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【挿絵あり】番外編 うれしはずかし夏休み
12 いじわる
しおりを挟む「あっ! あぅ……っ! んっ、ベイルやだぁっ! も、おくまでベイルのいれてほし……」
「……はぁ……っとにあんたって人は……」
ベイルは呆れたようにそう呟き、くったりとベッドに沈んでいるヒルデガルドを抱き起こす。
そして首裏に手を回させたと思えば、凶悪なその楔で、ヒルデガルドの奥深くを勢いよく貫いた。
「ひあぁっ!!?? あっ、ぁあ……っ!」
「ンっ……、ありえないくらいどろどろだな……俺ぁ、あんたがやらしいことを言わされて恥じらう姿を見たかったわけなんですけどね。自分から言うなんて、そういえば羞恥心とは無縁の人だったの忘れてました」
もうベイルの言うことなんて耳に入ってこなかった。
指すら入れてもらえていなかった隘路を、滾りきった極太の肉槍がみちみちとこじ開け、深くまで突き刺しているのだ。
たったそれだけのことで、ヒルデガルドの網膜にはチカチカと星が飛び、膣内が大きくうねる。
そしてそこで、彼女の思考がふつりと途切れた。もう目の前の快楽のことしか考えられなくなってしまったのだ。
「あんっ! ンッ、んぅ……!」
「キツ……! 挿れただけでイくとか、本当に俺好みのひとですね……っ!」
そう言いながら、ベイルは容赦なく下からヒルデガルドを突き上げた。
子宮がつぶされ、内臓が押し上げられて苦しいくらいなのに、そんな暴力的な快楽すらもっと欲しくてしょうがない。ヒルデガルドは必死にベイルにしがみつき、ただただ本能のままに腰を振る。
彼のぶ厚い胸板に圧され、ヒルデガルドの胸が形を変えた。身体が揺さぶられるたびにその先端が捏ねられて、また新たな官能が生まれてしまう。
もう何度達したのかもわからない。さっきからずっと、痙攣を繰り返した身体は自分のものじゃないみたいだ。
あまりにも強烈な悦楽に、ヒルデガルドはグズグズと幼子のように涙を流す。
「そんなにいいのか。可愛いな」
「ひぃん……っ!」
「可愛い。可愛いよ、ヒルデ」
「あっあっあっ……!」
耳元で愛しげに囁かれ、うねる肉襞がきゅぅっとベイルを締めつける。愛しさが溢れて止められない。
何度も深い口付を交わし、そのままベッドに倒れ込む。縋るように伸ばした指先は絡め取られ、ベイルへと引き寄せられた。
その拍子に彼の雄が最奥を抉り、それが新たな愉悦を生む。
「っは……ヒルデ、愛してる」
「んンッ……! わっ、ゎたくし、もっ……!」
知ってるよ、と緩く笑って、ベイルはヒルデガルドの腹の裏を大きく突き上げた。
「ひぅ……!」
呼吸が止まる。衝動に、上手く息ができない。
「俺はあんたが……ッ、こんなにも可愛くて、仕方ないんですよ。ヒルデガルド」
口角を上げながら放たれる言葉に、また彼を締めつける。
きっとこれは意地悪だ。とっても甘い言葉責め。硬派な婚約者が滅多に口にしない愛の言葉は、それだけでヒルデガルドを追い詰める。
「あっ、あぅ……っ! も、だめまたいっちゃ……」
「っ俺も……、あんたの中で、果てたい」
「あっ、あぁんっ! らめぇ……っ!」
泣き叫ぶヒルデガルドをきつく抱きしめ、ベイルは迸る熱い飛沫を、彼女の最奥へと叩き込むように放った。
──その後
珍しく意識を飛ばしてしまった姫様を見て、やりすぎだと反省をし、甲斐甲斐しく世話を焼くベイル。
一方で、この一連の流れの味を占めた姫様がしばらくの間、あの手この手でベイルを怒らせる行動を取ろうとするのだが。
それをこの時の彼は、まだ知らない。
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姫様おかえりなさいまし!
王族の威厳をこれでもかと見せつけるところとか、おっぱい密着させてるのにどうなってんだ、なところとか、本当に姫様は期待を裏切らない🤣
挿絵も綺麗で楽しそうで、夏らしく爽やかでとてもいい!ベイル嬉しそうですね〜!かわいい♡
ベイルがどれだけブチ切れお仕置きしようが全てご褒美になっちゃうんだよね、わかるもっとしろください☺️
ちまきさんありがとうございます!
ただいま帰りもうしました♡♡
私の好きをてんこ盛りしたので、楽しんでもらえてとっても嬉しいです✨✨
最高に素敵な挿絵も見ていただけて幸せです!
お仕置きってほら…ご褒美的なところありますもんね…?☺️エヘヘ
いつも大事に大事にされている分、リミッター外したみたいにめちゃくちゃにされて喜んじゃう姫様なのでした♡
また次も書きます!😘
やっぱ姫様いい!(・∀・)イイ!!
雄っぱいも臀も、気がつけば揉んでるとこ好き過ぎる♡♡♡笑
めっちゃ好みの誘い受けと攻めなのに、ベイルの天下が短過ぎるのもツボです(笑)
ベイルが情けないと言うより、姫様のセクハラ攻撃が強過ぎるんだなw
この2人のお話がまた読めて最高に嬉しいです♡\( *´꒳`*)/
番外編ありがとうございました!!m(_ _)m
お猫様の下僕さん、嬉しいコメントありがとうございます!🍑✨✨
隙あらばお触りしてしまう姫さまを好きと言っていただけてすごく嬉しいです!🙈
ベイルの天下が短いのは確かですね笑
彼は昔からずーっと従者をしてきていて、姫さまが(ベイルのこと以外は)超有能だってことを知っているので、そこは神格化というか敬うべき相手って刷り込まれているのだと思います!
なので本当は抵抗なんて簡単だけど押し負けちゃう🍑あと単純に惚れた弱みですね…😂
この2人は私もお気に入りなので、また何かしら書きたいです✨お読みくださり感想までありがとうございました!🍑
やっぱり姫さまは可愛い♡
ベイルの姫様っていうのがすごくいいなぁって!
高貴なお方だけど、ベイル氏にだけは全てを許してる感じがして、好き!
ノリノリな姫さま本当可愛いし、ベイル氏に会うために密かに色々頑張ったんだろうなぁと思うと健気で…!
最後にやっぱりお尻撫でてて、それでこそ姫さま!って思いました(笑)
夕月さんありがとうございます!🍑
姫さまはほんとにお気に入りキャラなので可愛い嬉しいです🥰
「ベイルの姫様」はベイルの独占欲とか、普段は出してない溺愛感情とか表現できたかなと思って気に入っています🤭
恋する乙女は強いけど、癒しも必要なのでした…(ブレない性癖w🍑✨✨)