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最終決戦
女性だからと
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月卯歌から放たれた言葉で、この場が凍り付いた。
隣に立っている冷菓も何も言う事が出来ず、もちろん土蜘蛛から姿を現した女性も唖然としていた。
「月卯歌、あの、さすがに今のはちょっと……。たとえ本当の事だとしても、言葉を選ばないと相手が傷つくよ……」
「今の言葉もおそらくあいつに刺さったぞ。見てみろ、体がプルプル震えて涙目になっている。もしかすっと、一番言われたくないことを言われたのかもしれねぇよ。誰もが思う事だろうから仕方がないがな」
めんどくさそうに小指で耳を掻きながら、月卯歌は目を逸らし言い放つ。その言葉が引き金となり、女性は拳を強く握り、顔を真っ赤にして怒り出した。
「あ、あんた達、私を愚弄したな!! よかろう、私の土蜘蛛の本当の力、思い知らせてやろう。私を馬鹿にしたことを後悔するがよい!」
女性が土蜘蛛に触れると、なぜか触れた手が光り始めた。
「死ね、死ね、死ね!!!!!!」
淡い光は、土蜘蛛の体に拡がり始める。何を企んでいるのか分からず、二人は警戒を高めた。
「月卯歌、さすがにまずいのでは?」
「あぁ、面白い事が始まりそうだ。これは少し待つぞ」
「面白い事ではなく、面倒な事だと思うんだけど…………」
見続けていると、土蜘蛛の姿が変化し始めた。
光り始めた体は徐々に大きくなり、体にはひびが入り始めた。牙を動かし始め、苦し気に唸り始める。前足を上げ、大きな体を起こし始めた。
「なんだ、ヒビが……。脱皮か?」
「それに近いものがありそう」
土蜘蛛の身体に走ったヒビが徐々に広がり、先程までとは比にならない程の光が放たれた。
「まぶっ!!!」
パリ、パリパリ!!
ヒビが広がり、殻が剥がれ落ち始め、赤い体が姿を現した。
『キシャァァァァァァァァァァアアア!!!』
一回り体が大きくなり、赤い体で威嚇をし始めた土蜘蛛。
上げていた足を地面に下ろし、地面を踏みしめる。姿勢を低くし、カサカサと二人に近付き始めた。
「きっも」
「同感というか、こっちに来ないでぇぇぇぇぇえ!!!!!」
冷菓は近づいて来る土蜘蛛の姿に驚きと焦りで涙目になり、咄嗟にお札を取り出し、前方に放った。
放たれたお札の周りには氷の小さな剣が六本現れ、向かって来ている土蜘蛛に突き刺さる―――そう、思ったのだが……。
――――――――ガキン!
「なっ!!」
ほんの少しすら刺す事が出来ず弾かれる。試しに月卯歌が自身の剣を三本放つが、結果は同じだった。
もう攻撃を試す猶予がないため、月卯歌は冷菓の腰に手を回し地面を蹴り横へ跳び回避。
勢いを止める事が出来なかった土蜘蛛はそのまま方向転換が出来ず、通過。ザザザッと地面を抉り体を止めた。
「おやおや。どうしたのですかぁ?? 私を愚弄しておいてその程度? 土蜘蛛に傷一つつける事が出来ませんでしたねぇ??」
「おーほっほっほっほっほっほっ!!!」と高笑いをする彼女に冷菓は殺意が芽生え、顔を引きつらせる。
月卯歌は取り乱すことは一切せず目を細め、彼女を見つめた。
「――――――――なるほど。冷菓、俺が土蜘蛛を世話する。お前はあの女に近付き燃やせ」
「っ、え、燃やせ?」
簡潔な指示だが、すべてを理解出来ず、冷菓は思わず聞き返してしまった。
「話している時間はねぇ、燃やせというか、まぁ、倒せ」
「………わかったわ。時を見て、私も攻める」
「気を付けろよ。女だからと舐めんなよ」
「貴女を見ているからわかっているよ、姉妹なんだから。女性の恐ろしさは身に染みて実感しているつもり」
二人が話している間も、女性は高笑いを続け、土蜘蛛は姿勢を低くし、また同じ攻撃を繰り返そうとしている。
月卯歌と冷菓はお互い頷き合い、地面を蹴り左右に離れた。
一瞬、土蜘蛛はどちらを狙うか悩んだが、すぐに月卯歌に目を付ける。女性も高笑いをやめ、動き出した二人を見て怪訝そうに眉を寄せた。
「何をする気なのかしら。何をしても、私の土蜘蛛には勝てないでしょうけど」
口元に手を持って行き、動き出した二人をあざ笑う。そんな女性など気にせず、月卯歌がまず、一手を繰り出した。
足を引きずるように止め、足を肩幅に開く。懐から二枚のお札を取り出し、土蜘蛛に向けて放った。
すぐに土蜘蛛の身体に二枚のお札が張り付く。だが、何が起きる気配は無い。
土蜘蛛は何も起きないお札など無視し、地面を抉る勢いで駆けだした。
――――――――パチン
月卯歌が指を鳴らすと、突如土蜘蛛の動きが止まる。刹那、お札が貼られている箇所から、徐々に赤色の皮膚が水色へと変化し始めた。
隣に立っている冷菓も何も言う事が出来ず、もちろん土蜘蛛から姿を現した女性も唖然としていた。
「月卯歌、あの、さすがに今のはちょっと……。たとえ本当の事だとしても、言葉を選ばないと相手が傷つくよ……」
「今の言葉もおそらくあいつに刺さったぞ。見てみろ、体がプルプル震えて涙目になっている。もしかすっと、一番言われたくないことを言われたのかもしれねぇよ。誰もが思う事だろうから仕方がないがな」
めんどくさそうに小指で耳を掻きながら、月卯歌は目を逸らし言い放つ。その言葉が引き金となり、女性は拳を強く握り、顔を真っ赤にして怒り出した。
「あ、あんた達、私を愚弄したな!! よかろう、私の土蜘蛛の本当の力、思い知らせてやろう。私を馬鹿にしたことを後悔するがよい!」
女性が土蜘蛛に触れると、なぜか触れた手が光り始めた。
「死ね、死ね、死ね!!!!!!」
淡い光は、土蜘蛛の体に拡がり始める。何を企んでいるのか分からず、二人は警戒を高めた。
「月卯歌、さすがにまずいのでは?」
「あぁ、面白い事が始まりそうだ。これは少し待つぞ」
「面白い事ではなく、面倒な事だと思うんだけど…………」
見続けていると、土蜘蛛の姿が変化し始めた。
光り始めた体は徐々に大きくなり、体にはひびが入り始めた。牙を動かし始め、苦し気に唸り始める。前足を上げ、大きな体を起こし始めた。
「なんだ、ヒビが……。脱皮か?」
「それに近いものがありそう」
土蜘蛛の身体に走ったヒビが徐々に広がり、先程までとは比にならない程の光が放たれた。
「まぶっ!!!」
パリ、パリパリ!!
ヒビが広がり、殻が剥がれ落ち始め、赤い体が姿を現した。
『キシャァァァァァァァァァァアアア!!!』
一回り体が大きくなり、赤い体で威嚇をし始めた土蜘蛛。
上げていた足を地面に下ろし、地面を踏みしめる。姿勢を低くし、カサカサと二人に近付き始めた。
「きっも」
「同感というか、こっちに来ないでぇぇぇぇぇえ!!!!!」
冷菓は近づいて来る土蜘蛛の姿に驚きと焦りで涙目になり、咄嗟にお札を取り出し、前方に放った。
放たれたお札の周りには氷の小さな剣が六本現れ、向かって来ている土蜘蛛に突き刺さる―――そう、思ったのだが……。
――――――――ガキン!
「なっ!!」
ほんの少しすら刺す事が出来ず弾かれる。試しに月卯歌が自身の剣を三本放つが、結果は同じだった。
もう攻撃を試す猶予がないため、月卯歌は冷菓の腰に手を回し地面を蹴り横へ跳び回避。
勢いを止める事が出来なかった土蜘蛛はそのまま方向転換が出来ず、通過。ザザザッと地面を抉り体を止めた。
「おやおや。どうしたのですかぁ?? 私を愚弄しておいてその程度? 土蜘蛛に傷一つつける事が出来ませんでしたねぇ??」
「おーほっほっほっほっほっほっ!!!」と高笑いをする彼女に冷菓は殺意が芽生え、顔を引きつらせる。
月卯歌は取り乱すことは一切せず目を細め、彼女を見つめた。
「――――――――なるほど。冷菓、俺が土蜘蛛を世話する。お前はあの女に近付き燃やせ」
「っ、え、燃やせ?」
簡潔な指示だが、すべてを理解出来ず、冷菓は思わず聞き返してしまった。
「話している時間はねぇ、燃やせというか、まぁ、倒せ」
「………わかったわ。時を見て、私も攻める」
「気を付けろよ。女だからと舐めんなよ」
「貴女を見ているからわかっているよ、姉妹なんだから。女性の恐ろしさは身に染みて実感しているつもり」
二人が話している間も、女性は高笑いを続け、土蜘蛛は姿勢を低くし、また同じ攻撃を繰り返そうとしている。
月卯歌と冷菓はお互い頷き合い、地面を蹴り左右に離れた。
一瞬、土蜘蛛はどちらを狙うか悩んだが、すぐに月卯歌に目を付ける。女性も高笑いをやめ、動き出した二人を見て怪訝そうに眉を寄せた。
「何をする気なのかしら。何をしても、私の土蜘蛛には勝てないでしょうけど」
口元に手を持って行き、動き出した二人をあざ笑う。そんな女性など気にせず、月卯歌がまず、一手を繰り出した。
足を引きずるように止め、足を肩幅に開く。懐から二枚のお札を取り出し、土蜘蛛に向けて放った。
すぐに土蜘蛛の身体に二枚のお札が張り付く。だが、何が起きる気配は無い。
土蜘蛛は何も起きないお札など無視し、地面を抉る勢いで駆けだした。
――――――――パチン
月卯歌が指を鳴らすと、突如土蜘蛛の動きが止まる。刹那、お札が貼られている箇所から、徐々に赤色の皮膚が水色へと変化し始めた。
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