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心の持ちよう

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サラに引き摺られて神殿まで来たセブンは、
神殿奥の御座ではなく、横に隣接している建物に
連れて行かれた。

その建物の門をくぐった途端、
何かに引っ張られる感覚があり、
目の前には天井がとても高く、
柔らかな風に乗る甘い香りがする空間があった。

その空間の奥にテーブルがあり、
双子のように見えるシヴァ神とパイロ、
装備類がお揃いのブリュンヒルドとカーラが
神官のレンと共にティータイムを
楽しんでいる姿があった。


 「あ、サラさん・・・
  えっと、そちらの男の方はどちらの方かしら?」

 「ん?一般兵のアーミースーツなのです。
  どこでスカウトしたのです?」

 「おおっ!イケメンゲットっしょ!
  いいなー。」

 「・・・ふむ、
  その神気、そなたセブンじゃな。」

シヴァは第3の目の力でセブンと看破したようだ。
  
 「「「ええっーー!!」」」

一様に驚く女子群にサラが説明を始めた。

 「じゃあ、セブンってあたいと一緒で性別できたんだ?」

 「ん?そこ気になるのか?一応ついてたよ。」

 「ついてたゆうな!エロいっしょ、それ。
  中身おっさんの残念イケメン・・もったいない。」

 「いや、イケメンじゃないと思うんだけど。」

セブンはこの街を離れようかと思っていることを
話し始めた。


 「何を言い出すかと思えば、そんなことか。
  良いか、セブンよ。
  そんなものは戦士であれば当たり前のことだ。
  覚悟が足りんのだ、覚悟が。

  どんな戦局も先制攻撃をする側が有利なのは必然じゃ。
  防衛が後手に回り、痛手を受けるのも当然じゃ。
  その被害を少なくするために日々鍛錬をするのじゃ。

  戦争となれば個人と個人の喧嘩ではないのだ。
  組織と組織のぶつかり合いじゃ。
  その組織の中の一人の戦士が
  敵の組織の一人の戦士を倒した。

  一対一の戦闘であったとしても、
  それは大きな局面から見れば、
  組織対組織の戦闘の一部なのじゃ。

  相手がどうあれ、気にすることなどない、
  やらねばやられる、命の取り合いは
  戦争の勝敗を左右する流れの一部じゃ。

  まずは鍛錬じゃ、そのひ弱な思考が吹き飛ぶくらいの
  鍛錬を積み上げよ。
  強き体に強き心を宿すのじゃ。」


 「うむ、私もヒルドと同意見ぞえ。
  重ねて言うとな、神気を纏っておるのじゃ、
  セブンはすでに人という種族にあらざるものじゃ。

  心の持ちよう次第で何事も受け止め方が変わるのじゃ。
  
  考えたことがあるかや?
  なにゆえ、蘇生の魔法が使えるのかと。

  死は命の重さと尊さに気付かせる現象じゃと
  私は思うておる。

  それにな、セブンが殺してきた数など、
  私から見れば微々たるものじゃ。

  門番をしておるフェンリルなど、
  主神は食い殺すわ、世界樹は焼き滅ぼすわと
  散々なことをしでかしておるのじゃ。

  そなたのした事など小さなものじゃ。
  ヒルドの言う通り、修行してみたらどうじゃ?」

どうやら、どうあっても力技で乗り越えさせようとする
二人であるが、この新型ボディになれることもで切るので、
早速ヒルドに鍛錬されてしまうのであった。




 「やあ、いらっしゃいだね、セブン。
  さぁ、そこで瞑想すると良いよ。」

出迎えられた世界樹の精霊にそう言われ、
セブンは世界樹のもとで瞑想を始めるのであった。
  
足を組んで座ったセブンの周りを
たくさんの精霊が取り囲み、
その淡い光で包み込んでいるようであった。



 「サラさん、あのセブンってさ。
  サラさんだけでなくて、
  あたいも見てくれるかな?
  どう思う?
  やっぱ、魅力足りてないかな?」


 「えっ?そんなこと私に聞かれても困るのだわ。
  パイロは十分魅力的だと思うわ。」

 「うむ、それはあやつには難しいことじゃろうな。
  戦闘訓練を始めるとすぐに気持ちを切り替えて、
  集中して戦えるようになるのはいいのじゃが、
  普通の生活というものには、
  なじめておらぬようじゃな。

  色恋にも疎そうな感じじゃな。
  今も精神修行がしたいと世界樹のもとへ行くほどじゃ。
  戻ってきたら、無の心を持つ戦士に
  なってしまっておるやもしれぬな。」

 「それは困る。
  よし、じゃあ、あたい
  もっと露出の激しい服に変えてみるよ。」

 「それは逆効果だと思うのです。
  ここは可愛さの中に
  色気が混じる女になるべきなのです。」

 「あら、カーラ、
  私には可愛さがないと言いたいのかしら。」

 「その笑顔は怖いので許してほしいのです。」

 「可愛さかぁ。無理っしょ、あたいには。」

 「そんなことはありませんよ、パイロ様。
  ここはいつもパンツルックから
  ロングスカートに替えて見られては如何でしょう?」

 「カイ、ありがと。それいいかも。
  うん、ちょっとイメチェンしてみるよ。
  
  ・・・ってことで、サラさん、
  ごめんね。あたいもセブンに見て欲しいから
  ちょっと頑張らせてもらうっしょ。」

 「わ、私は別に、そんな。。」

 「えっ?じゃあ、あたいがセブン独占していいの?」

 「ダメよ!
  ・・・あ、いえ、そういうのじゃないわ。

  ううん、ダメなのは私ね。
  あのセブンの姿を見て、戸惑うばかりなのだわ。

  私こそ精神修行が必要だと思うのだわ。」

 「じゃあさ、あたいも行くから、一緒に世界樹のもとへ
  追っかけて行こうよ、サラさん。

  素直になろうよ、抑えているのってキツイっしょ。
  好きなものは好きでいいじゃん。

  シヴァ様にも言われてたけど、
  好きなら実の姉弟でも関係なかろうってさ。」

 「うーん、そこはどうなのかしら。
  でも、世界樹のもとへ行くのは賛成するのだわ。
  その方が気持ちがスッキリしそうだわ。」

そんな話をするサラたちの横で
黙々とおやつを頬張るクロは
先ほどのスクルドからの話をするのは
彼女達が世界樹から戻ってきてからにしようと
思うのであった。
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