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第一章
復讐及び脱出への策略⑫
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私が暴れては彼に受け止められ、拒絶しては優しく頭を撫でられを繰り返して数時間が経った頃。
好きな食べ物を答えない内に良い匂いのする料理が沢山室内に運ばれてきたのだった。
「…ルビー、この中で気になるものはあるか?」
「…」
お互いに疲れ切った表情をしながらも並べられた料理を見ながら同じ椅子に一緒に座る。
もちろん問い掛けには答えず、彼の膝の上に座らされた私は首を横に振った。
そろそろ痺れを切らして諦めて欲しいのだけれど、なかなかそういう素振りを見せない彼に私の方が折れてしまいそうだった。
チラリ、と料理に視線を移すと凄く美味しそうなエビチリがあった。
あれ、しばらく食べてないな…。
家族と中華料理を食べに行ったっきり、匂いすら嗅いでいない。
「ルビー?」
あの館では絶対に出なかった中華料理に、ゴクリと喉が鳴る。
あそこではいつも洋食だったし、たまにはこういう甘辛い味のものを食べたいな。
なんて思い浮かべていると、後ろで何かが動く気配がして、ハッと正気に戻る。
「…この料理が好きなら、そう言えばいいのに」
「…、」
「ほら、あーん。」
「…」
気が付けば彼がそのエビチリをスプーンで掬い、私の口元に持って来ていたのだった。
そんなにエビチリを見つめていたのだろうか。ピンポイントでそれを持ってきた彼に驚きを隠せず、ポカーンと口を開けたままにしてしまう。
それが、いけなかったのだろう。
「…んっむぅ、」
「可愛い子だ。しっかり口を開けて…ほら、お食べ」
次の瞬間にはもう口の中に甘くピリッと辛い味付けがされた一匹のエビが居た。
幼い頃から染み付いていた教育により、口に入れられたものを出す事は出来ず、唖然としたままゆっくりと咀嚼を繰り返し、舌先でその味を堪能する。
味は絶品だけれど、不意打ちとはいえ彼を受け入れたようにも見られる行動をしてしまった事に後悔の念を抱いた。
美味しいけど、なんかやだ…。
「…っ、んぅ、」
「お食べ…。このままだとお前の体力が持たない。」
ゴクリと飲み込んだ瞬間、それを逃すまいと彼はもう一匹エビを運んできた。
好きな食べ物を答えない内に良い匂いのする料理が沢山室内に運ばれてきたのだった。
「…ルビー、この中で気になるものはあるか?」
「…」
お互いに疲れ切った表情をしながらも並べられた料理を見ながら同じ椅子に一緒に座る。
もちろん問い掛けには答えず、彼の膝の上に座らされた私は首を横に振った。
そろそろ痺れを切らして諦めて欲しいのだけれど、なかなかそういう素振りを見せない彼に私の方が折れてしまいそうだった。
チラリ、と料理に視線を移すと凄く美味しそうなエビチリがあった。
あれ、しばらく食べてないな…。
家族と中華料理を食べに行ったっきり、匂いすら嗅いでいない。
「ルビー?」
あの館では絶対に出なかった中華料理に、ゴクリと喉が鳴る。
あそこではいつも洋食だったし、たまにはこういう甘辛い味のものを食べたいな。
なんて思い浮かべていると、後ろで何かが動く気配がして、ハッと正気に戻る。
「…この料理が好きなら、そう言えばいいのに」
「…、」
「ほら、あーん。」
「…」
気が付けば彼がそのエビチリをスプーンで掬い、私の口元に持って来ていたのだった。
そんなにエビチリを見つめていたのだろうか。ピンポイントでそれを持ってきた彼に驚きを隠せず、ポカーンと口を開けたままにしてしまう。
それが、いけなかったのだろう。
「…んっむぅ、」
「可愛い子だ。しっかり口を開けて…ほら、お食べ」
次の瞬間にはもう口の中に甘くピリッと辛い味付けがされた一匹のエビが居た。
幼い頃から染み付いていた教育により、口に入れられたものを出す事は出来ず、唖然としたままゆっくりと咀嚼を繰り返し、舌先でその味を堪能する。
味は絶品だけれど、不意打ちとはいえ彼を受け入れたようにも見られる行動をしてしまった事に後悔の念を抱いた。
美味しいけど、なんかやだ…。
「…っ、んぅ、」
「お食べ…。このままだとお前の体力が持たない。」
ゴクリと飲み込んだ瞬間、それを逃すまいと彼はもう一匹エビを運んできた。
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