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プルウィア
このままスムーズに攻略できるといいなぁ
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簡単に作戦を確認した後、アルカはすぐさま片手剣を振り上げ、ムーンバーストへと走って行った。
俺は周りに複数の炎の玉を作り、アルカに近づこうとした蝙蝠達を打ち落す。
リヒトは集中するようにムーンバーストから目を離さず、タイミングを計っていた。
ムーンバーストは近付いて来るアルカに目線を落とし、口を大きく開く。
「行け」
複数作り出した炎の玉、flameを操り大きく開こうとした口に放つ。その時、気配を感じたムーンバーストが口を閉じた。
皮膚はけっこく固いらしく、flameはぶつかった瞬間に爆発したが無傷。
威力はそこまで出してねぇし、想像していたからいいわ。
気を逸らしているうちに、アルカはもう攻撃態勢を作っている。
真上まで跳んだアルカが、剣を叩きつけようと頭の上まで上げる。
気配を感じたムーンバーストは足に力を込め、後ろに跳び避けようとしたが、もう遅い。
『chain』
リヒトが杖を下から上に振り上げると、ムーンバーストの足元から銀色に輝く複数の鎖が現れ、ムーンバーストに絡まり身動きを封じた。
────ギャァァァアアアアアアア!!
叫び声に近い声をあげたところで意味はない。
「終わりだな」
本を閉じたのと同時に、アルカは攻撃射程内に入る。
『groundspada!!!』
振り落とされた剣の刃が伸び、ムーンバーストは真っ二つ。
戦闘終了だ。
「よっしゃ!!! 真っ二つ!」
「お疲れ様だよ、アルカ!」
アルカとリヒトがハイタッチをし、喜びあっている。
今回は無駄に魔力、時間を使わず直ぐに倒すことが出来た。それに関しては喜ばしいことではあるんだが……。
ムーンバースト、弱すぎじゃね?
全てが作戦通りで拍子抜けというか……。それか、俺達が強すぎたのか。
まぁ、結果が良ければ全てよし、深く考えなくてもいいな。
この調子で二つ目のダンジョン攻略も効率よく行こうか。
二人に近づくと、リヒトが俺の方へと駆け寄ってきた。
「カガミヤさん、少しも休まずに次へ行くつもりですか?」
「体力も魔力もまだまだ残っているから行きたいんだが、休むか?」
「俺は余裕だぞ」
今回、一番体を動かしたはずのアルカが余裕な笑顔。
さすが体力お化け、俺はお前が怖いよ。
「俺も大丈夫だから、あとはリヒト次第だ。休むか?」
「…………そんな事言われたら、このまま行く選択肢しかないじゃないですか」
「え、優しく言ったつもりだったんだけど。高圧的だったか?」
「そういう事ではないですよ」
リヒトが言いたい言葉を理解してあげられん、何が言いたいのだろうか。
「私もまだ余裕があるから休まなくても大丈夫です。それでは、このまま行きましょうか」
「いや、宝を置いた後に行く。もう一つのダンジョンでも宝を貰わないといけないからな」
「ぶれないな、カガミヤって…………」
「言ってろ」
俺は金の為に今まで行動してきているんだから、そこがぶれる事は何があってもない。
「んじゃ、戻るぞ」
「「はーい」」
※
ギルドに報告、宝を置き次のダンジョンへ。
ワープした先は森の中、周りは俺達を取り囲むように大きな樹木が立っている。
上を向くが青空が木々に隠され薄暗い、不気味だなぁ。
そんな中、先が見えない恐怖の洞窟が俺達の目の前に現れる。
おそらく、これがダンジョンの入り口なんだろう。
「これって、洞窟?」
「だと思うよ。中、結構暗いから、俺が照らすわ」
「頼んだぞカガミヤ。危険だと思うし、離れないように気を付けるぞ」
「そうだな。何が来るかわからんし、Bランクとはいえ、気を引き締めた方が良さそうだ」
三人で顔を見合わせ頷き合い、洞窟に目を向ける。
んー、マジで暗くて何も見えない。
今の段階で炎を出さないと普通に序盤で転ぶな。
右手に炎を灯し、威力を制御しつつ洞窟の中に足を踏み入れた。
中に入ると、そこは何の変哲もないただの洞窟。ピチョンという音が聞こえるから、上から水滴が落ちてきているという事だろう。
項とかに当たるとめちゃくそビビりそうだ。
大声を上げないように気を付けないと――――
「きゃああぁぁぁぁぁああ!!!!」
「っ、どうしたリヒト」
「う、ううううう、うなじに何かが落ちてきたぁ!!」
涙目で俺に抱き着いて来るリヒト。
いや、ここまでのお約束って…………。はぁ……。
「おい、リヒト落ち着け。単純に上から雫が落ちてきただけだ」
「ほ、本当? 本当の本当?」
「本当だって。つーか、こんなところで嘘ついても俺にメリットはない。わかったならさっさと離れてくれ、歩きにくい」
「…………もう知らない!!!」
「いって!! なんで?!」
なんか知らんけど、リヒトに背中を叩かれたんだが。
なんで怒っているの? 怒りたいのはどっちかというと俺じゃないのか?
いや、別に怒りは込み上げてきていないけどさ。
「…………よくわからんが、もうそろそろで雑魚が出てきてもおかしくないだろうし、気を引き締めるぞ」
「おー!!!」
アルカの元気な声が、俺達のいる洞窟に響き、リヒトも周りを警戒するように気を取り直した。
俺は周りに複数の炎の玉を作り、アルカに近づこうとした蝙蝠達を打ち落す。
リヒトは集中するようにムーンバーストから目を離さず、タイミングを計っていた。
ムーンバーストは近付いて来るアルカに目線を落とし、口を大きく開く。
「行け」
複数作り出した炎の玉、flameを操り大きく開こうとした口に放つ。その時、気配を感じたムーンバーストが口を閉じた。
皮膚はけっこく固いらしく、flameはぶつかった瞬間に爆発したが無傷。
威力はそこまで出してねぇし、想像していたからいいわ。
気を逸らしているうちに、アルカはもう攻撃態勢を作っている。
真上まで跳んだアルカが、剣を叩きつけようと頭の上まで上げる。
気配を感じたムーンバーストは足に力を込め、後ろに跳び避けようとしたが、もう遅い。
『chain』
リヒトが杖を下から上に振り上げると、ムーンバーストの足元から銀色に輝く複数の鎖が現れ、ムーンバーストに絡まり身動きを封じた。
────ギャァァァアアアアアアア!!
叫び声に近い声をあげたところで意味はない。
「終わりだな」
本を閉じたのと同時に、アルカは攻撃射程内に入る。
『groundspada!!!』
振り落とされた剣の刃が伸び、ムーンバーストは真っ二つ。
戦闘終了だ。
「よっしゃ!!! 真っ二つ!」
「お疲れ様だよ、アルカ!」
アルカとリヒトがハイタッチをし、喜びあっている。
今回は無駄に魔力、時間を使わず直ぐに倒すことが出来た。それに関しては喜ばしいことではあるんだが……。
ムーンバースト、弱すぎじゃね?
全てが作戦通りで拍子抜けというか……。それか、俺達が強すぎたのか。
まぁ、結果が良ければ全てよし、深く考えなくてもいいな。
この調子で二つ目のダンジョン攻略も効率よく行こうか。
二人に近づくと、リヒトが俺の方へと駆け寄ってきた。
「カガミヤさん、少しも休まずに次へ行くつもりですか?」
「体力も魔力もまだまだ残っているから行きたいんだが、休むか?」
「俺は余裕だぞ」
今回、一番体を動かしたはずのアルカが余裕な笑顔。
さすが体力お化け、俺はお前が怖いよ。
「俺も大丈夫だから、あとはリヒト次第だ。休むか?」
「…………そんな事言われたら、このまま行く選択肢しかないじゃないですか」
「え、優しく言ったつもりだったんだけど。高圧的だったか?」
「そういう事ではないですよ」
リヒトが言いたい言葉を理解してあげられん、何が言いたいのだろうか。
「私もまだ余裕があるから休まなくても大丈夫です。それでは、このまま行きましょうか」
「いや、宝を置いた後に行く。もう一つのダンジョンでも宝を貰わないといけないからな」
「ぶれないな、カガミヤって…………」
「言ってろ」
俺は金の為に今まで行動してきているんだから、そこがぶれる事は何があってもない。
「んじゃ、戻るぞ」
「「はーい」」
※
ギルドに報告、宝を置き次のダンジョンへ。
ワープした先は森の中、周りは俺達を取り囲むように大きな樹木が立っている。
上を向くが青空が木々に隠され薄暗い、不気味だなぁ。
そんな中、先が見えない恐怖の洞窟が俺達の目の前に現れる。
おそらく、これがダンジョンの入り口なんだろう。
「これって、洞窟?」
「だと思うよ。中、結構暗いから、俺が照らすわ」
「頼んだぞカガミヤ。危険だと思うし、離れないように気を付けるぞ」
「そうだな。何が来るかわからんし、Bランクとはいえ、気を引き締めた方が良さそうだ」
三人で顔を見合わせ頷き合い、洞窟に目を向ける。
んー、マジで暗くて何も見えない。
今の段階で炎を出さないと普通に序盤で転ぶな。
右手に炎を灯し、威力を制御しつつ洞窟の中に足を踏み入れた。
中に入ると、そこは何の変哲もないただの洞窟。ピチョンという音が聞こえるから、上から水滴が落ちてきているという事だろう。
項とかに当たるとめちゃくそビビりそうだ。
大声を上げないように気を付けないと――――
「きゃああぁぁぁぁぁああ!!!!」
「っ、どうしたリヒト」
「う、ううううう、うなじに何かが落ちてきたぁ!!」
涙目で俺に抱き着いて来るリヒト。
いや、ここまでのお約束って…………。はぁ……。
「おい、リヒト落ち着け。単純に上から雫が落ちてきただけだ」
「ほ、本当? 本当の本当?」
「本当だって。つーか、こんなところで嘘ついても俺にメリットはない。わかったならさっさと離れてくれ、歩きにくい」
「…………もう知らない!!!」
「いって!! なんで?!」
なんか知らんけど、リヒトに背中を叩かれたんだが。
なんで怒っているの? 怒りたいのはどっちかというと俺じゃないのか?
いや、別に怒りは込み上げてきていないけどさ。
「…………よくわからんが、もうそろそろで雑魚が出てきてもおかしくないだろうし、気を引き締めるぞ」
「おー!!!」
アルカの元気な声が、俺達のいる洞窟に響き、リヒトも周りを警戒するように気を取り直した。
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