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番外編
17、夜は長いので【5】
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俺を受け入れながら達するレナーテは、本当に美しい。
目隠しをしているから、恥じらいながらもちゃんと抵抗が出来ず。さらにその様子が、窓ガラスに映されて、ぞくりとするほどの色香を滲ませている。
外は暗く、すでに空と庭の木々の区別もつかないほどだ。なのに、ガラスには白くなまめかしい体をさらしたレナーテが映っていて。
目隠しをされ、俺の指を咥えて、そして俺を受け入れてもいる。
「綺麗だよ、レナーテ」
「ん……んんっ、……ぅ」
きっと「仰らないで」と言いたいのだろう。
ごめんな。俺はあなたが恥ずかしがることをしてしまうな。
だが夜はまだ長い。申し訳ないが、簡単には離してあげられないんだ。
体勢を変えて、レナーテをベッドに横たえようとした。その時のことだ。
「エルヴィンさま……離さないで」
「レナーテ?」
ああ、なんと愛らしいのだろう。俺は仰向けに寝かせたレナーテの唇にキスをした。
「大丈夫。ここにいるよ」
目隠しをされたレナーテが安心するように、彼女の手を取り、俺の頬に触れさせる。
ぎしりと軋むベッド。
再び彼女と繋がると、さっき達したばかりのレナーテは甘い喘ぎ声を洩らした。
敏感になった体に、さらに甘美な快感を与える。
汗ばんだ白い肌が、てのひらに吸いついてくるようだ。
「あ、いや……だめぇ」
「駄目なら、やめようか?」
意地悪く尋ねると、レナーテはふるふると首を振る。その度に目を覆う腰紐の端が揺れた。
「嫌なら、もう終えるけど」
「……お、終わらない、で」
「そうだね。あなたは奥を穿たれるのが好きだから」
俺は、レナーテの足を上げさせて、最奥を貫いた。同時に、片手の指で彼女の下腹部を軽く弾く。
「ひ……っ。ぁ……あ」
「うん。気持ちいいなら言葉にしてごらん」
「き、気持ち、いいです」
「よく言えたね」と褒めてやりながら、彼女を絶頂に導いていく。
「も……無理」
レナーテはシーツに爪を立てながら、背をのけぞらせて達した。白く細い首にも、俺のキスの痕が残る柔らかな胸にも、汗が滲んでいる。
俺だけのレナーテ。俺だけが触れていい貴女。
目隠しを外してやると、潤んだ瞳が俺を見つめていた。
どれほどの時間が過ぎただろう。
何度も達したレナーテは、さすがにぐったりとしていた。
床に落とした寝間着をレナーテに着せてやり、薄手の木綿のブランケットを掛けてやる。
その時、レナーテがうっすらと瞼を開いた。
浅い眠りだったのだろう。柔らかく微笑んで、俺に手を伸ばしてくる。
「ここにいるよ。ゆっくりおやすみ」
「はい」という言葉にはならなかったが、確かに薔薇色の唇がそう動いたんだ。
◇◇◇
体が軋んで痛むのです。
なのに、甘美な余韻の中をたゆたうようで。果てのない快感に、わたしはエルヴィンさまにしがみつきました。
そのたびに、エルヴィンさまはわたしの頭を撫でてくださいます。
気づけば、いつの間にかわたしは寝間着を着て……いいえ、エルヴィンさまが着せてくださったのね。
大きな手でゆっくりと頭を撫でられると。まるで責任のある母親ではなく、エルヴィンさまに守られた一人の少女に戻ったような気がしたの。
目隠しをしているから、恥じらいながらもちゃんと抵抗が出来ず。さらにその様子が、窓ガラスに映されて、ぞくりとするほどの色香を滲ませている。
外は暗く、すでに空と庭の木々の区別もつかないほどだ。なのに、ガラスには白くなまめかしい体をさらしたレナーテが映っていて。
目隠しをされ、俺の指を咥えて、そして俺を受け入れてもいる。
「綺麗だよ、レナーテ」
「ん……んんっ、……ぅ」
きっと「仰らないで」と言いたいのだろう。
ごめんな。俺はあなたが恥ずかしがることをしてしまうな。
だが夜はまだ長い。申し訳ないが、簡単には離してあげられないんだ。
体勢を変えて、レナーテをベッドに横たえようとした。その時のことだ。
「エルヴィンさま……離さないで」
「レナーテ?」
ああ、なんと愛らしいのだろう。俺は仰向けに寝かせたレナーテの唇にキスをした。
「大丈夫。ここにいるよ」
目隠しをされたレナーテが安心するように、彼女の手を取り、俺の頬に触れさせる。
ぎしりと軋むベッド。
再び彼女と繋がると、さっき達したばかりのレナーテは甘い喘ぎ声を洩らした。
敏感になった体に、さらに甘美な快感を与える。
汗ばんだ白い肌が、てのひらに吸いついてくるようだ。
「あ、いや……だめぇ」
「駄目なら、やめようか?」
意地悪く尋ねると、レナーテはふるふると首を振る。その度に目を覆う腰紐の端が揺れた。
「嫌なら、もう終えるけど」
「……お、終わらない、で」
「そうだね。あなたは奥を穿たれるのが好きだから」
俺は、レナーテの足を上げさせて、最奥を貫いた。同時に、片手の指で彼女の下腹部を軽く弾く。
「ひ……っ。ぁ……あ」
「うん。気持ちいいなら言葉にしてごらん」
「き、気持ち、いいです」
「よく言えたね」と褒めてやりながら、彼女を絶頂に導いていく。
「も……無理」
レナーテはシーツに爪を立てながら、背をのけぞらせて達した。白く細い首にも、俺のキスの痕が残る柔らかな胸にも、汗が滲んでいる。
俺だけのレナーテ。俺だけが触れていい貴女。
目隠しを外してやると、潤んだ瞳が俺を見つめていた。
どれほどの時間が過ぎただろう。
何度も達したレナーテは、さすがにぐったりとしていた。
床に落とした寝間着をレナーテに着せてやり、薄手の木綿のブランケットを掛けてやる。
その時、レナーテがうっすらと瞼を開いた。
浅い眠りだったのだろう。柔らかく微笑んで、俺に手を伸ばしてくる。
「ここにいるよ。ゆっくりおやすみ」
「はい」という言葉にはならなかったが、確かに薔薇色の唇がそう動いたんだ。
◇◇◇
体が軋んで痛むのです。
なのに、甘美な余韻の中をたゆたうようで。果てのない快感に、わたしはエルヴィンさまにしがみつきました。
そのたびに、エルヴィンさまはわたしの頭を撫でてくださいます。
気づけば、いつの間にかわたしは寝間着を着て……いいえ、エルヴィンさまが着せてくださったのね。
大きな手でゆっくりと頭を撫でられると。まるで責任のある母親ではなく、エルヴィンさまに守られた一人の少女に戻ったような気がしたの。
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