、そんなことを言うな。またあの道を戻らなければならないとか絶対に嫌だ」
これは現代世界にあったRPGじゃないんだぞ、めんどくさいから一度ダンジョンの外からやり直すとかが出来ないんだぞ。
また同じ道を辿らなければならんのだぞ、ふざけるな。
「――――あ、チサト様」
「ん? 何かあったか?」
「宝箱の中にボタンがあります。色が宝箱の同じだったため、すぐに見つける事が出来ませんでいた」
グレールが宝箱の中を指して俺を呼ぶ。
中を覗き込んでみると、んー??
本当にボタンあるのか?
よくよく見てみるっ――――あ、本当だ。
確かにボタンがある。なにこれ。
「え、ちょっ――――」
――――ポチッ
俺がボタンを押すと、何故かグレールが一瞬遅れで止めてきた。
「な、何をしているんですか!? トラップかもしれないのに!!」
「いや、気になるボタンは全て押せと、神のお告げがあったから」
「何を言っているんですか!?」
珍しくグレールが大きな声を出している。
後ろにいるアルカとリヒトは呆れたのかため息。
えぇ……だって、もしトラップだったとしても押さないと次に進まないでしょ。
なら、トラップを発動したとしても先に進む道を歩む。
「…………何もないな」
俺も、トラップと思ってわざと押したから、何もないと逆に拍子抜け。偽ボタンだったのかな。
そんな事を思っていると――………
「あ、あれ? 上から水の音?」
――――――――ザザザザザザザザザザッ
みんなにも聞こえたらしく、一斉に上を向く。
天井は見えないほど高いな、水の音だけが聞こえ――……
「――――どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」
水が大量に降ってきたぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!
――――ガシッ
「いやぁ、この感覚、懐かしいなぁ。最初の頃、同じことをされたな」
俺が宝箱を視野に入れた瞬間、両腕を力強く掴まれた。
掴んできたのは、もちろんあの二人。
「あの宝箱は、ミミックスの可能性があります」
「カガミヤ、絶対に行くなよ!」
「行く訳ねぇだろうが」
はい、そこぉ~。後ろで笑っているんじゃありません。ロゼ姫にグレール、アマリア君。
「なぜ、俺はこんなに信用されていないんだ……」
「信用されていないんじゃなくて、報酬に飢えている今の知里が何をするかわからないから、警戒しているだけじゃない?」
「……………………そういうことか」
獲物に飢えている獣は、何をしてくるか分からない。
報酬に飢えた俺が宝箱に飛びつくかもしれないと、そう思い両腕を掴んだんだな。
「納得」
「納得してもいいの?」
アマリアに突っ込まれたが、今は深く考えない。
「でもよぉ、あれが本物の宝箱の可能性――――スイマセンデシタ」
両腕を掴む力強くなった、肩が外れそう。
「私が確認してきますね。ミミックスだった場合、近づくだけで化けの皮が剥がれるはずです」
「任せたグレール。俺は動けん」
ロゼ姫も行こうとしたみたいだけど、グレールが頑なに拒み一人で向かって行く。
ここ、改めて周りを見回してみると、結構広い大広場になっている。
岩壁に囲まれ何もないから、本当に広いだけの空間。仕掛けとかもない。
ここ、最奥じゃないよね?
何か仕掛けがあって、解除すると先の方の扉が開かれるとかだよね?
じゃないと、来た道戻る事になるんだけど……。
周りを見回していると、グレールが無事に宝箱を開けた。
――――え、開けた?
「…………ミミックスではないみたいですが、中は空っぽですね」
「え、空っぽ?」
「はい、空っぽです」
「ミミックスじゃないのに? 宝箱の形をしているのに? 空っぽ?」
「はい、空っぽです」
え、なんで?
ミミックスじゃないんだよね? なんで空っぽなの? 宝箱だよ?
普通、お金か宝石か食べ物か何か。そこら辺の物が入っているんじゃないの?
いや、食べ物が入っていたとしても食べたいとは思わないけどさぁ。
うそでしょ?
モンスターが現れないから少し期待したらこれ? なんで?
「カガミヤさん…………」
「カガミヤ、泣きそうになっているが、大丈夫か?」
「大丈夫じゃない。今にも涙が零れ落ちそう」
モンスターじゃないのは嬉しいが、なんで空っぽなのさぁぁぁぁぁぁああ。
酷い、ひどすぎる。
俺の興奮を返せ。
いや、興奮する前に現実を見せられたんだけど。
「なにか、トラップがあるのでしょうか」
ロゼ姫が周りを見回し探るが、見たところ何もない。
俺もアルカもリヒトも探るが、特に何もない。
「チサト、道を間違えたんだぞぉ?」
「リトスよ、そんなことを言うな。またあの道を戻らなければならないとか絶対に嫌だ」
これは現代世界にあったRPGじゃないんだぞ、めんどくさいから一度ダンジョンの外からやり直すとかが出来ないんだぞ。
また同じ道を辿らなければならんのだぞ、ふざけるな。
「――――あ、チサト様」
「ん? 何かあったか?」
「宝箱の中にボタンがあります。色が宝箱の同じだったため、すぐに見つける事が出来ませんでいた」
グレールが宝箱の中を指して俺を呼ぶ。
中を覗き込んでみると、んー??
本当にボタンあるのか?
よくよく見てみるっ――――あ、本当だ。
確かにボタンがある。なにこれ。
「え、ちょっ――――」
――――ポチッ
俺がボタンを押すと、何故かグレールが一瞬遅れで止めてきた。
「な、何をしているんですか!? トラップかもしれないのに!!」
「いや、気になるボタンは全て押せと、神のお告げがあったから」
「何を言っているんですか!?」
珍しくグレールが大きな声を出している。
後ろにいるアルカとリヒトは呆れたのかため息。
えぇ……だって、もしトラップだったとしても押さないと次に進まないでしょ。
なら、トラップを発動したとしても先に進む道を歩む。
「…………何もないな」
俺も、トラップと思ってわざと押したから、何もないと逆に拍子抜け。偽ボタンだったのかな。
そんな事を思っていると――………
「あ、あれ? 上から水の音?」
――――――――ザザザザザザザザザザッ
みんなにも聞こえたらしく、一斉に上を向く。
天井は見えないほど高いな、水の音だけが聞こえ――……
「――――どわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!!!」
水が大量に降ってきたぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!
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