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死絡村
強い意志
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ページを捲ると、様々な呪いや陰陽寮についてなどが細かく書かれていた。
呪い
・物理的手段によらず精神的・霊的な手段で、他者に対して悪意を持ち、不幸をもたらすもの。
・人を呪わば穴二つ。人を呪う事により、自分自身にも影響を及ぼす。その影響は人によって様々であり、病気、体の一部の欠損、脳の停止など。呪いの大きさによって変わる。
他には蠱毒や丑の刻参り。あとは……な、なんだこれ? さ、いまおんてきほう?? よ、よく分からん……。
『摧魔怨敵法。これは漆家独自が調べ、身につけた呪術だよ。これはどこの陰陽寮も使っておらず、唯一漆家が習得した必殺の呪術』
なにそれ、どんだけ呪いに執着してるわけ。意味わかんない。
漆家にいる陰陽頭は一体何を考えているんだ。どうせ、安倍家と同じじーさんなんだろうけどさ。もう少し考えようよ……。
「────ん?」
あれ、待って。家系図が描かれてる。それに、細かく説明書きも……。
「え、嘘。これって随時更新されてるの?」
『そのはずだよ。少しでも見逃しがあると意味ないからね』
と、言う事は。今の漆家の陰陽頭って、子供??
え、だって。そうなるよね。
この家系図は、一番上がおそらく先祖。そこから枝分かれして、どんどん横に広がっている。
名前が書かれ、その隣には日付と、どうやって死んでしまったかなど。おそらくこの日付は、いつ死んでしまったかだろうな。まぁ、それまではまだいい。
下の方にある名前と、その隣に書いてある死因、死亡時期。これが気になる。
〈漆 紫永。死因 病死。死亡時期 嘉禎二年〉
三年前に漆家の陰陽頭が死んでいる。
おそらく、その息子……では無いのかこの名前。いや、どっちでもいいか。とりあえず、紫永さんの子供が陰陽頭になっているはず。でも、生まれた年齢が今から九年前。つまり、今は九歳のはずだ。
そんな子供を陰陽頭にするか? しかも、この顔の痣。半分以上が黒くなっている。
あ、でも。安倍家ではあのクソじーさんが陰陽頭になっているわけだし、さすがに代行がいるよな。
…………読み進めると、俺の考えが正しかった事が書かれてた……。
今の漆家の陰陽頭は、九歳の子供。名前は"漆 魔魅"。名前からして女の子だと思うんだけど。まさか、こんな小さな子を陰陽頭にする? ありえねぇんだけど。
安倍家でもありえない事が沢山あるのに、漆家は何を考えてんだよ。それに、呪いを扱うんだよな。まさか、その呪いを九歳の子供にさせてんのか。俺のいた世界ではありえないぞ。
九歳なんて小学校三年生くらいだし、まだまだ人に甘えていい歳。陰陽頭になってしまったら、人に甘えるなんて不可能。親がいないのなら尚のこと。
俺なんて小学校三年の時、先生のズボンにしがみついて脱がせようとしてたぞ。
どこの陰陽寮も、やっぱりおかしい。こんなの、間違ってる。
『変な事を起こそうとしないでよ。今の段階で何か大きな動きを見せてしまえば監視の目がもっと厳しくなる。今の行動もギリギリなんだ、慎重に物事を考えて』
「…………わかってる」
やっぱり、今は動くことが出来ない。もっと、情報を集めてからだ。今よりもっと情報を集めてから、動き出してやる。今は、我慢しろ、俺。
「……闇命君。件と漆家、なにか関係があるような気がするんだけど。こんな近くにあるのに、件をほっておくとも考えにくいし」
『確かにそうだね。もっと深堀してみてもいいかも。もしかしたら、僕達が思っているより大きな情報が手に入るかもしれないし』
漆家と件。近くにある、死絡村。俺達に必要な情報が眠っている可能性も視野に入れて、もっと詳しく知れるようにしようか。
あわよくば、漆家と安倍家だけでも先に環境などを変えたい。
「今回の件は琴平には話すとして、紅音達にはどうしようか。このまま別で動いた方があの地獄の資料の山は片付くと思うけど」
『琴平と紅音、夏楓も一緒じゃないと僕は協力しない』
…………ん? え、え?
「え、なんでそこまで言い切るの? 紅音達は戦闘員じゃないんだよね? さすがに危険なんじゃないの? 何が起きるのか想像が出来ないし……」
『理由はどうでもいいだろ。とりあえず、この三人に話さないのなら、僕は協力しない。一人で頑張って』
そんな無茶苦茶な……。
別に話すのはいいけど、心配させちゃわないかなぁ。
…………ん? あれ、なんで闇命君拗ねてるの? いや、鼠の姿だから本当に拗ねているのか分からないけど、雰囲気的に拗ねてるよね。
「……………寂しいのなら言えばいいのっ──いだだだたたたたたた!!!!!」
図星をつかれたからって耳を噛むなぁぁああああ!!!!!!
なんだかんだ言って、闇命君もまだまだ子供らしい。普通に甘えればいいのに。
琴平達なら絶対に受けいれてくれるし、なんなら紅音なんて抱きしめてくれるんじゃないの?
まぁ。そんな事、闇命君のプライドが許さないんだろうけどさ。
そんな事もありながら漆家について調べていたのだが、寒さがピークに達したので一度地下室から出る事に。琴平達に今回の成果を報告しよう。
呪い
・物理的手段によらず精神的・霊的な手段で、他者に対して悪意を持ち、不幸をもたらすもの。
・人を呪わば穴二つ。人を呪う事により、自分自身にも影響を及ぼす。その影響は人によって様々であり、病気、体の一部の欠損、脳の停止など。呪いの大きさによって変わる。
他には蠱毒や丑の刻参り。あとは……な、なんだこれ? さ、いまおんてきほう?? よ、よく分からん……。
『摧魔怨敵法。これは漆家独自が調べ、身につけた呪術だよ。これはどこの陰陽寮も使っておらず、唯一漆家が習得した必殺の呪術』
なにそれ、どんだけ呪いに執着してるわけ。意味わかんない。
漆家にいる陰陽頭は一体何を考えているんだ。どうせ、安倍家と同じじーさんなんだろうけどさ。もう少し考えようよ……。
「────ん?」
あれ、待って。家系図が描かれてる。それに、細かく説明書きも……。
「え、嘘。これって随時更新されてるの?」
『そのはずだよ。少しでも見逃しがあると意味ないからね』
と、言う事は。今の漆家の陰陽頭って、子供??
え、だって。そうなるよね。
この家系図は、一番上がおそらく先祖。そこから枝分かれして、どんどん横に広がっている。
名前が書かれ、その隣には日付と、どうやって死んでしまったかなど。おそらくこの日付は、いつ死んでしまったかだろうな。まぁ、それまではまだいい。
下の方にある名前と、その隣に書いてある死因、死亡時期。これが気になる。
〈漆 紫永。死因 病死。死亡時期 嘉禎二年〉
三年前に漆家の陰陽頭が死んでいる。
おそらく、その息子……では無いのかこの名前。いや、どっちでもいいか。とりあえず、紫永さんの子供が陰陽頭になっているはず。でも、生まれた年齢が今から九年前。つまり、今は九歳のはずだ。
そんな子供を陰陽頭にするか? しかも、この顔の痣。半分以上が黒くなっている。
あ、でも。安倍家ではあのクソじーさんが陰陽頭になっているわけだし、さすがに代行がいるよな。
…………読み進めると、俺の考えが正しかった事が書かれてた……。
今の漆家の陰陽頭は、九歳の子供。名前は"漆 魔魅"。名前からして女の子だと思うんだけど。まさか、こんな小さな子を陰陽頭にする? ありえねぇんだけど。
安倍家でもありえない事が沢山あるのに、漆家は何を考えてんだよ。それに、呪いを扱うんだよな。まさか、その呪いを九歳の子供にさせてんのか。俺のいた世界ではありえないぞ。
九歳なんて小学校三年生くらいだし、まだまだ人に甘えていい歳。陰陽頭になってしまったら、人に甘えるなんて不可能。親がいないのなら尚のこと。
俺なんて小学校三年の時、先生のズボンにしがみついて脱がせようとしてたぞ。
どこの陰陽寮も、やっぱりおかしい。こんなの、間違ってる。
『変な事を起こそうとしないでよ。今の段階で何か大きな動きを見せてしまえば監視の目がもっと厳しくなる。今の行動もギリギリなんだ、慎重に物事を考えて』
「…………わかってる」
やっぱり、今は動くことが出来ない。もっと、情報を集めてからだ。今よりもっと情報を集めてから、動き出してやる。今は、我慢しろ、俺。
「……闇命君。件と漆家、なにか関係があるような気がするんだけど。こんな近くにあるのに、件をほっておくとも考えにくいし」
『確かにそうだね。もっと深堀してみてもいいかも。もしかしたら、僕達が思っているより大きな情報が手に入るかもしれないし』
漆家と件。近くにある、死絡村。俺達に必要な情報が眠っている可能性も視野に入れて、もっと詳しく知れるようにしようか。
あわよくば、漆家と安倍家だけでも先に環境などを変えたい。
「今回の件は琴平には話すとして、紅音達にはどうしようか。このまま別で動いた方があの地獄の資料の山は片付くと思うけど」
『琴平と紅音、夏楓も一緒じゃないと僕は協力しない』
…………ん? え、え?
「え、なんでそこまで言い切るの? 紅音達は戦闘員じゃないんだよね? さすがに危険なんじゃないの? 何が起きるのか想像が出来ないし……」
『理由はどうでもいいだろ。とりあえず、この三人に話さないのなら、僕は協力しない。一人で頑張って』
そんな無茶苦茶な……。
別に話すのはいいけど、心配させちゃわないかなぁ。
…………ん? あれ、なんで闇命君拗ねてるの? いや、鼠の姿だから本当に拗ねているのか分からないけど、雰囲気的に拗ねてるよね。
「……………寂しいのなら言えばいいのっ──いだだだたたたたたた!!!!!」
図星をつかれたからって耳を噛むなぁぁああああ!!!!!!
なんだかんだ言って、闇命君もまだまだ子供らしい。普通に甘えればいいのに。
琴平達なら絶対に受けいれてくれるし、なんなら紅音なんて抱きしめてくれるんじゃないの?
まぁ。そんな事、闇命君のプライドが許さないんだろうけどさ。
そんな事もありながら漆家について調べていたのだが、寒さがピークに達したので一度地下室から出る事に。琴平達に今回の成果を報告しよう。
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