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最終決戦
臭い
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「何と言われようと、ワシは主の手はとらん。今ここで、主を斬る」
くそ、やっぱりそうだよな。簡単に味方になってくれるんだったら、ここまで追いかけ絵は来ないはず。それに、陰陽寮での話し合いのときに理解してくれているはずだ。
戦わなければならないのか、俺は、この人と。屍鬼家の陰陽頭である、屍鬼魕さんと。
雰囲気だけでわかる、この人は強い。俺と百目だけでは勝つのは難しいだろう。
それに、百目は先ほどからずっと戦ってくれてる。体力の限界が来ていてもおかしくはない。
横目で百目を確認するも案の定、肩で息をして汗を流している。
他の式神を出しても問題はないだろうか。今、闇命君のもとに残っている七人ミサキと雷火を操作しているのは闇命君。だが、法力は闇命君の本体である俺の体のを使っているはず。
他の式神を出して、万が一法力が足りなくなり俺が眠りについてしまったら。
いや、それだけはどうしても避けなければならない。絶対に、それだけは避けろ。
「考えている時間は与えた。ワシは主らの手を取る気もない。悪いが、行かせてもらうぞ」
「っ、くそ! 百目!!」
姿勢を低くし、俺に向かってかけだした魕さんの前に、百目が立ちふさがる。
ガキンという音を出し、魕さんからの攻撃を防いでくれた。
またしても押し合い、子の隙を利用できないか。
俺自身は武器を持っていない。何か物理的な武器を持っておくべきだったな。
百目に法力を少しずつ送るしかz出来ない。バランスを考え、送り過ぎず、ゆっくりと。
集中して、百目が少しでも戦いやすいように……。
『――――悪女野風《あくじょのかぜ》、ワシの邪魔をする者を惑わせよ。急急如律令』
っ、まさか、刀を握りながら式神を出す事が出来るの!? お札に法力を送り込むことが出来ないんじゃ……。
あ、魕さんの背後に一人の女性が現れる。
その女性は黒い腰まで長い髪を翻し、白い着物を身に纏っている。足はよく見ると歪んでおり無い。
頭には、三角の白い布、天冠を付けている。
…………幽霊? え、まるっきり漫画やアニメに出て来る幽霊なんだけど。手を胸元で下を向けているし。
えっと、悪女野風って言っていたよな。どのような妖なんだ。
うわぁ、闇命君がいないから妖の説明をしてくれる人もいない。こういう時はマジで闇命君の知識が欲しいよぉ。
何をされるのか、どのような事が出来るのか。あての動きを見てからじゃないと動けない。
『悪女野風……。たしか、屍鬼家で代々引き継がれている式神だったはずです。川天狗とはまた異なるやり方で相手を惑わす事を得意としたはずです。毒を扱う事も出来るため、注意が必要です!』
「あ、ありがとう!」
百目、まさか悪女野風を知っているなんて思わなかった。
「さすが、煌命の式神だ、ワシの父上が絶賛していただけの事はある」
『私の現主は闇命様です。間違えないでいただきたい』
「それは悪かったな」
ギリギリと押し合う刀の中、百目は俺に助言を言ってくれるのと同時に怒りをぶつけている。
そんな中、魕さんの背後に現れた悪女野風が動き出した。
下げていた手を口元に持って行き、口を開く。大きく息を吸うと、俺に向けて何かを吐き出してきた。
さっき、毒を扱う事が出来ると百目が言っていた。今から吐き出されるのは体に有害のある毒かも。逃げないとッ―――………
『ふぅぅぅうううう』
やば、まにあわっ―――ッ!?!?
『っ!? これは!』
百目の方にも行ったらしいな、吐き出された息。刀の押し合いが出来なくなった百目がその場に膝をつき口と鼻を片手で押さえている。そんな百目を魕さんが冷静に見下ろしている。
これは、たまらん。これは―――
「くっさぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!」
なんだこの匂い! 生ごみがたくさん入っているゴミ箱に顔を突っ込んでいるような臭い!! 鼻が曲がる、涙が出てきた。
なんだこれ、逃げても意味ないじゃないか! もしかしてこれが毒なのか!? 鼻が曲がるほどに臭い毒《息》的な!?
確かにこれは体に悪そうだし、毒と言われても納得だよ!!
「やはり、一番使いやすいな」
っ、しまった!! 百目に魕さんが刀を振りかぶってしまった。
百目は匂いのあまり周りを気にする余裕がないみたい、ヒザマついている。
「百目! 避けろ!!」
『っ!!』
俺の声で気づいたが、もう避けられない!!
――――――――バシャン!!!!
「っ――――――――み、水?」
魕さんの足元から急に水が放出した。
水って事は―――…………
くそ、やっぱりそうだよな。簡単に味方になってくれるんだったら、ここまで追いかけ絵は来ないはず。それに、陰陽寮での話し合いのときに理解してくれているはずだ。
戦わなければならないのか、俺は、この人と。屍鬼家の陰陽頭である、屍鬼魕さんと。
雰囲気だけでわかる、この人は強い。俺と百目だけでは勝つのは難しいだろう。
それに、百目は先ほどからずっと戦ってくれてる。体力の限界が来ていてもおかしくはない。
横目で百目を確認するも案の定、肩で息をして汗を流している。
他の式神を出しても問題はないだろうか。今、闇命君のもとに残っている七人ミサキと雷火を操作しているのは闇命君。だが、法力は闇命君の本体である俺の体のを使っているはず。
他の式神を出して、万が一法力が足りなくなり俺が眠りについてしまったら。
いや、それだけはどうしても避けなければならない。絶対に、それだけは避けろ。
「考えている時間は与えた。ワシは主らの手を取る気もない。悪いが、行かせてもらうぞ」
「っ、くそ! 百目!!」
姿勢を低くし、俺に向かってかけだした魕さんの前に、百目が立ちふさがる。
ガキンという音を出し、魕さんからの攻撃を防いでくれた。
またしても押し合い、子の隙を利用できないか。
俺自身は武器を持っていない。何か物理的な武器を持っておくべきだったな。
百目に法力を少しずつ送るしかz出来ない。バランスを考え、送り過ぎず、ゆっくりと。
集中して、百目が少しでも戦いやすいように……。
『――――悪女野風《あくじょのかぜ》、ワシの邪魔をする者を惑わせよ。急急如律令』
っ、まさか、刀を握りながら式神を出す事が出来るの!? お札に法力を送り込むことが出来ないんじゃ……。
あ、魕さんの背後に一人の女性が現れる。
その女性は黒い腰まで長い髪を翻し、白い着物を身に纏っている。足はよく見ると歪んでおり無い。
頭には、三角の白い布、天冠を付けている。
…………幽霊? え、まるっきり漫画やアニメに出て来る幽霊なんだけど。手を胸元で下を向けているし。
えっと、悪女野風って言っていたよな。どのような妖なんだ。
うわぁ、闇命君がいないから妖の説明をしてくれる人もいない。こういう時はマジで闇命君の知識が欲しいよぉ。
何をされるのか、どのような事が出来るのか。あての動きを見てからじゃないと動けない。
『悪女野風……。たしか、屍鬼家で代々引き継がれている式神だったはずです。川天狗とはまた異なるやり方で相手を惑わす事を得意としたはずです。毒を扱う事も出来るため、注意が必要です!』
「あ、ありがとう!」
百目、まさか悪女野風を知っているなんて思わなかった。
「さすが、煌命の式神だ、ワシの父上が絶賛していただけの事はある」
『私の現主は闇命様です。間違えないでいただきたい』
「それは悪かったな」
ギリギリと押し合う刀の中、百目は俺に助言を言ってくれるのと同時に怒りをぶつけている。
そんな中、魕さんの背後に現れた悪女野風が動き出した。
下げていた手を口元に持って行き、口を開く。大きく息を吸うと、俺に向けて何かを吐き出してきた。
さっき、毒を扱う事が出来ると百目が言っていた。今から吐き出されるのは体に有害のある毒かも。逃げないとッ―――………
『ふぅぅぅうううう』
やば、まにあわっ―――ッ!?!?
『っ!? これは!』
百目の方にも行ったらしいな、吐き出された息。刀の押し合いが出来なくなった百目がその場に膝をつき口と鼻を片手で押さえている。そんな百目を魕さんが冷静に見下ろしている。
これは、たまらん。これは―――
「くっさぁぁぁぁぁぁぁあああああああ!!!!!!!」
なんだこの匂い! 生ごみがたくさん入っているゴミ箱に顔を突っ込んでいるような臭い!! 鼻が曲がる、涙が出てきた。
なんだこれ、逃げても意味ないじゃないか! もしかしてこれが毒なのか!? 鼻が曲がるほどに臭い毒《息》的な!?
確かにこれは体に悪そうだし、毒と言われても納得だよ!!
「やはり、一番使いやすいな」
っ、しまった!! 百目に魕さんが刀を振りかぶってしまった。
百目は匂いのあまり周りを気にする余裕がないみたい、ヒザマついている。
「百目! 避けろ!!」
『っ!!』
俺の声で気づいたが、もう避けられない!!
――――――――バシャン!!!!
「っ――――――――み、水?」
魕さんの足元から急に水が放出した。
水って事は―――…………
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素敵な小説を紹介していただきありがとうございました。続きも読ませていただきます!