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氷鬼家
強い意思と不安なし
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「私は、お兄ちゃんが仕方がないで頷くのは嫌なの。時間がかかっても、お兄ちゃんが安心して頷いてくれるように頑張りたいの!!」
『そんな時間はないよ。今すぐに説得できるか、諦めるか。今日中に何とか決めて』
「今日……? そ、そんなの、難しいよ……」
『なら、諦めて』
ちょっと待って? それは俺がいるところで話すことなの?
こんな話を聞いてしまったら、すぐに魔魅ちゃんが俺の元に来て説得しようとしたらどうすればいいのか分からないよ。
ここまで話を聞いておいて、すぐに否定は心苦しいし。でも、逆に肯定するのも、それは駄目な事。
な、なんで俺がいる所でそんな話を繰り広げるんだよ!! ふざけるな!!
俺がどっちに決めても、今後待っているのは地獄。お願いだからこの流れでこっちに来ないでね??!!!
「……」
あ、死んだ。魔魅ちゃんがこっちに走ってきた。まずい、どうやって答えようか。どうやって答えるのが正しいのか、今の焦った頭では思いつかない。
「お兄ちゃん」
「はい……」
うぅ、闇命君なんて嫌いだ。
「私が前線で戦うのは、私が負けちゃうかもしれないから?」
「そ、れも、あるけど。それだけじゃなくて、魔魅ちゃんが苦しむ姿を見たくないんだ」
「それ、私も、同じだよ、お兄ちゃん」
っ、それ、言うの本当にずるい。どこでそんな交渉術を手に入れたんだよ、魔魅ちゃん。
「戦うよ、私は戦う」
「っ、だから――……」
「でも、お兄ちゃんが嫌々頷くのは嫌だから、出来る限り前線には出ないようにする。援助に努める。でも、どうしても前線に出なければならなくなったら、その時は送り出してほしい。お願い」
…………魔魅ちゃんは、俺の意見も取り入れ、自分の意思も貫き通そうとしている。ここまで考えてくれている人の意見を、俺がただ「心配だから」という理由で無下にしてはいけない。
「…………わかった。それで行こうか」
「っ! ありがとう! お兄ちゃん!」
満面な笑みだ、可愛い。
結局、負けちゃったなぁ。ここの世界の子供たちって、本当に強い。ただの平凡な男子高校生が勝てる訳もなかったかぁ。
「話は終わったか?」
「あ、お待たせしてしまいすいません。終わりました」
琴葉さんが笑顔で俺の肩を掴み、面白がりながら聞いてきた。その後ろには、無表情で立っている靖弥と水分さんの姿。
「だが、どうやって修行をするつもりだ? 正直、俺は前戦の戦い方しか教えることができない。水分も同じだよな?」
「まぁな」
「修行を見てくれる奴がいないぞ。どうするつもりだ?」
確かにそうなんだよなぁ。一人で修行なんてやり方がわかるはずないし、今は人数に余裕があるわけでもない。ずっと見れるわけではない、どうやって修行しようか。
「それは、大丈夫」
「え」
「一人、宛があるの。だから、大丈夫」
「宛って、なに?」
「……内緒」
魔魅ちゃんは答えるか考えた末、右手の人差し指を口元に当て、微笑みながら言われてしまった。
かわいいけど、かわいいけどさ!!! なんで教えてくれないの!? 俺には教えられない人物ってこと?
「安心して、信用している人だから」
「それは、本当なの? 魔魅ちゃんだけが信用しようとしているとか……」
「それもない。私がというわけではないから」
「それって?」
「私だけではなく、漆家が信頼している人物。優しくて、強くて。私の憧れの人!!」
言い切った魔魅ちゃん。自信満々で、嬉しそう。なんだか、本当に大丈夫なような気がする。
「なら、頑張ってみる?」
「うん!! 私、絶対に強くなって、お兄ちゃんを守るから!!!」
満面な笑み!!! これは、落ちるのは仕方がないと思う……。
魔魅ちゃんがここまで本気の意思を見せてくるなんて思わなかった。でも、ここまで言ってくるほど、強くなりたいと思ってくれたいうことか。嬉しいけど、やっぱり不安は残る。
『たまには信じてみてもいいんじゃないの?』
「闇命君……。闇命君は大丈夫だと思うの?」
『心配はしていないよ。正直、魔魅がどうなろうと僕には関係ないから』
こいつ……。
『嫌な予感もないし、不安もない。それも含め、僕は心配をしていないと言っているの』
付け足すように言われた言葉。本当に、不安の一つも感じない。闇命君は本当に心配していないんだ。それなら、俺も信じよう。
『そんな時間はないよ。今すぐに説得できるか、諦めるか。今日中に何とか決めて』
「今日……? そ、そんなの、難しいよ……」
『なら、諦めて』
ちょっと待って? それは俺がいるところで話すことなの?
こんな話を聞いてしまったら、すぐに魔魅ちゃんが俺の元に来て説得しようとしたらどうすればいいのか分からないよ。
ここまで話を聞いておいて、すぐに否定は心苦しいし。でも、逆に肯定するのも、それは駄目な事。
な、なんで俺がいる所でそんな話を繰り広げるんだよ!! ふざけるな!!
俺がどっちに決めても、今後待っているのは地獄。お願いだからこの流れでこっちに来ないでね??!!!
「……」
あ、死んだ。魔魅ちゃんがこっちに走ってきた。まずい、どうやって答えようか。どうやって答えるのが正しいのか、今の焦った頭では思いつかない。
「お兄ちゃん」
「はい……」
うぅ、闇命君なんて嫌いだ。
「私が前線で戦うのは、私が負けちゃうかもしれないから?」
「そ、れも、あるけど。それだけじゃなくて、魔魅ちゃんが苦しむ姿を見たくないんだ」
「それ、私も、同じだよ、お兄ちゃん」
っ、それ、言うの本当にずるい。どこでそんな交渉術を手に入れたんだよ、魔魅ちゃん。
「戦うよ、私は戦う」
「っ、だから――……」
「でも、お兄ちゃんが嫌々頷くのは嫌だから、出来る限り前線には出ないようにする。援助に努める。でも、どうしても前線に出なければならなくなったら、その時は送り出してほしい。お願い」
…………魔魅ちゃんは、俺の意見も取り入れ、自分の意思も貫き通そうとしている。ここまで考えてくれている人の意見を、俺がただ「心配だから」という理由で無下にしてはいけない。
「…………わかった。それで行こうか」
「っ! ありがとう! お兄ちゃん!」
満面な笑みだ、可愛い。
結局、負けちゃったなぁ。ここの世界の子供たちって、本当に強い。ただの平凡な男子高校生が勝てる訳もなかったかぁ。
「話は終わったか?」
「あ、お待たせしてしまいすいません。終わりました」
琴葉さんが笑顔で俺の肩を掴み、面白がりながら聞いてきた。その後ろには、無表情で立っている靖弥と水分さんの姿。
「だが、どうやって修行をするつもりだ? 正直、俺は前戦の戦い方しか教えることができない。水分も同じだよな?」
「まぁな」
「修行を見てくれる奴がいないぞ。どうするつもりだ?」
確かにそうなんだよなぁ。一人で修行なんてやり方がわかるはずないし、今は人数に余裕があるわけでもない。ずっと見れるわけではない、どうやって修行しようか。
「それは、大丈夫」
「え」
「一人、宛があるの。だから、大丈夫」
「宛って、なに?」
「……内緒」
魔魅ちゃんは答えるか考えた末、右手の人差し指を口元に当て、微笑みながら言われてしまった。
かわいいけど、かわいいけどさ!!! なんで教えてくれないの!? 俺には教えられない人物ってこと?
「安心して、信用している人だから」
「それは、本当なの? 魔魅ちゃんだけが信用しようとしているとか……」
「それもない。私がというわけではないから」
「それって?」
「私だけではなく、漆家が信頼している人物。優しくて、強くて。私の憧れの人!!」
言い切った魔魅ちゃん。自信満々で、嬉しそう。なんだか、本当に大丈夫なような気がする。
「なら、頑張ってみる?」
「うん!! 私、絶対に強くなって、お兄ちゃんを守るから!!!」
満面な笑み!!! これは、落ちるのは仕方がないと思う……。
魔魅ちゃんがここまで本気の意思を見せてくるなんて思わなかった。でも、ここまで言ってくるほど、強くなりたいと思ってくれたいうことか。嬉しいけど、やっぱり不安は残る。
『たまには信じてみてもいいんじゃないの?』
「闇命君……。闇命君は大丈夫だと思うの?」
『心配はしていないよ。正直、魔魅がどうなろうと僕には関係ないから』
こいつ……。
『嫌な予感もないし、不安もない。それも含め、僕は心配をしていないと言っているの』
付け足すように言われた言葉。本当に、不安の一つも感じない。闇命君は本当に心配していないんだ。それなら、俺も信じよう。
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