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四章
1、昔の兄さん
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「兄さんっ。兄さんっ」
玄関の戸をがたがたと鳴らしながら、切羽詰まった声が聞こえてきた。
夏の時季の夜明けは早い。周囲は明るいが時計を見ればまだ五時や。
ひとりしかおらへんのに、ふたつ並んだ布団。その一方には部屋に上がりこみ、蚊帳に潜りこんだ黒猫が丸くなって眠っとう。
「鈴之介か。どないしたんや」
両親ももう鬼籍に入っとうらしいし。今さら親戚に不幸があったという知らせでもあるまいに。
そもそもほんまもんの俺も、もうとっくに死んどうしな。
俺は寝間着姿のままで玄関の三和土へと下り、軋む戸を開いた。
清冽な空気と、乳白色の靄に包まれて鈴之介が立っていた。ぼんやりとした視界でも、はっきりと分かるくらいに顔が青い。
「深雪が、深雪の絵が盗まれました」
どう答えたのかは覚えていない。
俺はすぐに単衣に着替え、書棚から古い新聞を一部手に取った。
とことこと廊下を追ってくる黒猫が、上がり框で首を傾げて俺たちを見送った。
「早朝の散歩に出たんです。表具店の前を通りかかったら、戸が破られとたんです。店は大騒ぎで」
着物の裾をからげて、鈴之介は走る。俺が迷いなく進むその後を追いながら。
下駄が脱げそうになりながら、俺は坂を下った。
まだ汽車は走ってへん。海岸通りに俥も並んでへん。
「くそっ。遠いねん」
「兄さん。どこに、行きはるん、ですか」
息を切らしながら、鈴之介が尋ねてきた。
「心当たりがある。美術館や。官営やのうて私設のとこや」
「ああ」
それだけで鈴之介は納得した。
「あの子は、深雪は、人に見せるために描いたんやないんです。鏡朱鷺子先生のことを知る人が、もうおらんようになっても。あの子だけは、常に朱鷺子さんの側に置いてあげたかったんです」
俺の生前。鈴之介は少女小説など読んだこともなかった。
けれど俺の墓に朱鷺子さんがずっと参ってくれとったように、彼女の墓にも常に訪れてくれる人を描いてあげたかったんやろ。
世間知らずで自我が強ない女学生やと思とった。
けど、ちゃう。ひとりきりで、ずっと朱鷺子さんの墓前におってくれた。朱鷺子さんが大事に持っとったナイルの箱を探してくれた。
優しい子なんや。親切で温かくて、人を思いやれるお嬢さんなんや。
朱鷺子さんの大事な娘なんや。
「深雪は、必ず取り戻すからな」
「は、はい」
ぼうっとした表情で、鈴之介が見上げてくる。その瞳がしだいに光を宿した。
「昔の兄さんが戻ってきたみたいです」
「そうなんか?」
かつての銀之丈の記憶を頼りに、俺らは美術館にたどりついた。
早朝で人気がないからやろか。小さな建物やのに、まるで廃墟の神殿のように思えた。
「ここは地元の酒造会社が設立した美術館ですね」
「白鶴とか菊正宗とか剣菱とか?」
「そんな有名どころやないですよ。美術館の開館何周年か記念で、著名な画家の作品が展示されるらしいです」
「それ、鈴之介のことやろ」
「まさか」と、鈴之介は目を丸くした。
「そら、掛け軸の話はありましたよ。誰かが断った、その代理とかやないですか? そもそもぼくは依頼されて絵を描くんで。ぼくの絵をもっとう人も、あんまり美術館への貸し出しはせぇへんみたいですけど」
自分が、画伯という自覚は鈴之介には薄いみたいや。
まぁ、どっちにしても。秘蔵の深雪の絵を盗むような美術館や。ろくな奴らやない。
俺と鈴之介は、美術館の裏手にまわった。当然、裏門も鍵がかかっとう。
「しゃあないな。飛び越えるか」
「え?」
鉄の柵に手をかけて、俺は門扉の上に乗る。そしてひょいっと敷地内に飛び降りた。
「はよ来ぃや。鈴之介」
「いや、無理です。どう考えても、ぼくに飛び越えられるわけないでしょ」
「そうか? 六尺もあらへんで、この門。俺の身長とそないに変わらへん」
「そういうとこありますよね。兄さんは」
おとなしいはずの鈴之介が、門を握ってがちゃがちゃいわせる。
「こら、音を立てたらあかんやろ。警備員が来たらどないすんねん」
「ぼくはもう三十半ばなんですよ。おじさんなんです」
「……ええ年してごねるとか。ほんまにジブン、弟気質やな」
しゃあないな。南京錠は解錠できへんし。
「鈴之介。がんばって、門の上までよじ登るんや。そしたら俺が受けとめたるから」
いや、無理でしょ。と鈴之介は首を振った。
「安心しぃ。兄ちゃんを信じなさい。子どもの頃かて、木の枝から降りれんようになった鈴之介を受けとめたったやろ?」
俺の知らんはずの、神社の杜での光景がよみがえる。
夕暮れに蝙蝠が飛んどって。蟬でも捕まえようとしたんか、鈴之介は木に登っとった。
ああ、そうや。蟬とちゃう。ちょうちょの絵を描こうとしとったんや。
俺がその過去を知とうっということは。たぶん、朱鷺子さんに話して聞かせたったんやろな。
俺は、深雪同様に朱鷺子さんのペン先から生まれたんやから。
「もうっ、知りませんよ」
かろうじて門扉によじ登った鈴之介は、ぎゅっとまぶたを閉じた。そして、跳んだのだ。
っちゅうか、なんで目ぇ閉じんねん。
ドサッと重い音がする。俺は見事に鈴之介の下敷きになっとった。
「に、兄ちゃんっ」
うろたえた鈴之介は、俺のことを昔のように呼んだ。
「でかなったなぁ、それに重なったなぁ。鈴之介」
「怪我はないですか? 大丈夫ですか?」
「うん、ええから。はよどいて」
紗の単衣の裾を直しながら、鈴之介は立ちあがった。
敷地には入れたが。美術館の正面の入り口が開いている訳もない。ほな通用口はというと鍵がかけてある。当然やな。
「どうやって入りますか?」と、鈴之介が問う。
「窓を壊す」
「え? いや、それ犯罪でしょ」
「こっちは深雪の絵を盗まれてんねん。不法侵入とどっちが罪が重いと思う?」
俺は拾った石を力任せに窓にぶつけた。がしゃん、と硬い音がして呆気なく硝子は砕けた。
少し高い位置を狙って割ったので、ある程度大きさのある石を足場に背伸びをする。
俺は、植え込みの細い枝を折った。
繁った葉で、格子で区切られた窓の枠に残った硝子を落としていく。
鈴之介は固まっとう。
うん、ジブンええ子やったもんな。
「兄さん。ばれますよ」
「まぁ、ばれるよな」
ぽっかりと空いた空間に手を入れて、鍵をくるくるとまわす。外れた。
廊下を走る足音が聞こえてくる。
「ほら、人が来たやないですか」
「これだけの音がして、来ぉへん方がおかしいやろ」
「でも」
ほんまに鈴之介は気が弱いなぁ。
俺は持参しとった新聞を丸めて、廊下に投げ入れる。
朱鷺子さんが女学生の頃に買っとった、当時大人気やった小説が載っている。それも第一話や。
さすがに申し訳ない気もするが。あの世の俺に朱鷺子さんに謝ってもらっとこ。
「兄さんっ」
「隠れろ。鈴之介」
俺は年長の弟の頭を押さえつけて、植え込みの陰に隠れた。
「こんなんすぐに見つかりますよ」
「しーっ。黙っとき。大丈夫やから」
なおも動こうとする鈴之介の肩を抱いて、二人で息をひそめる。
茂みは、朝露で湿っていた。鈴之介の着物から、焚きしめた香の匂いがする。
バタバタと、走る音が近づいてくる。騒ぐ声も。
「おい、この新聞。見てみろよ」
「そんなのに構ってる暇なんかないです。もう賊が侵入してますよ」
声からすると、洋梨男と牛蒡男やろ。
洋梨男は割れた窓ガラスよりも、投げ入れた新聞に注意が向いているようだ。
俺は身をひそめながら、中の動向を窺った。
「魔風戀風の第一話だ。これは貴重だぞ。明治のこんな古い新聞は、もう手に入らないんだ。挿画も素晴らしいじゃないか」
あ、釣れた。
それが俺の正直な感想やった。
「賊は社長に報告すればいい。俺らの仕事は警固じゃないんだ」と、以前うちに来た洋梨の声。
なるほど「社長」に報告ということは、あの洋梨は館長あたりか。
洋梨男と牛蒡男の足音が遠くなる。俺と鈴之介は茂みから立ちあがった。
玄関の戸をがたがたと鳴らしながら、切羽詰まった声が聞こえてきた。
夏の時季の夜明けは早い。周囲は明るいが時計を見ればまだ五時や。
ひとりしかおらへんのに、ふたつ並んだ布団。その一方には部屋に上がりこみ、蚊帳に潜りこんだ黒猫が丸くなって眠っとう。
「鈴之介か。どないしたんや」
両親ももう鬼籍に入っとうらしいし。今さら親戚に不幸があったという知らせでもあるまいに。
そもそもほんまもんの俺も、もうとっくに死んどうしな。
俺は寝間着姿のままで玄関の三和土へと下り、軋む戸を開いた。
清冽な空気と、乳白色の靄に包まれて鈴之介が立っていた。ぼんやりとした視界でも、はっきりと分かるくらいに顔が青い。
「深雪が、深雪の絵が盗まれました」
どう答えたのかは覚えていない。
俺はすぐに単衣に着替え、書棚から古い新聞を一部手に取った。
とことこと廊下を追ってくる黒猫が、上がり框で首を傾げて俺たちを見送った。
「早朝の散歩に出たんです。表具店の前を通りかかったら、戸が破られとたんです。店は大騒ぎで」
着物の裾をからげて、鈴之介は走る。俺が迷いなく進むその後を追いながら。
下駄が脱げそうになりながら、俺は坂を下った。
まだ汽車は走ってへん。海岸通りに俥も並んでへん。
「くそっ。遠いねん」
「兄さん。どこに、行きはるん、ですか」
息を切らしながら、鈴之介が尋ねてきた。
「心当たりがある。美術館や。官営やのうて私設のとこや」
「ああ」
それだけで鈴之介は納得した。
「あの子は、深雪は、人に見せるために描いたんやないんです。鏡朱鷺子先生のことを知る人が、もうおらんようになっても。あの子だけは、常に朱鷺子さんの側に置いてあげたかったんです」
俺の生前。鈴之介は少女小説など読んだこともなかった。
けれど俺の墓に朱鷺子さんがずっと参ってくれとったように、彼女の墓にも常に訪れてくれる人を描いてあげたかったんやろ。
世間知らずで自我が強ない女学生やと思とった。
けど、ちゃう。ひとりきりで、ずっと朱鷺子さんの墓前におってくれた。朱鷺子さんが大事に持っとったナイルの箱を探してくれた。
優しい子なんや。親切で温かくて、人を思いやれるお嬢さんなんや。
朱鷺子さんの大事な娘なんや。
「深雪は、必ず取り戻すからな」
「は、はい」
ぼうっとした表情で、鈴之介が見上げてくる。その瞳がしだいに光を宿した。
「昔の兄さんが戻ってきたみたいです」
「そうなんか?」
かつての銀之丈の記憶を頼りに、俺らは美術館にたどりついた。
早朝で人気がないからやろか。小さな建物やのに、まるで廃墟の神殿のように思えた。
「ここは地元の酒造会社が設立した美術館ですね」
「白鶴とか菊正宗とか剣菱とか?」
「そんな有名どころやないですよ。美術館の開館何周年か記念で、著名な画家の作品が展示されるらしいです」
「それ、鈴之介のことやろ」
「まさか」と、鈴之介は目を丸くした。
「そら、掛け軸の話はありましたよ。誰かが断った、その代理とかやないですか? そもそもぼくは依頼されて絵を描くんで。ぼくの絵をもっとう人も、あんまり美術館への貸し出しはせぇへんみたいですけど」
自分が、画伯という自覚は鈴之介には薄いみたいや。
まぁ、どっちにしても。秘蔵の深雪の絵を盗むような美術館や。ろくな奴らやない。
俺と鈴之介は、美術館の裏手にまわった。当然、裏門も鍵がかかっとう。
「しゃあないな。飛び越えるか」
「え?」
鉄の柵に手をかけて、俺は門扉の上に乗る。そしてひょいっと敷地内に飛び降りた。
「はよ来ぃや。鈴之介」
「いや、無理です。どう考えても、ぼくに飛び越えられるわけないでしょ」
「そうか? 六尺もあらへんで、この門。俺の身長とそないに変わらへん」
「そういうとこありますよね。兄さんは」
おとなしいはずの鈴之介が、門を握ってがちゃがちゃいわせる。
「こら、音を立てたらあかんやろ。警備員が来たらどないすんねん」
「ぼくはもう三十半ばなんですよ。おじさんなんです」
「……ええ年してごねるとか。ほんまにジブン、弟気質やな」
しゃあないな。南京錠は解錠できへんし。
「鈴之介。がんばって、門の上までよじ登るんや。そしたら俺が受けとめたるから」
いや、無理でしょ。と鈴之介は首を振った。
「安心しぃ。兄ちゃんを信じなさい。子どもの頃かて、木の枝から降りれんようになった鈴之介を受けとめたったやろ?」
俺の知らんはずの、神社の杜での光景がよみがえる。
夕暮れに蝙蝠が飛んどって。蟬でも捕まえようとしたんか、鈴之介は木に登っとった。
ああ、そうや。蟬とちゃう。ちょうちょの絵を描こうとしとったんや。
俺がその過去を知とうっということは。たぶん、朱鷺子さんに話して聞かせたったんやろな。
俺は、深雪同様に朱鷺子さんのペン先から生まれたんやから。
「もうっ、知りませんよ」
かろうじて門扉によじ登った鈴之介は、ぎゅっとまぶたを閉じた。そして、跳んだのだ。
っちゅうか、なんで目ぇ閉じんねん。
ドサッと重い音がする。俺は見事に鈴之介の下敷きになっとった。
「に、兄ちゃんっ」
うろたえた鈴之介は、俺のことを昔のように呼んだ。
「でかなったなぁ、それに重なったなぁ。鈴之介」
「怪我はないですか? 大丈夫ですか?」
「うん、ええから。はよどいて」
紗の単衣の裾を直しながら、鈴之介は立ちあがった。
敷地には入れたが。美術館の正面の入り口が開いている訳もない。ほな通用口はというと鍵がかけてある。当然やな。
「どうやって入りますか?」と、鈴之介が問う。
「窓を壊す」
「え? いや、それ犯罪でしょ」
「こっちは深雪の絵を盗まれてんねん。不法侵入とどっちが罪が重いと思う?」
俺は拾った石を力任せに窓にぶつけた。がしゃん、と硬い音がして呆気なく硝子は砕けた。
少し高い位置を狙って割ったので、ある程度大きさのある石を足場に背伸びをする。
俺は、植え込みの細い枝を折った。
繁った葉で、格子で区切られた窓の枠に残った硝子を落としていく。
鈴之介は固まっとう。
うん、ジブンええ子やったもんな。
「兄さん。ばれますよ」
「まぁ、ばれるよな」
ぽっかりと空いた空間に手を入れて、鍵をくるくるとまわす。外れた。
廊下を走る足音が聞こえてくる。
「ほら、人が来たやないですか」
「これだけの音がして、来ぉへん方がおかしいやろ」
「でも」
ほんまに鈴之介は気が弱いなぁ。
俺は持参しとった新聞を丸めて、廊下に投げ入れる。
朱鷺子さんが女学生の頃に買っとった、当時大人気やった小説が載っている。それも第一話や。
さすがに申し訳ない気もするが。あの世の俺に朱鷺子さんに謝ってもらっとこ。
「兄さんっ」
「隠れろ。鈴之介」
俺は年長の弟の頭を押さえつけて、植え込みの陰に隠れた。
「こんなんすぐに見つかりますよ」
「しーっ。黙っとき。大丈夫やから」
なおも動こうとする鈴之介の肩を抱いて、二人で息をひそめる。
茂みは、朝露で湿っていた。鈴之介の着物から、焚きしめた香の匂いがする。
バタバタと、走る音が近づいてくる。騒ぐ声も。
「おい、この新聞。見てみろよ」
「そんなのに構ってる暇なんかないです。もう賊が侵入してますよ」
声からすると、洋梨男と牛蒡男やろ。
洋梨男は割れた窓ガラスよりも、投げ入れた新聞に注意が向いているようだ。
俺は身をひそめながら、中の動向を窺った。
「魔風戀風の第一話だ。これは貴重だぞ。明治のこんな古い新聞は、もう手に入らないんだ。挿画も素晴らしいじゃないか」
あ、釣れた。
それが俺の正直な感想やった。
「賊は社長に報告すればいい。俺らの仕事は警固じゃないんだ」と、以前うちに来た洋梨の声。
なるほど「社長」に報告ということは、あの洋梨は館長あたりか。
洋梨男と牛蒡男の足音が遠くなる。俺と鈴之介は茂みから立ちあがった。
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