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プルウィア
女性心というとのなのかな、よく分からん
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やっと許可が出たため、俺は目を開け筒に入れ込もうとした…………ん、だが…………。
目の前には、後ろに建っている城くらいはありそうなほど大きな炎の円球。
これ、俺が出したのか? これが、俺の本気?
「早く筒に入れなければ、炎が爆発しますよ」
確かに、早くしないと俺の体力も持たないし爆発しちまう。
筒に入れるようにイメージをすると、炎が揺らめき始めた。
もっとイメージを強めると、球体は渦を巻き透明の壁に刺さっている筒へと吸い込まれて行った。
強い風が巻き起こり、体が後ろに吹っ飛びそうになるが、何とか地面を踏みしめ耐える。
くそっ、ずるずると地面が抉られ、体が持っていかれそうだ。
歯を食いしばり何とか耐えていると、円球は徐々に小さくなり始め、体に襲い掛かる衝撃も和らいできた。
最後は体力がギリギリになったとはいえ、何とか全ての炎を筒に入れ込む事が出来た。
「っ、はぁ、はぁ……」
し、しんどい。
やばっ、眩暈が……。
「カガミヤさん!」
「カガミヤ! 大丈夫か?」
倒れそうになった俺をアルカが支えてくれたおかげで、地面に頭突きしないで済んだ。
うぅ、体が重たい、錘でも付いているかのような体の重さ。
「お疲れさまでした」
「これ、限界突破してないか?」
俺達の方に来るロゼ姫とグレール。
すました顔しやがって、この野郎。
「それが貴方の限界ですよ。本気で走った後も、眩暈を起こしたり体がだるくなるかと思いますが、それと同じです」
「納得しましたよ、畜生」
今のが俺の出せる本気の魔法量だったのか。
flameだと、そのまんま目に見える形で現れてくれるからありがたい。
「感覚は掴めましたか?」
「そうだな。全力魔法の出し方はわかった」
「では、今日はここでお休みしましょう。明日、まだ今のような感覚が残っておりましたら、次のステップに行きましょう」
残っていたら…………か。それは、正直自信ないな。
歳をとると、感覚ってすぐに記憶と共に消えるんだよ。物忘れが激しくなるのも時間の問題。
「なぁ、感覚が残っている時に次のステップとやらの修行をしたいんだが、それは難しいのか?」
「私的には大丈夫ですが、貴方の身体は大丈夫ですか? 無理をし過ぎても逆効果かと思いますよ?」
「確かに、体的には正直辛いが、気持ち的にはやる気満々だ。というか、明日に回して感覚を忘れていた場合、また今と同じことをして感覚を思い出させるんだろ?」
「はい」
「それだけは避けたい。だから、やる」
「そうですか、わかりました。では、修練場に戻りましょう。そこでは魔法を抑える練習です」
「りょーかーい」
アルカから離れグレールについて行くと、後ろから俺を止める声が聞こえた。
振り向くと、リヒトがいつの間にか俺の真後ろにっ?!
「うおっ?! びっくりしたなぁ。まさか、こんな近距離にいるなんて思わなかったぞ。何かあったのか?」
じぃっと、見上げて来るけど何も言わない。
な、何?
「…………あの、カガミヤさん。無理、していないですか? 私がもっと強くなれば、カガミヤさんは楽になりますか?」
…………ん? どういう意図で聞いているんだ?
「えぇっと? たしかにリヒトがもっと強くなれば、戦闘も楽になるけど……。なんで? リヒトは攻撃魔法とか持っているのか?」
「いえ、持ってはいない……ですが……。でも、もっと他の方法で強くなれば、カガミヤさんが無理して強くなる必要は無いということですよね?」
え、いや、それはまた別と言いますか、なんと言いますか……。
「いや、そういう訳ではないぞ? 個々が強くなれば、それだけ戦闘は楽になるという話だ。お前一人が頑張っても、チームが強くなる訳では無いだろ?」
「そ、そうかもしれないですが……。でもっ!!」
「でも、じゃなくてなぁ。結局、リヒトは何が言いたいんだ? 俺が修行するのが嫌なのか? チート魔力持っているのに使いこなせないで、ここで足踏みしている俺に幻滅したのか?」
「っ、ち、違います!! それは絶対に違います! そうじゃなくてっ……すいません……」
えぇ……。これ、何を言えばいいんだ?
アルカに助けを求めるも、首を傾げているから俺と同じく分からないのだろう。
微妙な空気が流れている中、ロゼ姫が近づいてきた。
「リヒトさん、少し私とお話をしていただけませんか?」
「っ、え。ロゼ姫様?」
ん? 何か考えがあるのか? ロゼ姫がリヒトの手を握り、問いかけている。
まさか、ロゼ姫様にそんなこと言われるなんて思っていなかったのだろう。リヒトが困惑で慌てている。
「チサトさん。リヒトさんをお借りしてもよろしいでしょうか?」
「お、おう……? 俺は構わないが……」
「それなら良かったです。では、リヒトさん、行きましょう」
リヒトの手をひき、そのまま城の方へと行ってしまった。
一体、なんだったんだ?
「あとはロゼ姫におまかせしましょう。早くしなければ、感覚が薄れ、先程の全力投球をしなければなりませんよ」
「今すぐ行こう」
グレールがなにか、怖いことを言いやがった。
あんなん、もう二度とごめんだ、早く行こう。
アルカも心配そうにリヒトを見ているが、ロゼ姫なら問題ないと考え、俺の方へと着いてきた。
…………結局、リヒトは何が言いたかったんだ?
目の前には、後ろに建っている城くらいはありそうなほど大きな炎の円球。
これ、俺が出したのか? これが、俺の本気?
「早く筒に入れなければ、炎が爆発しますよ」
確かに、早くしないと俺の体力も持たないし爆発しちまう。
筒に入れるようにイメージをすると、炎が揺らめき始めた。
もっとイメージを強めると、球体は渦を巻き透明の壁に刺さっている筒へと吸い込まれて行った。
強い風が巻き起こり、体が後ろに吹っ飛びそうになるが、何とか地面を踏みしめ耐える。
くそっ、ずるずると地面が抉られ、体が持っていかれそうだ。
歯を食いしばり何とか耐えていると、円球は徐々に小さくなり始め、体に襲い掛かる衝撃も和らいできた。
最後は体力がギリギリになったとはいえ、何とか全ての炎を筒に入れ込む事が出来た。
「っ、はぁ、はぁ……」
し、しんどい。
やばっ、眩暈が……。
「カガミヤさん!」
「カガミヤ! 大丈夫か?」
倒れそうになった俺をアルカが支えてくれたおかげで、地面に頭突きしないで済んだ。
うぅ、体が重たい、錘でも付いているかのような体の重さ。
「お疲れさまでした」
「これ、限界突破してないか?」
俺達の方に来るロゼ姫とグレール。
すました顔しやがって、この野郎。
「それが貴方の限界ですよ。本気で走った後も、眩暈を起こしたり体がだるくなるかと思いますが、それと同じです」
「納得しましたよ、畜生」
今のが俺の出せる本気の魔法量だったのか。
flameだと、そのまんま目に見える形で現れてくれるからありがたい。
「感覚は掴めましたか?」
「そうだな。全力魔法の出し方はわかった」
「では、今日はここでお休みしましょう。明日、まだ今のような感覚が残っておりましたら、次のステップに行きましょう」
残っていたら…………か。それは、正直自信ないな。
歳をとると、感覚ってすぐに記憶と共に消えるんだよ。物忘れが激しくなるのも時間の問題。
「なぁ、感覚が残っている時に次のステップとやらの修行をしたいんだが、それは難しいのか?」
「私的には大丈夫ですが、貴方の身体は大丈夫ですか? 無理をし過ぎても逆効果かと思いますよ?」
「確かに、体的には正直辛いが、気持ち的にはやる気満々だ。というか、明日に回して感覚を忘れていた場合、また今と同じことをして感覚を思い出させるんだろ?」
「はい」
「それだけは避けたい。だから、やる」
「そうですか、わかりました。では、修練場に戻りましょう。そこでは魔法を抑える練習です」
「りょーかーい」
アルカから離れグレールについて行くと、後ろから俺を止める声が聞こえた。
振り向くと、リヒトがいつの間にか俺の真後ろにっ?!
「うおっ?! びっくりしたなぁ。まさか、こんな近距離にいるなんて思わなかったぞ。何かあったのか?」
じぃっと、見上げて来るけど何も言わない。
な、何?
「…………あの、カガミヤさん。無理、していないですか? 私がもっと強くなれば、カガミヤさんは楽になりますか?」
…………ん? どういう意図で聞いているんだ?
「えぇっと? たしかにリヒトがもっと強くなれば、戦闘も楽になるけど……。なんで? リヒトは攻撃魔法とか持っているのか?」
「いえ、持ってはいない……ですが……。でも、もっと他の方法で強くなれば、カガミヤさんが無理して強くなる必要は無いということですよね?」
え、いや、それはまた別と言いますか、なんと言いますか……。
「いや、そういう訳ではないぞ? 個々が強くなれば、それだけ戦闘は楽になるという話だ。お前一人が頑張っても、チームが強くなる訳では無いだろ?」
「そ、そうかもしれないですが……。でもっ!!」
「でも、じゃなくてなぁ。結局、リヒトは何が言いたいんだ? 俺が修行するのが嫌なのか? チート魔力持っているのに使いこなせないで、ここで足踏みしている俺に幻滅したのか?」
「っ、ち、違います!! それは絶対に違います! そうじゃなくてっ……すいません……」
えぇ……。これ、何を言えばいいんだ?
アルカに助けを求めるも、首を傾げているから俺と同じく分からないのだろう。
微妙な空気が流れている中、ロゼ姫が近づいてきた。
「リヒトさん、少し私とお話をしていただけませんか?」
「っ、え。ロゼ姫様?」
ん? 何か考えがあるのか? ロゼ姫がリヒトの手を握り、問いかけている。
まさか、ロゼ姫様にそんなこと言われるなんて思っていなかったのだろう。リヒトが困惑で慌てている。
「チサトさん。リヒトさんをお借りしてもよろしいでしょうか?」
「お、おう……? 俺は構わないが……」
「それなら良かったです。では、リヒトさん、行きましょう」
リヒトの手をひき、そのまま城の方へと行ってしまった。
一体、なんだったんだ?
「あとはロゼ姫におまかせしましょう。早くしなければ、感覚が薄れ、先程の全力投球をしなければなりませんよ」
「今すぐ行こう」
グレールがなにか、怖いことを言いやがった。
あんなん、もう二度とごめんだ、早く行こう。
アルカも心配そうにリヒトを見ているが、ロゼ姫なら問題ないと考え、俺の方へと着いてきた。
…………結局、リヒトは何が言いたかったんだ?
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