【R18】愛するつもりはないと言われましても

07 王都の有名なおしどり夫婦

「はっ……！　グレンしゃま……ぁっ」
「悪いが経験がないのでね。どこがいいのか、君がつぶさに教えてくれると助かる」
「ふあぁいっ……！」
「女性は、ここの尖りを可愛がると悦ぶのだと、同僚たちが言っていたのを聞いたな」

　グレンは流れる愛液を指に纏わせて、繁みの奥で震える陰核をくるくると刺激した。

「ひあぁっ……！　ぐれ……しゃまっ、それっきゅんきゅんっ……しゅりゅ……！」
「やはりここがいいのか」

　そう言って舌を出すと、グレンはぺちゃぺちゃと音を立てながら尖りを弾いた。
　時折くちびるで挟んで吸い上げて、ミラベルの反応を見ながら舌で包み込む。
　どうやら彼が努力家だというのは本当らしい。初めは恐る恐るだった舌先も、今やミラベルへ的確に快楽を与えている。

「あっ……！　ぐれんさま……ベルは、なんだかこのなかがとっても切なくなって……」

　指先を使い、くぱぁっと蜜口を割開く。いやらしい音と共に愛液がとろりと滴って、純白のシーツを汚してしまった。

「挿入の前に、よく解さなければならないと聞いた。可愛い妻の身体に痛みなど与えるわけにはいかないからな……いくぞ」
「んぁっ！　あっ……ぅ」

　ゆっくりとグレンの筋くれだった指先が、ミラベルのなかに入ってくる。
　初めての異物感に顔をしかめるも、お腹側をぬるりと撫でられて震えてしまう。そしてそれを知ったグレンは、にやりと口角を上げ、そこを重点的に責め立てた。

「あっ、あぅぅ……っ！　んっ、ぐれんさ……っ」
「なるほど。気持ちが良ければここはこんなにも締め付けてくるのか。だがこれでは私のものはまだ入らないな……もう一本、指を増やすとしよう」
「ん～～～～～っ！」

　その圧迫感に目を見開いた。変わらず優しくトントンしてくれて、更には落ち着けるように口づけまでしてくれる。
　ミラベルはグレンの首裏に手を回し、夢中で唇を貪った。

「んっ、ふ……っぅ、あぁっ……、ぐれんしゃまぁっ、も、おねがいっ」

　潤んだ瞳で見つめると、グレンの男らしい精悍な顔は真っ赤に染る。こんな姿を見られるのはきっと妻の特権で、それがミラベルだったことに嬉しくなる。

「し、しかし完全に解れたかどうかはまだ……」
「いいのっ！　はやく、ベルはグレン様と繋がりたいの」
「うっ」

　むくりと膨れ上がった欲望に手を添えて、グレンはミラベルのあわいにその切っ先をあてがった。

「んっ」
「痛かったら、言ってくれ」
「痛くても、やめちゃいやです……」

　みちみちと音が聞こえそうなほどの隘路を、グレンはゆっくりと進めていく。
　蕩けきった蜜路はグレンを奥へ奥へと誘導しているようだったけれど、ある一点に差し掛かると途端に苦しくなってしまった。

「っぐれんさま、どうか……」
「っは……辛いか？　すまない、私ばかりいいようだ……君のなかはあたたかくて、きつくて……油断すると一瞬で達してしまいそうだ」

　そう言ってグレンは耐えるように顔を顰め、ミラベルを抱きしめる。そんな愛する人の包容力に、強張っていたミラベルの力が抜け、トンッと一気に彼のものが奥を突いた。

「ひぅ……！」
「ああ、どうやら奥まで挿入はいったようだ……っ」

　そこからの腰遣いは容赦なかった。
　流石は騎士である。身体の使い方が半端ないし、相手の弱い部分を的確に見極める術を知っている。
　最初の勢いはどこへやら、翻弄されっ放しのミラベルだ。

「あっ、あん……っ！　ひぁっ、そんなっとんとんされたらぁっ！」
「これが好きなのか？」

　身体を起こし、腹を突き上げるように抉れば、ミラベルの身体は面白いように跳ねた。
　きゅうきゅうにグレンを締めつけて、襞でそれを甘く扱く。

「っは、ぁ……これは、耐えるのもなかなかに大変だ。君の身体はどこをどうしても素晴らしすぎる」
「んぁあっ……！　うれし……っ、グレンさま、もっとベルで、気持ちよくなって……っ！」

　ぐいっとグレンが膝裏を持ち上げたから、ミラベルはふたりの結合部分をその目に映すこととなる。

　──ふぇえっ！？　き、金獅子の鬣たてがみが控えめすぎて、抜き差しが丸見えなんですけど……！？　え、えっちだ……！！

「くっ、締めすぎだ、ベル」
「ふえっ……！　ぐれんさま、しゅきしゅきぃっ……！」
「ま、まて君が先に達しなくては……」
「あっ……！　んっ、それなら、今夜はずっと、寝ずにお相手をお願いいたします、愛しいベルの旦那さま……♡」



　こうして、ハンプトン伯爵夫妻は無事、王都でも有名なおしどり夫婦と呼ばれるようになったのだった。



おしまい♡