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一章
46、夜の寝室で【4】
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苦しいんです。揺さぶられて、何がどうなっているのか分からなくて。
「レナーテ。痛みは?」
エルヴィンさまの声は、なぜか掠れています。言葉を発すると、舌を噛んでしまいそうで。わたしは、小さく首を振りました。
痛くはないのです。でも、体の中を占める圧迫感が、質量がすごくて。苦しくて。
なのに、浅いところを擦られると、痺れるような刺激に囚われて。
指を入れられるのとは違う感覚に、目眩がしそうです。
「ん……ぁ、ぁ……あ、だめ……」
「ああ、ここか」
違うの、違うんです。わたしは駄目だと告げているのに。
エルヴィンさまは、同じところばかりに刺激を与えてくるの。
「ぁ……ん、んん……っ」
「まだ達してはいけないよ。もっと気持ちよくしてあげるから」
わたしはシーツを握りしめ、エルヴィンさまの熱を感じるのに必死でした。
体内の重さと苦しさ、そしてじわじわと押し寄せて来る快感に気を取られて、すぐには気付かなかったのです。
「ひぁ……っ、エルヴィンさま、なにを」
「何も気にしなくていいから。溺れなさい」
「溺れるって……っあ、ぁ……ぁ、ん」
エルヴィンさまに穿たれながら、彼の指がわたしの花芯を撫でるんです。
目が眩むような愉悦。ああ、本当にこのまま溺れてしまいそう。
もう、何も考えられなくなります。
「エルヴィンさま……ぁ、わたし、もう」
「相変わらず早いね。レナーテは」
上体を屈め、エルヴィンさまがわたしの耳元に口をお寄せになります。
「いってもいいよ。だが安心しなさい、何度でもしてあげるから」
「……んん、ん……ぁ」
「ああ、もっと声を聞かせてくれないか? ほら、顔もちゃんと見せて」
ご無理を仰らないで。そう言いたいのに。わたしの口から発せられるのは、まともな言葉になっていませんでした。
「あ……ぁ、だめ、きちゃ……う、エルヴィン……さまぁ」
「綺麗だよ。レナーテ」
半開きになった唇は、閉じることすらできずにひたすら甘い喘ぎばかりを洩らしています。
快感の中に引きずり込まれ、わたしは悲鳴に似た声を上げて達しました。
なのに、エルヴィンさまは解放してくださらなくて。
「もぅ、わたし……今は、だめ」
「寝かせないと言ったよ。安心しなさい、無茶なことはさせないから」
達したばかりの体は敏感で、わたしはまたすぐに追い詰められたんです。
エルヴィンさまの熱い吐息、引き締まった肉体はしっとりと汗ばんで。
室内には二人の息遣いと、肌を打つ音ばかりが響いていました。
「く……っ、レナーテ……」
切なそうに眉根を寄せて、エルヴィンさまが体に力を入れます。
わたしは、自分がエルヴィンさまの精を受け止めるのを感じました。
エルヴィンさまが、わたしから体を離します。
わたしは思わず、彼の腕に手を伸ばしました。
「レナーテ」
「一人にしないで……」
エルヴィンさまは柔らかく目を細めると、わたしの頬にくちづけをなさいます。
「一人になどしないよ。俺が君を離すわけがないだろう?」
「レナーテ。痛みは?」
エルヴィンさまの声は、なぜか掠れています。言葉を発すると、舌を噛んでしまいそうで。わたしは、小さく首を振りました。
痛くはないのです。でも、体の中を占める圧迫感が、質量がすごくて。苦しくて。
なのに、浅いところを擦られると、痺れるような刺激に囚われて。
指を入れられるのとは違う感覚に、目眩がしそうです。
「ん……ぁ、ぁ……あ、だめ……」
「ああ、ここか」
違うの、違うんです。わたしは駄目だと告げているのに。
エルヴィンさまは、同じところばかりに刺激を与えてくるの。
「ぁ……ん、んん……っ」
「まだ達してはいけないよ。もっと気持ちよくしてあげるから」
わたしはシーツを握りしめ、エルヴィンさまの熱を感じるのに必死でした。
体内の重さと苦しさ、そしてじわじわと押し寄せて来る快感に気を取られて、すぐには気付かなかったのです。
「ひぁ……っ、エルヴィンさま、なにを」
「何も気にしなくていいから。溺れなさい」
「溺れるって……っあ、ぁ……ぁ、ん」
エルヴィンさまに穿たれながら、彼の指がわたしの花芯を撫でるんです。
目が眩むような愉悦。ああ、本当にこのまま溺れてしまいそう。
もう、何も考えられなくなります。
「エルヴィンさま……ぁ、わたし、もう」
「相変わらず早いね。レナーテは」
上体を屈め、エルヴィンさまがわたしの耳元に口をお寄せになります。
「いってもいいよ。だが安心しなさい、何度でもしてあげるから」
「……んん、ん……ぁ」
「ああ、もっと声を聞かせてくれないか? ほら、顔もちゃんと見せて」
ご無理を仰らないで。そう言いたいのに。わたしの口から発せられるのは、まともな言葉になっていませんでした。
「あ……ぁ、だめ、きちゃ……う、エルヴィン……さまぁ」
「綺麗だよ。レナーテ」
半開きになった唇は、閉じることすらできずにひたすら甘い喘ぎばかりを洩らしています。
快感の中に引きずり込まれ、わたしは悲鳴に似た声を上げて達しました。
なのに、エルヴィンさまは解放してくださらなくて。
「もぅ、わたし……今は、だめ」
「寝かせないと言ったよ。安心しなさい、無茶なことはさせないから」
達したばかりの体は敏感で、わたしはまたすぐに追い詰められたんです。
エルヴィンさまの熱い吐息、引き締まった肉体はしっとりと汗ばんで。
室内には二人の息遣いと、肌を打つ音ばかりが響いていました。
「く……っ、レナーテ……」
切なそうに眉根を寄せて、エルヴィンさまが体に力を入れます。
わたしは、自分がエルヴィンさまの精を受け止めるのを感じました。
エルヴィンさまが、わたしから体を離します。
わたしは思わず、彼の腕に手を伸ばしました。
「レナーテ」
「一人にしないで……」
エルヴィンさまは柔らかく目を細めると、わたしの頬にくちづけをなさいます。
「一人になどしないよ。俺が君を離すわけがないだろう?」
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