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第二章
狼の寵愛②
しおりを挟む「へぇ…生きてるんだ…」
「ああ。」
「じゃあ…」
その時、小さな声でルビーが何かを呟いた気がした。
だが、それは聞き取る事が出来ず、首を傾げて顔を覗き込んでも「ううん」と首を横に振ってはぐらかされた。
何を、呟いたーー?
今後に関する事なら知らなければならない気がして、顔を背けてクスクスと笑うルビーを見る。
「何かいい事を考えたのか?」
「……別に」
「教えてはくれないのか、」
「教えたら面白くないから…」
たまに、彼女の心の全てを覗ける力があれば良いのにと、思う時がある。
ベッドの上で頬杖をついて窓の外に視線を移したルビーをただ見つめる事しか出来ず、もどかしく感じる。
頬を指先でぷに、とつついても反応はなく。
しつこく繰り返せば、ガブッと噛み付かれた。
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