5 / 246
陰陽寮
修行という名の殺害だろ
しおりを挟む
「お待ちください陰陽頭。傷は癒えましたが、まだまだ安静は必要かとおも──」
「黙れ。我々陰陽頭、陰陽助に意見するでない。従七位なのだから黙って命に従っておれ」
琴平の言葉を、隣に立つ厳格そうな男性が真っ先に止めてしまう。
見た目通りの人間らしい。声が低く、体に圧がかかる。
それと、今まで聞いた事がない言葉のオンパレード。
とりあえず、あの男が言っているのは、『上司の俺に口答えするな。部下なのだから命令にだけ従っていろ』と言う事か? 言い過ぎだろう。
「来るがよい」
おそらく、この陰陽寮で一番上位であろうじーさんが付いて来いと歩き出す。
その際に辛うじて見えた瞳は、じーさんと思えないほどの気迫で、一瞬狼狽えてしまった。
さすが上司、こんだけの迫力がなければやっていけないのかこの世界。
────くそっ。なんか、胸糞悪い所だな、ここ。
上下関係は大事だけどさ、そこまで言わなくてもいいじゃん。
なんか、この人達には、負けたくないな。
「行ってくる」と、琴平と夏楓の隣をすれ違いじーさんの後ろに付いて行こうとした──のだが、なぜか琴平に腕を掴まれる。
「こと──」
「優夏、法力は集中力が核となる。慌てず落ち着いて行動しろ。そうすれば、闇命様の体だ、必ず修行は成功する」
琴平は、言うのと同時に手を離し、頭を下げた。
「健闘を祈っております、闇命様」
不安そうな声、本当に闇命君が大事なのが伝わってくる。
他の二人も、心配そうに頭を下げ見送ってくれた。
あんなに心配されると怖いんだが……。
俺、これからどうなってしまうの? 想像するだけでも怖い。
冷や汗が流れるのを感じながら、頭を下げている三人から目を逸らし、じーさんの後ろを付いて行く。
何もありませんように。
この祈りが届くことは、恐らくないんだけど。
※
じーさんに付いていくこと数分後、目的地に辿り着いたらしく足を止めた。
「ここだ」
「ここって……」
目の前には大きな襖。でも、ただの襖じゃない。
木の部分は腐り変色。何にやられたのか分からない大小様々な爪痕が残されていたり、襖紙が破れていたりと。見た目からして普通の部屋では無い。
襖は開かないようになのか、御札が至る所に貼られている。
おどろおどろしい空気が襖から漂い、体がゾクゾクと震える。
「この中にいる悪霊を浄化するがよい」
い、嫌だ、そんなこと、できるわけがない。
でも、ここで絶対に引けないし、怖いけど引きたくない。負けたくない。
……でも、本物の闇命様なら簡単に倒してしまうんだろうけど。何も知らない俺が入ってしまったら、簡単にこの空気に呑み込まれてしまいそう。
「────ほう、流石のお前でもこの気配は駄目か。いつもの余裕そうな顔が崩れておるぞ。やはり、餓鬼は餓鬼か」
厳格男が鼻で笑いながら言ってくる。
いや、ほら、だって────
闇命様じゃないからね俺!!! ぁぁあああもう!!
言いたい、ものすごく言いたい。
俺は君達が言う生意気な少年じゃないんだよって、高らかと宣言したい!!!
苦笑いを浮かべながら襖を見ていると、じーさんが俺の腕を掴む。逃げないようになのか、力が強い。
「い、痛いよ」
「ここで死ねばそこまでだ。だが、こいつを浄化出来なければこの先はやっていけん」
じゃあ、お前は退治できんのかよじじぃ、手本を見せやがれ。
「早く行け」
襖を厳格男が開け、じーさんが無理やり俺を中へと放り込んだ。御札が破られ、床に落ちる。
「~~~必ず見返す!!」
襖は閉じられ、周りは暗くなる。
唯一の光源は、壁に備え付けられている今にも消えそうな蝋燭のみ。
少しでも情報を手に入れようと周りを見るけど、暗すぎて分からない。
でも、壁すら見えないということは、そこまで狭い部屋でもないってことかもな。
狭かったら淡い光だけでも壁とかは見えるだろうし。壁が見えないという事は、それだけの部屋の広さってことだよね。
床をぺたぺたと裸足で歩いていると、前の方に何かが置かれていた。
近づくと、そこには座布団の上に高価そうな壺が置かれていた。
なんだろうこれ、側面には五芒星が書かれた紙が貼られてる。
この紙は剥せ──ないな。爪で少しだけカリカリと剥がそうとしたけど、ぺったりと貼られているから無理そう。というか、普通に剥がしたら駄目か。
────ポチャン
「ん、水?」
音が聞こえたのは、俺の後ろ。
あ、上から雫が落ちてきたのか、床が濡れてる。
触ってみると冷たいだけで、匂いとかはしない、普通の水だ。
でも、なんか感じる気がする。
この部屋に充満している感じたことの無い、体に刺さる気配。外にいた時から感じてた気配が濃くなってる。
────ポチャ
「ひゃぁぁぁあああ!!!!!」
項に水がおちたぁぁぁあああ!!!!
咄嗟に上を向くと、モゴモゴと動く影。
目を凝らしてもう一度見ていると、闇の中に何かがいるのがわかった。
あ、あれって──……
「みっ、水の化け物ぉぉぉぉぉ!」
天井を覆い隠すほど、大きな水の塊が俺を見下ろしてきていた。
ぐにゃぐにゃなゼリー状の体には、人間の目のようなものが沢山付いている。
裂けてるのではないかと思うほど、横に伸びている大きな口。まるで、ビビっている俺を嘲笑っているよう。
涎のような物が垂れてきて、正直気持ち悪い。
「かい、ぶつ……。いや、まじ、本当に気持ち悪い……」
体が震えすぎて、言う事を聞いてくれない。
目も離せず、その場で見上げるしか……。
いや、駄目だ。逃げないと、動かないと。
逃げろ、動け、動いてくれ!
「うわ!!」
後ろに走ろうとしたが、足が絡まり転んじまった。
いやいやいや。う、動け。俺の体。動けよ!!!
『おえだがぁぁぁああゆるざ、なぃぃぃいい』
体に重くのしかかる声。頭の中に直接入ってくるような感覚。脳が破裂しそうだ。
耳を塞いでも、脳まで響くのは変わらない。
気持ち悪い!!! こんなもんを小さい子に退治させようなんて普通じゃねぇよ!!
……──あぁ、そうか。この陰陽寮は、普通じゃないんだ。
普通ならこんな少年にあんな化け物をぶつける訳が無い。例え、天才であろうと。
上にいる化け物が手を生成して、掴もうと伸ばしてくる。やばい。
う、動け動け動け動け!!!
恐怖で、震える足が言う事を聞いてくれず、立つ事すらままならない。このままだったら、確実に捕まって死ぬ。
頼む。頼むから、動けぇぇぇぇぇぇえええ!!!
────パンッ!!!
「え、水が、弾けた? これって……」
俺を守るように突然、透明な膜が光と共に張られた。
四方に飛び床を濡らした水の手は、まだ襲ってこようとモゾモゾと動いている。
俺の周りに張られているのは、透明な膜。手で触れてみると冷たくて、硬い。押してもびくともせず、通り抜けられるわけでもない。
「これって、結界みたいな感じ?」
触れていると効力が無くなったのか、張られていた透明の膜は、光と共になくなった。床には、破れてしまった人型の紙がひらりと落ちる。
「これって──」
破れてしまった人型の紙の裏表を確認してみるけど、何も知識がない俺が見たところで分からない。
もしかしてこれが結界を張ってくれたのかな。でも、誰が?
「あ。もしかして、琴平が最後に俺に近付いた時とか?」
なんにせよ、助かった。
助かったけど、破れてしまったって事は、もう俺を助けてくれるものは無い。
「詰んだんじゃ……。あ、化け物が……」
床に落ちた水が勢いよく化け物の手に戻っちゃった。
水だから形とかは自由自在、弾けた程度じゃ意味がないって事かよ。
「ど、どど、どうしろと!!!」
化け物は、またしても俺を掴もうと手を伸ばしてくる。
と、とりあえず逃げないと!!!
幸い、この部屋は一般的な部屋よりは広いみたいだし、逃げ道は確保出来る。
でも、隠れる所がないから逃げていても意味はない。何か考えないと、ずっとこいつと鬼ごっこをする羽目となる。
「うわっ!!!」
────ドテッ!
いってて、足がもつれた。
受身が取れず、膝を強くぶつけたからすぐに立ち上がれない。
いや、立たなきゃ殺される。
早く立て、早く走れ。
「くっそ、どうすれば、いいんだよ……」
震える体にムチ打って走るけど、攻撃なんて出来るわけがないし、逃げ続けていても無駄。何か、ないのか。
「あっ、しまっ――」
視界の端から、水の手。避けきれるわけもなく、簡単に捕まっちまった。
「くっ、離せ!!!」
めちゃくそ冷たい!! 氷に挟まれているような感じ、体の芯まで冷たくなる。
このままじゃ、確実にまずい。体が潰れるのが先か、凍死が先か。
どっちにしろ、なにか手を打たないと死んじまう。
「~~~~離せって!!!」
今の俺は体が小さい。その分、化け物の手にすっぽり収まっているし、なんなら、顔も包まれそうだ。
「ひっ!?」
まだ何かしようとしているのか。空いている方の水の手も伸ばしてきた。
「死んだ──」
何も抵抗できず、何をすればいいのかも分からない。ただただ、握りつぶされるのを待つだけ。
「っ──……」
咄嗟に目を閉じた――――そんな時、下から、聞き覚えのある声が聞こえた。
『ちょっと。僕の体でそんな体たらく晒さないでくれる? ものすごく不愉快なんだけど』
この声は、俺が事故にあった時に聞こえた声と、同じ……?
「黙れ。我々陰陽頭、陰陽助に意見するでない。従七位なのだから黙って命に従っておれ」
琴平の言葉を、隣に立つ厳格そうな男性が真っ先に止めてしまう。
見た目通りの人間らしい。声が低く、体に圧がかかる。
それと、今まで聞いた事がない言葉のオンパレード。
とりあえず、あの男が言っているのは、『上司の俺に口答えするな。部下なのだから命令にだけ従っていろ』と言う事か? 言い過ぎだろう。
「来るがよい」
おそらく、この陰陽寮で一番上位であろうじーさんが付いて来いと歩き出す。
その際に辛うじて見えた瞳は、じーさんと思えないほどの気迫で、一瞬狼狽えてしまった。
さすが上司、こんだけの迫力がなければやっていけないのかこの世界。
────くそっ。なんか、胸糞悪い所だな、ここ。
上下関係は大事だけどさ、そこまで言わなくてもいいじゃん。
なんか、この人達には、負けたくないな。
「行ってくる」と、琴平と夏楓の隣をすれ違いじーさんの後ろに付いて行こうとした──のだが、なぜか琴平に腕を掴まれる。
「こと──」
「優夏、法力は集中力が核となる。慌てず落ち着いて行動しろ。そうすれば、闇命様の体だ、必ず修行は成功する」
琴平は、言うのと同時に手を離し、頭を下げた。
「健闘を祈っております、闇命様」
不安そうな声、本当に闇命君が大事なのが伝わってくる。
他の二人も、心配そうに頭を下げ見送ってくれた。
あんなに心配されると怖いんだが……。
俺、これからどうなってしまうの? 想像するだけでも怖い。
冷や汗が流れるのを感じながら、頭を下げている三人から目を逸らし、じーさんの後ろを付いて行く。
何もありませんように。
この祈りが届くことは、恐らくないんだけど。
※
じーさんに付いていくこと数分後、目的地に辿り着いたらしく足を止めた。
「ここだ」
「ここって……」
目の前には大きな襖。でも、ただの襖じゃない。
木の部分は腐り変色。何にやられたのか分からない大小様々な爪痕が残されていたり、襖紙が破れていたりと。見た目からして普通の部屋では無い。
襖は開かないようになのか、御札が至る所に貼られている。
おどろおどろしい空気が襖から漂い、体がゾクゾクと震える。
「この中にいる悪霊を浄化するがよい」
い、嫌だ、そんなこと、できるわけがない。
でも、ここで絶対に引けないし、怖いけど引きたくない。負けたくない。
……でも、本物の闇命様なら簡単に倒してしまうんだろうけど。何も知らない俺が入ってしまったら、簡単にこの空気に呑み込まれてしまいそう。
「────ほう、流石のお前でもこの気配は駄目か。いつもの余裕そうな顔が崩れておるぞ。やはり、餓鬼は餓鬼か」
厳格男が鼻で笑いながら言ってくる。
いや、ほら、だって────
闇命様じゃないからね俺!!! ぁぁあああもう!!
言いたい、ものすごく言いたい。
俺は君達が言う生意気な少年じゃないんだよって、高らかと宣言したい!!!
苦笑いを浮かべながら襖を見ていると、じーさんが俺の腕を掴む。逃げないようになのか、力が強い。
「い、痛いよ」
「ここで死ねばそこまでだ。だが、こいつを浄化出来なければこの先はやっていけん」
じゃあ、お前は退治できんのかよじじぃ、手本を見せやがれ。
「早く行け」
襖を厳格男が開け、じーさんが無理やり俺を中へと放り込んだ。御札が破られ、床に落ちる。
「~~~必ず見返す!!」
襖は閉じられ、周りは暗くなる。
唯一の光源は、壁に備え付けられている今にも消えそうな蝋燭のみ。
少しでも情報を手に入れようと周りを見るけど、暗すぎて分からない。
でも、壁すら見えないということは、そこまで狭い部屋でもないってことかもな。
狭かったら淡い光だけでも壁とかは見えるだろうし。壁が見えないという事は、それだけの部屋の広さってことだよね。
床をぺたぺたと裸足で歩いていると、前の方に何かが置かれていた。
近づくと、そこには座布団の上に高価そうな壺が置かれていた。
なんだろうこれ、側面には五芒星が書かれた紙が貼られてる。
この紙は剥せ──ないな。爪で少しだけカリカリと剥がそうとしたけど、ぺったりと貼られているから無理そう。というか、普通に剥がしたら駄目か。
────ポチャン
「ん、水?」
音が聞こえたのは、俺の後ろ。
あ、上から雫が落ちてきたのか、床が濡れてる。
触ってみると冷たいだけで、匂いとかはしない、普通の水だ。
でも、なんか感じる気がする。
この部屋に充満している感じたことの無い、体に刺さる気配。外にいた時から感じてた気配が濃くなってる。
────ポチャ
「ひゃぁぁぁあああ!!!!!」
項に水がおちたぁぁぁあああ!!!!
咄嗟に上を向くと、モゴモゴと動く影。
目を凝らしてもう一度見ていると、闇の中に何かがいるのがわかった。
あ、あれって──……
「みっ、水の化け物ぉぉぉぉぉ!」
天井を覆い隠すほど、大きな水の塊が俺を見下ろしてきていた。
ぐにゃぐにゃなゼリー状の体には、人間の目のようなものが沢山付いている。
裂けてるのではないかと思うほど、横に伸びている大きな口。まるで、ビビっている俺を嘲笑っているよう。
涎のような物が垂れてきて、正直気持ち悪い。
「かい、ぶつ……。いや、まじ、本当に気持ち悪い……」
体が震えすぎて、言う事を聞いてくれない。
目も離せず、その場で見上げるしか……。
いや、駄目だ。逃げないと、動かないと。
逃げろ、動け、動いてくれ!
「うわ!!」
後ろに走ろうとしたが、足が絡まり転んじまった。
いやいやいや。う、動け。俺の体。動けよ!!!
『おえだがぁぁぁああゆるざ、なぃぃぃいい』
体に重くのしかかる声。頭の中に直接入ってくるような感覚。脳が破裂しそうだ。
耳を塞いでも、脳まで響くのは変わらない。
気持ち悪い!!! こんなもんを小さい子に退治させようなんて普通じゃねぇよ!!
……──あぁ、そうか。この陰陽寮は、普通じゃないんだ。
普通ならこんな少年にあんな化け物をぶつける訳が無い。例え、天才であろうと。
上にいる化け物が手を生成して、掴もうと伸ばしてくる。やばい。
う、動け動け動け動け!!!
恐怖で、震える足が言う事を聞いてくれず、立つ事すらままならない。このままだったら、確実に捕まって死ぬ。
頼む。頼むから、動けぇぇぇぇぇぇえええ!!!
────パンッ!!!
「え、水が、弾けた? これって……」
俺を守るように突然、透明な膜が光と共に張られた。
四方に飛び床を濡らした水の手は、まだ襲ってこようとモゾモゾと動いている。
俺の周りに張られているのは、透明な膜。手で触れてみると冷たくて、硬い。押してもびくともせず、通り抜けられるわけでもない。
「これって、結界みたいな感じ?」
触れていると効力が無くなったのか、張られていた透明の膜は、光と共になくなった。床には、破れてしまった人型の紙がひらりと落ちる。
「これって──」
破れてしまった人型の紙の裏表を確認してみるけど、何も知識がない俺が見たところで分からない。
もしかしてこれが結界を張ってくれたのかな。でも、誰が?
「あ。もしかして、琴平が最後に俺に近付いた時とか?」
なんにせよ、助かった。
助かったけど、破れてしまったって事は、もう俺を助けてくれるものは無い。
「詰んだんじゃ……。あ、化け物が……」
床に落ちた水が勢いよく化け物の手に戻っちゃった。
水だから形とかは自由自在、弾けた程度じゃ意味がないって事かよ。
「ど、どど、どうしろと!!!」
化け物は、またしても俺を掴もうと手を伸ばしてくる。
と、とりあえず逃げないと!!!
幸い、この部屋は一般的な部屋よりは広いみたいだし、逃げ道は確保出来る。
でも、隠れる所がないから逃げていても意味はない。何か考えないと、ずっとこいつと鬼ごっこをする羽目となる。
「うわっ!!!」
────ドテッ!
いってて、足がもつれた。
受身が取れず、膝を強くぶつけたからすぐに立ち上がれない。
いや、立たなきゃ殺される。
早く立て、早く走れ。
「くっそ、どうすれば、いいんだよ……」
震える体にムチ打って走るけど、攻撃なんて出来るわけがないし、逃げ続けていても無駄。何か、ないのか。
「あっ、しまっ――」
視界の端から、水の手。避けきれるわけもなく、簡単に捕まっちまった。
「くっ、離せ!!!」
めちゃくそ冷たい!! 氷に挟まれているような感じ、体の芯まで冷たくなる。
このままじゃ、確実にまずい。体が潰れるのが先か、凍死が先か。
どっちにしろ、なにか手を打たないと死んじまう。
「~~~~離せって!!!」
今の俺は体が小さい。その分、化け物の手にすっぽり収まっているし、なんなら、顔も包まれそうだ。
「ひっ!?」
まだ何かしようとしているのか。空いている方の水の手も伸ばしてきた。
「死んだ──」
何も抵抗できず、何をすればいいのかも分からない。ただただ、握りつぶされるのを待つだけ。
「っ──……」
咄嗟に目を閉じた――――そんな時、下から、聞き覚えのある声が聞こえた。
『ちょっと。僕の体でそんな体たらく晒さないでくれる? ものすごく不愉快なんだけど』
この声は、俺が事故にあった時に聞こえた声と、同じ……?
0
お気に入りに追加
31
あなたにおすすめの小説
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【R18】異世界なら彼女の母親とラブラブでもいいよね!
SoftCareer
ファンタジー
幼なじみの彼女の母親と二人っきりで、期せずして異世界に飛ばされてしまった主人公が、
帰還の方法を模索しながら、その母親や異世界の人達との絆を深めていくというストーリーです。
性的描写のガイドラインに抵触してカクヨムから、R-18のミッドナイトノベルズに引っ越して、
お陰様で好評をいただきましたので、こちらにもお世話になれればとやって参りました。
(こちらとミッドナイトノベルズでの同時掲載です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる