上 下
19 / 40
番外編 ベイルの一大事

04 手加減できない

しおりを挟む
 息を整えていると、コルセットの紐を緩められた。その解放感が心地いい。押しつぶされていた大きな乳房がぶるんっとまろび出て、すぐさまそれを掬いあげられた。
 ぐにぐにと形が変わるほどに揉まれて苦しい。けれども先端の敏感な部分を捏ねられた瞬間に、甘い喘ぎが漏れて出る。

「あっ、んンッ……! は、ぁ……ベイル……」

 とんでもなく媚びた声色に、ヒルデガルド自身も驚き目を丸くした。たった今絶頂まで導かれたばかりだというのに、貪欲な身体は、もっと深い部分への繋がりを求めてやまない。

「…………愛してるわ……」

 そう言って、はだけている胸元をなぞる。弾力のある大胸筋の厚みは、うっとりとするほど心地いい。
 ベイルはそんな微かな刺激にすら耐えるように目を瞑り、恐るべき速さで衣服を引きちぎるようにして脱ぎ去った。

「……後で、罰……なら、受けます。今、あんたを前にして……手加減する余裕がない」

 互いに裸の状態で、痛いぐらいに抱きしめられる。
 いつの間にか素足になっていた踵が浮いていて、首筋に熱いくちびるが押し付けられた。チリっと灼けるような痛みが走り、独占のしるしを付けられたと思ったらもうダメだった。

「ンッ……! はやく、抱いてベイル……」
「──っ!」

 すぐさま抱えられ、天を突く凶器のようなそれで、どろどろに溶けた狭路を一気に押し開かれた。
 
「んんっ……! っは、あっあっ!」

 ゴリッ! と自らのなかで、大きな音がした気がする。
 視界が涙で滲む。息がうまくできない。
 散々愛撫はされていたけれど、いつものように十分なかを解されてはいない。狭いままだった蜜路は無理矢理開かれて、それでも悦びを知っている女の身体は歓喜に震え、収縮した襞がそれを締めつける。

「や、ぁ……ベイル……っ」

 落ちないようにと首裏に手を回し、彼の太くずっしりとした腰に脚を絡めてしがみつく。だがそうすれば、自らの重みでどんどんと熱杭が深いところまで突き刺ささってしまう。
 そして遂にその切っ先が、とんっとヒルデガルドの子宮口にキスをした。

「んっ……! や……だ、おく、が……っ!」

 ベイルはぎゅうっと彼女を抱きしめたまま、更に自身を押しこめる。
 彼女の最奥をこじ開けようとするその動きは次第に激しさを増し、気づけば溢れ出る蜜をかき出すよう、強く揺さぶられてしまう。

「あっ、あぁっ! まっ……、こっ、こわれちゃぅ……っ!」

 自重のせいか何度も奥を抉られて、ヒルデガルドの限界はすぐそこだった。
 言葉にならない喘ぎが止まらない。強く抱かれ、互いの胸がつぶれて苦しいほどなのに、時折肌で捏ねられる先端がひどく甘い痺れをもたらしてくる。

「んぁあっ! も、らめ……! ベ、イル……、いっちゃ……ひぁっ!」
「っく……っ!」

 揺さぶられ、彼の滾りが彼女の一点を掠めた瞬間、ヒルデガルドのなかが歓喜に戦慄いて、それを何度も締め付けた。
 愛する人の子種をねだるような甘い収縮に、ベイルはあっさりと陥落する。だが熱い飛沫がたっぷりとヒルデガルドのなかを満たすと、放心し脱力した彼女を抱えなおした。

「ふ……、ぁ……っ」
「……まだだ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

慰み者の姫は新皇帝に溺愛される

苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。 皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。 ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。 早速、二人の初夜が始まった。

【R18】軍人彼氏の秘密〜可愛い大型犬だと思っていた恋人は、獰猛な獣でした〜

レイラ
恋愛
王城で事務員として働くユフェは、軍部の精鋭、フレッドに大変懐かれている。今日も今日とて寝癖を直してやったり、ほつれた制服を修繕してやったり。こんなにも尻尾を振って追いかけてくるなんて、絶対私の事好きだよね?絆されるようにして付き合って知る、彼の本性とは… ◆ムーンライトノベルズにも投稿しています。

大事な姫様の性教育のために、姫様の御前で殿方と実演することになってしまいました。

水鏡あかり
恋愛
 姫様に「あの人との初夜で粗相をしてしまうのが不安だから、貴女のを見せて」とお願いされた、姫様至上主義の侍女・真砂《まさご》。自分の拙い閨の経験では参考にならないと思いつつ、大事な姫様に懇願されて、引き受けることに。  真砂には気になる相手・檜佐木《ひさぎ》がいたものの、過去に一度、檜佐木の誘いを断ってしまっていたため、いまさら言えず、姫様の提案で、相手役は姫の夫である若様に選んでいただくことになる。  しかし、実演の当夜に閨に現れたのは、檜佐木で。どうも怒っているようなのだがーー。 主君至上主義な従者同士の恋愛が大好きなので書いてみました! ちょっと言葉責めもあるかも。

【R18】国王陛下はずっとご執心です〜我慢して何も得られないのなら、どんな手を使ってでも愛する人を手に入れよう〜

まさかの
恋愛
濃厚な甘々えっちシーンばかりですので閲覧注意してください! 題名の☆マークがえっちシーンありです。 王位を内乱勝ち取った国王ジルダールは護衛騎士のクラリスのことを愛していた。 しかし彼女はその気持ちに気付きながらも、自分にはその資格が無いとジルダールの愛を拒み続ける。 肌を重ねても去ってしまう彼女の居ない日々を過ごしていたが、実の兄のクーデターによって命の危険に晒される。 彼はやっと理解した。 我慢した先に何もないことを。 ジルダールは彼女の愛を手に入れるために我慢しないことにした。 小説家になろう、アルファポリスで投稿しています。

王女、騎士と結婚させられイかされまくる

ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。 性描写激しめですが、甘々の溺愛です。 ※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。

【完結】【R18】男色疑惑のある公爵様の契約妻となりましたが、気がついたら愛されているんですけれど!?

夏琳トウ(明石唯加)
恋愛
「俺と結婚してくれたら、衣食住完全補償。なんだったら、キミの実家に支援させてもらうよ」 「え、じゃあ結婚します!」 メラーズ王国に住まう子爵令嬢マーガレットは悩んでいた。 というのも、元々借金まみれだった家の財政状況がさらに悪化し、ついには没落か夜逃げかという二択を迫られていたのだ。 そんな中、父に「頼むからいい男を捕まえてこい!」と送り出された舞踏会にて、マーガレットは王国の二大公爵家の一つオルブルヒ家の当主クローヴィスと出逢う。 彼はマーガレットの話を聞くと、何を思ったのか「俺と契約結婚しない?」と言ってくる。 しかし、マーガレットはためらう。何故ならば……彼には男色家だといううわさがあったのだ。つまり、形だけの結婚になるのは目に見えている。 そう思ったものの、彼が提示してきた条件にマーガレットは飛びついた。 そして、マーガレットはクローヴィスの(契約)妻となった。 男色家疑惑のある自由気ままな公爵様×貧乏性で現金な子爵令嬢。 二人がなんやかんやありながらも両想いになる勘違い話。 ◆hotランキング 10位ありがとうございます……! ―― ◆掲載先→アルファポリス、ムーンライトノベルズ、エブリスタ

奥手なメイドは美貌の腹黒公爵様に狩られました

灰兎
恋愛
「レイチェルは僕のこと好き? 僕はレイチェルのこと大好きだよ。」 没落貴族出身のレイチェルは、13才でシーモア公爵のお屋敷に奉公に出される。 それ以来4年間、勤勉で平穏な毎日を送って来た。 けれどそんな日々は、優しかった公爵夫妻が隠居して、嫡男で7つ年上のオズワルドが即位してから、急激に変化していく。 なぜかエメラルドの瞳にのぞきこまれると、落ち着かない。 あのハスキーで甘い声を聞くと頭と心がしびれたように蕩けてしまう。 奥手なレイチェルが美しくも腹黒い公爵様にどろどろに溺愛されるお話です。

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

処理中です...