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03 わたくしはあなた様の妻ですの
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◇
「ま、待てミラベル嬢! 君がどうしてもと言うから来ただけで、私は夫婦らしく過ごすつもりはないと……!」
「まぁ、嫌ですわグレン様。もうわたくしはあなた様の妻ですのよ? どうぞミラベルとお呼びになって♡」
「酒でも煽ったのか!?」
正気でこんなことをする女性がいるとは思えない。
グレンは今、裸でいるよりも淫猥な下着を身に着けた美女に迫られている。その腕をひねりあげ、昏倒させることは容易いが、今まで女っ気のなかったグレンは女性の扱いというものを知らない。もし強く握りすぎて痣でもできてしまっては大変だと、触れられないのである。
そうこうしているうちに、前開きになっているナイトウェアのボタンをみっつ外されてしまった。ベッドに仰向けで寝転がり、ミラベルはそんなグレンの腰に跨っている体勢だ。
抗議しようと頭を起こした瞬間、グレンの目に飛び込んできたのは豊満な胸の谷間。
ひらひらとした透け感のあるリボンで胸元を覆ってはいるが、大きな胸を寄せるように持ち上げるそれは、より女の色香を煽りたてている。
「くっ……」
唸ったのは彼女の肉感的な魅力にやられたからだけではない。触れるか触れないかの優しい手つきで、そっと胸元の素肌を撫でられたからだ。
戦いに身を置く軍人の身体は決して綺麗なものではないが、ミラベルはグレンの身体に残る無数の傷跡を、慈しむようになぞった。
「どきなさい、ミラベル嬢……っ、大人を揶揄うものではない」
「ミラベルと……いいえ、なんならベルとお呼びになって♡ わたくしだってもう二十五ですわ。デビュタントしたての、若さだけが取り柄の小娘じゃございませんわ」
「んんっ……?!」
カリッと爪で小さな乳首を引っ掻かれ、よくわからない刺激に呆然となってしまう。腰のところに何かがもやもやとわだかまって、見開いた眼をミラベルに向けた。
「あはっ♡ 感度がよろしいのかしら? グレン様ってば、女性関係のお噂はどれだけ探っても出てきませんでしたけれど、よっぽどうまく隠していらしたのね? くやしい……ベルに上手くできるかわかりませんけれど、精一杯努めさせていただきますわ♡」
「まっ……!」
左の乳首を捏ねながら、ミラベルはグレンのくちびるを吸う。
グレンは抵抗のつもりでくちびるを結んでいたけれど、胸の先を強くつねられた瞬間にそれが緩んでしまった。するとこれ幸いと舌が滑り込んできて、縮こまったグレンのそれを擽っていく。
「うっ……! や、めなさい……!」
「んむ……っ、そう言いながらも、ここを弄られて、とってもよさそうなお顔をしておりますわぁ?」
恍惚とした表情でグレンの素肌を撫でまわすミラベルは、驚くほど淫らだった。彼の身体をまさぐり欲情する妻の姿に、グレンはいけないと思いながらも、その欲望がむくりと顔を上げるのを感じてしまう。
──まずい、これを知られては……!
そう思うより早く、ミラベルの柔らかな臀部がグレンのそこへ押し付けられた。
「ま、待てミラベル嬢! 君がどうしてもと言うから来ただけで、私は夫婦らしく過ごすつもりはないと……!」
「まぁ、嫌ですわグレン様。もうわたくしはあなた様の妻ですのよ? どうぞミラベルとお呼びになって♡」
「酒でも煽ったのか!?」
正気でこんなことをする女性がいるとは思えない。
グレンは今、裸でいるよりも淫猥な下着を身に着けた美女に迫られている。その腕をひねりあげ、昏倒させることは容易いが、今まで女っ気のなかったグレンは女性の扱いというものを知らない。もし強く握りすぎて痣でもできてしまっては大変だと、触れられないのである。
そうこうしているうちに、前開きになっているナイトウェアのボタンをみっつ外されてしまった。ベッドに仰向けで寝転がり、ミラベルはそんなグレンの腰に跨っている体勢だ。
抗議しようと頭を起こした瞬間、グレンの目に飛び込んできたのは豊満な胸の谷間。
ひらひらとした透け感のあるリボンで胸元を覆ってはいるが、大きな胸を寄せるように持ち上げるそれは、より女の色香を煽りたてている。
「くっ……」
唸ったのは彼女の肉感的な魅力にやられたからだけではない。触れるか触れないかの優しい手つきで、そっと胸元の素肌を撫でられたからだ。
戦いに身を置く軍人の身体は決して綺麗なものではないが、ミラベルはグレンの身体に残る無数の傷跡を、慈しむようになぞった。
「どきなさい、ミラベル嬢……っ、大人を揶揄うものではない」
「ミラベルと……いいえ、なんならベルとお呼びになって♡ わたくしだってもう二十五ですわ。デビュタントしたての、若さだけが取り柄の小娘じゃございませんわ」
「んんっ……?!」
カリッと爪で小さな乳首を引っ掻かれ、よくわからない刺激に呆然となってしまう。腰のところに何かがもやもやとわだかまって、見開いた眼をミラベルに向けた。
「あはっ♡ 感度がよろしいのかしら? グレン様ってば、女性関係のお噂はどれだけ探っても出てきませんでしたけれど、よっぽどうまく隠していらしたのね? くやしい……ベルに上手くできるかわかりませんけれど、精一杯努めさせていただきますわ♡」
「まっ……!」
左の乳首を捏ねながら、ミラベルはグレンのくちびるを吸う。
グレンは抵抗のつもりでくちびるを結んでいたけれど、胸の先を強くつねられた瞬間にそれが緩んでしまった。するとこれ幸いと舌が滑り込んできて、縮こまったグレンのそれを擽っていく。
「うっ……! や、めなさい……!」
「んむ……っ、そう言いながらも、ここを弄られて、とってもよさそうなお顔をしておりますわぁ?」
恍惚とした表情でグレンの素肌を撫でまわすミラベルは、驚くほど淫らだった。彼の身体をまさぐり欲情する妻の姿に、グレンはいけないと思いながらも、その欲望がむくりと顔を上げるのを感じてしまう。
──まずい、これを知られては……!
そう思うより早く、ミラベルの柔らかな臀部がグレンのそこへ押し付けられた。
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