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本編

07 溺れる身体

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「あはっ、なんやもうイッてしもたん? 初めてやのにえらい気持ちよさそうやったやん。もしかしてあやめちゃん、ここ自分で触ったことある?」

 そう言って、藤の指はあやめの秘裂を割り入って、ゆっくりと浅いところをかき混ぜた。

「あっ、やぁっ! んっ、そんなの、な……っ、藤さんがっ! っするから……ぁっ、そんな、……ぁあんっ」
「…………なんそれ。かわいすぎるんやけど。あぁもう、はよブチ込みたなるわ……あやめちゃん、今日はいっぱいしよな?」
「ンッ! あっ、ふじさ……っ、も、いっかいきゅうけ……ぃっ!」
「あ~……、あやめちゃんのなか、めっちゃ狭くてぬるぬるで、絶対気持ちええわ……傷つけんように、しっかりほぐしとこな」
「あっ、はぁ……っ! んぅっ、ふじさん……っ」

 つぷり、差し込まれた指は二本に増える。藤はゆっくりと奥へ進みながら、なかを押し広げるように指をバラバラに動かし始めた。
 違和感しかなかったその行為も、次第にそれだけじゃなくなっていく。ぐちゅぐちゅといやらしい水音が響き渡り、そのことにまた身体を熱くした。

 さきほど達した蕾の時のような鋭い官能はないものの、じっくりと藤に身体を作り替えられていくような錯覚を起こす。
 そしてそれが藤の好みであればいいのに、なんてうっかり思ってしまい、知らずに彼の指をきつく締めつけた。

「ええ子やなぁあやめちゃん。もうこのなか感じるようになってきたん? はよ俺ので可愛く喘ぐあやめちゃんが見たいな……せやから、あとちょっとがんばろな?」
「あぅ……! んっ、ふじさん、おねがい、キス……っぅ」

 言い終わらぬうちにそれが与えられて、あやめは必死に藤の舌をしゃぶる。首裏に手を回し密着して、何度も唇を押しつけた。
 淫らなキスが、口の中がこんなにも気持ちいい場所だったなんて誰も教えてくれなかった。それとも、相手が藤だからそんなふうに思うのだろうか。
 朦朧とする頭ではそれ以上何も考えられず、ただただ快楽を貪るだけ。

 その間も藤はあやめのなかを愛撫して、更にもう一本指を増やしていく。
 さすがに入り口がきつい気がするけれど、早く彼のものを受け入れたい。やめてほしくない。
 あやめは藤に抱きつきながら、彼との口づけに溺れていく。

「んふ、ぅ……っは、ぁ……」
「は……、そろそろええかな」

 小さく呟いて、藤は身体を起こしてシャツを脱ぐ。チャリ、とシルバーのネックレスが素肌に滑り落ち、控えめな音を立てた。
 藤は細身だとばかり思っていたがそういうわけでもなく、かといって筋肉もつきすぎていない、とてもいい身体をしている。
 男の人の裸なんて見慣れていないあやめは赤面して、けれども視線は藤の身体に釘付けだった。
 藤は避妊具を手に取り前を寛げると、あやめの視線を遮るようにキスをする。

「んぅっ」
「っは……、このまま、挿れるで。だいぶほぐしたから大丈夫や思うけど、痛かったら言うてな」
「はっ、はぃ……!」

 藤は自身の滾りをあやめの秘裂にあてがって、愛液をまぶすように数度行き来する。
 そしてあやめを抱きしめたまま、あろうことか一気にそれを押し込めたのだった。

「あぁっ────!!!!」

 瞬間、目の前が真っ白になり、星が散る。
 つながった部分がとんでもなく熱い。
 みっちりとなかを圧迫する熱杭は内臓を押し上げ、息をするのもままならない。
 じんっと鈍い痛みがあやめを襲う。だが痛みだけじゃない、何かもあって。

「はぁ……あやめちゃんのなか、想像以上やわ……痛むんやったら一瞬の方がええやろ思って一気に挿れたけど、だいじょうぶやった?」
「ひんっ!」

 耳元で囁く声がいやらしい。
 ぞくりと快楽が身体を駆け、埋められた藤を締め付けてしまう。

「っ、あやめちゃん、それは反則やって……」
「わっ、わたし、しらな……ンぅっ」

 藤はあやめの唇を奪い、荒々しく舌を絡め取る。藤とのキスはとんでもなく心地良くて、癖になりそうで本当に恐ろしい。
 そう思うと知らずに強張っていた身体の力が抜けて、つながりの部分からは微かな悦楽が呼び起されていった。

「なぁ、ちょっとだけ動いてもいい? あやめちゃんのなかキツすぎて……扱きたい」
「わかんな……っあの、ゆっくり……っ」
「ん、もう、痛ない?」
「いたくなぃっ、けど、ぁっ」

 藤はその言葉の通り、少しだけ腰を引き、押し込めるを繰り返す。だがその動きはとてもゆっくりで、却ってあやめの弱い部分を重点的に刺激することになる。

「ぁンっ! ふじさ、それ……っや、ぁん」
「んー? あやめちゃん、これも感じるん? はじめてでここも気持ちぃて、将来有望やなぁ」

 藤はそう軽薄に笑い、身体を起こした。立てたあやめの膝に手を添えて、ぞくぞくするほど色っぽい表情で彼女を見下ろしている。
 そして一突き、グッと穿てば、あやめの背中は弓なりにしなる。

「ひぁあ……っ!?」

 強烈な快楽があやめを襲う。反応してしまった腹側の一点を重点的に責められて、あやめは泣き叫ぶようにして喘ぐしかない。

「ひ……! やら、つよぃい……っ! まって、あっあっ……あああっ!」

 あやめの手を引き寄せ、藤は容赦なくどちゅどちゅと突き上げる。経験したことのない官能に呑まれ、あやめの視界は涙で歪んでいった。
 言葉にならない声が部屋に響く。気持ち良すぎて辛い。だけど、やめてほしいとは少しも思わなかった。

「あっあっ、ふじさんやだぁ……! も、すごいのきちゃう……!」
「っ、ええよ、ほなそのまま……一緒にイこ」
「あっ、やぁ……!」

 速まる律動に、あやめの身体はただただ快楽を享受する。打ち付ける衝動を抱きしめ、肉襞が媚びるように絡みついていた。

「あっあっ、あああああっ!」
「ン……ッ」

 いっそう深く抉られるのを感じて、あやめは盛大に達したのだった。
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