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プルウィア

最後の最後で言うとかマジであり得ねぇよ

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「アマリアは他の管理者達とよく話すのか?」
「フェアズとアクア以外の管理者とは話したくない」
「え、アクアも? アクアとも話せるの?」
「僕がアクアの教育係だったからね。今でも普通に話せるよ、アクアは何も企んでいない、

 あれが、子供? 人を殺す事を楽しんでいる、処刑人のアクアが、子供?
 …………こいつの感覚、ホントウニワカラナイナー。

「……こほん、今のはあまり聞かなかったことにするとして、性格とかって知っているのか? アクアとフェアズ以外の管理者達の」
「知らない興味ない関わりたくない」
「…………他の管理者、可哀想に。俺も絶対に関わりたくないけど。って、そうじゃないんだよ。性格やどこを管理しているのかとかを聞きたいんだけど」
「今聞いてもわかるはずないから伝えない。アクアの事だったら魔法以外の事、答えるけど」

 アクアはいいのかい。どういう事なんだ? 
 嫌われているとかではないと思うんだけど…………。
 普通に話せるとか言っているし。売っている訳じゃないよな?

「えっと、じゃぁ、アクアのわかっていること教えて」
「アクアの身長は186、体重70。好きな食べ物は甘い物、苦手なものは辛い物。戦闘大好きな戦闘狂。管理者の中で一番魔力量が多く、攻撃魔法が一番多い」
「攻撃魔法が多いのは納得。それ以外のクッソどうでもいい情報までありがとう。それ以外に有力な情報はないの?」
「自分で聞いた方がいいと思うよ。アクアなら普通に話してくれると思うし」
「確かに」

 アクアなら笑顔で色々教えてくれそう。
 ただ、話す時間をしっかりと作ってくれるかどうかだな。

「今は管理者達の事も大事だけど、会ってからの方を考えた方がいいと思うよ?」
「どういう事?」
「管理者の事を知れたとしても、知識だけではどうする事も出来ない。もっと、使える魔法と、魔力コントロールを磨いた方がいい。君ならすぐ上に行けると思うし、相手ならオスクリタ海底に一人、いい人がいるよ」

 ん? オスクリタ海底にいい人? 誰だ? まさか、ロゼ姫様? 
 嘘、ロゼ姫、もしかして戦闘能力高いの? マジで? 回復魔法特化型じゃないのか?

「言っておくけど、ロゼ・クラールじゃないよ」
「だよな、さすがに」

 流石に違ったか。

「管理者について答えられることが現段階では少ない。軽いプロフィールしか言えないからね。だから、僕を頼るのは間違えているよ」
「ちっ」

 当てが外れた。
 ここまで来た意味ないじゃん、アマリアの役立たず。

「はぁぁああ、邪魔したな」
「はいはい、当てが外れたね、どんまい」
「はぁぁぁぁぁああああああ」

 俺が立ちあがると、アルカとリヒトも立ち上がる。
 そのまま部屋を出てドアを閉める――…………

「フェアズの魔法は拘束だから、捕まらないように気を付けてね」

 っ!!

 閉まりかけたドアを反射で開けると、そこにはもう誰もいない。
 気配すらないし、痕跡もない。

 一瞬、本当に瞬きした一瞬で、姿を完全に消しやがった。
 しかも、重要な事を言い残して。

「ちっ、最初に言いやがれや、こんちくしょう」

 やっぱり、俺はアクアより、アマリアの方が敵に回したくない。

 ※

 オスクリタ海底に戻ると、ヒュース皇子とロゼ姫が仲良さげに話していた。

「お、戻ったのか」
「お帰りなさいませ」

 貝殻をモチーフにしている椅子を二つ、見合わせる形で置き、ロゼ姫の隣に執事であるグレールが立っていた。
 ドアの外まで笑い声が聞こえていたから、だいぶ仲良くなったんだろうな。

 ヒュース皇子が俺の方を向いて、期待の込められた声色で質問してきた。

「何か進展はあったのか?」
「いや、俺の方は特にない」
「そうか…………」

 やべ、落ちこんじまった。
 でも、仕方がない。嘘をついても意味はない、正直に伝えるしかないんだよ。

「だが、やるべきことはわかっているぞ」
「やるべきこと? それは一体、なんだ?」

 三人が俺の質問に一斉に顔を向けた。グレールまでも。
 そんなに気になるのか?

「普通に、俺がもっと強くなるように修行するんだよ」
「え? それは今じゃなくても…………」
「急がば回れ、今後も必要な事だろうし。管理者であるフェアズを利用し、報酬をゲットするため、強くなるぞ」

 アマリアも、管理者に会ってからの事を考えた方がいいと言っていたし。

 よし、そうと決まれば、まずはカケルが言っていた、魔力を至る所に散らかさない修行からだな。

 婚約破棄の件は、そこまで急ぎではなさそうだし、少し待ってもらおう。
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