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三章
9、影がない
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鈴之介と別れて朱鷺子さんの家に戻ると、普段よりも広く感じられた。いつもは低いと思とった天井が高い。畳の一畳一畳が大きくなったんやないかと錯覚するほどや。
がらんとした和室、畳の上には濡れてふやけたナイルの箱が残されている。
かつての銀之丈が喫い、肺病を機にやめた煙草を、朱鷺子さんがいつまでも大事に保管しとったヤツや。
――銀之丈さんが元気になるまで、お預かりさせていただきますね。
いつか煙草を喫っても平気なくらいに、俺が元気になると朱鷺子さんは信じてくれとった。そう願ってくれとった。
朱鷺子さんの優しさの塊が、ナイルや。
俺がずっと朱鷺子さんに執着しとったばっかりに。深雪に無茶をさせてしもた。
掛け軸の修復が終わったら、鈴之介はこちらに届けると言ってくれたが。表具屋に俺も赴くことにした。
一日でも一時間でも早く深雪に会いたい……んやろな。
俺らは仲間や。同志や。
もうおらへん朱鷺子さんのことばかり話題にすることで、まるで家族のようにつながってる。
「お前は帰ってきぃ。深雪」
お前までおらんようになったら。俺はどないしたらええんや。
ふと鈴之介の言葉を思い出し、俺は「グレイト・メイサムホール」を探すべく書棚の前に立った。
時を経た紙の匂いがする。洋書の翻訳を何冊か選んでぱららとめくる。
鈴之介は誰も立ち入ることのない庭、と言うとった。
「これか」
俺の目は『ザ・シークレットガーデン』の文字をとらえてた。
児童向けの小説に軽く目を通す。俺は野放図に伸びた草と朱欒の木、そして茂った木々の葉が緑陰をつくる庭を眺めた。
「たしかにな、管理すらせぇへん秘密の庭や」
しかも屋敷の奥には、外に出ることのない少年コリンが寝台に伏せて暮らしとう。
「俺もある意味、屋敷に閉じこもっとう少年か」
力強い主人公の少女メアリーが、深雪なんかもしれへんな。
かつて朱鷺子さんの少女小説は、こうした海外の物語に追いやられて居場所を失った。
せやのに、朱鷺子さんも読まずにはおられへんかったんやな。
◇◇◇
何かしら、眩しいわ。目が痛いほどよ。
わたしはきゅっと瞼を閉じて、それでも射してくる強烈な光に両手で顔を覆いました。
「状態がよくないですね」
「そりゃあ、そうさ。表装師と静海画伯が修復をする予定なのだからな」
「持ってくるのは尚早だったんじゃないですかね」
「今しかなかったんだよ。ようやく現れた幻の絵なんだぞ」
耳障りなざわざわした声が、上から降ってきます。
どういうこと? わたしは朱鷺子先生のお家にいたはずよ。銀之丈さんの大事な煙草の箱を拾って、渡してあげようとしたの。
「しかし、俺らが手を入れるわけにもいかんしなぁ」
この声、覚えているわ。朱鷺子先生のお家に土足で侵入した盗人だわ。
お塩を撒いてやったのに。また来たというの? なんてしつこいの。
「逃げなくちゃ」
でもどこへ?
わたしは思い出しました。自分が人ではなく、絹布に描かれて、掛け軸に表装された絵であったことを。
「そうだったわ。わたしは化け物かあやかしなんだわ」
見おろせば、自分の足の先がありません。ぼんやりと霞がかかったみたいで、見えないの。
このまま消えてしまったらどうなるの?
「先生っ。朱鷺子先生。深雪を助けて」
わたしは黒いヴェールをかぶったまま、朱鷺子先生のお墓にすがりつきました。
「朱鷺子先生っ」
分かっているの。お墓があるということは、朱鷺子先生はもういらっしゃらないということは。
すべすべした冷たい石の感触。先生の洗礼名の彫られた部分に指を添えて、必死に名前を呼び続けます。
けれど、ここには音がないの。
蔵に閉じ込めれらていた時ほどには暗くもないのに、匂いも風も感じません。
ひざまずいている下には、草が広がっているのに。虫の声もしなければ、草の匂いもない。供えられた白百合の香りもしない。
ただずっとずっと先生のお墓を見つめ続けなければならないなんて。
「そうだわ。だからわたしはここから逃げたのよ」
かつてわたしは、先生のお墓を見守り続けることに耐えられなかったの。
だから、檸檬のジェリィのような光に手を伸ばして。ずっとずっと、ぐいっと伸ばして。
誰かが背中を押してくれたように、体が前に傾いて。
透明な膜を、わたしの体が破いたんです。そして黄水晶の月光のなかに、わたしは落ちました。
匂いも音もない世界から、じめじめとした黴と埃くさい床に転がったんです。
強烈なにおいでした。
「うぇ、おぇ……おえぇっ、おぉ」
吐くものなど、ないはずなのに。わたしは激しくえずきました。
空気がじっとりと重いんです。においがきついんです。壁に妙な虫がとまっているんです。
気分が悪くて、気持ちが悪くて。なのに、もうあの墓地には戻りたくない。
「ごめ……なさい、先生。深雪はもう、お参りはできません」
――いいのよ、深雪さん。わたしはもう充分に祈ってもらったわ。
耳をかすめたのは、朱鷺子先生の声だったのかしら。それとも夜風の音?
でもわたしは確かに見たんです。
雲母の煌めく粒をまとったたおやかな手を。
桜貝の爪に白魚の指。わたしの背を押してくれたのは、指先がインクの青に染まった手でした。
――あの人は素直ではないところがあるから、難しいけれど。仲良くね。
「先生。朱鷺子先生」
答える声はありません。
でも先生は、わたしに外で生きるようにと、いつまでも祈り続けなくて良いのだと示してくださったんです。
あの時のように、もう一度外に出られたなら。
「こんな状態の悪いのを展示していいんですか」
「ないよりましだろ。なんせ静海画伯の絵など、そうそう出まわらんからな。過去の絵も、すぐに好事家が買っちまう。しかしまぁ、画伯もなんで現実の女性じゃなくて鏡女史の小説の主人公なんかを題材にしたんだか」
小説の主人公? それはわたしのこと?
鈍いわたしでも理解できました。
「ああ、だからねえやもばあやも、両親ですら思い出が薄いんだわ。学友のことは覚えているのに」
だって朱鷺子先生は、そこまで詳しくはお書きにならなかったもの。
銀之丈さんの指摘通りだわ。「君は与えられた役割からは逸脱せぇへんのやな」って。
わたしはほわほわとした、ぬるい性格で。詩集を読むのは大好きで、お勉強はとっても苦手で。
朱鷺子先生が設定した性格のままにふるまい、朱鷺子先生が考えたわたしの暮らしをなぞるだけ。
あの家で、先生と一緒に暮らしていたとき。銀之丈さんがまだいない、わたしと先生ふたりきりの頃のことです。
濡れ縁に立つ朱鷺子先生の足もとには、夏の濃い影が落ちていました。
わたしも先生の隣に立ったのですが。影がないんです。
どういう理屈なのか、当時は分からなかったけれど。今なら分かります。
夏のある日。先生はお庭で摘んだ細い、それは細い茎のお花を一本手にしておりました。
粒のような赤いがまとわりついた、糸のような茎です。
ほんのわずかな風に、茎はふるえました。
――水引の花は細すぎて、ほとんど影もできませんね。ちゃんと存在しているのに。
その時、わたしは先生になんと答えたかしら。
がらんとした和室、畳の上には濡れてふやけたナイルの箱が残されている。
かつての銀之丈が喫い、肺病を機にやめた煙草を、朱鷺子さんがいつまでも大事に保管しとったヤツや。
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いつか煙草を喫っても平気なくらいに、俺が元気になると朱鷺子さんは信じてくれとった。そう願ってくれとった。
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俺がずっと朱鷺子さんに執着しとったばっかりに。深雪に無茶をさせてしもた。
掛け軸の修復が終わったら、鈴之介はこちらに届けると言ってくれたが。表具屋に俺も赴くことにした。
一日でも一時間でも早く深雪に会いたい……んやろな。
俺らは仲間や。同志や。
もうおらへん朱鷺子さんのことばかり話題にすることで、まるで家族のようにつながってる。
「お前は帰ってきぃ。深雪」
お前までおらんようになったら。俺はどないしたらええんや。
ふと鈴之介の言葉を思い出し、俺は「グレイト・メイサムホール」を探すべく書棚の前に立った。
時を経た紙の匂いがする。洋書の翻訳を何冊か選んでぱららとめくる。
鈴之介は誰も立ち入ることのない庭、と言うとった。
「これか」
俺の目は『ザ・シークレットガーデン』の文字をとらえてた。
児童向けの小説に軽く目を通す。俺は野放図に伸びた草と朱欒の木、そして茂った木々の葉が緑陰をつくる庭を眺めた。
「たしかにな、管理すらせぇへん秘密の庭や」
しかも屋敷の奥には、外に出ることのない少年コリンが寝台に伏せて暮らしとう。
「俺もある意味、屋敷に閉じこもっとう少年か」
力強い主人公の少女メアリーが、深雪なんかもしれへんな。
かつて朱鷺子さんの少女小説は、こうした海外の物語に追いやられて居場所を失った。
せやのに、朱鷺子さんも読まずにはおられへんかったんやな。
◇◇◇
何かしら、眩しいわ。目が痛いほどよ。
わたしはきゅっと瞼を閉じて、それでも射してくる強烈な光に両手で顔を覆いました。
「状態がよくないですね」
「そりゃあ、そうさ。表装師と静海画伯が修復をする予定なのだからな」
「持ってくるのは尚早だったんじゃないですかね」
「今しかなかったんだよ。ようやく現れた幻の絵なんだぞ」
耳障りなざわざわした声が、上から降ってきます。
どういうこと? わたしは朱鷺子先生のお家にいたはずよ。銀之丈さんの大事な煙草の箱を拾って、渡してあげようとしたの。
「しかし、俺らが手を入れるわけにもいかんしなぁ」
この声、覚えているわ。朱鷺子先生のお家に土足で侵入した盗人だわ。
お塩を撒いてやったのに。また来たというの? なんてしつこいの。
「逃げなくちゃ」
でもどこへ?
わたしは思い出しました。自分が人ではなく、絹布に描かれて、掛け軸に表装された絵であったことを。
「そうだったわ。わたしは化け物かあやかしなんだわ」
見おろせば、自分の足の先がありません。ぼんやりと霞がかかったみたいで、見えないの。
このまま消えてしまったらどうなるの?
「先生っ。朱鷺子先生。深雪を助けて」
わたしは黒いヴェールをかぶったまま、朱鷺子先生のお墓にすがりつきました。
「朱鷺子先生っ」
分かっているの。お墓があるということは、朱鷺子先生はもういらっしゃらないということは。
すべすべした冷たい石の感触。先生の洗礼名の彫られた部分に指を添えて、必死に名前を呼び続けます。
けれど、ここには音がないの。
蔵に閉じ込めれらていた時ほどには暗くもないのに、匂いも風も感じません。
ひざまずいている下には、草が広がっているのに。虫の声もしなければ、草の匂いもない。供えられた白百合の香りもしない。
ただずっとずっと先生のお墓を見つめ続けなければならないなんて。
「そうだわ。だからわたしはここから逃げたのよ」
かつてわたしは、先生のお墓を見守り続けることに耐えられなかったの。
だから、檸檬のジェリィのような光に手を伸ばして。ずっとずっと、ぐいっと伸ばして。
誰かが背中を押してくれたように、体が前に傾いて。
透明な膜を、わたしの体が破いたんです。そして黄水晶の月光のなかに、わたしは落ちました。
匂いも音もない世界から、じめじめとした黴と埃くさい床に転がったんです。
強烈なにおいでした。
「うぇ、おぇ……おえぇっ、おぉ」
吐くものなど、ないはずなのに。わたしは激しくえずきました。
空気がじっとりと重いんです。においがきついんです。壁に妙な虫がとまっているんです。
気分が悪くて、気持ちが悪くて。なのに、もうあの墓地には戻りたくない。
「ごめ……なさい、先生。深雪はもう、お参りはできません」
――いいのよ、深雪さん。わたしはもう充分に祈ってもらったわ。
耳をかすめたのは、朱鷺子先生の声だったのかしら。それとも夜風の音?
でもわたしは確かに見たんです。
雲母の煌めく粒をまとったたおやかな手を。
桜貝の爪に白魚の指。わたしの背を押してくれたのは、指先がインクの青に染まった手でした。
――あの人は素直ではないところがあるから、難しいけれど。仲良くね。
「先生。朱鷺子先生」
答える声はありません。
でも先生は、わたしに外で生きるようにと、いつまでも祈り続けなくて良いのだと示してくださったんです。
あの時のように、もう一度外に出られたなら。
「こんな状態の悪いのを展示していいんですか」
「ないよりましだろ。なんせ静海画伯の絵など、そうそう出まわらんからな。過去の絵も、すぐに好事家が買っちまう。しかしまぁ、画伯もなんで現実の女性じゃなくて鏡女史の小説の主人公なんかを題材にしたんだか」
小説の主人公? それはわたしのこと?
鈍いわたしでも理解できました。
「ああ、だからねえやもばあやも、両親ですら思い出が薄いんだわ。学友のことは覚えているのに」
だって朱鷺子先生は、そこまで詳しくはお書きにならなかったもの。
銀之丈さんの指摘通りだわ。「君は与えられた役割からは逸脱せぇへんのやな」って。
わたしはほわほわとした、ぬるい性格で。詩集を読むのは大好きで、お勉強はとっても苦手で。
朱鷺子先生が設定した性格のままにふるまい、朱鷺子先生が考えたわたしの暮らしをなぞるだけ。
あの家で、先生と一緒に暮らしていたとき。銀之丈さんがまだいない、わたしと先生ふたりきりの頃のことです。
濡れ縁に立つ朱鷺子先生の足もとには、夏の濃い影が落ちていました。
わたしも先生の隣に立ったのですが。影がないんです。
どういう理屈なのか、当時は分からなかったけれど。今なら分かります。
夏のある日。先生はお庭で摘んだ細い、それは細い茎のお花を一本手にしておりました。
粒のような赤いがまとわりついた、糸のような茎です。
ほんのわずかな風に、茎はふるえました。
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