真実の愛なんてクソ喰らえ

第二章

愛と復讐④＋

「俺もルビーと話せて楽しかった。楽しい時間をありがとう…」

「…うん、」





今にも心臓は破裂しそうなくらいに鳴っていて、爆発しそうな思いを必死に抑えながら、左手でルビーの頭を抱き寄せる。

本当は両手で抱き締めてやりたいが、右手の骨が完治するまでは難しく、もどかしい気持ちになる。

ルビーから抱擁をしてくる事は寝惚けている時以外あまり無いが…。以前と全く違うのは、俺のシャツをキュッと握り、身体を預けている所だ。

少しでもルビーに俺の気持ちが届いているのなら、嬉しいんだがな…。






「困った、離れられないな…。」

「…、」





困った事にルビーの変化が嬉しすぎて、俺はその場から離れられなくなってしまった。

心のどこかで甘えたがっているこの子を置いて行けない。

また、考え込むような顔をして…。

ルビーは何を考えているのだろう？






「…まだここにいるから、安心していい」

「…ん、」







少し震えている背中を撫でると、ルビーがひとつ返事をする。