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カラス天狗
氷鬼先輩の話
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怪我はないが、色々と報告しなければならないと、司は詩織を自身の家に招いた。
移動途中、詩織は今回の戦闘で気になっていたことがあり、歩きながら問いかけた。
「氷鬼先輩って、狐面を付けると、性格が変わるんですか?」
「性格? あぁ、口調のことかな。それはね、意図的に変えていたんだよね」
狐面ということは、口調が変わった時のことだろうと司はすぐに分かった。
「意図的? なんで?」
「狐面を付けると、今まで逃がしていた力が勝手に体に戻るんだよ。今はコントロール出来ているから戻す量と、放出する量を制御できるんだけど、感情を少しでも高ぶらせるとコントロールできなくなるんだよね」
「それと口調って、なにか関係あるんですか?」
「気持ちの制御をさせるために、口調を変えているんだよ。そっちに意識が向くから、感情が自然と制御できるんだよね」
そこで話は終わる。
力を使うのも大変なんだなぁと思いつつ、詩織は司を見ていたが前へと向き直す。
コツコツと、二人分の足音が二人の鼓膜を揺らす。
昔に会った少年だと知った詩織は、なんとか今までと変わらないように接するが、どうしても気まずくなってしまう。
なにか話題はないかと、詩織は頭の中で探る。
詩織が一人で慌てていると、司は横目で彼女を見て、頬をポリポリと掻いた。
「気まずい?」
「え、い、いや! って、そんなこと聞かないでください!」
「気まずいんだ。顔を真っ赤にするほどに」
「うるさいです!!」
(もう!! デリカシーがないんだから!!)
頬をふくらませ、詩織はそっぽを向く。
怒らせてしまったと思いつつ、司は口に手を当て控えめに笑った。
「笑わないでください!」
「ごめんごめん、詩織がかわいくてさ」
今の言葉に、詩織はさらに顔を真っ赤にし、「グッ」と、言葉を詰まらせる。
これ以上何かを言えば墓穴をほる。そう思い、詩織は口を閉ざした。
どっちも話さず歩いていると、無事に司の家についた。
和風の大きな屋敷。
詩織は昔来たことあるはずだが、あまり覚えていなかった為、目をかがやかせ見上げていた。
「わぁ、ここが先輩の家なんですね! すごい大きい……」
「君の家と形が違うだけで、大きさ的には変わらないと思うんだけど……」
「そんなこと無いと思いますよ?」
「そうかなぁ」
二人で顔を見合わせていると、司が「まぁ、どっちでも」と、扉に手を伸ばした。
「早く中に入るよ」
「あ、はい」
司を先頭に家の中に入ると、司の母親である氷鬼喜美が、青色の着物をきれいに着こなし、広い廊下に立っていた。
「おかえりなさい、司。今回は、大変だったみたいね」
「ただいま。確かに大変だったけど、どうにかなったし、結果オーライだったよ」
「そのようね」
司の後ろにいる詩織を目にし、喜美は優しくほほえみ近づいた。
「こんにちは、詩織ちゃん。私のことは覚えていないかもしれないわね」
「そこは”覚えているかしら”って、聞くとこじゃないの?」
「私とは、一回か二回程度しか会っていないわ。毎日のように会っていたあなたですら忘れられていたのよ? 私を覚えているわけないじゃない」
喜美の言う通り、詩織は覚えていなかった。
でも、ここで正直に言うのも失礼な気がしている詩織は、口をパクパクとしている。
「大丈夫よ、覚えていないのも仕方がないわ。私とはもう十年以上会っていないもの」
「す、すいません……」
腰を折り、あやまる。そんな詩織を見て、喜美はクスクスと笑った。
「さて、司は着替えてきなさい。その間は、私が詩織ちゃんを見ているわ」
「え? このままでもいいと思うんだけど」
「しわになるでしょう? 早く着替えてきなさい」
「…………はーい」
言われた通り、司はろうかの奥へと歩き、いなくなった。
のこされた詩織は、きれいな姿で着物を着こなす喜美にとまどっていた。
何を話せばいいのか、そもそも自分から話していいのかわからず、一人あわあわとあわてている。
「緊張しなくても大丈夫よ。昔のように、私に頭突きしてみなさい」
「え!? 昔の私、そんなことをしていたんですか!?」
「してないわ」
(…………なんだよ!)
苦笑いを浮かべ、出そうになった言葉を飲み込み、クスクスと笑う喜美を見た。
(むぅ…………氷鬼先輩の母親かぁ。確かに髪色や雰囲気は似てるかも。目の色とかは違うけど。先輩の目の色は父親似なのかな)
司の影が喜美と重なり、思わずジィっと見てしまった。
詩織からの視線を感じながら、喜美は廊下の奥へと歩き出す。
「では、司が着替えるまで部屋で待っていましょうか」
「あ、はい」
喜美に遅れを取らないように、詩織も後ろを付いて行く。
ろうかを歩き始め数分、一つの部屋にたどり着いた。
開けると、中は和室。畳の匂いが鼻をくすぐった。
喜美が中心に置かれている丸テーブルの周りに座布団を二つ置き、そこへ座るように詩織に伝えた。
「失礼します」
「そこまでかしこまらないで。本当に、昔のように自由に話していいのよ」
「そんなに昔の私は自由でしたか?」
「そうねぇ。私はあなたを数回しか見ていないけれど。自由と言えば自由。でも、子供らしさはなかったわね」
「子供、らしさですか?」
座り直した喜美は、膝に手を置き顔をうつむかせ、過去を思い出しながら話し出した。
「私は、物心ついた頃からあやかしに好かれる体質だと、詩織ちゃんの両親に聞きました」
柔らかく、でも先が気になる話の切り出しに、詩織はじゃまをしないよう聞くことに集中した。
「司と出会う前、私は試しにあなたに会ってみようと思い、家族に一言お願いしたわ。すぐにうなずいてくれて、両親と共に公園で遊んでいるあなたを見ていた時があったの。その時、『あぁ、あの子は、あやかしのせいで、子供心を忘れてしまっている』と感じたわ。無邪気な心がなく、周りから距離を置かれている環境を受け入れてしまっている。両親も、そんなあなたを見るのが苦しそうだったわ」
(確かに。小さい頃は一人でいることが多かった。周りからは心無い言葉を投げられ、小学校の時はいじめられていた。だから私は、一人でいる方が楽だと思っていた)
悲しい過去を振り返り、詩織も顔をうつむく。
「そんなあなた達を私はなぜか、ほっといてはいけないと思ったわ。助けたいと、思ったの。ですが、子供の心を大人が理解するのはむずかしい。どうすればあなたを救うことが出来るのか、考えました」
口調が一定なため、感情が読み取れない。
「そのまま、その場は別れて家に帰ったの。家には父親――私の夫と訓練をしている司の姿。狐面を付け、竹刀を手に夫に切り込んいる姿を見て、私は思わず頬がほころんでしまったわ」
(そうか。氷鬼先輩は何もしないで今のような強さを手にしたわけじゃないんだ。小さい頃から修行して、頑張って。努力が花咲かせ、今の氷鬼先輩を作りあげたんだ)
「私が二人の修行を見ていると、司の相手をしている夫が、私に気づいたの。『どうした、何か暗い顔をしているぞ』と。いち早く私の変化に気づいてくれたの。普段表情が動かない私の変化に気づいてくれたのがうれしかったのと同時に、司の姿が目に入り、良い案が思いついたわ」
「良い案、ですか?」
少しばかりのろけを話すのかなと思った詩織だったが、最後の言葉が気になり問いかけた。
「はい。子供の心を大人がわからないのなら、子供の心は子供がわかるんじゃないかと。なので、司に話す前に夫に話したところ、笑顔で了承してくれたの」
(まさか、裏でそんなことを話してくれていたなんて……)
嬉しさと申し訳なさとで、詩織は目尻が熱くなる。
膝に置いていた手には力が込められ、拳を作る。
「父親から了承をもらったから、私が司にあなたのことを話そうと、竹刀をにぎっているはずの司を見たの。でも、どこを見回しても、司の姿はなかった」
その話を聞いて、詩織は司から聞いていた話を思い出す。
今の話と重なって、目をかすかに開いた。
「そもそも、一人での行動が多いあの子だったので、その時はまた、何か特別なものを見つけて、なにも考えずに走ってしまったんだろうと思っていたわ。でも、外は危険がいっぱい。さすがにほっとくわけにもいかず、手分けして探すことになったの」
(その話って、氷鬼先輩が直感で危険を察知して、走り出してしまった……時の話だよね、きっと……)
「でも、いつもの場所を探してもおらず、だんだんあせってしまって……。このまま見つからなかったらどうしよう、どこかで怖い目にあっていたらどうしよう。私は不安でいっぱいになり、涙が出そうになったわ。そんな私を、夫はやさしくなぐさめてくれた。その時、詩織ちゃんの両親が私の方に走ってきたの。両親の後ろを見た私は、がまんしていた涙があふれ、止まらなくなってしまったわ」
(そこまで心配していたんだ)
「あなたの両親の後ろには、泣いている詩織ちゃんの手を握っている司の姿。二人は泥や草で汚れていたけれど、怪我などはなく安心したわ。二人を抱きしめ、何度も名前を呼んでしまったの。恥ずかしいわ」
移動途中、詩織は今回の戦闘で気になっていたことがあり、歩きながら問いかけた。
「氷鬼先輩って、狐面を付けると、性格が変わるんですか?」
「性格? あぁ、口調のことかな。それはね、意図的に変えていたんだよね」
狐面ということは、口調が変わった時のことだろうと司はすぐに分かった。
「意図的? なんで?」
「狐面を付けると、今まで逃がしていた力が勝手に体に戻るんだよ。今はコントロール出来ているから戻す量と、放出する量を制御できるんだけど、感情を少しでも高ぶらせるとコントロールできなくなるんだよね」
「それと口調って、なにか関係あるんですか?」
「気持ちの制御をさせるために、口調を変えているんだよ。そっちに意識が向くから、感情が自然と制御できるんだよね」
そこで話は終わる。
力を使うのも大変なんだなぁと思いつつ、詩織は司を見ていたが前へと向き直す。
コツコツと、二人分の足音が二人の鼓膜を揺らす。
昔に会った少年だと知った詩織は、なんとか今までと変わらないように接するが、どうしても気まずくなってしまう。
なにか話題はないかと、詩織は頭の中で探る。
詩織が一人で慌てていると、司は横目で彼女を見て、頬をポリポリと掻いた。
「気まずい?」
「え、い、いや! って、そんなこと聞かないでください!」
「気まずいんだ。顔を真っ赤にするほどに」
「うるさいです!!」
(もう!! デリカシーがないんだから!!)
頬をふくらませ、詩織はそっぽを向く。
怒らせてしまったと思いつつ、司は口に手を当て控えめに笑った。
「笑わないでください!」
「ごめんごめん、詩織がかわいくてさ」
今の言葉に、詩織はさらに顔を真っ赤にし、「グッ」と、言葉を詰まらせる。
これ以上何かを言えば墓穴をほる。そう思い、詩織は口を閉ざした。
どっちも話さず歩いていると、無事に司の家についた。
和風の大きな屋敷。
詩織は昔来たことあるはずだが、あまり覚えていなかった為、目をかがやかせ見上げていた。
「わぁ、ここが先輩の家なんですね! すごい大きい……」
「君の家と形が違うだけで、大きさ的には変わらないと思うんだけど……」
「そんなこと無いと思いますよ?」
「そうかなぁ」
二人で顔を見合わせていると、司が「まぁ、どっちでも」と、扉に手を伸ばした。
「早く中に入るよ」
「あ、はい」
司を先頭に家の中に入ると、司の母親である氷鬼喜美が、青色の着物をきれいに着こなし、広い廊下に立っていた。
「おかえりなさい、司。今回は、大変だったみたいね」
「ただいま。確かに大変だったけど、どうにかなったし、結果オーライだったよ」
「そのようね」
司の後ろにいる詩織を目にし、喜美は優しくほほえみ近づいた。
「こんにちは、詩織ちゃん。私のことは覚えていないかもしれないわね」
「そこは”覚えているかしら”って、聞くとこじゃないの?」
「私とは、一回か二回程度しか会っていないわ。毎日のように会っていたあなたですら忘れられていたのよ? 私を覚えているわけないじゃない」
喜美の言う通り、詩織は覚えていなかった。
でも、ここで正直に言うのも失礼な気がしている詩織は、口をパクパクとしている。
「大丈夫よ、覚えていないのも仕方がないわ。私とはもう十年以上会っていないもの」
「す、すいません……」
腰を折り、あやまる。そんな詩織を見て、喜美はクスクスと笑った。
「さて、司は着替えてきなさい。その間は、私が詩織ちゃんを見ているわ」
「え? このままでもいいと思うんだけど」
「しわになるでしょう? 早く着替えてきなさい」
「…………はーい」
言われた通り、司はろうかの奥へと歩き、いなくなった。
のこされた詩織は、きれいな姿で着物を着こなす喜美にとまどっていた。
何を話せばいいのか、そもそも自分から話していいのかわからず、一人あわあわとあわてている。
「緊張しなくても大丈夫よ。昔のように、私に頭突きしてみなさい」
「え!? 昔の私、そんなことをしていたんですか!?」
「してないわ」
(…………なんだよ!)
苦笑いを浮かべ、出そうになった言葉を飲み込み、クスクスと笑う喜美を見た。
(むぅ…………氷鬼先輩の母親かぁ。確かに髪色や雰囲気は似てるかも。目の色とかは違うけど。先輩の目の色は父親似なのかな)
司の影が喜美と重なり、思わずジィっと見てしまった。
詩織からの視線を感じながら、喜美は廊下の奥へと歩き出す。
「では、司が着替えるまで部屋で待っていましょうか」
「あ、はい」
喜美に遅れを取らないように、詩織も後ろを付いて行く。
ろうかを歩き始め数分、一つの部屋にたどり着いた。
開けると、中は和室。畳の匂いが鼻をくすぐった。
喜美が中心に置かれている丸テーブルの周りに座布団を二つ置き、そこへ座るように詩織に伝えた。
「失礼します」
「そこまでかしこまらないで。本当に、昔のように自由に話していいのよ」
「そんなに昔の私は自由でしたか?」
「そうねぇ。私はあなたを数回しか見ていないけれど。自由と言えば自由。でも、子供らしさはなかったわね」
「子供、らしさですか?」
座り直した喜美は、膝に手を置き顔をうつむかせ、過去を思い出しながら話し出した。
「私は、物心ついた頃からあやかしに好かれる体質だと、詩織ちゃんの両親に聞きました」
柔らかく、でも先が気になる話の切り出しに、詩織はじゃまをしないよう聞くことに集中した。
「司と出会う前、私は試しにあなたに会ってみようと思い、家族に一言お願いしたわ。すぐにうなずいてくれて、両親と共に公園で遊んでいるあなたを見ていた時があったの。その時、『あぁ、あの子は、あやかしのせいで、子供心を忘れてしまっている』と感じたわ。無邪気な心がなく、周りから距離を置かれている環境を受け入れてしまっている。両親も、そんなあなたを見るのが苦しそうだったわ」
(確かに。小さい頃は一人でいることが多かった。周りからは心無い言葉を投げられ、小学校の時はいじめられていた。だから私は、一人でいる方が楽だと思っていた)
悲しい過去を振り返り、詩織も顔をうつむく。
「そんなあなた達を私はなぜか、ほっといてはいけないと思ったわ。助けたいと、思ったの。ですが、子供の心を大人が理解するのはむずかしい。どうすればあなたを救うことが出来るのか、考えました」
口調が一定なため、感情が読み取れない。
「そのまま、その場は別れて家に帰ったの。家には父親――私の夫と訓練をしている司の姿。狐面を付け、竹刀を手に夫に切り込んいる姿を見て、私は思わず頬がほころんでしまったわ」
(そうか。氷鬼先輩は何もしないで今のような強さを手にしたわけじゃないんだ。小さい頃から修行して、頑張って。努力が花咲かせ、今の氷鬼先輩を作りあげたんだ)
「私が二人の修行を見ていると、司の相手をしている夫が、私に気づいたの。『どうした、何か暗い顔をしているぞ』と。いち早く私の変化に気づいてくれたの。普段表情が動かない私の変化に気づいてくれたのがうれしかったのと同時に、司の姿が目に入り、良い案が思いついたわ」
「良い案、ですか?」
少しばかりのろけを話すのかなと思った詩織だったが、最後の言葉が気になり問いかけた。
「はい。子供の心を大人がわからないのなら、子供の心は子供がわかるんじゃないかと。なので、司に話す前に夫に話したところ、笑顔で了承してくれたの」
(まさか、裏でそんなことを話してくれていたなんて……)
嬉しさと申し訳なさとで、詩織は目尻が熱くなる。
膝に置いていた手には力が込められ、拳を作る。
「父親から了承をもらったから、私が司にあなたのことを話そうと、竹刀をにぎっているはずの司を見たの。でも、どこを見回しても、司の姿はなかった」
その話を聞いて、詩織は司から聞いていた話を思い出す。
今の話と重なって、目をかすかに開いた。
「そもそも、一人での行動が多いあの子だったので、その時はまた、何か特別なものを見つけて、なにも考えずに走ってしまったんだろうと思っていたわ。でも、外は危険がいっぱい。さすがにほっとくわけにもいかず、手分けして探すことになったの」
(その話って、氷鬼先輩が直感で危険を察知して、走り出してしまった……時の話だよね、きっと……)
「でも、いつもの場所を探してもおらず、だんだんあせってしまって……。このまま見つからなかったらどうしよう、どこかで怖い目にあっていたらどうしよう。私は不安でいっぱいになり、涙が出そうになったわ。そんな私を、夫はやさしくなぐさめてくれた。その時、詩織ちゃんの両親が私の方に走ってきたの。両親の後ろを見た私は、がまんしていた涙があふれ、止まらなくなってしまったわ」
(そこまで心配していたんだ)
「あなたの両親の後ろには、泣いている詩織ちゃんの手を握っている司の姿。二人は泥や草で汚れていたけれど、怪我などはなく安心したわ。二人を抱きしめ、何度も名前を呼んでしまったの。恥ずかしいわ」
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