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番外編
15、夜は長いので【3】
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俺はレナーテを膝に座らせた。
ちょうど俺に背中を向ける形で、ベッドの端に腰かける。
目隠しをしていてよかったかもしれない。もし、視界を閉ざしていなければ強く抵抗されたことだろう。
オイルランプに照らされた部屋は仄明るく、月のない夜は窓の外の庭も真っ暗だ。
そして俺の膝に乗ったレナーテの裸身が、窓ガラスにははっきりと映っている。
そう、俺が残した赤い印までも。
鎖骨から胸の膨らみ、そして腿の内側や下腹部、足の付け根に至るまで。
彼女の両足を開かせて、花びらのような痕ひとつひとつを指で押さえる。
愛おしすぎて、さすがにキスをしすぎたかもしれない。これはしばらく、俺がカーリンを風呂に入れないと……だな。
レナーテの秘所を撫でてやると、彼女は細い体をのけぞらせながら悶えた。
ああ、なんと美しいのだろう。
ぼうっと仄白く見える裸身が、官能的に揺れる胸が、ガラスに映し出されている。
目隠しを施され、ハンカチを噛んだあなたは壮絶なほどに美しくて。俺は息を呑んだ。
口を塞がれていても、短く荒い呼吸は聞こえてくる。そしてくぐもった喘ぎ声も。
それまでじれったいくらいに、そっと撫でていた花芯。その小さく赤く染まった部分を、俺は指先で抓った。
「ん……っ、んん……ぁ」
びくっと激しくレナーテが反応し、そして背をのけぞらせて彼女は達した。
ああ、今すぐにもあなたと繋がりたい。滅茶苦茶にしてしまうほどに、あなたを抱きたい。
◇◇◇
一度達したのに。エルヴィンさまは愛撫の手を止めてくださいません。
視界が塞がれているけれど、両足を開いているんですもの。部屋は明るいはずですもの。
わたし、とても淫らな格好をしているはずです。
見えないからよけいに、自分の姿を想像して。
恥ずかしさに、せめて足を閉じたいのに。エルヴィンさまの大きな手が、それを許してくださらないの。
「ん……んんぅ、ん……っ」
喘ぐ声はすべてレースのハンカチに吸い込まれていきます。
聞こえてくるのは淫靡な水音。ぴちゃ……くちゅ、とエルヴィンさまの手の動きに合わせて、水音が聞こえるの。
この音は、エルヴィンさまの耳にも届いているわ。
「レナーテ。どこに触れているか分かるかい?」
分かります。ええ、エルヴィンさまの指はわたしの秘所を撫でているんです。
でも、口が塞がれていて良かったのかもしれません。
だって、エルヴィンさまはわたしに恥ずかしいことを言わせようとなさるんですもの。
「……っ、んん……んっ」
「ああ、痛いかもしれないな。今、慣らしているから少し我慢なさい」
違うの、痛いだけじゃないんです。
エルヴィンさまの指が、わたしの中に入って来て。なのに、ああ、エルヴィンさまはわたしの弱いところをご存じでいらっしゃるから。
「ふ……ぁ、ぁ……んんっ、ん」
「ほら、しっかりと咥えていないと。声が洩れるよ」
分かっているの。でも、指だけでまた達してしまいそうで、わたし……。
「ん……っ、う……ぁ、っ」
「駄目だよ。さっきいったばかりだろ」
意地悪を仰いながら、エルヴィンさまはわたしの中から指を抜きました。ぬらりと濡れた指が、わたしの頬に触れます。
焦らされ、放置されたわたしは、どうにもできなくて。
エルヴィンさまを求めて、彼の腕に手を伸ばしました。抱きしめて欲しかったのです。
ちょうど俺に背中を向ける形で、ベッドの端に腰かける。
目隠しをしていてよかったかもしれない。もし、視界を閉ざしていなければ強く抵抗されたことだろう。
オイルランプに照らされた部屋は仄明るく、月のない夜は窓の外の庭も真っ暗だ。
そして俺の膝に乗ったレナーテの裸身が、窓ガラスにははっきりと映っている。
そう、俺が残した赤い印までも。
鎖骨から胸の膨らみ、そして腿の内側や下腹部、足の付け根に至るまで。
彼女の両足を開かせて、花びらのような痕ひとつひとつを指で押さえる。
愛おしすぎて、さすがにキスをしすぎたかもしれない。これはしばらく、俺がカーリンを風呂に入れないと……だな。
レナーテの秘所を撫でてやると、彼女は細い体をのけぞらせながら悶えた。
ああ、なんと美しいのだろう。
ぼうっと仄白く見える裸身が、官能的に揺れる胸が、ガラスに映し出されている。
目隠しを施され、ハンカチを噛んだあなたは壮絶なほどに美しくて。俺は息を呑んだ。
口を塞がれていても、短く荒い呼吸は聞こえてくる。そしてくぐもった喘ぎ声も。
それまでじれったいくらいに、そっと撫でていた花芯。その小さく赤く染まった部分を、俺は指先で抓った。
「ん……っ、んん……ぁ」
びくっと激しくレナーテが反応し、そして背をのけぞらせて彼女は達した。
ああ、今すぐにもあなたと繋がりたい。滅茶苦茶にしてしまうほどに、あなたを抱きたい。
◇◇◇
一度達したのに。エルヴィンさまは愛撫の手を止めてくださいません。
視界が塞がれているけれど、両足を開いているんですもの。部屋は明るいはずですもの。
わたし、とても淫らな格好をしているはずです。
見えないからよけいに、自分の姿を想像して。
恥ずかしさに、せめて足を閉じたいのに。エルヴィンさまの大きな手が、それを許してくださらないの。
「ん……んんぅ、ん……っ」
喘ぐ声はすべてレースのハンカチに吸い込まれていきます。
聞こえてくるのは淫靡な水音。ぴちゃ……くちゅ、とエルヴィンさまの手の動きに合わせて、水音が聞こえるの。
この音は、エルヴィンさまの耳にも届いているわ。
「レナーテ。どこに触れているか分かるかい?」
分かります。ええ、エルヴィンさまの指はわたしの秘所を撫でているんです。
でも、口が塞がれていて良かったのかもしれません。
だって、エルヴィンさまはわたしに恥ずかしいことを言わせようとなさるんですもの。
「……っ、んん……んっ」
「ああ、痛いかもしれないな。今、慣らしているから少し我慢なさい」
違うの、痛いだけじゃないんです。
エルヴィンさまの指が、わたしの中に入って来て。なのに、ああ、エルヴィンさまはわたしの弱いところをご存じでいらっしゃるから。
「ふ……ぁ、ぁ……んんっ、ん」
「ほら、しっかりと咥えていないと。声が洩れるよ」
分かっているの。でも、指だけでまた達してしまいそうで、わたし……。
「ん……っ、う……ぁ、っ」
「駄目だよ。さっきいったばかりだろ」
意地悪を仰いながら、エルヴィンさまはわたしの中から指を抜きました。ぬらりと濡れた指が、わたしの頬に触れます。
焦らされ、放置されたわたしは、どうにもできなくて。
エルヴィンさまを求めて、彼の腕に手を伸ばしました。抱きしめて欲しかったのです。
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