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水仙家
短命
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「そこは何かいい方法とか一緒に考えてはくれないんですか?!」
「頼まれてないからな。聞かれたから答えていただけだ、助けてほしいのか?」
「え、あっと…………。何か方法があるのなら、聞きたいです…………」
「今だとないな。短命は俺に関係のない呪いだから調べても来なかった」
「際ですか…………」
んー…………。やっぱり、一番琴平が話しやすいな。
自分に関係ない物には自ら関わりに行かないと。しかも、表情が変わらない。多分、天然でこれをしている。紫苑さんは策略的に言葉を選んでいたけど、この人は言葉を選んでいるわけではなく、本気で言っている。
「俺からもいいですか?」
「好きに話して構わん、遠慮するな。敬語も外せ、お前は俺を慕う必要はないだろ」
「し、しかし。貴方は安倍家の者ではないですが、陰陽頭様なので…………」
「お前の慕うべき奴にだけその態度しとけ。忠誠心の安売りしているようなもんだぞ」
「は、はぁ…………」
琴平が困ってる。そんで、半透明の闇命君をチラ見している。どうすればいいのかわからないのか。
今までそんな事言われた事がないだろうし、困惑するのは仕方がないか。
『琴平の好きにしたら?』
「え、そのように言われましても…………」
『僕にも優夏に対してみたいな話し方でもいいんだよ?』
「それは出来かねます。闇命様は私が慕うべき方です、この忠誠心を軽く見られる訳にはいきません」
『今みたいにすぐ判断出来ないのなら、ひとまず水分にも話しやすい方でいいんじゃないの? 今そんな事にかける時間はない』
琴平が難しい顔を浮かべてしまった。真面目だなぁ、話しやすいように話してもいいと言われているんだったら、タメでもいいと思うんだけど。と、言いつつ俺はまだ敬語が抜けていないけどね。
「…………では、お言葉に甘えさせてもらう。聞きたい事があるんだがいいか?」
「そっちの方が俺としては話しやすいな。んで、聞きたい事ってなんだ」
「短命について”今はわからない”と言っていたな」
「そうだな」
「俺達でも調べていきたいと思っているが、他にもやる事が多々ある。出来ればでいい、水仙家でも調べられるところまで調べてはいただけないか?」
「構わん」
「やはりことわっ――――は?」
え、いいの? こんなに簡単に決めてもいいの?
琴平が驚きすぎて口が鯉のようにパクパクしてる。
この人、なんか、よくわからない。いい人なのはわかるんだけど。
「短命について調べるだけでいいのか?」
「え、あ、あぁ。出来ればお願いしたいと思っている」
「なら、出来る限りこちらで調べてみよう。だが、あまり期待すんじゃねぇぞ。安倍家より小さいだけでなく、横の繋がりもない。あくまで、出来る限りだ。わかったな」
「それだけでも助かる。ありがとう」
めっちゃ嬉しそうな顔を浮かべてるな、琴平。後ろの二人も嬉しそうな顔してるし、良かったね。
俺も本当に良かったと思うよ、今回死ぬのは俺だからね。絶対に回避しなければ。
「ここまで慕われているのも珍しい。お前は本当に幸せだな」
『うるさいよ。別に、お願いしたわけじゃない』
「照れ隠しなのか、俺と会話が成り立ってないぞ」
『うるさい、成り立ってる』
「へいへい」
…………この人は、優しい人なんだろうな。
「そういや、呪いなら俺よりさっき話として出てきた漆家に聞いた方が良くないか? 呪いに関してなら右に出る者はいないだろ」
「漆家でもあまり情報がなかったんですよ、だから少しでもと思って」
「なるほどな」
あ、水分さんが立ち上がってこの部屋から出ようとしてしまった。どこに行くんだ?
「ひとまず、俺は水歌村を見てくる。お前らはこの部屋に居なければならんわけじゃない。自由に動き回ってくれていい、余計な仕事を増やさないと約束をしてくれるのならな」
「あ、待ってくれ。俺も村は気になる、一緒に行きたいのだが…………」
立ち上がり、水分さんは部屋を出て行こうとした所、琴平が慌てて止めた。闇命君に確認を取るように見ている。
『好きにしていいよ。僕は僕でこいつと好きに動くから』
「了解しました」
『あ、でも。紅音、琴平と一緒に行動してほしい』
「はい」
何も聞かずに紅音も二人の後ろを付いて行く。
闇命君の言葉には本当に素直だなぁ。水分さんは特に何も言わないし、なんとなく。この陰陽寮は緩いし、安心感がある。
安倍家も同じくらい和みの空間だったら良かったのに。大きさや名前の広さ的に無理なのかなぁ。
「頼まれてないからな。聞かれたから答えていただけだ、助けてほしいのか?」
「え、あっと…………。何か方法があるのなら、聞きたいです…………」
「今だとないな。短命は俺に関係のない呪いだから調べても来なかった」
「際ですか…………」
んー…………。やっぱり、一番琴平が話しやすいな。
自分に関係ない物には自ら関わりに行かないと。しかも、表情が変わらない。多分、天然でこれをしている。紫苑さんは策略的に言葉を選んでいたけど、この人は言葉を選んでいるわけではなく、本気で言っている。
「俺からもいいですか?」
「好きに話して構わん、遠慮するな。敬語も外せ、お前は俺を慕う必要はないだろ」
「し、しかし。貴方は安倍家の者ではないですが、陰陽頭様なので…………」
「お前の慕うべき奴にだけその態度しとけ。忠誠心の安売りしているようなもんだぞ」
「は、はぁ…………」
琴平が困ってる。そんで、半透明の闇命君をチラ見している。どうすればいいのかわからないのか。
今までそんな事言われた事がないだろうし、困惑するのは仕方がないか。
『琴平の好きにしたら?』
「え、そのように言われましても…………」
『僕にも優夏に対してみたいな話し方でもいいんだよ?』
「それは出来かねます。闇命様は私が慕うべき方です、この忠誠心を軽く見られる訳にはいきません」
『今みたいにすぐ判断出来ないのなら、ひとまず水分にも話しやすい方でいいんじゃないの? 今そんな事にかける時間はない』
琴平が難しい顔を浮かべてしまった。真面目だなぁ、話しやすいように話してもいいと言われているんだったら、タメでもいいと思うんだけど。と、言いつつ俺はまだ敬語が抜けていないけどね。
「…………では、お言葉に甘えさせてもらう。聞きたい事があるんだがいいか?」
「そっちの方が俺としては話しやすいな。んで、聞きたい事ってなんだ」
「短命について”今はわからない”と言っていたな」
「そうだな」
「俺達でも調べていきたいと思っているが、他にもやる事が多々ある。出来ればでいい、水仙家でも調べられるところまで調べてはいただけないか?」
「構わん」
「やはりことわっ――――は?」
え、いいの? こんなに簡単に決めてもいいの?
琴平が驚きすぎて口が鯉のようにパクパクしてる。
この人、なんか、よくわからない。いい人なのはわかるんだけど。
「短命について調べるだけでいいのか?」
「え、あ、あぁ。出来ればお願いしたいと思っている」
「なら、出来る限りこちらで調べてみよう。だが、あまり期待すんじゃねぇぞ。安倍家より小さいだけでなく、横の繋がりもない。あくまで、出来る限りだ。わかったな」
「それだけでも助かる。ありがとう」
めっちゃ嬉しそうな顔を浮かべてるな、琴平。後ろの二人も嬉しそうな顔してるし、良かったね。
俺も本当に良かったと思うよ、今回死ぬのは俺だからね。絶対に回避しなければ。
「ここまで慕われているのも珍しい。お前は本当に幸せだな」
『うるさいよ。別に、お願いしたわけじゃない』
「照れ隠しなのか、俺と会話が成り立ってないぞ」
『うるさい、成り立ってる』
「へいへい」
…………この人は、優しい人なんだろうな。
「そういや、呪いなら俺よりさっき話として出てきた漆家に聞いた方が良くないか? 呪いに関してなら右に出る者はいないだろ」
「漆家でもあまり情報がなかったんですよ、だから少しでもと思って」
「なるほどな」
あ、水分さんが立ち上がってこの部屋から出ようとしてしまった。どこに行くんだ?
「ひとまず、俺は水歌村を見てくる。お前らはこの部屋に居なければならんわけじゃない。自由に動き回ってくれていい、余計な仕事を増やさないと約束をしてくれるのならな」
「あ、待ってくれ。俺も村は気になる、一緒に行きたいのだが…………」
立ち上がり、水分さんは部屋を出て行こうとした所、琴平が慌てて止めた。闇命君に確認を取るように見ている。
『好きにしていいよ。僕は僕でこいつと好きに動くから』
「了解しました」
『あ、でも。紅音、琴平と一緒に行動してほしい』
「はい」
何も聞かずに紅音も二人の後ろを付いて行く。
闇命君の言葉には本当に素直だなぁ。水分さんは特に何も言わないし、なんとなく。この陰陽寮は緩いし、安心感がある。
安倍家も同じくらい和みの空間だったら良かったのに。大きさや名前の広さ的に無理なのかなぁ。
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