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プルウィア
どれだけの効力があるのかめっちゃ気になるじゃん
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「こんにちは、武器屋へようこそ。どのような物をお探しなどはありますか?」
めっちゃハキハキしゃべる女だな。
声も高過ぎず聞き取りやすい。これぞ店員の鏡、みたいな人だ。
…………視線が痛いって、リヒト。穴が開くよ。
ただ話しているだけじゃん、やめて。
リヒトの殺気を無視して武器について考えていると、アルカが問いかけてきた。
「カガミヤ、使いたい武器とかあるか?」
「そうだな……。魔法を主に使う予定なんだが、接近戦でも活躍できそうな武器も欲しいんだよ。なにかないか?」
「そうですね……。二つの要素を兼ね備えたのは…………」
資料を手にし、店員は考え込んでしまった。
やっぱり、難しいよなぁ。どっちかに考えた方がいいかな。
「あの、武器は一つだけですか?」
「二つも持てないだろ?」
「いえ、オススメがあります。お待ちください」
そう言うと、店員は奥へと姿を消した。
めっちゃニコニコしていたみたいだけど、なんなんだろうか。何かいい物でも見つけたのか?
奥に行った店員を待っていると、隣で俺に視線を送っていたリヒトが隣に移動して来た。
「カガミヤさんは、あのような元気な方が好きなんですか?」
「俺の好きなタイプは、俺に金を貢いでくれて、あわよくば養ってくれる人だ」
「…………そうですか」
素直に言ったら呆れられたんだが、なんでだよ。
複雑な心境の中、店員が笑顔を浮かべ戻ってきた。
「お待たせしました」
「待ってました。何を持ってきてくれたんだ?」
「これです」
持ってきたのは、一冊の本と指先が出る黒い手袋。これは?
「まずは、魔導書から説明させていただきますね。こちらは武器の中に魔力をため込む事が出来る優れ物。持っているだけで魔力が溜まって行くので、特に何かする必要はありません」
そこまで説明すると、今度は中を見せてきた。
「今はまだ何も書かれていませんが、お持ちの魔法を印字する事により、この本が発動の手伝いをしてくださいます」
「手伝い?」
「はい。よく耳にするのですが、強力魔法は力が強い分発動に時間がかかるらしいですね。その発動時間の短縮。威力も自由自在に操る事ができ、魔力のコントロールが初心者でも簡単に出来ます。それだけではなく、魔法の切り替えもすぐですよ」
へぇ、便利かも。
「ですが、こちらには大きな欠点があり、それを説明すると、いつも断られてしまうのです」
「大きな欠点?」
「はい。こちらは魔法を主に使う人なら喉から手が出るほど欲しいと言われる程なんですが、魔力が少ない方には扱う事が出来ないのです。魔力が多ければ多いほど、この魔導書の力を最大限活かす事が出来るのです」
「なるほど」
話だけでも結構使えるからなぁ。
それを誰でも彼でも使えたら、モンスターはほぼ全滅しちまうか。
「んで、もう一つは?」
本の説明が長かったが、手袋の方も気になる。
これは確実に近距離戦用だよな、どのような効果があるんだ。
「こちらは近距離戦にはもってこいの代物です。属性魔法を纏う事ができ、拳の威力を高める事が出来ます。属性によっては威力を上げる事だけではなく、放出系の魔法の威力も高めます。こちらは誰でも扱う事が出来ます。ですが、やはり纏い続けるという事はそれだけ魔力を使い続けるという事です。魔力の量に制限がある方にはあまりお勧めは出来ないのですが、いかがでしょうか?」
「こっちも魔力量が関係してんのな。問題ないよ」
「でしたら、この二つをお勧めしますよ」
へぇー、結構いいな。これにしようかな。
「なぁ、これにしようと思っているんだが、どう思う、リヒト、アルカ」
両隣に立つ二人に聞くと、すぐに頷いてくれた。
「俺はいいと思うぞ」
「私もいいと思います。魔力量なら問題ないと思いますし」
「なら、これを頼む」
「ありがとうございます!!」
これで一式揃ったな。
これからダンジョン攻略やモンスター討伐、楽になるといいなぁ。
「なぁ、少しは試した方が良くないか?」
「つまり?」
「やろうぜ!!!!」
来ると思っていたわ。前振りがあったもん、「あ、これ来る」って、思ったもん。めっちゃ目を輝かせてんじゃん。
「な!! いいだろ!?」
「…………俺も試したいし、いいか」
「え、いいんですか?」
「やるしかないだろ。それに、ぶっつけ本番よりはマシ」
では、俺は一度ギルドに戻って着換えてきますか。
めっちゃハキハキしゃべる女だな。
声も高過ぎず聞き取りやすい。これぞ店員の鏡、みたいな人だ。
…………視線が痛いって、リヒト。穴が開くよ。
ただ話しているだけじゃん、やめて。
リヒトの殺気を無視して武器について考えていると、アルカが問いかけてきた。
「カガミヤ、使いたい武器とかあるか?」
「そうだな……。魔法を主に使う予定なんだが、接近戦でも活躍できそうな武器も欲しいんだよ。なにかないか?」
「そうですね……。二つの要素を兼ね備えたのは…………」
資料を手にし、店員は考え込んでしまった。
やっぱり、難しいよなぁ。どっちかに考えた方がいいかな。
「あの、武器は一つだけですか?」
「二つも持てないだろ?」
「いえ、オススメがあります。お待ちください」
そう言うと、店員は奥へと姿を消した。
めっちゃニコニコしていたみたいだけど、なんなんだろうか。何かいい物でも見つけたのか?
奥に行った店員を待っていると、隣で俺に視線を送っていたリヒトが隣に移動して来た。
「カガミヤさんは、あのような元気な方が好きなんですか?」
「俺の好きなタイプは、俺に金を貢いでくれて、あわよくば養ってくれる人だ」
「…………そうですか」
素直に言ったら呆れられたんだが、なんでだよ。
複雑な心境の中、店員が笑顔を浮かべ戻ってきた。
「お待たせしました」
「待ってました。何を持ってきてくれたんだ?」
「これです」
持ってきたのは、一冊の本と指先が出る黒い手袋。これは?
「まずは、魔導書から説明させていただきますね。こちらは武器の中に魔力をため込む事が出来る優れ物。持っているだけで魔力が溜まって行くので、特に何かする必要はありません」
そこまで説明すると、今度は中を見せてきた。
「今はまだ何も書かれていませんが、お持ちの魔法を印字する事により、この本が発動の手伝いをしてくださいます」
「手伝い?」
「はい。よく耳にするのですが、強力魔法は力が強い分発動に時間がかかるらしいですね。その発動時間の短縮。威力も自由自在に操る事ができ、魔力のコントロールが初心者でも簡単に出来ます。それだけではなく、魔法の切り替えもすぐですよ」
へぇ、便利かも。
「ですが、こちらには大きな欠点があり、それを説明すると、いつも断られてしまうのです」
「大きな欠点?」
「はい。こちらは魔法を主に使う人なら喉から手が出るほど欲しいと言われる程なんですが、魔力が少ない方には扱う事が出来ないのです。魔力が多ければ多いほど、この魔導書の力を最大限活かす事が出来るのです」
「なるほど」
話だけでも結構使えるからなぁ。
それを誰でも彼でも使えたら、モンスターはほぼ全滅しちまうか。
「んで、もう一つは?」
本の説明が長かったが、手袋の方も気になる。
これは確実に近距離戦用だよな、どのような効果があるんだ。
「こちらは近距離戦にはもってこいの代物です。属性魔法を纏う事ができ、拳の威力を高める事が出来ます。属性によっては威力を上げる事だけではなく、放出系の魔法の威力も高めます。こちらは誰でも扱う事が出来ます。ですが、やはり纏い続けるという事はそれだけ魔力を使い続けるという事です。魔力の量に制限がある方にはあまりお勧めは出来ないのですが、いかがでしょうか?」
「こっちも魔力量が関係してんのな。問題ないよ」
「でしたら、この二つをお勧めしますよ」
へぇー、結構いいな。これにしようかな。
「なぁ、これにしようと思っているんだが、どう思う、リヒト、アルカ」
両隣に立つ二人に聞くと、すぐに頷いてくれた。
「俺はいいと思うぞ」
「私もいいと思います。魔力量なら問題ないと思いますし」
「なら、これを頼む」
「ありがとうございます!!」
これで一式揃ったな。
これからダンジョン攻略やモンスター討伐、楽になるといいなぁ。
「なぁ、少しは試した方が良くないか?」
「つまり?」
「やろうぜ!!!!」
来ると思っていたわ。前振りがあったもん、「あ、これ来る」って、思ったもん。めっちゃ目を輝かせてんじゃん。
「な!! いいだろ!?」
「…………俺も試したいし、いいか」
「え、いいんですか?」
「やるしかないだろ。それに、ぶっつけ本番よりはマシ」
では、俺は一度ギルドに戻って着換えてきますか。
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